「勉強会」カテゴリーアーカイブ

11月 中級講座

木の葉が色づいてきました。自宅のすぐ近くに緑のドングリがあるのに今朝、気が付きました。

さて、今日のお話
➀レポート付語り「赤ずきん」『語るためのグリム童話2』小峰書店②「三枚のお札」『おはなしのろうそく5』東京子ども図書館③「子うさぎましろのお話」『同名絵本』福音館書店

今日は語りを始める前に、いろいろな話題がでました。最近出た『国際昔話話型カタログ』を見せていただきました。呪的逃走の話も出ました。

➀選ばれたテキストが聞きやすかったです。それでも語法の観点から気になる点をヤンさんが指摘され、みんなも意見を述べました。きちんと語られたので、見えてくることがありました。

語法的に見て、➀、②ともに語りにくいところ、イメージしにくいところは語法にかなっていない場合がある。という気付きもありました。また、語り方のワンポイントもありました。

②以前から引き続きチャレンジです。今日のポイントは、<自分がきちんとイメージできないと、言葉が入りにくい。よく間違える所は一度自分で整理してやり直す>でした。また、語り手のとらえかたで話が変わることもある、ということです。

③創作のお話は、基本は一字一句覚えて語ります。         ヤンさんの今日の説明は、創作についてかなり熱の入ったものでした。・・・正確に表現できない~。ヤンさんが学生時代に学んだことを話してくれました。                      『この言葉の次に、この言葉が出てくるのがなっぜかを考えるのが文学。その言葉が美しいと思えるように自分を磨いてゆく』そこには、作者への尊敬の念がある。(中略)きちんと丁寧に読んだ場合に受けた感情は作者の意図に近い。だから創作は言葉を変えてはいけない。あまりにも変えるところがあるなら語りのテキストにはしない。別の方法、ブックトークなどで紹介することもある。

今日は、①グリム、②日本の昔話、③創作とバランスよく、楽しい講座でした(語りがないと、呑気なの~)

昼食をとりながら、「シラミ騒動」の話で大笑いでした。

話にでた本『声の文化と文字の文化』藤原書店          文字を持たない人には抽象的な言葉は存在しにくい。例えば文字を持たない大工さんはカナヅチやカンナという言葉はわかっても、「道具」という言葉はわからない。・・・という話や、吟遊詩人達が長い物語をどのように自分のものにしているか等、声の文化の章は、興味深いことが書かれています。

一回お休みすると、浦島な気分のハルでした。

11月 おはなし初級講座

寒い、寒いと思っていたら、立冬が過ぎていました。もう冬です。

11月のおはなし初級講座に行ってきました。

語りは9話。
半分のにわとり語りの森HP←テキストにリンクしています。
まぬけなトッケビ」『おはなしのろうそく30』 東京子ども図書館
絵にかいたよめさま」『瓜子姫とあまんじゃく -日本のむかし話(3)24話-』講談社青い鳥文庫
文福茶釜」『子どもに語る日本の昔話2』こぐま社
こねこのチョコレート」『おはなしのろうそく20』東京子ども図書館
犬と笛」『子どもと家庭のための奈良の民話 一』京阪奈情報教育出版
ひなどりとねこ」『子どもに聞かせる世界の民話』実業之日本社
へびとおしっこ」『ねしょんべんものがたり』椋 鳩十 編 童心社
スヌークスさん一家」『おはなしのろうそく1』東京子ども図書館

たくさん発表してくださいました。

ところで、「半分のにわとり」はどう半分になっていると思いますか?
テキストを読んだことも、聴いたこともないわ~という方は、語りの森HPの外国の昔話から音声を聴いてみてくださいね。
にわとりは半分になっても生きているし、歩くし、お尻から色々入れるし、果物も食べられるんです。
昔話が図形的に語られているのがよくわかる例ですね。

さてさて、私たちが普段話している言葉はどこで間を取っているでしょう。
息つぎをしたいとき、もったいぶった言い方をしたいとき……。
少なくとも書き言葉で読点「、」を打つほどには途切れさせていないと思います。
そんなに途切れさせて話すのは、夏場、扇風機の前で宇宙人のモノマネするときくらいではないでしょうか。
ところが、おはなし初心者はテキスト通りにきっちり覚えようとして、読点の位置まできっちり途切れさせてしまいがちになります。
それが”間”だと思っちゃうんですよね。少なくとも入門講座の時の私はそうでした。
ゆっくり聞き取りやすく語らなければと思い、読点で区切ってしまったのです。
入門講座のそれも人生初の語りでそれをやってしまい、注意されたことを昨日のように覚えています。
けっして巳年生まれだから執念深いってわけじゃありませんよ。おっと、いけない。歳バレするところでした。
書き言葉に読点を付けるのは、文章を読みやすくするためです。日本語というのは、読点のつける場所で意味が変わってくる難しい言語だと思います。
それに読点と漢字を組み合わせることで読みやすくしていると思います。小学一年生の国語の教科書のなんと読みにくいことか!!
論点がずれましたが(;´・ω・)
つまりは語りの間を獲得するためには、テキストの読点を取っ払っちゃいましょうというお話。
きっとお喋りをするかの如く自然な語りの間を掴むことができると思います。(自己責任でお願いします)
ちなみに私が入門講座で頂いたアドバイスは、立て板に水が流れるように続けて語れるように練習するというものでした。
でも、人によって個性も癖も違うので、自分に合った練習をお勧めします。

