4月の中級クラス

今年度初めての、中級クラスの勉強会の報告です(^^♪

山の上の火 『山の上の火』クーランダー他/渡辺茂雄訳 岩波書店
まぬけなトッケビ 『おはなしおろうそく30』東京子ども図書館
おんちょろちょろあなのぞき 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森
かしこいモリー 『おはなしのろうそく1』東京子ども図書館
ヤンさんの語り
三びきのくま 『イギリス民話集1トム・ティット・トット』J・ジェイコブス再話/木村俊他訳 東洋文化社

『ノート式おはなし講座語りこの愉しき瞬間』
P18おはなしの選び方
どのおはなしを覚えるかというのは大抵の語り手には大問題ですね。
だから人から勧められたら、タイトルと同時に言われた言葉もうのみにしてしまいがちです。
でも、語り手にそれぞれ個性がありますから、低学年向きと言われる話を高学年のおまけで語って大うけする人もいますし、低学年には難しいと思われる話を小さい子どもに語れる人もいます。
聞き手も、おはなしを聞く機会が年に一度の聞き手、月に一度の聞き手、それぞれです。
聞き手と語り手との信頼関係がどの程度できているかということも関係してきて、一概に○○年生向けのおはなしという言い方は難しい、ということを教わりました。
自分の目の前にいる聞き手のニーズと言いますか、終わった後に満足してくれている状態になるのは、いったいどの話だろうと必死に考えて、かつ、自分が嫌いでない話で(好きならばなお良し!)覚えられそうな話をこれまた必死に覚える。
楽に覚えられる人がいたらごめんなさい<(_ _)>
でも、そんな人とは反対に必死と覚悟を決めておかないとわたしは覚えられません(笑)
おはなしの選び方は、聞き手が固定している場合は、おはなしも考えやすいですが、いろんな場所に行く場合ですと決め方が難しいですね。

今年度からメンバーが増えました。
HPから申し込んでくださっていたかたが1人おられて、今回から参加されました。
そして、見学のかたが2人こられていまして、参加を決めてくださいました。
わたしも今回からが正式な参加者ですので、4人増えたというわけです。
今年もみんなで、語りの勉強頑張りましょう!!

