今年2回目の研究クラスの報告です(^_^)
研究クラスでは、当番さんが事前に一話を選んでその話についてレポートを作成します。
勉強会当日はそのおはなしを語って、レポートの説明をして、語りの講評という流れになります。
今回は、語りではなくて研究クラスでずっと読みあわせている〝呪的逃走モティーフ〟について、勉強しようということになった最初のころに、「三枚のお札」でレポートを作成されたかたの呪的逃走モティーフを追いかけた続編でした。
タイトルは、「ぎょうせいの『世界の民話』における呪的逃走の考察」です。
調べ方を説明します。
まず、『日本昔話通観第28巻昔話タイプ・インデックス』(同朋舎)をみます。
すると「三枚のお札」は、IT347とあります。
(ITとは、共同編集者の稲田浩二先生のIで、稲田タイプということです。)
そして、同一タイプとしてAT313H、参照タイプとしてAT313D、AT314、AT334があげられています。
ATというのは、研究者のアールネさんのAと、トムソンさんのTです。
AT番号を調べるために、『世界の民話25解説編』(ぎょうせい)をみます。
索引Ⅰアールネ=トムソン「昔話の型」による索引の11ページに
AT313、A,B,C 主人公の逃走を助ける少女
AT314 馬に変身させられた若者
そして14ページには、AT334 魔女の家事
と、載っています。
それぞれには、『世界の民話』1巻~24巻までの該当する話とグリム童話の該当する話が記載されています。
これらの話を、当番さんは一話ずつ読んでいって、呪的逃走モティーフが含まれているかどうかを確かめてレポートを作成されたのでした。
加えて今は、AT番号を進化させたATU番号があるので、『国際昔話話型カタログ分類と文献目録』(小澤昔ばなし研究所)のATU313呪的逃走の項もあわせてレポートにまとめられました。
手順を追っていくとこんなかんじですが、なかなかに細かい作業でたいへんです。
呪的逃走モティーフのあった話を一覧表にまとめられましたが、わたしは説明について行くのがやっとというところでした。
もう、目が、目がぁ~~。
ほんとに、作成お疲れさまでしたとしか言いようがないのですが、呪的逃走モティーフというのは全く奥が深くて、掘っていくほどに先が伸びるみたいな感じがします。
だからこそ面白いんですが。
呪的逃走のモティーフの話は〝忘れられた花嫁〟モティーフとくっついていることが多いというのは今までの読みあわせでわかってましたが、今回わかったのは、「ラプンツェル」の魔女のように、許す代わりに将来子どもを渡せという約束をする内容のモティーフや、主人公の髪が金髪である、または金髪になるという〝金〟(極端に高価な物、一番尊い物)のモティーフとつながっていることが多いということです。
〝呪的逃走〟のモティーフが入ったおはなしは世界中にたくさんありますから、結び付くほかのモティーフが持つ意味というのもきっとあるんでしょうね。
最後に、まだまだ読むおはなしはリストアップできるから、〝呪的逃走〟を考察する旅はこれからも続くという話になりました。
わたしも根気の続く限り、というか、なんとしても続かせて(笑)、自分は調べないでいて、いいとこどりをさせてもいただこうという魂胆<(_ _)><(_ _)><(_ _)>
今回も力強いレポートをありがとうございました。
勉強した!という気になりました(^o^)/
ジミーさん
あのすごい発表のまとめというか、報告、ありがとうございました。
呪的逃走、クラスのみんなの課題だったので、ずっと気になっていたのですよ・・・
しかも、呪的逃走、調べ始めたころは「モティーフ」だったのに、いまATUでは、「話型」に昇格しています!
課題が大きければ大きいほど、面白みが増しますね~
この課題で見つけた話を、けっこう再話しています。だから、語りの森のはなしには、けっこう呪的逃走譚があるよ(笑)
ヤンさん、コメントありがとうございます。
そうでしたね。
話型に昇格していることを書き忘れておりました_| ̄|○
たくさんの話型と、たくさんのモティーフに頭が整理できていません( ノД`)シクシク…
でも、呪的逃走の話はどれもおもしろくて大好きです(^_^)
ジミーさん
早々にレポートして下さって、ありがとうございます!調べたりまとめたりするのは嫌いじゃないので(むしろ好き♪)やってると楽しいのですが、本当に、奥が深くて、先が遠くて、そのうちに、私も 目が、目がぁ〜!!ってなってきます、、、笑
全巻全話読んだらまだまだ出てきそうなので、いつかチャレンジしたいと思うのですが、なにせ、目が、目が〜!!笑
とりあえずは、勝手に命名した「悪魔との約束」モティーフの正式名探しと、Ⅲ期のタイトル抜き出しをやっとります。また、近いうちに追加資料を送りますね。
それにしても、一番最初に「三枚のお札」でレポートしたのが2016年5月。ずいぶん長い旅になりました。しかも、まだ旅の途中…
終わりが見えない……