「勉強会」カテゴリーアーカイブ

2月度 初級クラス❆

インフルエンザの大流行も少し落ち着いてきたでしょうか。我が家も2年連続で次男と三男がかかりました(><)でも、初級クラスのある、この日から登校可能日で無事参加できました!

今月も7話のエントリーがありましたよ。さてさて、おはなしは・・・

①「ロバの耳をした王子さま」   『語りの森HP』/村上郁 再話

以前から語りたいと思っていたおはなしがHPに掲載されたので、小学1年生の朝学習用に覚えました。                                                注意すべき点は・・・                                           ①葦の草が生えてきました→本来は「葦が生えてきました」になりますが、聞き手がと間違えないよう、ヤンさんはわざと草を付け足しているそうです。アクセントに注意して語りましょう。                                                 ②「王子さまの耳はロバの耳」→床屋が穴に向かって、笛が鳴るときでは重みが違います。穴に向かっては、今までずっと我慢していてやっと言えたのですから、その点をしっかりイメージして語りましょう。

王子さまが帽子を脱いだときの子ども達の反応が楽しみです!しっかり練習して、本番に備えたいです。

なお、このおはなしは 『子ども 世界の民話(下)』/実業之日本社 にも掲載されていますが、この本は 『子どもに聞かせる世界の民話』/矢崎源九郎 をさらに子ども達が読めるように手を加えられており、語りには向かないそうです。

②「だんだんの飲み」   『日本の昔話5』/福音館書店

亭主がお腹の痛みをとめるために、かえる→蛇→きじ→狩人→鬼をつぎつぎに飲み込む累積譚です。和尚さんが「それでは、〇〇をのめ」と言いますが、〇〇を言う前には子ども達に考える間をとりましょう。小さなものから大きなものにクレッシェンドしていますが、子ども達の驚きもどんどん大きくなります。

かかさ、ととさの夫婦のかけ合いは重要ではありませんので、スピードにのせて語りましょう。

③「だんまりくらべ」   『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/村上郁 再話

間が命の笑い話ですので、句読点でとまらないよう、意識して語られました。おもちが一つずつ減り、最後の一つをおじいさんとおばあさんのどちらが食べるかをめぐって、だんまりを競争する楽しいおはなしです。五個から減っていくだけですので、幼稚園児でも楽しんで聞けますね。

④「へこきじい」   『日本の昔話1』/福音館書店

最初のじいさんと欲ばりじいさんの言葉が全て違い、覚えにくかったそうです。5年目に突入のYさん、少しずつテキストに手を入れる練習をしてもいいのでは、とのアドバイスでした。

⑤「アナンシと五」   『子どもに聞かせる世界の民話』/実業之日本社

タイトルの「五」を言うときに、手の5本指で五と説明しておくといいそうです。

子どもははとの奥さんの気持ちになって聞くと思うので、アナンシが怖すぎないように語りましょう。また、聞き手が雑念を考えてしまわないよう、もう少し句読点で止まらずに語るといいですね。

このおはなしを語られている方も多いかと思うのですが、                     みなさんは、はとの奥さんは「五」という言葉を知らなかったと思いますか?それとも、知っていたけれど、わざと知らないふりをしたのでしょうか?                     ヤンさんが語られたとき、はとの奥さんは空を飛んで、あひるやうさぎが食べられたのを見ていたから、わざと知らないふりをしたと言った子どもがいたそうです。子どもの想像力は無限ですね。

⑥「ハヴローシェチカ」   『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/村上郁 再話

Nさんの久々の語りでしたが、もう一度聞きたいとコメントした人がいたほど、おはなしにあった心地よい語りでした。

☆ヤンさんによる語り   「ホレばあさん」   『語るためのグリム童話2』/小峰書店

2年生に「雪」がテーマで「つるの恩返し」と一緒に語られるそうです。             おはなし会のプログラム、ブログで報告してくれていますが、とても参考になります。

