やっぱり楽しいおはなしの王さま

 11月になりましたね!今年もあっという間に残り2ヶ月となりました。遅くなりましたが、先週土曜日のおはなし会の報告です。三連休の初日ということなのか、図書館はかなり静か‥でも午後3時になるとどこからともなく子どもたちが集まってくれました☺️

子ども7人 おとな7人

手あそび どんぐりころちゃん
おはなし 「おはなしの大すきな王さま」『山の上の火』ハロルド クーランダー/岩波書店
絵本 『おおきなかぼちゃ』エリカ・シルバーマン/S.D. シンドラー 絵/おびかゆうこ訳/主婦の友社
絵本 『とんぼのうんどうかい』かこさとし/偕成社
絵本 『おっ!』高畠純/絵本館
手あそび さよならあんころもち

 なんとなく視線を感じて振り向くと、先日「ひなどりとねこ」を聞いてくれていた女の子がいて、思わず「にこっ」とするとその女の子も「にこっ」と返してくれてじゅうたんコーナーに座りにいきました。「にこっ」が「にこっにこっ」になるととっても嬉しいですよね☺️
 さて、この日はヤンさんの「おはなしの大すきな王さま」❣️これがまた唯一無二、ヤンさんの楽しいおはなしの王さまのなかの王さまの一つ❗️の「おはなしの大すきな王さま」なんですよ。
 繰り返される「ありんこが‥」に子どもたちが「あはは‥!またぁ⁉︎」と、どんどんのってきて、ほんとに、とってもとっても、楽しい楽しいおはなし会でした😄
 ヤンさん、乗せるのがとっても上手いんです。語り手と聞き手が作るおはなしを、このオープンスペースでも可能というのは、もう、さすがの一言です!久々に聞かせてもらって大満足😋
 お願い、お願い、今日もまた聞きたいな〜😊

語法クラス3回目

ちょっと報告が遅くなりましたが、10月に第三回語法クラスがありました。4カ月ぶりですので、記憶の引き出しをひっくり返して、がさごそ。奥の奥にあるものを思い出します。前回取り扱った昔話の「平面性」については、みなさんが提出された課題プリントを頂きましたので、非常に勉強になります。自分では到底気が付かない、考え及ばない部分がありますし、色んなおはなしがあげられていますので、そうなのかー!と感心するばかりです。

さて、今回は『昔話の語法』p220

「 抽象的様式」です。冒頭を少し言い換えました。

「平面性が決定的に一貫しておこなわれると、昔話は現実から離れた性質をおびてくる。昔話はそもそも昔から、私たちの現実世界を、そのさまざまな観点のまま、感情移入的に行動や振る舞いを真似しようとめざしているものではない。昔話は、現実世界をつくりかえ、その色々な要素に魔法をかけて別な形を与え、独自な特徴をもった世界を作り出す」

絵画でいうと、昔話は抽象画と似た描き方をします。

抽象画とは、人物、風景、静物などの具体的な対象をそのまま描かず、色、線、形といった要素を用いて、作者の内面や感情、あるいは抽象的な概念を表現する芸術です。具象画(現実の形を描く絵画)とは対照的で、観る人によって様々な解釈や感動が生まれるのが特徴です。

●小説は具象的

文学の場合で言えば、小説のほとんどは具象的です。主人公の生活を細かく描写したり、町のようす、あるいは列車の中のようすを具体的に描写していきます。

●昔話は抽象的

それに対して昔話は、具体的に語ることをやめ、独特の語り方でもって、いわば魔法をかけて、世界を抽象的な世界へと作り変えてしまいます。

【抽象的用様式】

世界を作り変えてしまう魔法のしかけ①〜⑥(今回は)

①名指すだけ (描写しない)

昔話は話のすじの展開を楽しむものなので、図形的登場人物を、ある点から次の点へ導いていくばかりで、描写のためにどこかに立ち止まることはしない。どのような人物か、どんな場所か、どのように事件が起きたかという説明はしない。単純な統一された言葉で事柄のみを述べる。耳で聞かれる昔話としてはこの方が分かりやすい。

