日別アーカイブ: 2015年7月31日

7月更新  byヤン

7月ぎりぎり、ホームを更新しました!
まずは ≪日本のおはなし≫
「おかめが池の人魚」
赤ん坊を抱いてくれといわれて、抱いてやると、女は立ち去り、赤ん坊は石にな
るという話。
こわいですね。
私が知っていたのは、雪女の話。
でも、ここでは雪女ではなくて人魚なんですね。
夏の怪談話に、子どもたちにどうぞ〜
『大和の伝説(増補版)』高田十郎編から再話して『子どもと家庭のための奈良
の民話3』に載せたものをさらに共通語に再話しました。
曽爾村の御亀ヶ池に伝わる伝説だと原話にあります。今はそこに、美人になる温
泉「お亀の湯」があります。
何年か前に、曽爾高原のススキの中を歩きに行きました。腰をおろしてお弁当を
食べていると、目の前に奇妙なかたちの山がふたつ……
「鎧岳」と「兜岳」と説明版に書いてありました。
向かって右、つまり北側が「鎧岳」、左が「兜岳」です。
でも、どう見ても、形が逆なのです。どうして鎧がとがっていて兜がなだらかな
のか。
これはおかしい。行ってみなくちゃ〜
高原を下りて、山すそに沿って兜岳に向かって歩いていくと、なんと、山の形が
どんどん変わっていったのです。
そして、ついに、そそり立った兜の形になりました!
地形の面白さをコンパクトに体験できて感動的でした。
ふたつの山はハイキングコースになっていました。
青蓮寺川の水は澄んでいて、自然にあふれる美しい村です。
「一休さんの大きな話」
江戸時代の噺本からの再話。
世の中には大きなものがいくらでもあるというこの話は、昔話としてあちこちに
伝わっています。
それを一休さんの話として噺本に取り入れてあるんですね。
かつてアニメの一休さんが人気だったので、一般的には小僧さんのイメージが強
いです。
が、噺本に残っている一休さんは、りっぱなお坊さんです。
さきにアップした「一休さんのきつね話」も登場するのはりっぱな一休禅師です。
「たこやき」
現代の民話です。
まあ笑って聞いてください。
で、おまけの話として子どもたちと楽しんでください。
おはなし会の後にする、おまけの小話、これからも少しずつアップしていきたい
と思っています。
≪外国のおはなし≫
「猟師の息子」
地中海のマルタ島に伝わる昔話です。
昔話にはよくタブーが出てきますね。七年間口をきいてはいけないとか、13番
目の部屋だけはあけてはならないとか。
そして、タブーは必ず破られます。昔話では、タブーは破られるためにある。
このはなしでも、王さまが決して言ってはいけないといった言葉を、お姫さまが
口にしたために、花婿が去ります。
そこからストーリーが動きだす。
聞き手もそのことが分かっているので、どうやってタブーが破られるのか、タ
ブー違反の後、どうやって幸せな結末にたどり着くのかに興味を集中させ ます。
「この世の光」
これも地中海、スペインのバレアス諸島に伝わる昔話。
≪おはなし日記(ブログ)≫7月21日「聖なる書物って、聖書?」で話題にした
あの話です。
でも、ごめんなさい。一か所間違いがあります。
訂正して掲載しなおしますので、もう少しお待ちくださいね。
「なまずとひきがえる」
ベトナムの昔話です。
おたまじゃくしはかえるの子〜 
なまずの孫ではないわいな〜
それがなにより証拠には〜
やがて手が出る足が出る〜
俗謡そのまんまのお話です。なぜそのまんまなのでしょう???
どこかから伝わったのでしょうか?
それとも、人みな発想は同じだからでしょうか?
ベトナムと日本、地理的にも歴史的にも近いですよね……
なまずとひきがえるのけんかに、ごたいそうにも裁判官がでてきます。
裁判官って、日本の昔話ではあまり聞きませんが、外国の話にはけっこう出てき
ます。
日本では、お殿様でしょうか。
ストーリーは幼い子でもわかるのに、語るとき、裁判官をどう説明しようかと考
えているところです。
≪語るために≫
「おはなしの選びかた1」「おはなしの選びかた2」を書きました。
短い文章ですが、「選ぶこと」は、お話をするうえで最も大切で最も難しいこと
なので、よく読んでくださいね。
そしてご意見をいただけると嬉しいです。
おはなしは、語るときも、再話するときも、聞き手主体でありたいと思っています。
もちろん選ぶときもです。
昔話じたいが、主人公中心の物語ですからね。
語り手は、子どもにお話を手渡す媒体です。
媒体には媒体の事情もあるでしょうが、できうる限り子どもの事情を優先したい
と思います。
  ヤン