5月の日常語による語りクラス🐶🐈

今年度から、日常語クラスは奇数月の開催になりました。
5月のメニューを報告します。

語り
「師番の赤馬」 『日本の昔話2』福音館書店
まもなく行われる語りの森総会にこの話でエントリーされていますので、気合を入れて練習されてきたことと思います。
完成度が高いというか、総会が明日でも語れるような滑らかさでした。
おみごと!
ちょっと悲しい話ですが、語り手さんのやさしい暖かい語り口がその悲しさを和らげてくれているようです。
総会でもう一度聞けるのが楽しみです!(^^)!

「おんちょろちょろの穴のぞき」 『日本の昔話5』福音館書店
ステージ型の語りをされるかたですので、テキストもひと味もふた味も違うものになりました。
日常語にテキストを変えるというのは、どれも自分だけのテキストにするということですが、語り手によってこんなにも違うのだというのを実感しました。

「めし食わへんよめさん」 『語りの森昔話集1』語りの森

すでに、3年生に語っておられました。冒頭に出て来る木こりが分からない子どもがいたそうで説明を入れたそうです。
そして途中で出て来る5升のご飯の量も分からない子どもがいたので、これも説明したそうです。
日常語で語ると、説明とおはなしの境が分からないから、おはなしの世界にいる状態のままに説明も済ませてしまえるので、「ああ、便利で楽♪」なんですよね。
おはなしの世界が壊れるので説明は極力したくないですが、ほんとに自然に説明できますよね。

「犬と猫と金のえびすさんとだいこくさん」 『日本の昔話3』福音館書店
犬と猫が宝物を口にくわえながら川を渡っているところや猫が宝物を落とすところ、くっきり聞き手に分かるように語るのは難しい話だなあと思いました。
そこをよく分かるように語ってくださいました。
猫が木に登る→鶴を脅す→鶴が川の中の亀に頼む→亀が取って来て鶴に渡す→猫に宝物が戻ってきて犬に怒られずに済む
っていうのが、面白いです。

「まほうの鏡」 『語りの森昔話集1』語りの森

改めて、面白い話だなと思いました。
「本で読んで面白いって知ってましたけど」なのに、やっぱり面白いんですよね。
そして今回のお勉強は、<最初に単語を間違えると、まるでボタンの掛け違いのように他のことも次々に崩れてしまう>です。
教訓ですね。
そして、名言です。
みんなが覚えがありますよね。
ちょっと間違えてしまうとそれが気になるので、他の言葉や簡単な言葉が出てこなくなってしまう。
みんなで再確認いたしました。

ヤンさんの語りは「竹の子童」(『語りの森昔話集2』語りの森)でした。
ちょうど今竹の子が出回っていておいしいですね。
まさに生活に密着した語りを聞かせていただきました。

テキスト
「まんのええ猟師」 『日本の昔話4』福音館書店
“まのいい”という言葉、いまの子どもさんたちにはあんまり分からないようですので、語り手さんの日常語である“まんのええ”もポピュラーではありませんが、両方分からないのなら日常語のほうにしておいたらいいということでした。
両方分からないんならしかたないですね。
テキスト本文が日常語になおしてあるんなら、タイトルも日常語にしたほうが統一性があるということでしょうか。
それもそうだと思いました。

語るときの姿勢について話が出ました。
勉強会の部屋にあるイスはコマがついていて、座席の部分は360度回ります。
語っているときに、どうも無意識に左右にイスが回って、体が揺れているようです。
語っているときに自然に体が揺れるのは気にならないが、イスごと揺れると気になる聞き手もいるということで、今まで目が慣れてしまっていて気づかなかったことだと思いました。
ではまた、次回までみんながんばりましょう~(^o^)/

5月第2週おはなし会🎏

長い連休が明けて、あちこちが再始動です。
今週は、小・中・高と、打ち合わせ諸々がつづきました。
例年に比べてちょっと出足が遅いのは仕方がないですね。
おはなし会もありましたよ。

