マックス・リュティ『昔話の解釈』を読む
第3章「金の毛が三本ある悪魔」
ここで、リュティさんは、昔話の芸術性について論じます。
昔話には、文学的な節約があるというのです。
それって、なに??
よい類話では、悪魔の三本の金髪を抜くことと、質問を出すことが、巧みに結び合わされている。つまり、三つの質問が三本の毛を抜く理由づけになっています。
両者が無関係に並んでいるのではないということです。
グリムでは、悪魔のおばあさんが、金の毛を抜いて、「夢を見たんだよ」と理由を言いますね。その夢の内容が、若者の課題の内容そのものになっているということです。
ね、無駄がないでしょ。節約です。
さらに。眠りのモティーフについてです。
前半では、若者がぐっすり寝ています。
後半では、悪魔が寝ていて、若者は目を覚まして耳をすましています。
対をなしていますね。
前半は若者が疲れて寝るし、後半は悪魔が疲れて寝ます。
前半は、若者が眠っているあいだに強盗の親切を受けます。
後半は、悪魔は、たたき起こされて、金髪まで抜き取られます。
これも対になっていますね。
おばあさん(女性の援助者)は、立て続けに3回夢を見ます。
夢の内容は、若者が旅の途中(現実)で出会った依頼の内容の正確な繰り返しです。
これも夢のモティーフの変形です。
無駄がありません。節約です。
前半で、若者は3度救われますね。川から、強盗の手から、王さまの手から。
後半では、3度助けをもたらします。
前半では、若者は3度おびやかされ、後半では3度救い主になるのです。
ね、きれいでしょ。
もちろん、実際の口伝えのすべてがこんなふうではないけれど、よい語り手の良いテキストは、こんな美しさがある。
この美しさは、小説のもつ(求める)美しさではなくで、昔話の美しさなんですね。
よい類話は、芸術性が高い、ということです。
その意味で、グリム童話は芸術性が高いなあと愚考します。
だから、世界じゅうで読まれ、受け入れられているんでしょうね。
はい、おしまい。
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きのうは、おはなしひろば更新しましたよ。
ロシアの笑い話「ふくろからふたり出てこい」
おじいさんは、おばあさんを愛してるんですね。
おばあさんも、やっぱりおじいさんを愛しているんです。
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きのうは、昔話の語法勉強会でした。
蜜を避けて感染防止対策をしての勉強会。
ご参加くださったみなさま、おつかれさまでした。
今年度は、さらにオンラインでもやりますね。
《お問合せ・リンク集》からどうぞ(❁´◡`❁)
蜜を避けてどうする‼️ダイエットかい?
密や、密、密❗️
確かにパソコンで「みつ」と入力すると先に「蜜」が出てくるので私も何度か間違いました(笑)密…今年の頻出ワードでした。
おはなしの勉強に参加させてもらうようになって、「みつ」ではなくて昔話における「3つ」のパワーに驚きました。安定、調和、普遍、完全…3は美しいですね~!
密は、今年の漢字でしたね。
清水寺の管主さんが書いてはった。
美しい3╰(*°▽°*)╯
三人寄れば文殊の知恵
三本の矢
三度目の正直
石の上にも三年
三拍子そろう
ほかにないかあ~?
いすや机の脚は4本ですが、昔の器にあるような、3本脚のほうが、安定すると聞いたことがあります。
安定という言葉に納得します(^_^)
鼎っていうのは三本足ですね。中国の古代の器ヾ(•ω•`)o
三本の脚で走った馬も、案外安定していたりして(笑)
私にとっては「三位一体」が最強です(^▽^)
おお~
三位一体!
父と子と精霊と。
初めての投稿です。格言でも四文字熟語でもありませんが、よろしく。
私は3人目の子供がハプニングでお腹にできた時、3人もよう育てられへん!と悩みました。その時堀川病院の早川一光医師からの一言「椅子も3脚で立つ。子供も3人で育つ。産みなさい」 で、3人の子供たちは野育てさながらで仲良く大きく育ちました。
アナンシさん、コメントありがとうございます~
おお、三人兄弟!
すばらしいお医者さまですねo(*°▽°*)o