~おはなしをたのしむ~ がらがらどん創作モノ大会 

あたりでは、桜の見ごろは終わり、桜吹雪となっております。
久しぶりの、そして平成最後のがらがらどん〝創作モノ大会〟が行われました。

プログラム
あなのはなし 『おはなしのろうそく4』東京子ども図書館
ごぞんじ、あなが四人の仲間と旅をするおはなし。子どもさんが来てくれていたことと、急用で来られなくなったプログラム1番だった語り手さんの代わりに、急きょヤンさんが語ってくれました。短い話の中に冒険がある、安定のロードムービー的なおはなしです。
二ひきの蛙 『定本新美南吉全集』新美南吉/大日本図書
小学校のお話会で新美南吉がテーマになるとき用のおはなしだそうです。黄色と緑の二匹の蛙が突然お互いの色をけなしあい、喧嘩が始まります。しかし冬眠の時期で喧嘩は時間切れ、「目覚めたら決着をつけようぜ」的に終わります。そして目覚めたとき二匹はどうなるのでしょう?
初代のシュレミール 『ヤギと少年』アイザック・シンガー/岩波書店
シュレミールとはいわば〝おろかもの〟です。ですから、〝元祖おろかもの伝〟みたいなおはなしで、おもいだすとおかしさがこみ上げてきます。シュレミールが奥さんの留守の間、赤ちゃんとにわとりの面倒を見る…はずが失敗するという物語。シュレミールが歌う歌が何とも言えずおかしいのですが、なんと、語り手さんの作曲だそうです。短調のメロディーにのった歌詞が笑える内容で、もうたまりません。そして、持ってきてくださった出典本は、貴重な初版でした!
くしゃみくしゃみ天のめぐみ 『くしゃみくしゃみ天のめぐみ』松岡享子/福音館書店
ものすごいくしゃみをするおっかあがいて、その息子の名前が〝はくしょん〟といいます。はくしょんが立派な若者になったとき、おっかあのくしゃみの勢いで遠い村まで吹き飛ばしてもらいます。行きついた村ではくしょんを待つ出来事とは…。
語り手さんの笑わせ方があまりにも狙っているように思い、あとで少し聞いてみましたら、やっぱりものすごく練習したそうです。さすが!語りは一日にしてならず!! 面白かったです。
いつか、ずっと昔 『つめたいよるに』江國香織/新潮文庫
この短編集の中では、「デューク」が有名ですが、こんないい物語もあったんだなと教えてくれました。主人公のれいこが恋人のこういちとデートしています。ですがれいこは、人間にうまれるまえは蛇だったことに気が付いて、気づくと同時に蛇になっていました。そして蛇の恋人と一緒にいると、蛇になる前は……。これは生まれ変わりの物語、はたまた夢か? 語り手さんの個性と相まって、くすっとおかしくもあり、そしてやっぱり不思議な物語です。
銀貨 『本当に読みたかったアンデルセン童話』イェンス・アナセン編/NTT出版
あんまり知られていないアンデルセンの物語です。ジミーが一年間中学校で語らせてもらっていました。外国へ行った銀貨が、にせ金と間違われて苦難の日々を過ごすという物語です。アンデルセンというと小さな子ども向けの話がよく知られているのですが、大人向けの物語もたくさんあります。大きくなっているからこそ、面白くて理解もできるという話が埋もれているように思います。ジミーはアンデルセンの物語が大好きなので、たくさんの人に、いろんなアンデルセンを読んでほしいと思います。
おしゃべりはだいきらい 『放課後の時間割』岡田淳/偕成社
野原にいるのが野ネズミです。だから、学校にいるのは学校ネズミというのだそうです。学校ネズミもいろいろあり、学校のどの場所にいるかで、語る話も違うそうです。この物語は、運動場にいるネズミが語る、プラタナスの木がとても沈黙を好むという話です。学校ネズミがいるなんて、ほんとおもしろい発想ですね!
遠い野ばらの村 『遠い野ばらの村』安房直子/筑摩書房
小さな商店を営むひとり暮らしのおばあさんが、架空の息子夫婦や孫の話をまわりの人にしゃべります。本当のことを知らない人はふんふんと聞きますが、昔からおばあさんのことを知っている人は「またか…」と思って聞いています。ある日、お店に〝おばあさんの孫娘の千絵ちゃん〟が、石鹸を卸しにやって来ました。そして一週間後(正確には一週間の一日前)には兄弟を連れて3人でやって来ます。いったい、誰?! おばあさんの気持ち、孫たちの可愛さ、野ばらの石鹸、手縫いのゆかた、あったかさとやさしさがあふれかえった物語に感激しました。そして、長い話を語ってくださったヤンさんに感謝! 聞いていて長いとは思いませんが、でもこの長さだからこそ出る物語全体の包み込まれているような温かさの中の感動! 自分では決して覚えられない物語を聞かせていただきありがとうございました<(_ _)>

ちょっとあらすじを紹介しようと思ったのですが、やっぱり長くなってしまいました。
でも、いろんな種類の創作の物語を聞くことができ、充実した時間を過ごせたことにみなさん満足していただけたようで、この大会もやれてよかったと思いました。
そして、創作の物語を知り、同時に昔話の良さも改めて認識するという一挙両得感も感じることができました。
語り手のみなさん、聞きに来てくださったみなさん、お疲れさまでした。
ありがとうございました<(_ _)>

さくら~ その2

もう1週間も前になりますが、京都府南部の井手町の玉川にお花見に行きました。
井出の玉川は、奈良時代から山吹で有名なところ。「井出の山吹」「井出の蛙」は古くから歌に詠まれています。
いまは、川沿いに、山吹もありますが、桜の名所になっておりますです。
叔母が写した写真でお花見をどうぞ~




京都はほとんど散っていますが、山形や、北のほうでは、これからですね。
以前、5月に仙台で、北海道では6月に桜を楽しんだことがあります。

おはなしがいい~

 入学式、入園式、進級式も終わり、いよいよ新学期始まって
最初の土曜日です!子ども8人、大人4人のほぼ常連さんでした。
  
 手遊び   「ぎおんのよざくらじゃんけん」
 おはなし  「おいしいおかゆ」
 おはなし  「さんびきのくま」
 おはなし  「ひとりふたりさんにんのこども」
 絵本    「くらべっこしましょ」 石津ちひろ文 松田奈那子絵 白泉社
 絵本    「なにはこんでるの?」 スズキサトルさく ほるぷ出版
 手遊び   「さよならあんころもち」

 何回もきいているであろう「おいしいおかゆ」「さんびきのくま」
でしたが、どこか懐かしい感じ、でもなんだか新鮮……という顔でいしたね😊
おはなし2つ終わって、ヤンさんが「絵本よもっか」といったら
「え~~、おはなしがいい!」………いいですねぇ常連さん、さすがです!
それにこたえるヤンさん、これもまたさすがですね!!

