月別アーカイブ: 2022年3月

あっという間に🌸🏫🌸

百花繚乱
さくら、はくもくれん、れんぎょう、はなもも
卒園、卒業、おめでとうございます。
たいへんななか、よくがんばりました。
入園、入学、進級、おめでとうございます。
無理しないで、そろりと歩いて行きましょう。

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きのうは、絵本のこみちを更新しました。
「友だち絵本」に出会えますように!

 

 

おおきなかぶはなぜ抜けた?

入学を迎える前に、国語の教科書に出てくる名作を子どもたちに楽しませておきましょう~
なんて、書いたら、学校の先生に怒られるかな?

子どもの頃、教科書をもらったら、すぐに読んじゃったって経験ありません?
私は、そういう子どもでした。そして、教室で習ったらちっとも面白くなかった、といういやな子でした~

1年生でかならず出てくるロシアの昔話「おおきなかぶ」
絵本になってますね。
A・トルストイ再話/内田莉莎子訳/佐藤忠良絵/福音館書店
昔話絵本の中でも3本の指に入る名作です。

この話は累積譚こちら⇒《昔話雑学》で、体の大きい者(おじいさん)からディミニエンドして最後は最小のねずみでおしまいという、とってもきれいな形をとっています。
かぶはたった一つ。⇒孤立性
かぶはめっちゃ大きい。⇒極端性
引っ張るときの掛け声をふくめ、同じ言葉が繰り返される。⇒抽象性(同じ場面は同じ言葉で繰り返す)
一番小さな一番最後の存在が決定的な力を持つ⇒最後部優先の法則

とまあこう書けば、昔話の語法の勉強の典型例みたいですね(笑)

でも子どもはそんなこと知りませんからね。
めっちゃ大きなかぶにびっくりし、次々走って出てくる者に歓声を上げ、繰り返しのリズムにのって楽しみます。
うんとこしょ、どっこいしょは、みんな必ずいっしょに歌いますね~

テーマなんてどうでもいいんです。
教訓はいりません。
お遊びですから。

さて、今日ご紹介したいのは、『「おおきなかぶ」はなぜ抜けた?』という昔話についての本です。
小長谷有紀編/講談社現代新書
世界じゅうの昔話や伝説について、その成り立ちやら多様な伝承の形を、分かりやすく説いています。

目次の一部を紹介します。
*なぜ「じゅうたん」が空をとぶのか?
*森にお菓子の家があるのはなぜか?
*英雄らしくない英雄が人をひきつける理由
*おなあさんはなぜ桃を食べたのか?

などなど、ね、読みたいでしょ~

「おおきなかぶ」の論考に、こんなことが書いてましたよ。
もともと「おおきなかぶ」は子どもの遊び歌だったらしいのです。それでね、「大きな仕事を成し遂げるには、みんなが力を一つに合わせることが大切だ」とか、「仕事を成し遂げるには、最後のひと踏ん張りが大切だ」とか、そんなことはどうでもよくて、子どものように素直にあるがままに受け入れて、ただただ楽しむことだって。

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きのうのHP更新は、久々に《日本の昔話》
愛媛県の子育て幽霊譚「幽霊和尚さま」
菜の花の季節に語ってくださいね~

 

 

あったかペーチカ

3月6日(日) 10名参加

手遊び「なっとうたいそう」 ♪~なっとうなっとう、ね~ばねば~♪

「とらとほしがき」『語りの森昔話集2』
「マリアの子」『語るためのグリム童話1』小澤俊夫編訳/小峰書店
「ミアッカどん」『イギリスとアイルランドの昔話』石井桃子訳/福音館書店
「かえるの王様」『語るためのグリム童話1』小澤俊夫編訳/小峰書店
「命のろうそく」『日本のむかしばなし』ポプラ社

ペーチカ初の二桁参加!
1月、2月は少人数の参加で気がゆるんでしまっていたせいか、そもそも司会進行の技量が乏しいのか、またもやドギマギおぼつかない進行になりました(汗)。
「私のほうがうまくやれるわ~まかせて!」という方がいらっしゃったら、
ぜひぜひ、司会進行をお願いします!

