10月のあったかペーチカ

この日も暑かったのでクーラーを入れました。昼間は夏の気候、朝晩は秋の気候と、ここ最近毎日のように二つの季節を感じています。汗をかいたり、すーすーしたり、忙しいですね!さてさて、ペーチカは10人の参加がありました。

さる地蔵 『子どもに語る日本の昔話1』こぐま社

あなのはなし『おはなしのろうそく4』東京子ども図書館

老犬ズルタン『語るためのグリム童話3』小峰書店

まほうの鏡『語りの森昔話集1』語りの森

三つのオレンジ『語りの森昔話集5』語りの森

しんぺいとうざ『語りの森昔話集3』語りの森

かちかち山『語りの森昔話集4』語りの森

三本の金髪をもった悪魔『語るためのグリム2』小峰書店

いちじく畑の亡霊『アルゼンチンの昔話』世界民間文芸叢書 より再話

鳴いてはねるヒバリ『おはなしのろうそく16』東京子ども図書館

これだけたくさんの語りを毎月聞くという体験は、希少なことだと改めて思います。想像力や耳を、五感を使う時間が長く、内側の人間力のようなものを鍛え育むトレーニングになっているような気がします。聞いている時はゆるやかに、身を任せておはなしを聞いているのですが、自然とそんな事になっているのではないでしょうか。私のことで言えば、人との会話でもその人の話が良く聞こえてくるようなところがあり、言葉以上の事が分かるような?気がするのです。それを客観的に見ている自分もいます。みなさん、そんなことないですか?おはなしのことばかりの毎日で、ちょっとおかしくなったかな〜(笑)色んな事がわかりたいなという自分の思惑も強いですね、実際は違うことも多々ありますし。勝手に判断、比較せずに、そのまま受け止める姿勢でありたいです。そんなことで、この日のおはなし談義では、「自分の好きなおはなし」から「おはなし会に来る子どもが喜ぶおはなし」への気持ちの転換が起きているとの嬉しい話がありました。今後のご活躍が楽しみです。

来月のペーチカは総会でして11/30(日)10:30〜「みんなで楽しむおはなし会 貧乏神大会」です。ぜーぶんのおはなしが貧乏神!ふるってご参加申し込みして頂きたいですー!

死神ってなに?

今日は中秋の名月🌕
今現在はまだまだ雲が多い空ですが、予報を見るとこれから晴れるようで、今夜はきれいなお月さまが見られるかもしれません。
9月4日の図書館のお話会の報告です(*^_^*)

手遊び くーるぽん
おはなし 「みじめおばさん」語りの森HP外国の昔話 → こちら
 〃   「おいしいおかゆ」『おはなしのろうそく1』東京子ども図書館
絵本 『たべるぞたべるぞ』田島征三/作 佼成出版社
 〃 『へんなおにぎり』長新太/作 福音館書店
 〃 『おにぎりぱく!』はらぺこめがね/作 白泉社
 〃 『ぽとんケーキぱくっ』オオノマユミ/作 講談社
手遊び さよならあんころもち

参加人数は、子ども14人、大人11人。
この日、くーるぽんで、10個がでました!
1個、2個といつものように進んで、急に子どもが「10個!」と言ったのでヤンさんは慣行しました。
でも、10個はやりながら数えるのが大変で、一番大変なヤンさんはオーバーして12個くらいまで行ってましたよ(笑)
その後も、子どもが「100個!!」と言ったのでヤンさんが、「ええ~、図書館から帰れへんようになるで~」で、みんな大笑いでした(≧◇≦)
「みじめおばさん」では、死神が出てきますので、出てきたところで小さい子どもたちのために説明を入れられました。
ヤンさん「死神ってしってる?」
子ども「… … …」「知らん~」
ヤンさん「死神っていうのはな、これから死ぬ人を迎えにきはるねん。顔は骸骨になってて、大きな鎌持ってるねん」
子ども(初めて聞くものに対して、ふ~んという気持ちと、なんか怖いもんなんかなあという感じの口ごもりの反応)
こうして説明しておいて、話が進んで死神まで梨の木にくっついてしまった後、「その後どうなったと思いますか?」につながるわけですね。
「どうなったと思う?」とヤンさんが聞いて、子どもたちの反応をみてそれを受けた語りをする。
「おいしいおかゆ」でも、最後におかゆをとめることばを「なんやった?」とヤンさんが聞くとひとりの子がちゃんと覚えていて答えてくれていました。
くーるぽん10個といい、おはなし2話といい、ヤンさんが最近よく口にされる聞き手と語り手のキャッチボールを目の前でリアルに見せてもらって楽しいと同時にとても勉強になりました。
見ているのはとても楽しいのですが、自分のこととして考えると……
とても恐ろしいことなので、しばらくは考えないことにしておきます(笑)
絵本は、味覚の秋にちなんでいるのでしょう、おいしいものいっぱい!
さよならあんころもちのころには子供たち、食べ過ぎてお腹いっぱいなのか「もうええわぁ~~」「もうええってぇ~」
みんな笑いっぱなしでした(*^_^*)

