おはなし会、帰ってきました!

 ご存じの方もいらっしゃると思いますが、図書館のおはなし会が、
7月1日土曜日より再開されました‼
 でも、あのすてきなすてきな「おはなしのへや」で、
ではないのです。児童書の本棚のすみに「じゅうたんコーナー」という
くつろぎながら本を読めるスペースがありまして、そこで、なのです。
 出入り自由のオープンスペース……
なんだか試練のような状況にも見えるんだけど?………。
 しかぁし、はじまってしまうと、心配など吹き飛びました。
待っていました!あぁ、いつものおはなし会だ。うれしい。

手遊び  じゃがいも芽を出した
おはなし「三匹のくま」 『語りの森昔話集4 おもちホイコラショ』村上郁 再話 語りの森
絵本  『いました』 五味太郎 ブロンズ新社
絵本  『ラチとらいおん』 マレーク・ベロニカ文・絵 とくながやすとも訳 福音館書店
絵本  『プラスチックのうみ』 ミシェル・ロード作 ジュリア・ブラットマン絵 川上拓土訳 小学館
絵本  『ばったくん』 五味太郎 福音館書店
手遊び  さよならあんころもち

子ども14人 おとな7人

『プラスチックのうみ』は来てくれた男の子が借りていた本で、その子の「読んで」のリクエストにヤンさんが答えたものです。
にぎやかしの子どもさんとヤンさんのやりとりも、あぁなつかしい。とりあえず、おはなし会、帰ってきました😊

第3回昔話の残酷性について

今日は七夕ですね。
ですが、天気予報は夕方から曇ってきて雨になるそうです。
今朝まで七夕であることを忘れていたのに雨と聞いてなんだかちょっと寂しい中高年のワタシって何なんだろうと思いながら、昔話の残酷性についての勉強会を報告します(^^)

野村泫先生の『昔話は残酷か』(東京子ども図書館)をテキストにして勉強してきましたが今回が最終回でした。
今回は、昔話の残酷性を心理学的にみるとどうなるかについて勉強しました。
今回も、テキスト以外の資料を用意してくださり、野村先生以外の研究者や心理学者の意見も知ることができました。
”昔話は残酷か”という問いに対して、答えは”いいえ”だとは初めからわかっていましたが、3回にわたって丁寧に解説してもらって、改めて残酷というとらえ方をする大人の倫理や、実態を抜いて語る昔話の語法や、昔話を愛のある場所で語り継いでいく必要性などを考えることができました。
わたしは、昔話を含めて物語が好きだから語りをやり続けていると思っているんですが、昔話が語り継がれてきたメッセージを理解したうえで、安心安全な場と人間関係がある状態で子どもたちに届けることが大事なんだなと確認したというか、「お前、今頃確認してるのかい!」と一人突っ込みをしなければならないくらい衝撃でした。
自分がすでにそうであったように子どもたちは昔話を聞く機会が少なくなってきていると思います。
うちの子どもたちは幸運なことにヤンさんのお話会を聞いて育ちました。
ですから、ディ〇ニーも知っているけれども、元になるグリム童話も知っていますし、いまでも印象に残っている語りがたくさんあるようです。
その一方で、生まれた時からパソコンやゲームがある世代で、小学生の時には時間制限をしていたんですが、隠れてやっていたと大人になってからカミングアウト(笑)するくらい、今でもゲーム好きです。
ゲームもいろいろ種類がありますが、子どもの話を聞いていると”それって昔話のストーリーや冒険のワクワク感とかが同じじゃない?!”と思うことがあります。
格闘ゲームとかファンタジー系とかの話を聞くと思うんです。
人は、いくつになっても昔話の中に入っているワクワク感を必要とするんだろうか、それで癒されるんだろうかなどと勉強会の終わりに感じました。
それとかっこよさ。
我が子は時々ゲームに課金しているようなんですが、強くなるためだと思っていたら「かっこよくなるための装備に課金している」そうです。
そういうのを聞くと、残酷な場面をどう語るかというのも大事ですが、もともと昔話の語法どおりに中身を抜いてあるテキストならばその通りに語るだけでいいので、それよりも話の筋や主人公が幸せに向かって課題をクリアする場面をかっこいいと思ってもらえるように語るということに力を注いだほうがいいんじゃないかなと、そんなことを思いました。