 

11月の日常語講座

11月になり、朝晩すっかり寒くなりましたね。
11月初日の昨日は、日常語講座でした。

語り
「こぶ取りじい」『日本の昔話3』 福音館書店
「蟻通し明神」『子どもと家庭のための奈良の民話一』奈良の民話を語りつぐ会
「ちょうふく山のやまんば」『日本の昔話3』福音館書店
テキスト
「洪水」『語りの森HP』≪外国の昔話≫  →こちら

今回も、楽しく勉強させていただきました。
日常語で語ると、おはなしが丸くなるというか、かつ、語り手の人柄がにじみでるというか、あるいは、にじむ程度じゃなくて、これでもかというほど感じられる、それがまた聞いていて心地よいというか面白いです。

今回、特に心に残ったのは、中国のおはなし「洪水」でした。
これは中国で語りつがれていたおはなしで、それが収集されてドイツ語に翻訳され、『世界のメルヒェン図書館』編訳者の小澤俊夫先生が日本語にされ、今回この「洪水」をテキストとして取り上げられた方は、広島県出身で関西在住が長い方であるということ。
その方の日常語になったテキスト「洪水」は、中国の話でありながら、まるでノアの箱舟のようでもあり、日常語になっているので日本の話のようでもあり、それが違和感が全くなくてすっと耳に入ってきます。
次回、語りを聞ける日をとても楽しみにしています!(^^)!
ああ、楽しみ~~♪

第4回 昔話の語法勉強会に行ってきました。

2016年10月25日、そぼふる雨の中、昔話の語法勉強会に行ってまいりました。

昔話の語法を勉強するのが初めてという方も多数いらっしゃいました。
毎回ひとつの昔話を題材に、細かくどんな語法が使われているのかな、と確認していきます。

ちなみに事前学習として

『こんにちは、昔話です』(小澤俊夫著 小澤昔ばなし研究所刊)
『昔話の語法』(小澤俊夫著 福音館書店刊)

に目を通していきました。

さて、講座のレポートですが。

今回の題材は、

「ちくりんぼう」(『雪の夜に語り継ぐ』笠原政雄 福音館書店)

この昔話は、『日本の昔話5ねずみのもちつき』(小澤俊夫再話 福音館書店)に収録されている「三枚のお札」の原話です。

まずは、「ちくりんぼう」を語ってくださいました。

「語法に気をつけて聴いておいてください」

と言われたのに、本気で楽しんで聴いてしまいました(;´∀`)アハハ

語ってくださったのは、「三枚のお札」を日常語に直したお話です。

そして、段落に分けた原話の「ちくりんぼう」を

「どんな語法が隠れているのかな~♪」とひとつひとつ確認していきます。

そしたらば、出るわ、出るわ。花咲じいの宝のようにざっくざっくと。

発端句から始まり、時代・場所・人物を不特定に語る固定性

「あるお寺の方丈が小僧にね、」と不特定に語っているのに頭に浮かぶのは、ひとつのお寺と、一人の和尚さんと、一人の小僧さんの姿。
背景も、複数いるであろう小僧さんの姿も頭には浮かびません。(昔話の孤立性

冬木を取りに行ってこいと、三枚のお札を渡され、一人で山にいく小僧さん。(三という数字=固定性、一人で出かける=孤立性
まさに外的刺激を受けて一人で旅に出るのです。

お札から出るのは針の山(昔話は硬いものを好む)、火の山(昔話は原色を好む。火=赤)

一度に会話しているのは方丈さんと小僧さんだけ。(昔話の場面は一対一で構成される

ほんの数行の間にこれでもかと出てきます。そのたびに他の昔話でも具体的な例を挙げていただき、「ふむふむ、なるほど」と理解は深まります。
確かに「かしこいモリー」も幸せ(結婚)と引き換えに王様に取引を持ち掛けられて一人で旅に出ます。指輪や剣など硬いものを取ってきますね。
姉妹も三人だし、王様の息子も三人だわ。|д゚)

この場合の旅とは旅行ではなくて、主人公の内面、精神的な成長を促す試練への旅路であり、主人公の意思は関係なく行かされてしまうところが、この先のストーリーを期待してワクワクと期待感を煽られてしまうんですよね。

ストーリーは主人公の幸せな結末に向かって一直線に進みます。幸せになるとわかっているから安心して聴き手も一緒に主人公になりきって冒険できる安心感。
耳で聴いて理解しやすい一対一の場面。
日の暮れた山で途方にくれても灯りや小屋は見つかる安心感。
「鬼ばばが出るぞ」と言われたら本当に出てくる満足感。
異界の生き物とも会話が成り立つ楽しさと分かりやすさ。
楽しい三度の繰り返し。
面白くてわかりやすい極端な表現。
ピンチの時にはすぐに出てきてくれる火の山、針の山のお助けアイテム。
ギリギリのところでタイミングよく危険を回避しながら進むスピード感のあるストーリー展開。
間抜けな鬼ばばは最後には必ず退治される満足感。

あれ? 昔話の語法って聴き手が昔話に期待するところそのものじゃない?

