月別アーカイブ: 2020年8月

おそるおそる再開✨

きっと来年まではおあずけだと思っていたおはなし会が、始まりました。
幼稚園です。

8月31日(月)
4歳さん 1クラス29名

ろうそくぱっ
おはなし「おいしいおかゆ」
ろうそくぱっ
この子たちは、3歳さんの1月に「にんじんとごぼうとだいこん」を聞いて、それっきりでした。
7か月空いちゃったのね。
だからお互いに、手探り(笑)
コロナで、今までお客さんも無かったしね。
そう、おはなしのおばちゃんが最初の外部からのお客様。
子どもたち、緊張してて、笑いが起こらず。まん丸い目でじいっと聞いてるの(笑)
さて終わって、さよならしたとたん、わあって前に寄ってきて、タッチ、タッチ、タッチO(∩_∩)O
来月はしっかり笑ってもらえるかな?

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今日はホームページ更新の日。
《外国の昔話》「なぞなぞの好きなお姫さま」
《日本の昔話》「化け物問答」
語ってくださいね~

謎かけ姫4👸👸👸👸

マックス・リュティ『昔話の本質』報告

第8章謎かけ姫ー策略、諧謔、才智 つづき

トーランドット姫の出す三つの謎々は、内容的に宇宙の領域が関わっています。
前回のブログを見ていただくとわかるように、謎の答えが、太陽、海、年ですね。

謎といえば有名なのがスフィンクスの伝説。
スフィンクスは、顔が女性で体がライオンで翼がある怪物で、エジプトのテーベの近くに住んでいて、通り過ぎる人に謎をかけては、解けない者を殺していました。
そのなぞというのは、
「朝は四つ足、昼は二本足、夜は三本足で歩く動物は何か」
というもので、だれも答えられない。
あるとき、ギリシャのオイディプスが通りかかって、そのなぞを解き、スフィンクスをやっつけます。

え?
答え?
そう、人間。
赤ちゃんの時はハイハイで、大きくなると二足歩行で、年を取ると、つえをついて歩くから。

リュティさんは、伝説に対して、昔話は宇宙を相手にしているというのです。
例として、「賢い百姓娘」の類話をあげています。
二人の百姓が、畑とか牛とかを取り合っている。裁判官は、謎を解いたものを勝ちとする。
たとえば、こんな謎。
謎1、いちばん肥えているものは何か。
金持ちの答え:ベーコン
賢い娘の答え:大地
謎2、いちばん甘いものは何か。
金持ちの答え:はちみつ
賢い娘の答え:眠り
謎3、いちばん白いものは何か
金持ちの答え:牛乳
賢い娘の答え:太陽
謎4、いちばん高いものは何か
金持ちの答え:教会の塔
賢い娘の答え:星

でね、金持ちは自分の環境と所有するものの範囲を出ないんですね。
でも、賢い百姓娘は、宇宙全体を考えています。
これは笑い話ですが、笑い話ですら宇宙を語るのが昔話です。

「トーランドット」は個性のあるひとりの人間としてトーランドット姫を描いているけれど、昔話は役柄に過ぎないということを前回説明しました。
ここでも、リュティさんは、言います。
賢い百姓娘を実際の人間とばかり考える必要はない。貧しい百姓の魂と見なすこともできる。

さて、ここで、宿題です。
賢い百姓娘のオーストリアの類話にこんな謎があります。
答えを当ててください~q(≧▽≦q)

1、いちばん太っているものは何か?
2、いちばん美しいものは何か?
3、いちばん豊かなものは何か?

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暑いですねえ
雨が降っても、まるで梅雨時みたいにむしむしします。
熱中症に気をつけようね~

昨日のおはなしひろばは、「お姫さまとはらぺここびと」。
飛行機が出てきたり、とっても現代的なの。
グリムの「金のがちょう」のスイス版ですo(*^@^*)o

 

 

ウェブおはなし会№6🐞

こんにちは。
まだまだ暑いですね。
ぼーっとしながら化粧をしてて、下地をぬって、ファンデーションを塗り忘れるのはわたしだけでしょうか?
わたしだけですか?
そうですか、どうもすいません<(_ _)>

今週の火曜日、6回目のウェブおはなし会がありました。
プログラム
「七人さきのおやじさま」『世界のむかし話』瀬田貞二訳/学習研究社
「だんごどっこいしょ」『日本の民話6 』大川悦生/ポプラ社文庫
「アリョーヌシカとイワーヌシカ」『まほうの馬』高杉一郎,田中泰子訳/岩波書店

おはなしが少なめだったこともありますが、参加したみんなでこれからの勉強会のことについて話しあったり、それぞれの情報を持ちあったりする時間を持ちました。
2学期から、そろそろ幼稚園のお話会が始まるという話がチラホラ…。
暑さとコロナ自粛により疲弊している、そして孤立している語り手たちですが、予防を万全にして、コロナの中でも少しずつ前に進もうと思った会でした。
次回は、9月15日。
それで、ひとまずオンラインによるおはなし会はストップします。
今回の参加は12人でした。
次回も、たくさんのご参加をお待ちしています^_^)