語りと講評が終わってから、「ノート式おはなし講座 語りこの愉しき瞬間」の第1章、「語りの場」の導入部分に書かれている『日本昔話通観』(都道府県ごとに昔話が総覧できるようになっている)の説明をしてくれ、原話を読みました。そこには〈伝承〉5歳頃、夕食後寝るまでの間、火鉢にあたりながら母(坂田むめ)から聞く と具体的に書かれており、興味深かったです。自分の生まれ育った土地の資料を読んでみましょう。

初級クラスの皆さん、来月よりみなさんの語りが終わってから、今回のような勉強タイムをとることになりました。「ノート式~」の中から興味のある章段を考えてきてください。皆さんが知りたいこと、分からないことを勉強します。1月度の「世界でいちばんやかましい音」や今回の「ハヴローチェシカ」に歌が出てきたので、ステップアップ 四 の「おはなしの中の歌」はどうでしょうか?皆さんからの要望、お待ちしています。

2月の日常語による語りクラス

ブログ担当のかぶさんが体調不良で無念の欠席をされました。
かわりに、ジミーが臨時担当を務めさせていただきます<(_ _)>

語り
「雪娘」 『日本の昔話5』福音館書店
「地獄に行った吉兵衛さん」 『語りの森昔話集2ねむりねっこ』語りの森
「大工と鬼六」 『日本の昔話2』福音館書店(ヤンさん)
テキスト
「蛇からもらった宝物」 『日本の昔話3』福音館書店
「つるの恩返し」 語りの森HP → こちら

この日の語りもテキストも、それぞれ楽しい思いとお勉強と、程よくマッチした内容でした。
が、個人的に大変ラッキーだったのは、じぶんがおぼえたてほやほやの「大工と鬼六」をヤンさんが日常語で語るのを聞けたこと✌(‘ω’✌ )三✌(‘ω’)✌三( ✌’ω’)✌
わたしは、本のままをおぼえました。
わたしの脳内で、ヤンさんの日常語の語りと、『日本の昔話2』のテキストが同時進行し、まるで〝この放送は同時通訳でお送りしております〟状態になります。
そしたら、どこがどうヤンさんの日常語に変わっているのか一目瞭然で、これをラッキーと言わずしてなんとする!!
おぼえている話がもっと多ければ、こうなる確率は当然高いわけですから、喜んでいる自分が同時に悲しくもありますが…
そして、「大工と鬼六」を語るときは、「お前の名前はー」で、ちょっと伸ばして、子どもたちの「言うぞ」「来るぞ」という気持ちを考えて繰り返すといい、というヤンさんのアドヴァイスも聞けました。
ラッキー、グッドタイミング、今月の年中さんに語ります!(^^)!
さあ、練習だ(^o^)/

1月度 初級クラス

報告が遅くなりましたが、先週火曜に2019年一回目の初級クラスがありました。入門講座を修了され、初級クラスに入会された方や見学の方なども来られ、約20名と大人数での勉強会になりました。お部屋もいつもの会議室ではなく、集会室になり、語り手さんはいつもとは違った雰囲気で緊張しながら語りました。

では、今月の語りです。

①「世界でいちばんやかましい音」   『おはなしのろうそく10』/東京子ども図書館

10分以上のおはなしを覚えたのは初めてだったそうです。好きなおはなしで覚えやすかったが、長いので最後まで集中して練習するのが難しかったそうです。             「これからどうなるか」と後半が盛り上がりますので、毎回全部を通してではなく、後半部分だけの練習をするといいとアドバイスがありました。