9日(木)
幼稚園5歳さん
ろうそくぱっ
おはなし「さんびきのくま」語りの森≪外国の昔話≫
おはなし「だんごころりん」語りの森≪日本の昔話≫
ろうそくぱっ
「だんごころりん」は一クラスだけ。
「さんびきのくま」は、4歳のときにも語ったのですが、「知ってる」っていいながら喜んで聞いていました。
くりかえしが楽しいのですね~

10日(金)
小学2年生 朝の20分
おはなし「はらぺこピエトリン」『子どもに語るイタリアの昔話』剣持弘子編訳/こぐま社
おはなし「竹の子童子」『語りの森昔話集2ねむりねっこ』村上再話/語りの森
去年までは朝のおはなし会は15分でした。

長いお休みのあとで、しかも結構暑いので、なんとなく集中力にかけた感じでした。いや、おしゃべりしてるとか、ちゃんと聞いていないとかではなくってね。なんとなくフツーって感じ
おばちゃんも、ちょっとお疲れ(笑)

あっ!あれやで!

 今年のG・Wは10連休となりましたが、いかがお過ごしでしたか?
昨日も行楽日和のいいお天気でしたね! 
 が、しかし、晴れだろうが、雨だろうが、10連休だろうが、
毎週土曜日はおはなし会なのです!
今日は子ども4人、大人1人の常連さんONLY☆です。

 手遊び  「じゃがいもめだしたじゃんけん」
 おはなし 「おはなしのだいすきな王さま」
 おはなし 「かきねの戸」
 絵本   「みちくさしようよ!」 はたこうしろう・奥山英治さく
                  はたこうしろうえ ほるぷ出版
 手遊び  「さよならあんころもち」

ヤンさんの「はなしのだいすきな王さま」って、ほんと、た・の・し~・い!
そして、お客さん(館長さん用語)が、多かろうと、少なかろうと、関係な~い
んですね。いつもとおんなじ。ほんとすごいです!
だって、みなさん、このお話って、笑ってもらうの難しくないですか?
このお話は笑ってもらってこそのお話だと思うのです……。(私、反省中)
さて、
二つ目のおはなし。ヤンさんが「かきねの戸」というと、
常連さん、かぶせる勢いで、「あ!あれやで!」「あれやで!」
ヤンさん再話の、ほんとに何度も聞いたことのあるお話なのです。
でも、「あれやで!」なのね。
おはなしって、いつも新鮮なんですね!!
絵本もじっくりじっくりと読むことができました。

4月のおはなし会🌸

新しい年度が始まりました。
怠けずに、報告を続けます(笑)
図書館のおはなし会の報告はおらふさんがしてくださるので、ヤンは幼稚園・小学校・中学校・学童その他もろもろで子どもにもてあそばれている風景をご報告します。

年度初めに5歳さんというのは、とっても元気になります。
一年を気持ちよく始められます💖

18日(木)
幼稚園5歳児 2クラス
ろうそくぱっ
おはなし「ホットケーキ」 『おはなしのろうそく』東京子ども図書館
ろうそくぱっ
去年一クラスだったのが、人数が増えて今年は二クラスになっていました。
クラスの人数は減ったわけですが、エネルギーは減ったようには思えない(笑)
「おとーさんからも、おかーさんからも、七人のはらぺこぼーずからも・・・!」
みんなでにぎやかに合唱しました。

23日(火)
幼稚園4歳児 2クラス
ろうそくぱっ
おはなし「ひとりふたりさんにんのこども」『おはなしのろうそく』東京子ども図書館
絵本『ころころにゃーん』長新太/福音館書店
ろうそくぱっ
まだまだ小さな4歳さんです。やわらかな笑顔に、おはなしばあちゃんの心もいやされます。
この子たちには初めて絵本を使いました。
ころころと転がってくるのが何なのか、初めは分からず、とってもふしぎそうに見ていました。
やっとわかったと思ったら、大きい玉を見て「あ、おねえさんねこ!」
最後は、「おにいさんねこ!」