謎かけ姫3👸👸👸

マックス・リュティ『昔話の本質』報告

第8章謎かけ姫ー策略、諧謔、才智 つづき

昔話は、人物の感情や気分、内面の葛藤、思考の経過を述べないで、すべて行為で表します。
例えば、「親切」という性質は、「大変思いやり深いやさしい親切な性格でした」と言葉で説明するのではなくて、「貧しいおじいさんにパンを分けてやる」という行為で表すとか。
昔話は、出来事を心理化しないで、純粋明瞭に事件として描くので、他のジャンルにはない透明性と明るい輝きがあると、リュティさんは言います。

謎をかける、謎を解く、というモティーフも、頭脳の激しい争いを出来事として表していると言えます。

シラーは、「トーランドット」の中で、なぜ謎をかけるのかということをトーランドット姫に語らせています。
こんな具合です。

アジヤ全体を通じて女性は卑しめられ、奴隷のくびきをかけられています。私は侮辱された同性の恨みを、威張っている男性に向かって晴らしたい。男性がやさしい女性にまさっている点といえば粗暴な力だけではありませんか。私の自由を守るために自然は武器として私に独創的な頭の働きと鋭い知力を与えてくれました。私は男のことなど知りたくもありません。男を憎み、男の高慢とうぬぼれを軽蔑します。

すごいな。なんだか、とっても現代的ですね~
シラー(1759-1805)っていったら、第九の歌詞「歓喜の歌」の元を作った人ですよ~
ああ、今年は第九は歌えないな。コロナやもんな。哀しいな〒▽〒
はっ!
気を取り直して!
そう、フリードリッヒ・シラー。あの時代にこんなことを言う女性を描いた。

リュティさんは、それはすごいんだけど、シラーのは昔話ではない、といいます。
シラーのトーランドット姫は、ひとりの個性ある人間、特殊な問題と才能を背負った一個の人間だと言うのです。その意味で、この人物の本来意味しうる範囲を狭めてしまっていると。

じゃあ、本来の昔話ならどうなのか。
昔話ではトーランドット姫は単なる役柄に過ぎない。もちろん、姫は内面的な必然性に促されて行動するんだけど、その行動の理由をこんなふうに説明することはないのが昔話です。
トーランドット姫とは、人間ととることもできるし世界の象徴ととることもできる。世界は人間に難題を課し、人間が解決しそこなえば、人間を滅ぼしにかかるものだと考えることもできる。
それが昔話。
どの時代にもどんな思想の人々にも、性別も関係なく、普遍なのね。

わたしは、そういう昔話が好き。
今危機があるとして、ああ、これはあの話のあれだなと、ふと悟る。それが救いになる。
この普遍性がないと、どうして200年も昔にドイツやロシアで書き留められたストーリーに癒されることができるでしょう。

はい、きょうはここまでですよ\( ̄︶ ̄*\))

 

謎かけ姫2👸👸

マックス・リュティ『昔話の本質』報告

第8章謎かけ姫ー策略、諧謔、才智 つづき

前回は、才智がストーリーに関りを持っているだけだったけど、今回は、才智が中心になっている話を取り上げます。もろに、「謎話」です。
謎をかけたり謎を解いたりする賢い人の話ね。
人気があるのは、謎かけ姫とか、謎解き姫。
みなさん、どこかで聞いたことあると思います。

代表的なのは「トーランドット」。
プッチーニのオペラで有名ですね。
もとは昔話です。
いちばん古い記録は、ペルシャの詩人ニザーミーの叙事詩『ハフト・ペイカル(七王妃物語)』1197年。古いねえ。
それをヨーロッパに紹介したのが、1710-1712『千一日物語』フランス。
それを戯曲風の昔話にしたのが、1762年、イタリアのカルロ・ゴッチィ。
それを戯曲にしたのが、ドイツの1801年、フリードリッヒ・シラー。
それをオペラにしたのが、1926年、イタリアのプッチーニ。

それほど作家や作曲家の興味を掻き立ててきた謎かけ姫「トーランドット」。
その昔話のあらすじを紹介します。オペラじゃなくってね。

ペルシャのトーランドット姫は、結婚したくないので、求婚者たちに謎を出す。謎が解けないものは首を切られる。
しまいに、カーラフ王子がやってきて、謎を三つとも説いてしまう。
謎1、あらゆる国に住んでいて、あらゆる人の友達で、自分と同等の者を我慢できないものは何か?
答え、太陽。
謎2、子どもたちを生んで、その子が大きくなると、飲み込んでしまうものは何か?
答え、海。なぜなら、川は海へ流れ込むが、もとは海から生まれたものだから。
謎3、全部の葉が一方は白くて、もう一方が黒い木は何か?
答え、年。一年は、夜と昼から成り立っている。

みなさんは、この謎解けましたかあ?

次回はどうして謎話が人気があるのか探っていきますね。

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昨日は、月曜更新の日。
《日本の昔話》「ねこの口ひげ」
《外国の昔話》「プレッツェモリーナ」
語ってくださいね~ヽ(✿゚▽゚)ノ

今日は旧暦のたなばたですよ~
晴れるかな~
中国の昔話「牛飼いとおり姫」はこちら⇒