「勉強会」カテゴリーアーカイブ

「さるかに」と「3匹のこぶた」

今日も、冷たい風がビュウビュウ吹いていて寒いです。
去る2月1日も雪が降る寒い日でした。
しかし寒さもなんのその、絵本の会主催の「昔話絵本を考える」勉強会に行ってきました。

講師のヤンさんが取り上げた昔話は「さるかに」と「3匹のこぶた」でした。
それぞれに大量の絵本を用意され、注目すべきモチーフを決めて、表にまとめた資料をもらいました。
資料には表の他にも、興味深い内容がいろいろありました。
例えば、稲田浩二さんの『昔話は生きている』からの抜粋とか、小澤俊夫さんの『働くお父さんの昔話』からの抜粋とか、昔話絵本や動物の命についての各氏の文章です。
昔話絵本には原話があり、原話には類話があります。
日本の昔話なら、類話を調べることもできます。
原話と当日用意してくださったたくさんの絵本を比べて見せてくださったわけです。
これがまあ、ええ!なんとなんで!どんだけ~っていうくらいもとの話と違うのがあるんですね。
違いが分かるのは面白かったんですが、同時に怖かったですね。
おはなしのボランティアをしている身としては、知らないでいることは怖いと思いました。
昔話の大事なメッセージが、絵本によってはなくなってるんですから。
わたしも、ジェイコブズの「3匹のこぶた」は、前は知りませんでした。
前半部分しかない話と、ブーフーウーの区別さえついていませんでした。
(そうです、わたしはブーフーウー世代。ちなみにブーフーウーの人形は辻村寿三郎です。ごめん、どうでもいいですね)
ですからね、絵本についての勉強も大変重要だと改めて思ったんです。
勉強することだらけですね。
でもね、参加者さんもおっしゃってましたが、語りの森で勉強している語法がいい絵本を見分けるのに役に立つんですね(^^)v
語法を勉強しておはなしのテキストを整えたり見極めたりすることが、絵本を見分けるのにも役立つわけで、語法の勉強と、お話をたくさん読むことがやっぱり大事なんだと思いました。
当日は、季節柄病欠や都合がつかずに来られなかったかたがいらっしゃると聞きました。
仕方ないことですが、終わってみて、ほんとにいい勉強をさせてもらったと思うんで、申し訳ないというか可哀想というか。
次の機会があれば、参加できなかったかたも、どうかぜひ!(^^)!
最後に、この勉強会を公開にしてくださり、お世話してくださった絵本の会のみなさんに最上級の感謝をささげます。
どうもありがとうございました<(_ _)>

語法勉強会「金の鳥」

先日、第7回昔話の語法勉強会がありました。
テキストは、グリム童話の「金の鳥」です。
「金の鳥」を読みながら、昔話の語法を学びました。

長いお話です。
登場人物も多いし、主人公の末の王子は、援助者のきつねの助言をきかずに何度も失敗しますから、エピソードもおおいです。
語法は、主人公が課題をクリアしながら幸せな結末に一直線に進むためのお約束ですから、今回の勉強会でも各所にそれがピタッと当てはまるのを確認する作業でした。
今までの勉強会で取り上げられたお話同様、「金の鳥」も感動する話だから、寄り道なんか問題外!
最後の幸せな結末にたどり着くために、聞き手が分かりやすいように語る。
耳で聞いているだけだから、先に語ったことをもう一度丁寧に繰り返す、など、すべては聞き手への愛から語法はできているということを学びました。

「金の鳥」では、援助者としてきつねが出てきます。
援助者は、ふつう必要な時だけ出てきて、任務が終わったらすぐに消えますが、末の王子が何度も失敗するから何度も助言しなくてはならず、出番が多いです。
そして、末の王子が成功して幸せになった後、一つお願いをします。
「なんや、魂胆があったんか」
では、ありません。
「金の鳥」は、いい話ですから、わたしはそんなことを言いたいんではないんです。
実は、きつねは王女のお兄さんだったんです。
「それやったら、初めからそういえよ」
それも、違います。
きつねの身の上話は、「金の鳥」とは別の話ですから、スピンオフか番外編です。
まっすぐに行くのが昔話の語法ですから。
わたしが言いたいのは、末の王子がいったん幸せになったというのにまだ試練を与えられなければならなかったことと、それに対して本当にみんなを幸せにする結末が用意されていたというのが見事だなと思うからです。
いつか気合を入れて、きっちり覚えたいです。

名称変更 研究クラス!