「ある日のことでした」の前ではしっかり間をとり、違うことが起こるんだ、と子ども達に印象づけることが大切です。

「だれもかれもが、仕事はほかのひとにまかせて~」は説教っぽくならないよう、さらっと語ることが大切です。

②「心臓がからだの中にない巨人」   『おはなしのろうそく22』/東京子ども図書館

一番ダメだと言われている末っ子が、彼岸の存在に助けられながら成長するおはなしです。このテーマを十分に理解する必要があります。みんなから馬鹿にされいている末っ子エスペン、力が強いだけで頭の弱い巨人、しっかり者のお姫さま、イメージをしっかり持てば、演じようとせずとも、素直に語れば子ども達には通じるそうです。

これは私が語ったのですが、この点を理解せずに言葉だけを覚えてしまいました。そのため、HPにアップされているヤンさんの音声を聞いてみると、特にエスペンの語り方に違和感を感じました。理由が分からなかったのですが、エスペンの人間性の違いであることをヤンさんから指摘されました。

HP『昔話の語法』に「劣っている子がやがて逆転して力を出していくという力学をもっており、これは昔話の根本的なもの」と書かれています。にもかかわらず、私が語るエスペンはしっかり者で旅に出る前に成長していました・・・これでは、聴いている子ども達は主人公のエスペンと同化することはできませんね。

20分を超える本格的昔話を初めて覚えたのですが、テーマの読み込み、語法が大切であるかを痛感させられました。

細かなアドバイスとしては

(1)オオカミがエスペンを背中に乗せて、巨人の屋敷へ向かう場面。「こんなに軽く、こんなに速く走ったことは初めてでした。たちまち、巨人の屋敷に着きました。」を間髪入れずに語ることで、オオカミがとても速く走っているイメージができる。

(2)子ども達がもっとも集中して聴く、巨人が心臓のありかを言うときは、子ども達がしっかりイメージできるように、でもゆっくり過ぎてはいけない。

(3)島に着いてから、大ガラスやサケを呼ぶ前の場面。「どうすればいいでしょう?」の後に子ども達の反応を見ながら、一瞬だけ間をとるとよい。ただし、子ども達が口々に「〇〇」と言っていても、長くは間をとらず、次を語るとよい。

③「もちは金仏さま」   『日本の昔話1』/福音館書店

和尚さんと小僧さんの知恵比べが楽しいおはなしです。                     まきで金仏さまをたたいた音「くわーん、くわーん」は、テキストには2回しか書かれていませんが、子どもが「食った」と分かるまで、繰り返していいそうです。

④「ファン・タン西天へいく」   『子どもに語る中国の昔話』/こぐま社

ファン・タンは、米八合分しかないという自分の運に納得できず、仏さまに確かめにいきます。途中でファン・タンに質問を託す三人と出会います。仏さまが答えてくれるのは三つだけ、頼まれたことを優先し、自分のことをあきらめたファン・タン。けれでも他の人を救うことによって、自分の運命を乗り越え、最後は幸せになります。

「約束は約束だ、やぶるわけにはいかない。自分のことはあきらめよう」とありますが、教訓くさくならないよう、さらっと語りましょう。

「三つのねがい」/子どもに語る 日本の昔話3(こぐま社)、「仙人のおしえ」/日本の昔話5(福音館書店)の類話です。ただし、このおはなしは、「仏さまから3つの答えをもらうと、帰りの道をいそぎました」としか書かれていません。語法の観点から言えば、仏さまが具体的に言葉で答えをファン・タンに伝え、三人にも同じ言葉で繰り返す必要があります。          読み比べ、良いテキストを選ぶのも勉強ですね。(分かっているのですが、これが難しい・・・語法の勉強会に参加して学びましょう!)

☆ヤンさんによる語り   「酋長カイレ」   『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/村上 郁再話

次回、2月12日(火)はいつもと違い、中央公民館になります。もし、公民館までの交通手段のないかたはご連絡ください。また、『ノート式おはなし講座 語り この愉しき瞬間」を忘れず持参ください。休まれる場合は、『おたすけメールフォーム』を利用して、連絡しましょう。

このころには、インフルエンザの流行も治まっていますように~!