わたしだけのためのおはなし「モリー」

 みなさま、秋刀魚が豊漁みたいですね。もう食べましたか? 今年の中秋の名月は曇り予報のようですが、美しいお月さま、見られるでしょうか😊
そう、秋なんですが、晴れると日差しが真夏です。何とかして~😓 遅くなりましたが9月27日土曜日の図書館おはなし会の報告です。

 子ども 18人 おとな 10人
 
手あそび くーるぽん
おはなし 「かしこいモリー」『おはなしのろうそく1』東京子ども図書館
絵本 『のんびりしてたら…』五味太郎/ポプラ社
絵本 『いわしくん』菅原たくや/文化局出版
絵本 『おしりじまん』齋藤槙/福音館書店
絵本 『ともちゃんとうし』市川朔久子 作/おくやまゆか 絵/岩崎書店
手あそび さよならあんころもち

 気候が良くなってきたせいか、図書館もなかなかの賑わいで、じゅんたんコーナーにもたくさん来てくれてはいるのですが、「モリー」きくにはちょっとだけ幼い子が多いかなぁ……そして、しかも、「出入り自由」ときています。きいている子どもたちに、おはなしに集中してもらうために、何とかしたい気持ちはあるのですが、あぁ、もどかしいことです😓 
 でも、小さい子どもと一緒にじゅうたんコーナーで聞いてくれていたお母さんが、後から来たお友だちのお母さんに「今日、モリーだったのよ!」と話しているのが聞こえて、「モリー」と知っていて来てくれてたんだと、嬉しくなりました。
 自分が主人公そのものになれるおはなしって、このくらい骨太じゃないと入っていけないというか、三回の繰り返しが物語を「ほんとう」にしてくれるからなのでしょうか。とっても楽しいです。
 親という立場からしても(朝方に見る訳の分からない夢みたいに急に視点が変わってますが)もしも、自分の子どもに危害を加えるヤツがいたら、こってんぱんにしてやりたいし、むしろ、これくらいで済んでよかったな!くらいに鼻息荒く捨て台詞を吐きたいくらいの爽快さを感じてしまいます。
 そう、わたし、ヤンさんの「かしこいモリー」を聞いて以来、「モリー」は聞くのも、語るのも、大好きです。子どもに何をおいてもあなたが一番大事、そのためにはあなたの周りの人にも幸せでいてほしいという願いが、このおはなしにある気がします。続く絵本も「大事なこと」をテーマにされていたのかなと思う素敵なプログラムでした!

どこへ行きたいんだろう🚶‍♀️

古い雑誌を取り寄せました。
『季刊民話』民話と文学の会
その創刊号で、1974年12月1日発行。
全96ページの薄っぺらな冊子です。
編集後記に、創刊号を作るために、奥丹後、会津、出羽とよく旅をしたと書かれています。民話の雑誌は足でかせいで作らねばならないとも。
その旅で見つけた語り手は、その土地でおそらく一生を終える人たち。その語りは、その土地の言葉で、その土地独自の物語。

生成AIで動画まで作れる時代に、このような雑誌が保存され市民の目に提供されるとは、ほんに、図書館は宝箱だと思う。

この雑誌に掲載されている話のいくつかは、これから再話して語ってみようと思いますが、今回は、松戸市にある幼稚園の先生のエッセイについて書きます。
「おむすびとパンツ」という題の文章です。

先生はいつも園の子どもたちに昔話を語っているようです。
あるとき、「おむすびころりん」を語りました。
「むかし、あるところにおじいさんとおばあさんが・・・」と語り始めると、子どもが、「知ってる!桃太郎だ」といいました。
これって、今でもよく経験しますね。ヤンなんかしょっちゅうです(笑)
そのとき、先生は、なにくわぬ顔で先を続けました。すると、子どもが首をかしげます。先生は、「始まりは桃太郎と似ているけれど、違う話だよ」と説明を入れます。

ね、説明を入れるんですよ!