前回の初級クラスで、舌の運動と早口言葉の話題が出て
「次のペーチカでやりましょう」となりました。

ペーチカが始まる前、来られた方に
「好きな早口言葉があったら教えてください」と聞いたところ、
「外郎売」(ういろううり)と言われた方がお二人いらっしゃいました。
外郎売は1718年(享保3年)に二代目市川團中郎が演じた「若緑勢曾我」(わかみどりいきおいそが)という歌舞伎の演目の台本が元になっているそうです。
初耳だった私は「聞きたい~」と興味津々。そうこうしていると、外郎売を覚えている方がいらして、急きょ披露してくださいました!
なんとまあ素晴らしい、圧巻でした。
実は、その方はナレーターのお仕事をされているそうで、
最初に勉強で覚えられたそうです。

「武具馬具、武具馬具、三武具馬具、合わせて武具馬具、六武具馬具」など、
早口言葉も入っています
皆さんもよかったら、「外郎売」練習してみてくださいね。

報告が大変遅くなり、周回遅れとなってしまいました。
次回のあったかペーチカは4月5日(火)10:15~です。

3月の中級クラス🌷

急に暖かくなりましたね。
昼間は暑いくらいの時もあり、半袖短パンの人も見かけました!
寒暖の差の激しさにビックリです( ゚Д゚)
3月の中級クラスの報告です。

「鬼とあんころもち」『子どもに贈る昔ばなし14鬼とあんころもち』小澤昔ばなし研究所
「山の上の火」『山の上の火』岩波書店
「長ぐつをはいたねこ」『完訳ペロー童話集』岩波書店
「こびとのおくりもの」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森
「三つのオレンジ」『語りの森昔話集5ももたろう』語りの森
「三本の金髪を持った悪魔」『語るためのグリム童話2』小峰書店
ヤンさんの語り
「なまくらトック」『おはなしのろうそく3』東京子ども図書館

今回は、どこかのお話会に行ったような、そんな感じになりました。
中級クラスはベテランばっかりとはいえ、どんな時もありますからね(笑)
でも今回、わたしは最初から最後まで、心の中でも、実際にも、相槌を打ちながら聞いておりました。
語り手さん、それぞれの個性が楽しめました(^_^)
ありがたや、ありがたや。
「三本の金髪を持った悪魔」のところで、悪魔の金髪はどんなふうに生えているのかという話題になりました。
三本しかないのか説は、悪魔が母親に頭のしらみを取ってもらうので髪の毛はたくさん生えているはずだということになり、削除されました。
全部が金髪説は、金髪であることに貴重だとか魔法の力があるのではないかということで削除され、何色か分からないけれども金髪以外の髪の毛の中に金髪が混ざって生えているんだろうということで落ち着きました。
悪魔の金髪にふしぎな力があるから王さまもとって来いと言ったんじゃないか、母親はしらみを取りながらそのまばらな金髪を探して抜いたんだろうと思います。
わたしも、タイトルからだと金髪が三本だけのようにも取れるのではっきりしませんでしたが、今回話題に出た〝ブラウンか何かの色のボウボウの髪の毛の中に白髪のように金髪が混じっている〟説で納得できました!
来月はまたどんな勉強会か、楽しみです(*^▽^*)

3月の日常語クラス

駅の改札の壁に、「ご卒業おめでとう」っていう手書きのポスターが出ていました。
桜の花を形どった飾り付きです🌸
そうそう、そんな季節ですね。
駅員さん、忙しいのに駅を利用する人たちのために心を込めてはるんやなとうれしくなりました。
次は、「入学おめでとう」のポスターを期待しております(^_^)

金曜日に三か月ぶりの日常語クラスがありましたので報告します。
語りで確認
「河童の薬」『日本の昔話3』福音館書店
「かちかち山」『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』語りの森
ヤンさん「ねずみのもちつき」 語りの森HP → こちら
テキストの検討
「花さかじいさん」『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』語りの森
「産神さまの運定め」『日本の昔話2』福音館書店
「ラ・レアールの修道院長」『語りの森昔話集5ももたろう』語りの森
「和尚おかわり」『日本の昔話1』福音館書店

「かちかち山」は、おばあさんが殺されてしまってしかもばば汁にされてしまうという、内容としてはきつい部分がありますので、語り手さんは自分の素のトーンより一段上げて、軽めで明るめに語ることを意識されたそうです。
聞かせてもらって、それは大成功だったと思います。
うさぎが、「たぬきさん、たぬきさん、やけどはどうや?」って聞くところなんか、声を出して笑いました。
わたしもこの話覚えます~~
覚えたい!と思う程の面白さでした(^o^)/

ヤンさんが語ってくれた「ねずみのもちつき」は愛媛県の昔話です。
お正月のおもちをつくために小豆を買いに行きます。
まず小豆を買いに行くのはなぜかというと、この地方はお雑煮にあんこのおもちを入れるからだそうです。
場所が変わると食べ物も随分違うんですね。
びっくりしました。
日常語の語りっていうのは、聞いているとほっこりします。
味が出るというか、優しい感じに聞こえて癒されるというか…
やっぱり日常語による語りは、聞いていて楽しいです。
次回も楽しみです(*^▽^*)