「勉強会」カテゴリーアーカイブ

7月 おはなし初級講座

毎日暑いですね。全国最高気温ランキングを見ると、ほぼ毎日、上位に北海道がランキングされています。
北国の夏は涼しいのだと思っていましたが意外でしたね…。
暑さもさることながら、地味に身体に堪えるのはこの高湿度。ムシムシしてやる気のエンジンがなかなかかかってくれません。
蒸されている豚まんは蒸篭の中でこんな気分なんでしょうか。ああ、食べたくなっちゃった。

さて、7月上旬、おはなし初級講座がありました。

「瓜こひめこ」『おはなしのろうそく12』(東京子ども図書館)
「だんごころころ」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』(語りの森)
「三枚のお札」『おはなしのろうそく5』(東京子ども図書館)
「みじめおばさん」語りの森HP〈外国の昔話〉
「ねことねずみ」『おはなしのろうそく21』(東京子ども図書館)
「ホットケーキ」『おはなしのろうそく18』(東京子ども図書館)
「朝顔と朝ねぼう」『日本の昔話3』(福音館書店)
「くさった風」『日本の昔話3』(福音館書店)

来月の初級講座がお休みだからでしょうか。たくさんのエントリーがありました。

「瓜こひめこ」
この昔話にでてくる瓜ってどんな瓜だと思いますか。甘い瓜、甘くない瓜、色々な意見が出ました。
瓜を子どもに説明するのは難しいですね。普段、きゅうりなどの瓜系統の野菜を瓜という言い方しなくなりましたものね。
ちなみに講座ではマッカウリ(マクワウリ)のイメージが優勢でした。
説明といえば、「あまんじゃく(あまのじゃく)」も子どもたちに分かるのでしょうか。
その言葉を説明したいか、語り方で子どもたちに伝わるように語るか、判断は語り手に、そして聴き手との場の空気に委ねられるのではないでしょうか。

「ねことねずみ」
このお話は累積譚です。ねこに尻尾を食いちぎられたねずみが、しっぽを返してもらうために奔走します。
累積譚の語り方は2パターンあるそうです。ひとつは、聴き手と一緒に楽しむやりかたです。聴き手を誘導しながら唱え言葉のようにリズムを楽しみながら一緒に言うもの。あまりクサリが長くなると小さい子どもたちは付いていけません。
そういうお話はもう一つのやり方です。早口言葉を楽しむやり方です。語り手が必死に語るのを子どもたちが楽しんでいる様子をぜひ〈外国の昔話)にアップしている「ありとこおろぎ」の♪マークで聴いてみてください。

同じ話を二度、三度、初級講座で語ってくださるのは大歓迎です。
次の講座まで二か月ありますし冷房のかかったお部屋でじっくり本格昔話に取り掛かってみるのもいいと思います。
熱中症、熱射病になりませんよう、ご自愛くださいませ。
また9月の勉強会で皆様の元気なお姿と再会できますよう、お待ちしております。

第6回 昔話の語法勉強会レポート

こんにちは、もっちです。

第6回昔話の語法勉強会に行ってきました。
今回、どんな語法が使われているのか勉強するのはグリムの昔話から『三本の金髪を持った悪魔』(KHM29)です。

テーマ📖
「主人公は死の危険に陥るが、まさにそのことが主人公をいっそう充実した高度な生へ導く。死の危険に陥った者だけが、死の現実を知った者だけが、人間として完成するのである。」(引用『昔話の解釈』マックス・リュティ著 野村泫訳 福音館書店)

『昔話の解釈』でマックス・リュティ氏は、『三本の金髪を持った悪魔』がもっているテーマをこう説明しているそうです。

え・・・死にかけなきゃ人間として完成されないの?(;´Д`)
と驚きましたが、この主人公、まさに何度も死にかけます。
何度もです! 本当に幸運の皮をかぶって生まれて来なかったら、最初の死の危機で死んでます。でも、何度も死にかける羽目になったのは、幸運の皮をかぶって生まれてきたからなのです。もうここから状況の一致が始まっているような気がします。

さて、今回も細かくどんな語法が使われているか確認しながらの講義でしたが、そのなかで今回テーマに沿ったかたちで注目したのは、主人公の死と生の対比でした。
前述しましたが、この主人公は本当に何度も死の危機に直面します。
生まれて数日経ったところに王様が村へやってきて(状況の一致)、自分の娘と結婚する運命にあることが予言(昔話では必ず予言通りになるのです)されている男の子を大金と引き換えにもらい受け、箱に入れて川に流します。こんなのもう、溺死するか、箱の中で餓死するかのどっちかしか想像できません。耳で物語を聴いているので、その時点で「死んだな…」と思いますよね。でも即座に昔話の主人公がこんなところで死ぬわけがないと期待します。すると、箱には一滴の水も入らず(完全性)、うまいぐあいに水車小屋の小僧さんに拾われます。そして、子どものいない水車小屋の夫婦に育てられるのです。やったぁ、生きてた!

