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語法勉強会「三匹の子ブタ」

桜はもうおおかた散ってしまいましたね。
花の命は短いということで、そのはかなさが美しいんでしょうが…。
おばちゃんが言うとなんか自分でも違和感が強くて可笑しくなってきます(笑)
桜は散っても他のいろんな花が次々と咲くんで、やっぱり春は気分が上がりますよね。

今回の語法勉強会はオンラインで開催されました。
かつて、勉強会が今のような定期開催になる前の、語りの森黎明期というか、前時代のころに「三匹の子ブタ」の勉強会というのがあったのを思いだします。
あの時に聞かせてもらった、英語のカセットテープの「三匹の子ブタ」が忘れられません。
ジェイコブズのテキストのテープです。
アナウンサーさんか、俳優さんが朗読してるんだと思いますが、ものすごくテンポがよくて面白かったです。
その勉強会では、いろんな絵本の読み比べと、違う再話のテキストの比較をしました。
その後、第2回の語法勉強会で福音館書店の『イギリスとアイルランドの昔話』(石井桃子訳)をテキストにして語法を勉強しました。
多くの方がこの本をテキストにして「三匹の子ブタ」を覚えておられるのじゃないかと思います。
第2回からだいぶ時間がたちました。
今回は、ジェイコブズの原話を訳してテキストにしています。
わたしも、石井桃子さんの訳で覚えていますが、今回作ってくださったジェイコブズを日本語に訳したテキストがすっきりしていて好きだなと思いました。

この話は3回の繰り返しや、クレッシェンドする内容や物が見事で、それらがすべてイメージがはっきりするように整えられているんだということがよくわかりました。
抽象性というと漠然としか意味が分かりませんでしたが、一つ一つを丁寧に順を追って押さえてもらうと、全体の構成とそれぞれの意味がよくわかって、この話がいかに重要かということがわかりました。
……「三匹の子ブタ」の語法を勉強するのは二回目なんですけどね。
わたし個人も、エピソードが孤立しているということで、そういう理解でよろしいと思います(笑)
語法を学ぶと再話にとっても役立つので、亀の歩みでもこれからも続けていきたいと思っています。
では、また(^O^)/

再話クラスとプライベートレッスン

今年は桜の咲くのが早いですね。
「つぼみはまだ出てないな~」なんて思っていたのが、「え! もう咲いてきた?」になってそこからが早かったように思います。
写真は26日に見に行った時で、雨でしたが満開になってました。3月の再話クラスとプライベートレッスンの報告をします(‘◇’)

再話クラス
再話検討
「押船」『妙好人傳』より
再話再検討
「『ちえ』と『しあわせ』」(原題「『わけしり』と『しあわせ』」)
原話『世界の昔ばなし・22ドイツ語圏の昔ばなし三人兄弟と巨人』寺岡寿子訳 小峰書店
「しゃちの花」」(原題「海の青いいわれ」)
原話『中国山地の昔話』稲田浩二他編 三省堂

「押船」は、もともと話の題名がなかったので題名を付け、あとの2話は元の題名を変えています。
再話検討の段階で、話の中心になる事柄がわかってきて、何についての物語かということを考えると、自ずと題名が浮かんできた!という感じでした。
そのものズバリの題名、「どんな話なのかな?」と興味を持たせる題名、いずれにしてもぴったりの題名になっていると思います。

今回の再話の勉強で共通して言えるのは、原話選びの難しさです。
再話を初めて日の浅い方が半分以上おられるクラスなのでみんな実感してると思うのですが、原話選びはほんとに難関です。
かくいうわたしは、再話を初めてから10年以上たちますが、いまだに分からない(´;ω;`)ウッ…
その間に、途中までは再話したけれども、原話に欠落や齟齬があるのがわかって断念した話が何話もあります。
みんなが次に出す原話のコピーをヤンさんに渡したとき、ヤンさんがわたしに「また、難しい原話を選んだんじゃない~~?(笑)」って言われたのは、つまりそういうことです(苦笑)
ヤンさんはやさしいから、出来るだけ生徒の意思を尊重しようとするし、マイナスな言葉は使わないからあんまりそのままに受け取っていたらあかんなあと思いました。
一人反省会で考えると、わたしの場合は年月だけ経ってても、再話する数が少なくて伸びない(笑)
いや、笑ってる場合やないんやけど、原話の面白さに飛びついてしまっていて、見抜けていないということ。
開き直って考えてみると(開き直るのが早いですけど)、そういう経験を積み上げていくことが大事なんじゃないかな?
積み重ねのうちに、この原話は再話はできないとか、類話を探したほうがいいとか、今は無理やけどもっと再話力がついたらできそう、とかいろいろわかってくるんじゃないかなと思いました。
ヤンさんは、〝再話は数!〟って言われてたから、ごちゃごちゃいわずに次々にトライするのが再話力をつける道なんでしょうね。
昔話のように結末の幸せのために一本道を前だけを見て足早に進むのみ!!