今まで「中級講座」でしたが、今年から「研究クラス」と呼び名が変わりました。
大学の研究室とか、調査する会社みたいですが、難しくなったわけではなくて中味は今までと同じです(笑)
単に、新しく語り経験が5年以上の人たちのためのクラスができたので、そちらのほうに中級というお名前を譲っただけです。
だから、どういう呼び名にしようと考えたときに、上級とか特別とかスペシャルとか考えましたが、どれも名前負けしそうですから一番ましなのは研究ではないかなと、相談の結果なっただけです。

名前が変わって初めてのクラスのメニューです。
語り「にげたにおうさん」 『ふしぎなたいこ』石井桃子文 岩波書店
レポート付語り「銀貨」 『本当に読みたかったアンデルセン童話』イェンス・アナセン編 福井信子/他訳 NTT出版 (担当:ジミー)
ヤンさん語り「かめの笛」

たまたまですが、語り・レポート付、ともに創作のお話となり、この日の焦点はおのずと創作のお話についてとなりました。
両方創作ですが、違いがあります。
「にげたにおうさん」は、昔話風ではありますが、石井桃子さんの創作で、おはなしそのものを原語で読んでいるわけです。
「銀貨」は、アンデルセンの創作で、なおかつデンマーク語から訳したものをわたしたちは読んでいます。
(ドイツ語や英語に訳されたものを日本語に訳したものは、もうひとつ経由が多いですね)
「銀貨」は、今回のレポートで、デンマーク語からの訳を4種類テキスト比較しました。
(山室静・偕成社、高橋健二・小学館、大畑末吉・岩波書店、大塚勇三・福音館書店)
この4種類を読むと、単語の訳し方もお話の雰囲気も違うことが分かります。
今回わたしが選んだテキストは、編者のイェンス・アナセンが再話したものですが、覚えていて気になることはありました。
そういう個所を4種類の翻訳と照らし合わせてみると分かることもあり、大変参考になりました。

今回のふたつの創作のおはなしは、基本テキストを変えることはできません。
しかし、慎重にかつ、どういう個所を整理するのかをそれぞれの話に合わせて教えていただきました。
そしてここで、公開お願いです!
次回の研究クラスで時間に余裕があれば、もう一度「銀貨」を語らせてください<(_ _)>
(禁じ手を使ってしまった!!)

『昔話の語法』講読会 🐓

先日、『昔話の語法』の4回目の講読会がありました。
リュティ理論、難しいです。
小澤先生はとても分かりやすく書いてくださっているのですが、そのときは納得するんだけど、あらためて孤独に読み返すと、疑問がふつふつと😢
そういう意味で難しい。
でもね、わたしたち、語りをする者にとっては必読書。
聖書みたいなもんです。

で、この日は「孤立性と普遍的結合の可能性」の章の、贈物について、援助者と主人公について学びました。

わたしは、「何の特別な能力も持たないで、自分がどこに向かっているのかもわからないで進んでいく主人公が、かならず本質的に大切なものに出会う」ってところが大好きです。
わたしは、わたしの人生というストーリーの主人公。そして、何の能力もないし、どっち向いて歩いてるのかもわかんない、ぼんくら。それでも一生懸命生きてたら、それで充分。
未来は明るいって信じたい。

うん。来年もがんばるぞ。
みんなもがんばろうね。
今年一年、おつきあいくださって、ほんとうにほんとうにありがとうございました💖

PS:1月16日昔話の語法勉強会、申し込み忘れてませんか~?主人公と贈物について考えます。めっちゃ感動なんよ~

おはなし入門🎇

きのう、がらがらどんのおはなし入門講座が終わりました。
10人の方が語られました。
すばらしかったです。

ヤンはわが子のためにおはなしを始めました。
その後、サークルや市外の勉強の場で学び続け、語りつづけました。
たぶん、入門講座を受けただけで終わっていたら、わが子にもずうっと語りつづけることはできなかったと思います。

だから、みなさま、今回一話語れたことで満足しないで、つぎに向けて歩いてほしいと思います。
いつまでに語らないといけないという負荷をかけることで、続けられると思います。
人間ってそんなもんです。

どうぞ、入門のあと、初級クラスに進んでください。
このままでは、ヤンはめっちゃもったいないと思っています。
迷っているあなた、大丈夫、だれもかみつきませんよ~

きのうのプログラムです🎄
「十二の月のおくりもの」 『愛蔵版おはなしのろうそく1』東京子ども図書館
「かきねの戸」 『語りの森昔話集1』語りの森
「へこきじい」 『日本の昔話1』福音館書店
「小さな赤いセーター」 『愛蔵版おはなしのろうそく4』東京子ども図書館
「かしこいモリー」 『子どもに語るイギリスの昔話』こぐま社
「北風をたずねていった男の子」 『子どもに語る北欧の昔話』こぐま社
「この世の光」 『語りの森昔話集1』語りの森
「アナンシと五」 『子どもに聞かせる世界の民話』実業之日本社
「三枚のお札」 『子どもに語る日本の昔話』こぐま社
「リンゴ娘ニーナ」 『子どもに語るイタリアの昔話』こぐま社

ね、すごいでしょ~💖