②するどい輪郭、個体、柔らかいものも固く

一寸法師の針の刀、御椀の舟、桃太郎の、にぎりめしころころではおにぎりは鋭い輪郭線で転がってもばらばらになりません。「弥三郎婆」→HP、「炎の馬」大木→日本の昔話⑤おざわとしお再話(以下五巻本)

③小さな空間にとじこめる

登場人物は、堅固な家やお城、あるいは地下の宮殿などに住む。「馬方やまんば」山姥のすまい、「さけのおおすけ」一件の家→HP

昔話は、主人公を塔の中や、あるいは宮殿の中、トランクの中、あるいは箱の中にとじこめる

「ラプンツェル」、「ひひ神退治」お棺、長持「三枚のお札」「お月お星」木の箱

④固いものを好む

「へっぴりよめご」石の臼→HP、「仙人のおしえ」石の玉→五巻本⑤、「おしらさま」→HP、「天の庭」酒樽→五巻本③、「海行こう、川行こう」目玉→HP、「きじない太郎」目玉→HP、「山姥とくし」くし→HP

⑤高貴なものを好む

黄金や銀、銅など、めったにないもの、高価なものは周囲よりもひときわ目立って見える。孤立性が強調されている。

⑥原色を好む(灰色はある)

金、銀、赤、白、黒、(紺青)

「白雪姫」、「きもだめし娘」「ぼっこ喰いあねさま」→HP、白雪姫の白、赤、黒の極端な美は、一歩あやまればその極端のゆえに人を震え上がらせるような性質ではないでしょうか。また、馬は黒か白、あるいは赤です。「師番の馬」→五巻本②

*白と黒は、非個体的対照(色というのは中間色で微妙な差を持つ、連続的な違いがある。白と黒はそれがなく、二つにはっきり分ける)

⑦鋭く明確なすじの線

昔話のすじは遠方へひろがっていき、登場人物を長い道のりをこえた遠い国へ連れて行く。また、援助者が主人公に与える贈り物のなかでは、とくに移動手段となるものが多い。ふしぎな馬や車・靴・マントなどが主人公を遠くへ運び、指輪は主人公が望むところへ連れて行く。「かくれみの」→HP、「夢見小僧」千里車・万里車→五巻本①、「灰坊」→五巻本⑤、「イワンの夢」魔法のじゅうたん、いだてん靴→HP

今回はp230まで読みました。これは孤立性、あれは極端性と決めすぎずに、いくつかの性質を兼ねている場合もあることも教えて頂きました。

口頭伝承であった時代、語り手一人一人の中にテキストがありました。昔話は本来そういうもので、自分の中に素養があると語れるもの。時代は移り変わり、私達はテキストを覚えて語りますから、よく考えれば、本当の語りではないですもんね。ちょっと痛く刺さります。長い年月をかけて、何度も語り、子どもたちの反応から教えてもらって、テキストに手を入れることで、良く聞けるようになれば、それが自分のテキストであり、それは一人一人がする作業です。(そうすることで本来の語りに近付けると理解しました)語りクラスでヤンさんが私達に伝えてくれている事が、さらに深く根を下ろした学びとなりました。時間をかけて細かい所まで丁寧に勉強会の準備をして頂き、本当にありがとうございます。そして、こうしてブログを書かせてもらうことで数日かけて復習をしたら、勉強会の時とはまた違う感覚です。ちゃんと合っているかは不安な部分もありますので、皆様コメントにてご意見、ご感想、補足などよろしくお願いします!

