家庭文庫🏡

『瀬田貞二 子どもの本評論集 児童文学論 上』の報告の続き。

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第1章子どもに本を手わたすこと
その6 家庭文庫 1959年発表

みなさん、家庭文庫ってご存じですか?
ヤンも最初にお話を語ったのは文庫でした。
私の場合は、家庭、じゃなくて地域文庫。
上の子が3歳。そのころ、我が街には子どもがうじゃうじゃいてね(笑)
水曜日は、親も子も公民館に集まって、本を読んだり借りたりしてたの。遠足なんかもしてね。
30~40代の若いお母さんたちで運営していて、活気があって面白かった。
いまは、運営はおばあちゃん世代が中心かな。

で、本題(笑)

そのころ(えっと、今から60年ほど前ね)、アメリカの児童図書館員は、図書館の他の部門の館員より特別に尊敬されていて能力もあったんだって。
それを瀬田先生はうらやましく思って、次のように書いています。

よい児童図書館が(日本の)津々浦々にできて、アザール(昨日のブログ見てね)のいうように、文学賞の権威をうらづけ、新進作家をひっぱり、出版と教育へ努力し、講座をひらき、諸国と交流し、貸出本を大はばに移動させ、くまなく浸透していく・・・そういう日を、私はなによりも切に待ちのぞみます。

けれどもそれをただ待っているのではなくて、新しい着実な動きに注目します。
家庭文庫の登場です。

家庭を開放したり、公民館などを利用して、子どもと本をつなぐ活動です。
そんな文庫活動をしている人たちが連携して勉強会を始めました。
村岡花子さんの道雄文庫、土屋滋子さんの土屋文庫、石井桃子さんのかつら文庫、など。

瀬田先生の文章引用
小さな流れではありますが、運河化して、まずおのれの周辺の砂漠を沃地にしようという各家庭文庫に、心から敬意を表します。

でね、日本全国にこの流れが広がったの。
それには、『子どもの図書館』(石井桃子著/岩波書店)の力が大きかった。

ちなみに、土屋文庫(2か所)とかつら文庫、少し後の松岡享子さんの松の実文庫の四つが母体になってできた私立図書館が、東京子ども図書館です。

それにしても、60年前の、津々浦々に良い児童図書館をという願いは、いつかかなうのでしょうか。そのためには、私たちも同じ思いを持たないといけないと思います。

はい、今日はここまで~

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