中級クラス🏔

インフルエンザが猛威を振るう中をかいくぐって、勉強会がありました。

「三びきの子ブタ」『イギリスとアイルランドの昔話』石井桃子編訳/福音館書店
「ソーディサルレイタス」『英語と日本語で語るフランと浩子おはなしの本1』一声社
「つるの恩返し」語りの森HP《日本の昔話》
「ホットケーキ」『おはなしのろうそく18』東京子ども図書館
おまけ
「りこうなまほうの鳥」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上再話
「この世の光」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上再話

4話とも、比較的低い年齢の子どもたちに語るおはなしでした。
「つるの恩返し」は、ゆったり楽しむおはなしですが、他の3話は、スピード感がほしい話です。
「三びきの子ブタ」は、スリルを楽しむ。だから、おおかみとこぶたの力が拮抗していなくてはなりません。
おおかみのほうが強いと恐い話になるし、こぶたのほうが強いとこぶたが悪者になってしまい、最後におおかみが食べられるところがすとんと腑に落ちにくくなります。
「ソーディサルレイタス」「ホットケーキ」は累積譚ですね。
ただ繰り返すのではなく、ちゃんとイメージしなくては面白くありません。
まじめに言葉を覚えてなぞるだけでは、いっしょに楽しんでもらえません。
この2話は、語り手もいっしょにおもしろがりながら語るのが肝やね。
「ホットケーキ」については、『ノート式おはなし講座 語り この愉しき瞬間』(長い書名やなあ~😅)にも少し書いています。

以上が語りかたのお勉強。

つぎは、テキストのお勉強。
おはなしを始めてしばらくは、ひたすらテキスト通りに語らないとダメです。
でも、どんなテキストでも、完璧っていうことはないのよね。
だから、経験を積んでそんなことが分かってくると、こんどは、自分でテキストを整えないといけない。
その力をつけることも中級クラスの目的ね。

がんばれ~🥞

再話クラス

おはなしを語るためには、再話する力が必要!
再話への道は、なかなか進めないいばらの道!!
なのは、わたしだけかもしれませんが、とにかく前に進みたい!!!

メニュー
語り
「三羽の蝶」『日本の昔話14出雲の昔話』日本放送出版協会
再話検討
「地蔵浄土」『全國昔話資料集成14芸備昔話集』岩崎美術社
「竹取翁見付女児養語第三十三」『今昔物語集四』小学館

原話は、普段あまり見ない本から、みなさんとっていますね。
再話のために探す原話は、研究者が採集されたものを書き起こしている資料ですから、語った人の息遣いが感じられます。
それはそれで面白いのですが、実際に語れるテキストとは程遠いです。
今回の語りの「三羽の蝶」は、こんなかわいらしい話があったのかとうなるほどの、三羽の蝶ちょうの仲の良さを簡潔に物語る話です。
それを、人生の先輩である語り手さんの味のある優しい声で語っていただきました。
いつもはしっかりした話を選ばれるイメージがありましたので、「ああ、いろんな話をやる必要があるんだな」と改めて教えていただいた気持ちです。
「地蔵浄土」は、なんとも笑える話です。
となりのじい型のおはなしですが、お勉強なのでみんなで真剣に検討しますが、その中でもついつい笑いがもれる光景がたのしゅうございました。
「竹取翁見付女児養語第三十三」は、竹取物語の難題エピソードが3つという構成のおはなしです。
わたしは現代語訳を見て再話案を考えていったんですが、ヤンさんはじめ古典に詳しいメンバーさんがおられるので、むかしの風習、特に婚姻に関する風習を教えていただき、「女性が求婚者に会うということは、結婚オッケイという意味だった」と教えてもらいました。
現代と全然違うやんか!?
ということで、古典を再話することの難しさを改めて感じました。

わたしが少しでも前に進めたのか、それはよく分かりませんが…(笑)
次回は何が飛び出すか!
次も楽しみな再話クラスです(^^♪