それもそのはず、語り手の聴き手への深い愛情が、聴き手の求めるものに応えるように語られてきたことで、この形式、つまり語法が出来上がったのですよ!
その愛情は世界共通なんですよ!
これこそリューティさん曰くの「昔話の形式意志」!(だと思う)

それでですね、『昔話の語法』(小澤俊夫著 福音館書店)の冒頭に戻るわけですよ。引用しますとね、

「昔話はどこにありますか」

この言葉の意味に気付いたときにぞわっと鳥肌が立ちました。(;゚Д゚)
この言葉を語法のテキストの最初にもってきた小澤先生さすがだなぁ。深いなぁ。

伝承の語り手ではない私たちは、研究者さんたちが掘り出してきてくれた昔話資料を訳者や再話者を通したテキストから語るしかないのですが、実際聴き手の前で語るのは私たちですからね。
その場、『昔話』を一時共有する目の前にいる人たちのために愛情をこめて語りたいですよね。
というわけで、より理解を深めるためにこれからも精進しましょう!

次回の第5回昔話の語法勉強会は2017年2月17日だそうです。

最後に今回の講座で紹介された本です。
『こんにちは、昔話です』小澤俊夫著 小澤昔ばなし研究所
『昔話とは何か 改訂』小澤俊夫著 小澤昔ばなし研究所
『昔話の語法』小澤俊夫著 福音館書店刊
『ヨーロッパの昔話 その形式と本質』マックス・リューティ著 小澤俊夫訳 岩崎美術社
『昔話 その美学と人間像』マックス・リューティ著 小澤俊夫訳 岩波書店
『昔話の本質 むかしむかしのあるところに』マックス・リューティ著 野沢 泫訳 福音館書店 絶版 1985
『昔話の解釈 今でもやっぱり生きている』マックス・リューティ著 野沢 泫訳 福音館書店 絶版 1982
『昔話の本質と解釈』マックス・リューティ著 野沢 泫訳 福音館書店 1996

再話勉強会のご報告です(^^♪

10月14日(金)、再話勉強会が行われました。
前回7月に再話した話の語りと、今回あらたに再話してきたテキストの検討です。
今回も、各人・各グループ渾身の作が並びました。

語り
「ねずみのよめいり」 『日本の昔話13紀伊半島の昔話』日本放送出版協会
「いり豆こわい」 『新装日本の民話7近畿』ぎょうせい
「久米の仙人」 『新日本古典文学大系35今昔物語集三』岩波書店

テキスト
「信濃の国の聖の事」 『新編日本古典文学全集50』小学館
「熊おやじと狐」 『世界の民話37シベリア東部』ぎょうせい
「きつねとたぬきの化かしっこ」新装日本の民話6東北・北陸』ぎょうせい
「いり豆こわい」 『新装日本の民話7近畿』ぎょうせい
「お月さんとお日さんとかみなりさん」 『丹後の民話第一集』峰山孔版社
「水晶の山」 『アファナーシェフ ロシア民話集』(上) 岩波書店

「いり豆こわい」が語りとテキストの両方にあるのは、グループが違うからです。
同じ原話をふたつのグループがそれぞれ再話した場合、お話の筋は同じでもテキストは全く同じではない、というのをこの話で実際目の当たりにし、勉強になりました。
それに、筋は同じでも再話者が違うと微妙に違う言い回しといいますか、点と丸のまえの文の少しの違いで、再話している人たちの雰囲気が出るんだなと、再話の面白さを感じました。
同時に、再話の怖さでもありますね。
変えるつもりはなくても、おはなしの持つメッセージとか文章の意味を知らないうちに変えてしまう未熟さを自分に感じるからです。
let’s 精進!

私は、「水晶の山」を出しました。
ヤンさんに、補う言葉を指摘していただき、すっきりわかるテキストになりました。
すこし、補う…。
このすこしが、家で再話しているときに全く出てこない。
これも、let’s 精進!

それにしましても、みなさんステキなグループ名を考えてきておられて、テキストに記入しておられます。
え! いつのまに、そういうことになったの?
そのうえ、どれも「かわいい」「すてき」「みやび~」と思ういいのばかり。
大変出遅れた感じの私は、みんなのステキさに対抗するために(対抗する必要はないのだけれど)、次回からジュリエットとかエカテリーナとかにしようかな!(^^)!
(それは、芸名だよ…)
let’s 精進!