4月度 初級クラス

今年の桜は遅咲きだったおかげか?!、雨が降っても全ては散っていませんね。桜を見ているだけで癒されます。

さて、4月度の初級クラスは「祇園の夜桜、ぱっと咲いた~♪祇園の夜桜、ちょっと咲いた~♪、祇園の夜桜、ぐっと咲いた~♪」の手遊びで始まりました。

今月の語り

①矢のくさり  『語りの森昔話集1 おんちょろちょろ』/語りの森

語る前に「アメリカインディアンのおはなし」と一言添えるとよいでしょう。皮の服にやまあらしの針で飾ってある靴下、お葬式のときに聞こえてくるたいこや顔を黒くぬった村人達など、インディアンならではの独特の生活が描かれているからです。

おばあさんが口に手を当てると食べ物が出てくる場面を力んで語ってしまいました。この後に重要な援助者からの贈り物が描かれますので、その前はさらっと語りましょう。

②みるなのくら  『日本の昔話1』/福音館書店 

語り方がおはなしにぴったりで、完成度の高い語りでした。一の蔵から十一の蔵まで、子どもならどんな景色を想像するのでしょう。「四の蔵 花見」や「七の蔵 七夕さま」はイメージしやすいでしょうか?!「九の蔵 大嵐」や「十の蔵 刈り入れ」は難しいかなと思ったり・・・ぜひ子どもに語ってくださいね。

③あなのはなし  『おはなしのろうそく2』/東京子ども図書館

間が命のおはなしですね。間の取り方は聞き手の年齢や経験によって違うでしょう。練習しているときは、間はとれません。子ども達の前で語って初めて間ができますので、練習のときには自分で「ここで間をとろう」とは考えず、一気に語りましょう。

緊迫感が始まる後半、オオカミがやってくる場面。動物たちが小屋のどこに隠れるか、そしてオオカミが口をあけてパクリと食べてしまいますが、どんな風に飲む込むのか、しっかりイメージしましょう。すると同じ言い方ではなく、一つ一つ違ったものになるはずですよ。

④かめのピクニック  『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/語りの森

入門講座を終えられ、初めて語られました。「父さんがめと(間)、母さんがめと(間)、息子のかめです。」初めは誰もが経験しがちですが、句読点は読むためのものですので、この1文は間をいれずに一気に語りましょう。

練習しているときに、同じところでばかり間違えるので、今日の発表のときもその箇所にくると力んでしまい、必要のない間をとってしまったとの反省でした。

「そうそう」と思い切りうなづいてしまいました。間違えたらいけないと思うと、余計に力が入ってしまいますよね。どうすればいいか?「その部分だけを繰り返し練習するのみ」とのことでした。

⑤三匹のこぶた  『イギリスとアイルランドの昔話』/福音館書店

3番目の子ぶたは「おおかみをうまくだましてやったぞ!」という気持ちを持って語るとよいでしょう。でもわざとらしくはならないように。

⑥手なし娘  『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/語りの森

はじめに衝撃的な導入が書かれています。新しい母親が娘を憎み、父親に山で殺してくるように頼みます。しかし、父親は殺すことができず、両手を切って、そのまま山にのこして家に帰ってしまいます。手を切られたところでは、聞き手が「はっ」と思うように、短いですが丁寧に語ることが大切です。

⑦田の久  『子どもに語る日本の昔話1』/こぐま社

旅役者の意味を理解できない場合があるので、「旅回りで芝居をして稼いでおった」と言い換えるといいでしょう、とのアドバイスでした。

「うわばみ」の説明、Kさんはタイトルを言う前に説明したのですが、最初ではなく、おはなしの中で出てきたときに「へび」と一言添えるだけでいいそうです。

こぐま社の特徴、会話文と字の文に方言と共通語が混ざって書かれており、覚えにくかったそうです。私も福音館書店の日本の昔話が覚えやすく、語りやすいです。

☆ヤンさんによる語り  六匹のうさぎ  『語りの森昔話集1』/語りの森

語りの後、ノート式から「おはなしの選び方」の勉強をしました。やはり一番大切なことは、「自分が好きなこと」。読んでみて「こんなおはなしがあるよ」と思わず他の人に言いたくなるようなおはなしを選びましょう。本にも書かれていますが、対象年齢の書かれたテキスト本や先輩から勧められたおはなしは、あくまで目安にしましょう。

私は息子が3人いますので、どうしても女の子のおはなしより、男の子の成長物語が好きな傾向にあります。同じようなおはなしばかりに偏ってしまうのでは?と思いますが、それでいいそうです。おはなし会は一人ではなく、複数でしますので、それでプログラムを考えればいいそうです。

5月度のクラスでは続きの「2、聞き手の視点からの選び方のポイント」を勉強しますので、読んできてくださいね。

さて、ついに「語りの総会」の抽選が終わりましたね。私は一昨年に語ったので、関係ないとたかをくくっていたのですが・・・見事に当たってしましました。あ~緊張しますね。どんな素敵なおはなしが聞けるか、そして昔話集3にはどんなおはなしが集録されているのか、今から待ち遠しいです!