月別アーカイブ: 2023年4月

第25回昔話の語法勉強会「山梨とり」

今週は前半が気温が低くて雨も降り、寒かったです。
みなさん、体調は大丈夫かなと思っていましたが、無事にみんな揃って勉強会が行われました(^O^)
今回の話は日本の昔話「山梨とり」です。
有名な話ですから、本や絵本がたくさん出ていますね。
今回は、最初にNさんが「山梨とり」を語ってくれました。
テキストは『子供に語る日本の昔話3』こぐま社です。

勉強会の資料は、元となった話(原話)の「山梨とり」『桃太郎・舌きり雀・花さか爺―日本の昔話Ⅱ』関圭吾編/岩波書店でした。
この話は、昔話は主人公が中心の物語であるということがよくわかる話でした。
そのことを中心に据えながらヤンさんが語法を抑えて説明してくれたわけですが、まとめとしてリュティ先生の言葉を引用してさらに詳しく説明してくれました。
1.主人公はあらゆる合理的な説明を超えて恩寵をうけている。
2.昔話は、劣っている者が逆転して、やがて力をもっていくという力学を持っている。
昔話が主人公中心の話であるということは、たまに出てくるかわいそうな脇役をかわいそうと考える必要が全くないことであり、何より聞き手が主人公と同調して話を聞いているわけですから、あなたはあなたであるというだけで幸せになれるというメッセージをダイレクトに伝えているのだということがよくわかりました。
そして、それを分かったうえで語り手がおはなしを語るということが大事なんだと!
だからできるだけ身近な人、同じ顔触れの子どもたちに、昔話を元の姿のまま語るほうがより愛情を伝えられる、ということを聞いて、感動して、満足感がいっぱいになりました!(^^)!

資料として、同じ原話から再話された本を持ってきてくださいました。
手に入りやすいものばかりですから、読み比べてみると再話の違いがわかって、とても面白いと思います。
『子どもに語る日本の昔話3』稲田和子・筒井悦子/こぐま社
『日本の民話②東北地方①』日本民話の会編/世界文化社
『わらしべ長者-日本の民話二十二編-』木下順二作/岩波書店
『日本昔話100選』稲田浩二・稲田和子編著/講談社
『ならなしとり』峠兵太作・井上洋介絵/佼成出版社
『やまなしもぎ』平野直再話・太田大八絵/福音館書店
『一寸法師 日本・中国・韓国の昔話集2』財団法人出版文化産業振興財団/独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター

ヤンさん、たくさん本を持ってきてくださってありがとうございました。
同じ原話なのにタイトルからして違うんですね。
再話となるときっといろいろなんでしょうね。
元の話と比べるのはとても勉強になると思います。
原話の違う「山梨とり」もありますし、有名な話は類話から再話した本も調べたらたくさんあるでしょうから、全部読んでみたら原話の選び方のいい勉強になると思います。
あとはやるだけなんですが…(笑)
でもコツコツやり続けたらそれが語るときの裏付けというか、自信にもなるでしょうから、より安定した語りができるはずなんですよね。
やっぱり継続は力なりですね。
では、また次の勉強会を楽しみにしています(^O^)/

昔話の語法「三匹の子ブタ」感想で~す2

遅くなりましたが、「三匹の子ブタ」の語法勉強会の、参加されたかたからいただいた感想、つづきですo(*^@^*)o

Eさん
「三匹のこぶた」の勉強会ありがとうございました。
物理学を無視していることに全く思い言い足らず語っていました。そう言えばそうですよね、いかに一般的常識にのっている自分にびっくりでした。色々勉強になりました。

Fさん
今回も、語法を深く学ぶことができました。
・外的刺激をきっかけとして、主人公が本質なものと出会うために旅に出る。
・三回の繰り返しがクレッシェンドしていくこと。
・出来事による言葉の繰り返しと言葉の出来事の繰り返し。
・物理学を無視(危機一髪のとき)。
・抽象性の中身はいくつかが絡み合っている。=イメージがクリアになっていく。お話に入っていきやすい。
語法を勉強することで、「三匹の子ブタ」のお話がはっきりみえてきました。

