わたしは小さいちっぽけなくま

 午後3時前じゅうたんコーナーでは、おはなし会がはじまるのを待っている子どもたちとヤンさんが、絵本を読んだり、世間話?しながら「はじまります」の放送を待っているのですが、6月14日土曜日の図書館おはなし会は、「え~、そんなんイヤ~」のような会話から、みんなでアンパンマンの歌を歌ってはじまりました😊

子ども 12人 おとな 8人

手あそび じゃがいもめだした
おはなし 「おいしいおかゆ」『おはなしのろうそく1』東京子ども図書館
おはなし 「三匹のくま」『語りの森昔話集4』村上郁/語りの森
絵本 『おおきいちいさい』元永定正/福音館書店
絵本 『おおきいのちいさいの』ふくだじゅんこ/大日本図書
絵本 『おかゆ』神田ひかり さく/川崎由紀 え/エンブックス
絵本 『あめのひ』ユリ・シュルヴィッツ/矢川澄子 訳/福音館書店
手あそび さよならあんころもち
 
 常連さんも来てくれていましたが、初めて来てくれた子もいて、おっかなびっくりじゅうたんコーナーに上がってくれたんですけど、「三匹のくま」は本当にいいおはなしですねぇ😊 おはなし聞いているうちにどんどん表情がにこやかになって、常連さんと一緒になって笑っているんです。こういうの見るのはとっても嬉しい。
 おはなしって、いろいろなタイプのおはなしがあるので、「私はスヌークスさんはちょっと……」みたいのが語り手によってはあったりしますが、ヤンさんは正にオールラウンダー。笑い話が本当におもしろくって、楽しいんです。
 さて、楽しくなってくると、ツッコミもぽんぽんでてくるし、絵本のオチの予言めいたこともいっちゃうし、子どもって、すごいな~。
今日はおはなし2つ聞けてラッキー💓

6月の語りクラス

 

先週火曜にありました、語りクラスの報告です。

👐手遊び 『じゃがいもほりにいこ♪』
じゃがいも ほりにいこ~ 花さか ひらいた~✋ はさみで ちょんぎるぞ~✌
えっさかほいさか じゃんけんポン👊

語り
➀「かしこいモリー」 『おはなしのろうそく17』東京子ども図書館
➁「うろこ玉」 『語りの森HP』
➂「トレディチーノとオオカミ」 『語りのメソッド イタリアの民話をたずねて』三弥井書店
➃「だればいちばん兄さんか」 『子どもに語るモンゴルの昔話」こぐま社
➄「靴をはきつぶしたお姫さま」 『語りの森HP』

ヤンさんの語り
「おおかみときつね」 『語るためのグリム童話4』小峰書店
小学4年生向け、「ごんぎつね」/新美南吉作を学習するときに「きつね」をテーマで語られるそうです。
弱い立場のきつねが強いおおかみに勝つ。確かに子どもたちの世界でも同じような状況がありますね。
私もこのおはなしを覚えたのですが、まだ一度も子どもたちに語っておらず、語りたくなりました。

さて、今回は全てのおはなしで「テキストに手をいれる」が話題にあがりました。
手をいれるべきか、また入れるならどのように、どの言葉を変えて、付け足せば
聞き手がよりイメージできるのか。

例えば、「かしこいモリー」でモリーが大男の家に戻る場面が3回繰り返されますが
少しずつ言葉が違います。
➀もどっていって、大男の家にしのびこみ、、ベッドの下にもぐりこみました
➁大男のうちへ出かけ、中にしのびこみ、またベッドの下にかくれました
➂大男の家にもどり、ベッドの下にかくれました

語り手の立場なら同じ言葉に揃えたくなりますが、
同じ言葉で繰り返すと、どの場面か分からなくなることがある。
言葉が違うことで、今はこの場面を語っているとはっきり分かる。