24日(水)
学童保育 30分
てあそび よもぎだんご (仲間)
おはなし 「どっこいしょ」(仲間)
おはなし 「ホットケーキ」
絵本 『びくびくビリー』アンソニー・ブラウン作・灰島かり訳/評論社
絵本 『いったでしょ』五味太郎/偕成社
絵本 『ころころにゃーん』長新太作/福音館書店
家庭訪問期間中なので、人数は少なめ。
今日はじめておはなしを聞くという1年生は、三人でした。一番前で目をまあるくして聞いていました。
目が合うと、もじもじしていました。かっわいい。
そうです。だれでも、初めておはなしを聞く子どもは、語りの場で、語り手とどう関係を持てばいいのか、わからないのです。
慣れてくると、やっと、おはなしの世界に入りこみます。
この慣れるまでの時間が、ミソです。
ここの学童では、2年生以上に聞く姿勢が出来上がっているので、きっと慣れるのも早いと思います。

さあて、始まりましたよ~
子どもから生き血、あ、いや、エネルギーをもらおうと、わくわくしている山姥ヤンでした~😍

再話クラス✾

カラスがごみを荒らしているので、注意喚起の張り紙を作成した今年班長のジミーが、再話クラスの報告をいたします<(_ _)>
(班長と再話クラスに関係はありません)

語りによる再話確認
「地蔵浄土」 『全國昔話資料集成14芸備昔話集広島』岩崎美術社
テキストを見ないで耳だけで語りを聞いていると何の違和感もありませんでしたが、その後テキストを見ながらの勉強の時間になると、何か所か指摘するところが出てきました。
ということは、語り方でおかしいと思ったり思わなかったりの違いが出てくるということでしょうか?
それは恐ろしい。
わたしは、そんな技量はありませんのでテキスト通りに覚えるしかありません。
そんなことを勉強できたと思います。
再話検討
「人と動物の寿命」 『昔話研究と資料第四六号』日本昔話学会
話の前半は、神さまが人間と動物たちに寿命を決めるという内容で、それを受けて後半は人間の人生の苦労を妻子のあるサラリーマンを例に挙げておもしろおかしく聞かせる内容です。
出版年が2018年です。
後半は世間話になっています。
ということは、昔話がこうやって移り変わっていくのだということと、元の形が『日本昔話通観』には残っているだろうということを学びました。
世間話には世間話の面白さがありますが、再話をするときにまず原話を決めて、それを誰に語るかということが重要です
対象を誰にするかで、再話が全く変わってきますし、そもそも面白い原話でも語れないと判断しないといけないかもしれません。
〝誰に語るか〟
中級クラスで常に基本に戻らなくてはいけないという話が出ましたが、原話選びでもそうですね。
笑える原話なんですが、真剣にいろんなことを考えさせられました。
「しじみ兄弟の竜宮行き」 『日本昔話通観第15巻』同朋舎
太郎しじみ、次郎しじみ、三郎しじみが竜宮へ向かいますが、太郎と次郎は着けずに三郎だけが着けるというお話。
かわいいお話です。
最初タイトルが「しじみの兄弟」とされていたのですが、「しじみの三兄弟」がいいという意見が出て採用されました。
いっそ「しじみ三兄弟」はどうかという意見もありましたが、採用されませんでした。
むかし、だんごでそんなタイトルがあったからでしょうかね(笑)
原話に欠落している一文がありました。
欠落しているとはいっても、勝手に入れてはいけません。
でも、明らかに一文が必要なら、さて、どうするか?
もちろん、文章を作るのですが、原話から推測できる事実だけを表す一文を入れるのです。
決して、事実を作るのではありません。
ということは、記憶にとどめましたが、さあ、次に自分がトライするときに出来るかどうか…。
欠落しているのは分かるんですが、作らずに一文を入れることはほんとに難しいと思いました。

再話と語法は同じペースで勉強していかないと、再話力が上がらないと思ったんですが、それも基本でした。
常に基本を忘れるべからず!
というのを、忘れるべからず!!です(笑)