この日は、いつもの図書館ではなくて貸会場を借りたんですが、部屋のカギをもらいに行ったときに会場の担当者さんに「タイトルを見て思ったんですが、昔話は残酷だということを勉強する会なんですか?」と言われましたΣ(・□・;)
参加者は全員語り手ですから、このタイトルを見てそう思う人はいないはずです。
でも、世間一般の人というか、ふつうはそう理解するんだと気づかされました。
真逆なんですね。
そう思うと、昔話は決して残酷なのではなくて大切なメッセージがあるんだということを知る語り手という存在が、今はまれな存在になるのかなと思うとともに、語り継ぐことの重大さというか、責任というか、大変さを感じました。
わたしたちって、天然記念物並みに珍しくて貴重なんじゃない?(笑)
そんな少数派でも、語って伝えるということが大事だと思うと、なんか頑張ろうと思いました(‘◇’)ゞ

はじめまして💞なのに😊

とうとう図書館のおはなし会が再開しましたよ。
毎週土曜日午後3時からのおはなし会です。

手遊び じゃがいも芽を出した
おはなし「ひなどりとねこ」『子どもに聞かせる世界の民話』矢崎源九郎編/実業之日本社
おはなし「おいしいおかゆ」『おはなしのろうそく』東京子ども図書館
絵本『がたんごとんざぶんざぶん』安西水丸/福音館書店
絵本『いそげ!きゅうきゅうしゃ』竹下 文子作/鈴木 まもる絵/偕成社
絵本『うしろにいるのだあれ』ふくだとしお/新風舎
手遊び さよならあんころもち

子ども13人、おとな6人

3年も間が空いたら、お互いに新しい顔ばかりなのに、子どもって、ちっとも変わらない。
おはなしの部屋の雰囲気がふわっと帰ってきました。

といっても、密になるおはなしの部屋は使わずに、児童書コーナーのじゅうたんじきの場所が新しいおはなしコーナーです。
完全にオープンなので、あっちの方で本を探しているおじさんやお姉さんにもお話が聞こえます。
語り手の声や子どもたちの声を、うるさがったりしない、あったかい風が吹き続けるといいなあ。

窓の外を通る人たちが、めずらしそうにのぞき込んでいました。

老若男女を問わず、お話や絵本からいいものをこころに受けとる。その共感が子どもを育て、人を孤独から救うんじゃないかと思ったおはなし会でした。

 

6月のプライベートレッスン

雨が降らない曇りの日、蒸し暑いです~~
湿度が高いと何もかもがうまくいかなそうな気になってしまうワタクシ。
わたしだけですか?
そうですよね、どうもすいません<m(__)m>

6月のプライベートレッスンは2話でした。
1話目
「りくでも海でもはしる船」『かぎのない箱』J.C.ボウマン文、M.ビアンコ文、瀬田貞二訳/岩波書店
これは、原話ではなくてすでに再話してある話で、なおかつ翻訳の時点でも瀬田貞二さんの文章となって完成しているものです。
ですから、これを今回どうするかといいますと、読み物としての文章を、語るために耳で聞いて分かりにくいところに少~し手を入れるという作業を勉強されました。
ですが、初級クラスでは絶対この作業はしません。
ヤンさんは、経験をある程度積まないとテキストに手を入れるということを禁じているので、中級クラスになるとその勉強ができます。
それくらい、テキストに手を入れるということを慎重に考えているということなんですね。
テキストに手を入れるときにその根拠となる語法の知識も必要ですし、安易にできないです。
だから、テキスト選びが重要なんだとつくづく感じます。

2話目
テキストを日常語になおす
「おならじいさん」『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』
回数を重ねてこられて、ほぼ完成形でテキストを持ってこられたので、すごく早く、すんなりオッケーが出ました~✌(‘ω’✌ )三✌(‘ω’)✌三( ✌’ω’)✌
すご~い!
へこきじいの話って、聞くのはすごく面白いんですけど、自分で語るのはハードルが高くて…。
「かきねの戸」を語った時、自分もこれが語れるようになったかとうれしかったんですが、へこきじいのことは考えていなくて今回「おならじいさん」を出してこられるのを知って、まだ超えられていない山がここにもあったかと気づきました(笑)
面白い話は日常語になおすともっと面白くなりますから、この話も語り手さんの日常語になおしてみるとテキストが生き生きしてくるというか、頭の中に語り手さんがすでに語っておられる声が浮かんできました。
そして、早く聞かせてもらいたいな~と思いました。
やっぱり聞くのはいいですよね~
自分のチャレンジはやっぱりもうちょっと後に伸ばしておきます(笑)