*稲田浩二さんの、幼い子には動物の話から始める
子ども 「自分はちいさい弱い存在」 
昔話で “大丈夫だよ!”
*「三匹の子ブタ」弱いものが強いものに勝つ話
おおかみは抹殺しないとダメ
あなたは大丈夫と伝える話

◎以前覚えかけてそのままにしているけれど、自立していく年長さんや一年生のこもたちに語っっていきたいと思いました。

Gさん
先日の3匹のこぶたの語法勉強会ではお世話になりました。
3回の繰り返しが入れ子式になっていて、クレッシェンドになっていることも興味深かったです。
また、2番目のこぶたが作った家は、「木の家」だと思い込んでいたのですが、「ハリエニシダ」なのですね。オンラインでも質問させていただいたのですが、後で確認しますと、石井桃子再話では、「ハリエニシダ」、瀬田貞二再話では「木のえだ」となっていました。
私が幼い頃、一番初めに見た絵本には日本家屋で使用されるような木材が描かれていたので、材料は木だと思っていたのです。しかし、ハリエニシダについて調べますと、イギリスでは荒地を覆う植物として一般的によく知られ、黄色い花を咲かせる草丈2メートル程度の株のようである。日本語ではハリエニシダだが、ゴースと呼ばれ、荒地を覆う植物としてイギリス文学に登場しています。
なので、藁よりも少し丈夫な小枝、といったところなのですね。オオカミが木の家を吹き飛ばす場面で、そんなに木の家は弱いのか?オオカミの吹く力は台風以上に凄いのか、と幼少期に疑問を覚えたので、なんだか納得しました。
さまざまな気付きをいただき、ありがとうございました。
私も語れるようにしたいと思います。

みなさま、ありがとうございました!

わたしも勉強会の準備をするときや、当日みなさまにお話するときに、とってもよい復習ができています。
語法を確認することで、その話の価値を確認しているって感じです。
うまく録画できたので、おんでまんどくらぶにアップしますね。

あ、そうそう、最後の疑問や感想を言いあう中での意見交換、いつもおもしろいです。

 

 

4月のプライベートレッスン

町中でハナミズキがきれいに咲いておりますね。
他の草木もたくさんきれいに咲いているのですが、うちの近くではハナミズキが多いのでよく目に入ります。
白い花やピンクの縁取りの花、大きさも微妙に大小がありますし、どれも美しいです。

今月のプライベートレッスンは、日本の昔話を日常語のテキストに直すというものでした。
「宝下駄」『語りの森昔話集5ももたろう』語りの森

一本歯の下駄が重要なアイテムとして出てきますが、参加者さんはつい最近電車で一本歯の下駄をはいている方を見たそうです。
なんという、状況の一致でしょうか(笑)
でもなんで街中で一本下駄をはいているのかと不思議でしたのでネットで検索してみたら、最近ではトレーニングのために一本下駄を使うと出てきました。
なるほどね、体幹が鍛えられるんでしょうかね?

話の中で何度も〝転ぶ〟という言葉が出てくるんですが、わたしは〝こける〟じゃないかなと思ったんです。
参加者さん・ヤンさん・わたしの三人ともに関西弁ですが、参加者さんとヤンさんが、転ぶこけるを併用していて、わたしだけがこけるの一択だというのがわかりました。
つまりわたしの日常語には転ぶはなくて、道でべちゃっと倒れるのも、転がるように倒れるのも、全部こけるなんです。
ヤンさんが大阪弁の辞書を調べてくれて、こけるだけを使用するのはより典型的な大阪(関西)の言葉だとわかりました。
育つ環境にもよるんでしょうが、結構近い地域に生まれ育ってもこんな風に突き詰める機会があると、言葉ってそれぞれ違うんだなと実感しました。
再話もそうですけど、日常語テキストに直すときも、自分の言葉の感覚を敏感にしておかないといけないですね。
いろんな発見があり、今回も楽しい時間でした(^O^)/