おじいさんは、おむすびをひとつずつねずみの穴に入れていきます。ぜんぶ入れ終わったとき、先生は子どもたちに相談するんですって!
「もう何もいれるものがなくなった」って。すると子どもが、
「まだあるよ、パンツが残っている」
先生は、
「パンツもころりんすっとんとん」と語る。そして、「あーあ、もうなんにもない」というと、子どもが、
「あるよ、おじいさん入っちゃいな」
先生は、
「それじゃあ、目をつむって、えい!おじいさんは、穴の中に飛びこみました」

そうやってストーリーは、あるべき道を進んで行くのです。

この先生は、子どもの反応を見ながら、手ぬぐいや着物などを穴の中に投げこんでいくそうです。子どもと語り手とが一体となって話をつくりあげていく。
この場面が、子どもたちがいちばん熱中して聞き入って来るそうです。

うーん、まいった!

子どもと一体になる語りは、ヤンも目指しているけれど、その方法はとっても難しくて、いつも試行錯誤。
まずはテキストに書かれた言葉にとらわれずに、話の魂を理解して自分の心に取り込むこと。そこではじめて言葉は自在に働くし、聞き手の気持ちと一体になれる、と思う。

先生は、子どもにとって民話だけがすべてではないとしながらも、こういいます。

「わたしが話している昔話を子どもたちが大きくなったその日に、自分の子どもたちに語って聞かせてやれる日があればと思いつつ、ひとつでも多くの昔話を自分のものとして知り、子どもに面白く語れる人になりたいと願っています」

がんばります。
すてきな先達に会えました!


子どもの柴刈りの写真(季刊民話)

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昨日はおはなしひろばを更新。
「おおかみサラマル」聞いてくださいね~

さてさて、毎日バタバタしていて既読スルーしていた井戸端会議のみなさんの記事をじっくり読み返さなくては~

 

9月プライベートレッスン

やっと、朝夕は涼しくなってきて、寝やすくなりましたね。
とはいえ、日中はまだ暑い日もありますから、みなさん体調を崩さないようにお気を付けくださいね。
9月のプライベートレッスンは2話でした。

語り
「おいしいおかゆ」『おはなしのろうそく1』東京子ども図書館
語り方は申し分なく仕上がっておられるのですが、異年齢の子どもたちのお話会に行っておられ、聞き始めの低年齢の子どもさんたちに、集中して聞いてもらえるようになる方法をいろいろと模索されていました。
今回はそのお悩みを相談されていて、チャレンジ精神とガッツに恐れ入りました。
まだ若いころでも、チャレンジ精神もガッツもなく、ただアタフタと進めていたわたしでしたが、年を取るとなおさら安定という名の省エネルギーにおさまってしまっていて、よどんでいたなと気づかされました。
ヤンさんは、細かく状況を聞いてプログラムのアドヴァイスをされました。
プライベートレッスンは、深い話ができるのでいいですね。
このすぐ後にお話会に行くということでして、さっそく試してみると言っておられました。
張り切っておられる様子が、すり切れた自分にはまぶしかったです(笑)

テキストの整理
「世界でいちばんきれいな声」『おはなしのろうそく11』東京子ども図書館
こちらも小さい子どもさん向けのおはなしですね。
なんと、参加者さんは、英文の原話を見つけられました。
1951年にアメリカの出版社から出されていて、第二次世界大戦前後のいろいろな本から集めた話が一冊になっているようです。
どうやって見つけたのかじっくり教えてほしいところです。
貴重な原話を見ることができて、勉強になりました。
日本語のテキストがあるわけですから、なんとか英文がわかります。
「三びきの子ブタ」の時も思いましたが、英文を読むと、テンポがとてもいいことがわかります。
日本語にするとそこのところが失速するように思うのですが、それは仕方のないことかもしれません。
ですが、テキストを整理されることによって元のテキストよりテンポはよくなっていますので、聞きやすく語りやすくなりました。
参加者さんのように英語力があれば、こんなこともできるんですね!

10月のプライベートレッスンはどんな話が出てくるのか、楽しみです。
お申し込みをお待ちしてます~~(^O^)/