また、テキスト通りに覚えて、初めて不備が自分で分かるようになる。
語り歴5年未満の初級クラスでは、「テキスト通りに覚える」のが基本と言われていましたね。

では、手をいれたほうが 良いのほうがよい例
※「かしこいモリー」で王さまがモリーにいう場面
むすこの嫁にしてやるがなあ ⇒ むすこと結婚させてやるがなあ
このおはなしは低学年向けであり、嫁にしてやるという意味が理解できない子どもがいる。

※「うろこ玉」でねこが加えていたうろこ玉を川に落とした場面
川の中をくまなく探しましたが ⇒ 川の中を隅々まで探しましたが
動物のくまが頭に浮かんでしまう。

テキストに手をいれるのは、聞き手(語り手)がきっちりとイメージできる(おはなしについてこれる)ために入れるべきであって、単に覚えにくいからという理由だけでいれるものではないということを再認識した勉強会でした。

次回は、7月8日(火)です。

最後におはなし会の報告です。この勉強会の前に1年生朝学習のおはなし会にいってきました。
♪オルゴール
🕯ひとり、ふたり、さんにんのこども
📚ふしぎなナイフ
♪オルゴール

4月のクラスでヤンさんにアドバイスをいただいたおはなしを語ってきました。
3人の子どもを思い切り演じ、少し笑われましたが(笑)、3人いるんだとイメージはしてもらえたと感じました。
途中からは子どもとやりとりしながら楽しく語れたのですが、最後の場面で

ジェニィ とけいが、ひとつ、ふたつ、みっつなりました。 「何時かな?」
子ども  ・・・???
ジェニィ 三時です。  「何の時間かな?」
子ども  「おやつ!」
ジェニィ そうおやつの時間です。

とけいを立てて語らなかったのが原因でしょうか。来週にもう一つのクラスで語る予定ですので意識して語ってきます。

土と風と蚊と👩‍🌾

雨が降ると土が潤って、雑草がよく抜ける。
で、ここんとこ、ゆうがたになると畑に行く。

そろそろ、夏野菜ができ始めててね、収穫は楽しい~
きのうはトマトときゅうりを3個ずつ。三度豆がい~っぱい。
今日は、またまた三度豆。

食卓は三度豆攻撃。
三度豆のおしたし、三度豆のごまあえ、三度豆のバター炒め、三度豆と厚揚げの煮物。三度豆と豚肉の炒め物。
サラダにも、カレーにも、チャーハンにも三度豆。
お・い・し・い O(∩_∩)O
自分で育てた三度豆は、最高!

むしっ、むしっと雑草を引きぬいて行く。
汗とのたたかい。汗が目に入って、いたい~
午後5時半になると、蚊が攻撃を開始する。
ふい~ん、ふい~ん
血やったらあげるから、かゆくするのだけは許して~と、いくらお願いしてもきいてくれない。

暑い、暑い、かゆい、かゆいと悶えながら、見あげると青空。白い雲。
風の音と鳥の声。ホトトギスかな。
まわりには、命、命。

*********

今日のおはなしひろばは「長柄のひとばしら」
日本独特の古い教訓が語られています。
知っとくことは必要かとUPしました。
知らなければ批判もできないしね(*^▽^*)

 

 

グリム童話、いいんだけどなあ🤗

4年生以上に語る機会がめっきり減ったので、これまで語ってきたレパートリーのうち、とくに語りごたえのあったグリムの話をみなおしてみようと、この1月から月1、2話のペースでもどしています。

でもね、子どもたちに語っていたときは手応えがよくて私自身も学ぶことの多かったグリムなんですが、いま、口に上らせると、なんか違和感があるんです。
こんなじゃなかったんだけどなあって。
夢中になって語れないんですよ。

その原因を考えました。

まず。
おはなしを選ぶとき、この話で子どもに何を伝えようかと、一生懸命考えます。皆さんも同じですよね。
グリム童話はそれがわかりやすいのです。
そりゃそうですよね。
グリムさんは、近代ドイツを作り上げるために、倫理的、教育的に再話したという経緯があるんですから。
200年も前の再話なのに、現代の日本に住むわたしでも、けっこう共感できるんですよ。子どもに伝えたいことが見える。
200年前のドイツと現代の日本。その程度なら、人間ってあんまり変わらないのかな・・・