それから十三年たったころ、水車小屋に王様がやってきます(状況の一致)。そして、王様は、その若者があの予言の子だと気付きます。そして、王妃に手紙を持ってきた若者を殺せという内容の手紙を書き、それをその男の子に配達させます。え~、そんなん殺されてしまうやん!

それからさらに、森で迷い、盗賊の家に辿り着きます。その家で留守番していたおばあさんに「盗賊たちが帰ってきたら殺されてしまうよ」と言われてしまいます。ここでも危ない!と死の危険が迫っています。
でも、盗賊の親玉は、若者が持っていた手紙を読んで、「姫と結婚させよ」と書き換えてしまいます。(手紙の書き替えのモチーフのことを『ウリヤの手紙のモチーフ』というそうです)さらに、城までの道を教えてくれます。良かった、死ななかった!

そして城に手紙を届けた若者は予言通りに姫とスピード結婚します。昔話は展開が早いのです。手紙の内容を疑ったり、結納を交わしたり、平民の子と?と眉を顰められたりしません。姫も若者が美しいからという表面的な理由だけで結婚します。内面を語らないのは昔話の平面性なのです。またしても若者は死の危機を乗り越えましたよ。

そこへ王様が帰ってきて、殺したとばかり思っていた若者が、娘と結婚していたことに驚き、怒ります。
そして、姫との結婚を認めて欲しければ地獄へ行って悪魔の金の髪を三本持ち帰れと言われます。若者はその言葉によって旅に出ます。そう、昔話の主人公は内面を言葉で表現されないので、外的刺激によって旅にでるのです。

と、こんな風に死の危機と、それを乗り越える生が一対のエピソードとして組み込まれて語られます。白雪姫も同じですね。
主人公の若者は、何度も死の危機に直面して高度な生へ到達したのでしょうか。人間として完成されたのでしょうか。
少なくとも若者は、賢く生き抜く力と知恵を得、昔話のハッピーエンドの要素(富の獲得、結婚、身の安全)を全て手に入れましたよ。

どの場面とどの場面が対比になっているか、お手元のテキストで確かめてみてくださいね。

7月 日常語で語るための勉強会

早いですね~もう7月ですよ。

4日に日常語で語るための勉強会がありましたので、報告いたします。

 

<語り>

うりひめの話」 語りの森HP 日本の昔話より

リンクこちら→https://katarinomori13.com/jfolktales.html

夢の蜂」 『日本の昔話1』

どろぼうがみたら、かえるになれ」 『日本の昔話1』

 

<テキスト>

へびのむこさん」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上郁/再話

本のお知らせはこちら→https://katarinomori13.com/itiba.html

頭の大きな男の話」 『日本の昔話4』

金剛山(くむがんさん)のとら」 『朝鮮民譚集』孫晋泰編/勉誠出版  村上郁/再話

※『日本の昔話1~5』は、小澤俊夫/再話 福音館書店 です。

 

●「うりひめ」は類話がとっても多いんですって~。よく知られている「うりひめ」では、あまんじゃくがものすごく悪いヤツだったり、ものすごく怖いヤツだったり、うりひめが食べられちゃったり、、、。

そのたくさんの類話の中から、村上郁さんがこの「うりひめの話」を選んで再話されています。この「うりひめの話」では、あまんじゃくは怖いというより、いたずらっ子の子どもそのものです。「いっしょに外へ遊びにいこう」と言います。「なしの実に鼻くそをつけて落としたり」して、くすっと笑ってしまいます。怖い話としての印象が強い他の「うりひめ」とは違って、この「うりひめの話」は、怖くないあまんじゃくなので、ほほえましい、幼い子にも語れるおはなしになっています。ブラボ~!!

 

●日常語で普段話していると「~と言いました」や「~と言うと」は省略していることが多いです。日常語のテキストにするとき、緊張している場面や、早く次が聞きたいだろう場面や、テンポよく次にいきたいところなどは、思い切って「~と言いました」をカットしてみてもいいかもしれません。

 

●「夢の蜂」は登場人物の二人の男を、どちらの男のことを言っているのか聞き手に分かるように語るのがなかなか難しい問題です。書きことばのテキストには描かれていない<間>をうまくとらなければいけないようです。

 

●日常語の普段の会話では

「あっはっは、あっはっは」と笑いはってな

とは言いません。表現しづらく難しいので、

「大笑いしたんやて」(かぶバージョン)でいいんですね~

 

●「柿売りたち」を普段使いの日常語にするとどうなりますか~?

「私たち」だったら「私ら」でいいんですけど…

「柿売りら」はちょっと言いにくいかも。(もちろん言いにくくない方はいいんです…)

「柿売り みな(みんな)」だと自然な感じで複数形になりますね(*^o^*)

 

 

今日はとってもとっても暑いです。

日が照りすぎてもおそろしい、雨が降りすぎてもおそろしい、、、

自然はものすごいエネルギーでおそってきます。

昨日は七夕でした。

いろいろなことをお願いしました……

 

8月は日常語の勉強会はお休みです。

9月には過ごしやすくなってるかな?