日食🌞

きのうは、金冠皆既日食が起こる日だったって知ってた?
日本では沖縄とか和歌山の南の方とかで部分日食があっただけなんで、あんまり話題にならなかったけどね。
でも、世界で言えば、とっても珍しい、金環食と皆既食がみられる日だったそうな。
今回はインド洋から南太平洋にかけてのほんのせまい帯のような範囲。
でも、同じ場所で両方見られるわけじゃないから、どっちも見たいというのはだめみたいね。

わたし「なあ、つぎの金冠皆既日食は2031年やって」
夫「ふん。何年後や」
わたし「8年後」
夫「生きてるかな」
わたし「見に行こ」
夫「どこへ?」
わたし「ちょっと前になったらわかるやろ。ツアーかなんかで行こ。あと8年も生きたら、行ったとこで発作起きても、もう思い残すことないやろ。アフリカでもアメリカでも行こ」
夫「ベニスに死す、か」
わたし「それまで生きてなあかんで」

定年間際に病気になって、10年生存率2割といわれていま14年目の夫。
薬漬けとリハビリの日々。
コロナは恐怖。
わたしの仕事は、食事の管理。それと、免疫力を高めるための仕掛け。
夫はめっちゃ決断力のない人やけど、うまい具合にわたしは、楽しいことをぱっと思いついてぱっと実行するタイプやし。
コロナで中断してた都道府県制覇の旅行プランは、日常から離れて夫の好きな歴史と地学生物を実感するひと時になる。弥次喜多道中は免疫力超UP。

毎日NHKFM聞きながら朝の食事やら家事をやってるねんけど。
今まで音楽ばっかりやったのに、最近英語番組が5つも入るようになって、腹立ててたんよ。
わかった!
8年後は海外や!
それでFM英語になったんや~~
これを状況の一致という。
日食見たついでに何か国か回ることにしよう!

ちゃんちゃん

 

 

4月のおはなし会🍡

近くの公園の藤棚で、もう藤が盛りを迎えています。
今年は早いですね~

4月17日(月)

幼稚園4歳さん
ろうそくぱっ
おはなし「ひとりふたりさんにんのこども」『おはなしのろうそく』東京子ども図書館』
絵本『いました』五味太郎
ろうそくぱっ

幼稚園5歳さん
ろうそくぱっ
おはなし「アナンシと五」『子どもに聞かせる世界の民話』矢崎源九郎編/実業之日本社
ろうそくぱっ

今まで行っていた幼稚園が子ども園になりました。
いままでは3歳~5歳児しかいなかったのに、今年度からは0歳からです。
まっさらの園舎が明るくて、廊下も階段も手すりも京都府産の木でできていて温かで、広くて、ほんとに素敵な園です。
子どもたちも、引っ越して、めっちゃ生き生きと楽しそうでした。
引っ越しっていう経験は、幼い子どもには大きな意味があるように思いました。
みな1学年上に上がってるんだけど、1年半上がってるような気がしました。
6か月ほどポンととばしてお姉ちゃんおにいちゃんになってる感じ。

わたし「みんな、おおきくなったねえ」
子ども「6さい!」
わたし「わあ、6歳!?」
子ども「5さい!」
わたし「わあ、5歳!?すごいねえ~」
子ども「1さい!」
わたし「・・・」
大人なぶりする子たち(笑)
わたし「あっちの方のお部屋には、1歳の子もいるよねえ。かわいいねえ」
子ども「わたしのおとうとが1さいやねん」
わたし「へえ~、いいねえ」

そんなこんなで世間話して、おはなしも、なんじゃかんじゃと茶々を入れながら楽しんで、仲良し確認をしておわったおはなし会でした~

どちらのクラスでも「みじか~い」とほめてくれました。
そう、子どもの「短~い」は、最高のほめ言葉です。
おもしろくないときは、横を向いて「長い」とためいきをつきます(笑)

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ババ・ヤガーでは単発の勉強会が続いています。
来週は「山梨とり」の語法を対面で行います。
5月からは3回連続講座で昔話の残酷性について学びます。
たのしみながらがんばってますo(*^@^*)o