今年は梅雨入りが早かったから、早く開けるのかな?
少しでも日が差してくるとすぐに30度を超える暑さΣ(・□・;)
体調管理に気を付けて、みんな元気に頑張りましょう(^O^)/

6月の中級クラス

いぬとにわとり 『おはなしのろうそく31』東京子ども図書館

子どもは仕返しのところを喜ぶ。犬が「なにもしません。にらむだけ、にらむだけ」「なにもしません。なでるだけ、なでるだけ」と言っているので、にわとりの仕返しのところも、同じ言葉にそろえるとよい。…それから、いぬは(たいへんおとなしくなって)、にわとりを見ても、けっしてにらんだり、なでたりしなくなりましたとさ。ヤンさんは()を抜いて語るそうです。幼児さん向けのはなしは少ないので、あえて楽しめる形に少し変えて語っているとのことでした。

三匹のくま  『語りの森昔話集4』語りの森

水墨画のように語る。名言がでました。油絵のように隙間なく色を塗って語るのではなく、水墨画のように、描かれている主要なもの以外は真っ白に語る。くまたちがどんな反応をするかに、子どもたちの興味があるので、地の文はスーッと語って、「だ~れかぼくのおかゆに~」で、そのギャップを楽しむ。地の文は白、くまたちの言葉が黒、というようにイメージをはっきりさせる。ヤンさん、ジミーさんの語りでは、中くらいのくまの声のところで子どもたちが笑うそうです。おばちゃんが頑張って中くらいの声をだしているその姿が笑えるのか?(笑)との体験談でした。

食わず女房  『子どもに語る昔話3』こぐま社

ストーリーを活かすために手を加えられている。聞き手の年齢にも合わせて言葉を変える。それでOK。女から鬼婆に正体を現したところからぐっと変わったので、恐いところは恐くできている。テーマを選ばないので、他の話とも合わせやすく、対象年齢も幅広い話。

三本の金髪を持った悪魔  『語るためのグリム童話2』小峰書店

男の子が成長して、王さまが再びやってきた場面で、夫婦の答えに対して「それは、何年前のことか?」という王さまの言葉に、聞き手が反応するので意識して、直前に間をいれる。(さあ、ここから物語が動き始めるよ~という予感を与えるかも?と個人的に思いました)道に迷って、小さな家のおばあさんとの会話、「気のどくだがねえおわかいお方、…」ここは聞き手にとって意外なこと。そして、地獄でも悪魔の母親とも会話「お気のどくだがね…」このデジャヴは現実でのおばあさんを思い出させる。でも、さすが悪魔の母親「何とかならないものか少し考えてみよう」ここで違いを意識する。そして、王さまが黄金をほしがる最後の場面、「ある川のほとりで拾ってきたんです。まだいくらでもありました。」仕返しのために嘘をついていると、聞き手に認識させる。今まで予言された運命の流れに乗ってきた主人公が、初めて自分の意志で行動する場面。自分の命を脅かしてきた王さまへ仕返しをすることを、聞き手にやった!と思わせる。

魔法のかさ  『おはなしのろうそく30』東京子ども図書館

外国のはなしの翻訳だから、語りの言葉ではなく、訳者の言葉になっている。今の子どもに語るには難しいから変える。最初、魔法のかさについての不思議なルール、説明のところをしっかりおさえる。数を数えると、3回飛び上がる場面、「ヒュー!」の直前の間は…①一瞬の驚き 初めて本当に魔法が効く②とたんに③期待(子どもに「はやっ!」て言わせたい)そんな風に間を取るのが良いのではないか。ヤンさんは語りのレパートリーにはないとのことですが、語るならどんな風にするか、思考の仕方を公開してくれました。

ヤンさん手遊び:メロンパン 語り:ミアッカどん 『イギリスとアイルランドの昔話』福音館書店

多くの学びを頂きました~。これを昇華するには10年くらいはかかると思われます。もっとかもしれません!ゆっくり、じっくり育てていきます。まだまだ、わかっていない事がわかっていない。わかりたいけどわからない。勉強会で学んだ事を、実践で体験してつかみたいです。覚えたこの話は、自分にとってどういう話なのか?が実践を通して体で感じてわかってくるとのことでした。だから、一人ひとり違う語りなんだと。楽しんで続けて、その時が来たら気づきがやってくるかな~!と、子どもたちに付き合ってもらいながら、その時を待ちたいです(^^)/

次回は9月19日㈫ zoomです