宿題は、上記①〜⑥(⑦は昔話のほとんどがそう)を自分のレパートリーのテキストから探してA4一枚にまとめて、11/30までに提出です。

次回の語法クラスは12/24(火)です。

秋の一日🍂

ようやく夏が終わり、やってくる冬に追いつかれないうちに、秋の空気を楽しみに出かけました。
奈良県の天理市。
まずは天理大学の参考館。
足がもつならば山の辺の道を歩きたいと思って、天理駅を出発。
アーケードの通りを抜けて、天理教の大きな建物のところで曲がってすこしいくと、ありました。
天理大学が所蔵している民族学の文物の博物館です。

参考館は、世界各地の資料を通して、それぞれの地域に住む人々の生活や歴史を知り、お互いの心を理解するミュージアムですとホームページに書かれています。
大すきな国立民族学博物館のミニ版でした。

そぞろに歩きながら、世界各地の文化を感じ取ることができます。
なかでも、機織りの展示をさがして歩くととってもおもしろかったです。
布を作る方法が、どの民族にも共通しているのはなぜなんでしょう。また、少しずつ違っているのもおもしろい。そして、出来上がった布の模様も違っていて、知っている人には、ぱっと見るだけで、これはどの民俗だってわかるんだと思います。わたしはアイヌの模様ならわかるけど。

3階の特別展では、正岡子規と夏目漱石と森鴎外の自筆展をやっていました。
子規の学習帳とか、漱石の「吾輩は猫である」「坊ちゃん」とか、鴎外の「渋江袖斎」とか、なんかすごいお宝が拝めました!
子規と漱石はとってもきれいな字でした。子規は女性的。鴎外は、ちょっと雑やね。
めがけて来たのではないのに、とってもお得でした。

天理大学のあたりは布留遺跡という旧石器からの巨大な遺跡が広がっているそうです。ロマンやね~
で、その発掘された土器や刀、埴輪とかも展示してありました。

天理大学の学食で遅いお昼を食べてから(とんかつ定食ね)、石上神社へ。

手水舎のところににわとりがコケコケ鳴いていて、そこから山へ入って行くと山の辺の道です。
とても歩きたかったんだけど、参考館の中を歩き回ったので、すっかり疲れてしまって、帰ることにしました。

がんばってリハビリして、あちこち歩けるようになりたいです。

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今日のHP更新は、《外国の昔話》「ごろごろ川の鍛冶屋」
主人公が悪魔や死神を出しぬく話に、いまハマっておりますo(*^@^*)o

10月のおはなし会🌰

10月20日(月)

こども園
4歳児 1クラスずつ2回

ろうそくぱっ
おはなし「ひなどりとねこ」『子どもに聞かせる世界の民話』矢崎源九郎編/実業之日本社
おはなし「くらいくらい4」『語りの森昔話集』村上再話
おはなし「長いはなし」未詳
ろうそくぱっ

どちらのクラスとも、とってもウマが合って楽しいのですが、今回も笑いが止まらないおはなし会になりました。
「ひなどりとねこ」では、お母さんどりの反応を、とってもよろこんでいました。「ああ、あるある」という感じかな。
ひなどりのくしゃみは、もちろん、ひなどりになって聞いていた子どもたち、いっしょにくしゃみをしていましたよ。
「えらくもったいぶって、とても得意そうに出て来ましたよ」というと、何人かの子どもたちは、肩をそびやかして歩く様子を再現してくれていました。
あんな幼い子でも「もったいぶる」「得意そうに」の意味が分かるんですね。新しい言葉を獲得した瞬間だったのかな。

10月22日(水)
こども園5歳児 一クラスずつ2回

ろうそくぱっ
おはなし「鳥のみじさ」『日本の昔話3』おざわとしお再話/福音館書店
おはなし「くらいくらい」『語りの森昔話集4』村上再話
ろうそくぱっ

お行儀よく聞くクラスと、自由自在のクラスの雰囲気のちがいが、時のたつにつれて、どんどん大きくなってきています。
語り手としては、どちらのタイプであってもそれに応じた語りをしたいと思っています。本音は自由な雰囲気のクラスがやりやすいんだけど。でも、お行儀良い方がやりやすい語り手もいるでしょうね。
どんな雰囲気でも受け入れることが、子ども自身を受け入れることになると思うし、それは子どもにとってとっても大切な経験だと思うのです。

そんなわけで、1つ目のクラスでは、とってもまじめにほほ笑んで聞いてくれました。
ふたつ目のクラスでは、「あやちゅうちゅう」のたんびに笑い転げて聞いてくれました。

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今日のおはなし広場の更新は「山のこびと」
ちょっと長いけれど、好きな話です。
聞いてね~