プライベートレッスン
日常語による語り
「きつねの田植え」 → こちら
『大和の伝説(増補版)』高田十郎編/大和史蹟研究所 村上郁再話

主人公が戸のむこうにいるきつねの言葉を聞く場面があります。
きつねは5~6匹います。
きつねたちが戸のむこうから主人公に向かって言葉を発するとき、きつねたちは大きな声を出しているかもしれません。
では、戸のこちら側にいる主人公にはどんな風に聞こえているでしょうか?
戸を隔てているわけだから、大声が小さく聞こえてくる、みたいな?(笑)
じゃあ、それをどういう語り方をしたらいいのかというのは、難しいですね。
ヤンさんのアドヴァイスは、いつもいっておられることですが、〝それらしく語るのではなくて、そういう気持ちで語る。〟です。
同時に〝気持ちはこめなくていい。イメージできるように。〟です。
具体的には、この5~6匹のきつねとは、一匹は死んでしまった子ぎつねの親ぎつねです。
ですから他は家族か親戚のきつねです。
父・母・兄弟・姉妹・祖父母・いとことか、あるいはごく近所の親しいおじさんきつねとか、そういうきつねたちがやってきて、台詞を言うわけです。
その様子と気持ちをイメージしながら語るということでした。
アドヴァイスを聞きながら、かつて「かえるの王さま」を勉強会で語った時に、かえるが扉の向こうではなくて、目の前かすぐ横で言ってるみたいだと言われたことを思いだしました。
わたしはそのあと、分厚い扉をイメージして語るようにしたんですが、かえるが階段を上がってくるところから、もっと鮮明にイメージしたほうがいいなと思いました。
修正できて、これも役得ですね(^_-)-☆

今週も楽しくお勉強できてうれしかったです(⋈◍>◡<◍)。✧♡

3月の中級クラス

暖かかったり、寒かったり、雨が降ったり…季節の変わり目を感じます。そんな気候に合わせるように、人の気持ちもあれやこれや、あーだこーだ、浮いたり沈んだりですかね。そして、今日は春分の日で祝日でしたので、会場はお休み。お家でzoomオンライン勉強会でした。

アントニウス・ホーレクニッペル 『新装世界の民話⑭』から再話

屋根がチーズでできた家 『子どもに語る北欧の昔話』こぐま社

赤ずきん『グリムの昔話2』福音館書店

ヤギとライオン 『子どもに聞かせる世界の民話』実業之日本社

それぞれのおはなしの表情から、その語り方について学びました。

●登場人物の語り手の人物像は、気に入っているセリフがあれば、そこから捉えて、それを全体に取り込む。

●語順は大事になる。聞こえてくる順番にしか聞き手はイメージできない。逆に、与えてしまったら、取り返しもできない。イメージの訂正はもったいない。

●テキストの言葉通りに語れず、変わってしまうのには理由がある。意識して考えてみて、変わった方がいいと思ったらそう決める。間違いではなく、正しいことにしたらよい。

●おはなしの怖さ(赤ずきん)は年齢によって抑え方を変える。「おまえをうまくくえるようにさ」1・2年は怖さを楽しんでやる。幼児は抑え気味でやる。そこにいくまでも、耳→目→手→口と危険度が大きくなっていく順番に並んでいる、おかしいぞ~という赤ずきんの疑惑も大きくなっていくので、語りもクレッシェンドする。

●おまけの笑い話として語る話は、聞き手は主人公になって聞かない。聞き手も外から笑うようにもっていく。幼児に語る場合、聞き手は主人公になって聞くので、語りの立ち位置を変えて、聞き手(主人公)から見ているおはなしを、そのように語る。相手と一つにならないとうまくいかない話は、訓練になる。

今日はオンライン語りでしたが、学びの多い楽しい時間でした!デジタル機器を通しても、語りはちゃんとその人を出してくれるなぁと思いました。語りの雰囲気にほっこりしました。みなさんのお顔も一挙に拝見できて嬉しかったです。最後に、一つ。ヤギとライオン、こちら2つの歌が出てくるのですが、語る人みなさんに歌ってもらいました。みんな違っていたり、ヤンさんの語りを聞き続けていた人は完全コピーだったり、色んなメロディーが流れました。歌の入ったおはなしは、子どもたちにばちっと印象が残りますね。あ、そういえば、ヤンさんの語りがなかった…また今度、対面でよろしくお願いします!