みなさま、ご自愛くださいね。

よい、夏休みを~(*^0^*)♪♪

 

かぶ~

6月 日常語の語り勉強会

またまた遅くなりました。

6月6日の日常語の語り勉強会の報告をします。

<語り>

かにかに、こそこそ」『日本の昔話②』 福音館書店 小澤俊夫/再話

心地いい日常語の、ふんわりとした雰囲気で、自然におはなしがすぅ~と入ってきます。

このおはなしでは、おじいさんがかわいがっていたかにを、おばあさんが食べてしまいます。

子どもはカニやカメやザリガニなどを飼ったり育てたりしています。

けっして聞き手がかにになって聞かないように、また、かにに同情しないように、注意して語らなければいけません。

今回は何だかかにがとってもおいしそうに思えましたので、おはなしもとても面白く感じて良かったです。

 

十五夜の月」『子どもと家庭のための奈良の民話三』  村上郁/再話

この語り手さんの日常語もすご~く耳に心地よく、お声も美しく、おはなしがす~~っと心に届いてきます。

奈良の古い古い資料も調べてきちんと再話されているおはなしですので、十五夜の月や、和尚さんと小僧さんのユーモラスなかけあいが目に見えます。

美しく完成です。

 

うりひめの話」 語りの森HP 日本の昔話より

リンクこちら→https://katarinomori13.com/jfolktales.html

今回も助詞の話題が出ました。

日常語に直したとき、文章を切ったり、つなげたりすることがあります。

一つの文を二つに分けた時、助詞を元のまま使うと違和感がでることがあります。

省くのか残すのか、変えるのか・・・ひとつひとつの助詞の意味合いにも注意しましょう。

こちらのおはなしもいよいよ完成です~

 

<テキスト>

半分のにわとり」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』 村上郁/再話

本のお知らせはこちら→https://katarinomori13.com/itiba.html

共通語「鳥のむれ」の「むれ」は、日常ではあまり使いません…

(日常で使う方は「むれ」でいいのですが…(^_^;))

もう少しくだけた普段使いの感じにするとどうなりますか?

私が子どもと話すなら「めっちゃようさん鳥がおってな」かなぁ…

日常語は一人一人語り手さんごとに違います。当たり前ですね。

昔話はそうやってひとりひとりの口伝えで、ずっと昔から人から人の心へ伝わってのこされてきたんやもん。

どの助詞を選ぶのか、どの言葉を選ぶのか、どのおはなしを選ぶのか、何を伝えたいのか、どこを伝えたいのか、、、

自分の心に、そして、伝えたい子どもに、真摯に向き合う作業です。

おっと、どんどん話がそれて長くなる~~~

半分のにわとりって、子どもたちはどんなにわとりを想像するんでしょうね~

(^0^)/覗いてみたいなぁ~

完成が楽しみなおはなしです。

 

今回は4つのおはなしをじっくり取り上げていただきました。

 

梅雨だというのに雨が少ないですね。雨は好きじゃないんですけど、あまりに降らなさ過ぎても心配になります・・・

つぎは7月。よろしくお願いします~(*^_^*)

 

 

 

 

『昔話の語法』講読会 始まりました

『昔話の語法』講読会が始まりました!(^^)!

『昔話の語法』(小澤俊夫著 福音館書店)は、たいへんざっくりというと『ヨーロッパの昔話その形式と本質』 マックス・リュティ著・小澤俊夫訳 岩崎美術社)のリュティ先生のメルヒェンに関する様式理論を詳しく解説した本です。
ああ、なんと難しい書名と単語の羅列!
ここでもうくじけそうになってはいけません。
(誰もくじけてないって…)
わたくしは、「昔話には語法がある」ことをお勉強してきてはや幾年月…。
何度同じことを教えてもらっても、「これはジャメヴ(未視感)か?」と思うくらいのできの悪さ(´;ω;`)ウッ…
そこに、待望のこの講座でございました。
すでに、語りの森ホームページ「昔話の語法」で何かをつかみかけていた(気分が満々の)わたくしは、この日を心待ちにしていたのでありました。
少人数の講座ということで、小さいけれど決して狭くはない定員ちょうどくらいの部屋が、いざ全員が座ってみると意気込みなのか、各自の存在感がすごいのか、部屋の満杯感がすごくて驚きました。

ヤンさんの講義が始まると、線を引く重要な箇所・説明を書きこむ箇所が、わたくしの場合、ほとんどがすでに引きまくって書きまくってあるわけです。
しかし、今回はジャメヴではな~い!
それに、手を動かす必要がないので集中でき、頭に講義がスゥ~っと入ってきました!
入って、またスゥ~っと抜けていった今までとは違う感覚がありました!!

今回は第四章の一「一次元性」と二「平面性」まで。
次回は三「抽象的様式」です。
宿題はそこを読んでくること(^◇^)
抽象的様式!
どこからでもかかってきなさい!
カモ~ン!(^^)!