10月プライベートレッスン

稲刈りの季節になりましたね。
うちの近所は、いっせいに田んぼがほぼなくなりまして、今年から稲刈り時期特有のにおいがしなくなりました。
毎年、稲刈り時期は花粉症みたいになってて、それはそれで苦しかったのですが、田んぼが無くなるとススキやガマやたくさんの植物もなくなって、つるんとした平地を見ているとなんとなく寒~く感じます。
そして、ほこりっぽい…。

さて、今月のプライベートレッスンは3話。
それぞれにたくさんおはなしが聞けて、面白かったですよ~(^O^)

1話目 語り
「かちかち山」『日本の昔話4』おざわとしお/再話 福音館書店
3年生に語る予定だそうです。
あらかじめ、ご自分でテキストを少し修正されていて、それを覚えて語られました。
語りのあとは、テキストの修正箇所をひとつずつヤンさんに見ていただきました。
この話は、最後のたぬきの死ぬところを、子どもがきいて残酷だと思わないかと気になる人がいるようです。
そのことが話に上がりました。
わたしは、「さるかにがっせん」でも、親のかたき討ちはいいことだというセリフがありますし、うさぎがおじいさんに変わってかたき討ちをすることはいいことだと思います。
だから、うさぎは理由があってたぬきをだましているのだから、自信をもってだませばいい、というふうな気持ちで語ればいいのではないかと思いました。
「かちかち山」は、わたしの子どものころはポピュラーな昔話でしたが、残酷云々の風評のために近年は人気がないとしたら悲しいです。
自分は持ちネタではないのに言うのは申し訳ないですが、どんどん語ってほしいと思います。

2話目 語り
「ゆうかんな靴直し」『子どもに語るイタリアの昔話』剣持弘子/訳・再話 こぐま社
先の「かちかち山」担当の方と、ペアになって3年生に語られます。
こちらも、テキストをご自分で修正した箇所があるので、語りのあとにそれらをヤンさんに見ていただきました。
靴直しのセリフをどういうか、迷っておられました。
怖いと思っている気持ちをどのくらい声に表すのかという点です。
しかしながら、この話の面白さは、靴直しが怖いと思っていたとしてもそれを声には出さない。
むしろ、恐れることなく強く言い返す、言い返し続けて最後に短いセリフ「こわかったなあ」で、ふっと聞き手の気持ちも緩んで「ふふっ」と笑わせる。
靴直しが怖い気持ちを押し殺して平然としている、心情表現がなくて行動で示しているのは昔話の平面性の現れだと説明を聞いて、「おっと、語法が出てきた。気付きませんでした_| ̄|○」とドキッとしました。
本番が近いらしいので、どうぞ頑張ってくださいね。

3話目 語り
「終わりのない話」『子どもに語るイタリアの昔話』剣持弘子/訳・再話 こぐま社
2話目と同じ出典ですね。
このかたは、お話会のおわりに少し時間が余った時などにつかえるように、短い話を探しておられまして、この果て無し話を覚えられました。
いつまでも続いて終らない話なので、どんな顔をして語っていつ終わればいいのかというご質問でした。
わたしは、果て無し話は覚えていないのでまったく参加者さんと同感ですが、ヤンさんは数ある持ちネタと膨大なお話会経験の中でのいろんなパターンを話してくれました。
そして、日本の果て無し話が、関敬吾の『日本昔話大成』の10巻にまとめられているそうです。
『語りの森昔話集』にもいくつか載っています。
果て無し話は、聞き手との双方向のやりとりで成り立つ話なので、聞き手との信頼関係ができていないと、「このおばちゃん、なにしてはんの…。」になってしまう可能性があります。
恐ろしいことですね。
考えただけでも震え上がってしまいます。
でも、成立できたらこんな楽しいことはないはず。
参加者さんは、定期的に通っているおはなしの場をお持ちなので、きっと楽しく成功されるでしょう。
また、どんな様子かお知らせくださったらうれしいです。

昼間と夜間の気温差が激しい時期ですので、みなさん体調を崩されませんように(^^)/