次回は4月18日㈫です。

3月の初級クラス

先日、京都・城南宮のしだれ梅と落ち椿を観てきました。異界に迷い込んだような美しさでしたよ~

椿の花の時期は早咲きは10月から春咲きは4月までと、とても長いのをご存じでしょうか。私は冬に咲く花だと思い込んでいました。
私の語りたいお話リストの中に「佐渡の白つばき」というお話があります。このお話の椿は春咲きです。

手遊びジャンケン
梅にうぐいす、たけのこ水仙
お日様かがやく、さんじょのじょ

語り
1.水晶の玉/語るためのグリム童話7/小峰書店 
2.しんぺいとうざ/語りの森昔話集3/語りの森
3.黄太郎青太郎/子どもに語るアジアの昔話1/こぐま社
4.小僧さんとねこの絵/語りの森昔話集5/語りの森
5.庄やん/子どもと家庭のための奈良の民話2/奈良の民話を語りつぐ会
6.十二のつきのおくりもの/おはなしのろうそく2/東京子ども図書館
7.小さな赤いセーター/愛蔵版おはなしのろうそく4/東京子ども図書館

ヤンさんの語り
いぬとにわとり/おはなしのろうそく31/東京子ども図書館

講評
・初級のうちはとにかくテキストのまま語る。ここはどうか?と思いながら、聞き手の反応を見ながら、色々考える時期。
・擬音語、擬態語はその言葉だけでなく、前後の文章から話の解釈を入れ込む。
・「覚えた話」を語るのではなく、「知っている話」を語るためには、テキストを完全に覚えた後の色々な語り方の積み重ねが効果的。
・色々な声の出し方、語り方を試してみると良い。
・セリフについて大きな声で言った、と書いてあっても、声を大きくして語るのではなく、「大きな声らしく」語る。
・似ているが違う「くり返し」箇所を覚えるのが大変な時、くり返しの部分だけ取り出して集中して練習する。
・実際に子どもの前で語ることで、学ぶ事が多い。

今月は2名のニューフェイスを迎えての初級クラスでした。来月の語りのエントリーに手が上がる、手が上がる!とっても活気に満ちた新年度を迎えられそうです♪

次回の初級クラスは4月11日(火)です。
『ノート式おはなし講座・語りこの愉しき瞬間』を持ってきてください。

3月の日常語クラス

外を歩けば、色んな花のいい香りがしてきますね。待ち遠しかった春がやってきて、あれもしたい、これもしたい、とわくわくしますね。ホタルイカが食べたいです。

語り

島をすくった三人兄弟 『日本の昔話3』福音館書店

だんだん飲み 『日本の昔話5』福音館書店

聞き耳 『語りの森昔話集1/おんちょろちょろ』語りの森

テキストを日常語になおす

危機一髪 『語りの森昔話集5/ももたろう』語りの森

手なし娘 『日本の昔話2』福音館書店

鳥のみじさ 『日本の昔話3』福音館書店

ヤンさん語り かっぱのむこさん 『沖永良部島昔話集』岩倉一郎編/民間伝承の会

日常語の語りは、耳に心地よくて引き込まれますし、音楽を聴くようにふわっとします。語り手の日常語とリズムでイメージを渡してもらうので、聞いて知ってる話に聞こえてくるから(覚えたんじゃなくて)「ふん、ふん、そうなんか~」と、おはなしを、より身近に感じ、楽しみ、怖がり、笑い、語り手と聞き手が一つになるような雰囲気になるのかなと、改めて思いました。

今日もいいことを教えてもらいました!

つらつらと文が長くて言いにくいとき 「この家の屋根の茅に…」→いいところでを入れる。「この家の、屋根の茅に」もしくは、『』を入れる。~のな~にな。そうすることで言いやすくなる。

言葉が見つからないとき 「それじゃあ、わしの…」→ほんなら?、わしの…→それじゃあを取る。「わしの…」 取ってしまっても大丈夫なら、取る

語尾の連続性が気になる、うるさい?と迷うとき  それを逆手にとって楽しむ

自分の土地言葉に悩むとき  思いっきりくだいて語ってみて、聞いて確かめる

今日もとても楽しく、学びの多い時間となりました。前にも言ったかもしれませんが、私の日常語は遠州弁(浜松)と関西弁なのですが、関西に引っ越してきた時、新しくできた友達に自分の言葉をおもしろがられて、びっくりしたことを覚えています。「そうだに~、~しただよ」標準語だと思い込んでいたんです(笑)色々思い出して考えてみると、おじいちゃんおばあちゃん子だったことも今の日常語に影響してます、世代で流行って使ってきた言葉もあります、父母・兄とも少し違う言葉を使ってます。みなさん一人ひとり違うってことですもんね。人を通して言葉が変わっていくことを思うと、言葉が人を語ってるってことか~。深い。人が言葉を使っているのか、言葉が人を使っているのか?瞑想です(笑)報告を書かせてもらうことで、日常語の入門で学んだ事に立ち返ることができました。そのまんまの自分の言葉の語りで、子どもたちに届けられたときに、何が起こるのか?!そこを体感できるように、楽しみにしつつ、日常語直しと語りをしていきます。

次回は5月12日㈮です。