おっと、話がそれそうや。もどって。

わたしが語ったグリムの話は、どれも、子どもたちの反応がとてもよかったです。
(だから、わたしも好きになった)
そして、子どもって、とっても正義感が強くて、まっとうで、賢いなあって、思いました。
このわたしの子ども観は、(主に)グリムを語ることで得たと思います。

ところがいま、それらの話を戻しながら感じる心の動きは、み~んな、過去の記憶なんですよ。
新鮮味がなくて面白くない。
かつて子どもたちといっしょに発見した主人公の人生のコアな部分は、もうわたしにはじゅうぶんなんです。

わたし自身のために語るには、グリム童話は良い子ちゃん過ぎるっていう感じかな。

きのうの語りクラスで、「靴をはきつぶすお姫さまたち」を聞かせていただいたんだけど、今の私には、グリムの「踊って踊ってボロボロになったくつ」ではなくて「靴をはきつぶすお姫さまたち」⇒こちらの主人公のほうが、魅力的。

おじいさんに親切にしていいことがあるという人生より、自分の勘と力を信じて、やっちゃえ~~~っていう生き方のほうに、惹かれます。
あと少しグリムの思い出に浸ったら、こんどは、そんな話を覚えたいなあって思っています。

おっと、大丈夫です、再話するときには、いろんな価値観の話をまんべんなく選ぼうと考えています。
語りの森は、みなさんに、できるだけいろいろな話を提供したいってスタンスでやっています。いま、ご自分にぴったりの、好きな話を選んでくださいね。

 

ありがと~!三匹のくま🐻

先週のおはなし会でのこと。

初めて参加したという1年生の男の子。
このあいだ、学校でおはなし会があったという。

わたし「へえ~、何小学校?」
男の子「T小学校」
わたし「へえ~~~」

わたしが体調不良で助っ人をサボった学校ではないか!

男の子「あの時、来た?」
わたし「行ってへんなあ」

こういうとき、いつも、子どもがおはなし会をどう受け止めたのか、知りたいと思う。けれども、子どもに「面白かった?」とか「どうやった?」とか尋ねるのは間違い。子どもは大人の顔色を見て答えるからね。ほんとのことを知りたかったら、こう尋ねないとだめなのですよ。⇒ 「何のお話やった?」

わたし「何のお話やった?」
男の子「三匹のくま」
わたし「ああ、大きいでっかいくまの話やな」
男の子「うん。小さいちっぽけなくま(手で小さいことを見せる)」
わたし「そうそう、小さいちっぽけなくま~笑」
わたし「ひとつだけ?」
男の子「ほかにもあった」
わたし「何の話?」
男の子「・・・・わすれた」

1時間の授業の中で、ほかにストーリーテリングもあったし絵本もあったし手遊びも、ブックトークもあったのに、この子の心に残ったのは、「小さいちっぽけなくまの話」

そっか~。
うれしいなあ。
はるかむかし、イギリスで語りつがれ、ジェイコブスさんが活字で広めた「三匹のくま」。
語りの森昔話集に再話できたことが、うれしい。
その再話を語ってくれたことが、うれしい。
T小学校で20年あまりおはなし会をつづけてきたこと、いまは心強い後輩たちが引き継いでくれていることが、うれしい。

そうやって、人から人へ、語り継がれるわくわくする想い。

その子は、「三匹のくま」のことを「小さいちっぽけなくまの話」といった。
ほらね、子どもは一番小さい主人公のくまに心を寄せてることが分かるでしょ。
小さいちっぽけなくまの小さいちっぽけな声のおかげで、おばあさんはにげていったんだから。

全国の語り手さんたち!
わたしたち、ひとりひとりの小さな小さな活動が、人類の歴史のあったかいぶぶんを育んでるんですよ~
がんばろうね!!!