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大人のためのおはなし会 5月

おはなし会には3名の方が来てくださり、和やかに始まりました。テーマは「端午の節句」です。子どもの健やかな成長を願う話、男の子が主人公の話、端午の節句にまつわる由来話などでプログラムが組まれました。

絵本 『ワニぼうのこいのぼり』内田麟太郎作/高畠純絵/文溪堂

おはなし  「マカトのたから貝」『子どもに語るアジアの昔話2』こぐま社

絵本  『あんなにあんなに』ヨシタケシンスケ著/ポプラ社

手遊び   ちゃちゃつぼちゃつぼ

おはなし 「めしを食わないよめさん」『語りの森昔話集1』語りの森

絵本  『そらいっぱいのこいのぼり』羽尻利門/世界文化社

心喜ぶ素敵な時間だった~とみなさんで感じるおはなし会なのです。自分の課題はあるのですが、補佐の時は参加者の気持ちでゆったり至福の時を過ごしてしまいます。そんな気持ちにしてくれるおはなし会の秘訣はどこにあるのか…テーマの一貫性、季節感、順番や比重バランス、などでしょうか。胃もたれするような濃いジュースでもなく、薄くて味がわからない飲み物でもなく、美味しくて栄養のあるミックスジュース!のようなおはなし会。そして、読み手の何気ない言葉で「ふふっ」と笑わせてもらいました。この時間は一期一会ですね。その場にいる皆さんで喜んだり、聞き入ったり、しんみりしたり、ドキドキしたり、一緒だからいいんですね。そして、感性が磨かれること間違いなしです。みなさま、ぜひ遊びに来てください。

次回は6/13㈭ テーマは「雨」です。

一番のおはなし🥰

連休も明けて、おはなし会が本格的に始動する季節ですね。

みなさん、子どもたちに何を語ろうかとわくわくしながら仲間と話し合っているところでしょうか。

学校の授業時間をもらってのおはなし会でも、朝読や放課後の短時間のおはなし会でも、おはなし選びで大切なことは、この子たちにこの話を聞かせたいという情熱を持つこと。

子どもの集中力が続く時間は限られています。
だから、プログラムを組むときは、1番初めに大きな話・重い話を持ってきます。そのおはなしは、これさえ聞いてくれたら、きょうのおはなし会の目的は達したと思えるおはなしにします。もし短時間のおはなし会なら、これさえ聞いたらその一日は充実したって子どもが思えるようなおはなし。語り手としては、一番大事なおななしですね。
そうねえ、ヤンは、子どもたちの生きる力を引き出してくれるようなおはなしを選びます。
1話しか集中が続かない子がいても、それさえ聞いてくれれば、語り手の一番伝えたいことは伝わるわけですから。
そのとき、おはなしの所要時間で判断してはいけませんよ。だって、たとえば累積譚⇒こちらは長いけれど、はんぶんお遊びのようなものだからね。そういう話は、長くても、オマケの話として最後に持ってきます。

ところで、みなさん、どうしても聞かせたいおはなしを持っていますか?
いつものあの子たちの顔を思い浮かべながらテキスト集を読みましょう。
もしいたずらっ子や斜に構えたおしゃまさんたちがいても、その子たちは、きっと、大人が真っ向から対してくれることを願っています。
笑い話や怖い話やくすぐりのはなしでごまかさないで、本気のはなしを選びましょう。

本気のはなしって、語りの森のホームぺージでいえば、日本の昔話の《本格昔話》、外国の昔話の《まほうの話》《人間たちの話》のようなはなしです。

子どもたちとともに充実したいい時間が持てますように!
語り手の皆さんに熱いエールを送ります。

 

5月のあったかペーチカ

みなさんどのようなゴールデンウィークを過ごされたでしょうか?私は何事もなく、何ら変わらない、いつもの日常でした。おかげで疲れることもなく元気です!そして、連休明けでも7名集まりました。

手遊び    ぱっぱっぱ   なっとうなっとうねーばねば 

ひなどりとねこ 『子どもに聞かせる世界の民話』矢崎源九郎編/実業之日本社

マカトのたから貝 『子どもに語るアジアの昔話2』こぐま社

めしを食わないよめさん 『語りの森昔話集1』語りの森

舌切りすずめ 『語りの森昔話集4』語りの森

出かけるつぼ 『世界のメルヒェン図書館2』ぎょうせい より再話

カメの笛 『ブラジルの昔話』かめの笛の会/東京子ども図書館

めしを食わないよめさん、語り手さんが話序盤でね、おかしなことになったのです。笑いのツボに入ったらしく、しばらく笑いながら語っていて、こちらも見ていて「ふっ」と笑ってしまって。原因はですね、ある場面で聞き手のオメメがにょーんと大きくなって、それがおかしかったそうです。自分にも起きうる状況だと思うと恐いですが、収まるまでみんなで一緒に笑うのがいい!そうですよ。

そして、帰ってから思いを巡らせて考えていたのです。テキストの話で、自分の初級の頃の気持ちの在り方ですけどね。先輩方が、ヤンさんのアドバイスをもらいながら、とっても苦労されてテキストと向き合っておられたんです。なぜこういう風に手を入れるのがよいのか?その根拠が私の中から出てこない状態でしたので、そういうテキストには手を出さないと決めました。語りの経験をコツコツ積むには子どもたちに届けるテキストになっているものが良いと確信したからです。そして、もっと上の先輩方は、テキストをその通り覚えて、何回も語って、子どもたちの反応を見た上で、こうした方がいいな!という手順だったということです。現在はすばらしいテキストが手元にあるので、奇跡のようにありがたいことです。それは、出会った先輩方の話を聞いたり、語りを聞いたりするうちに、分かりだしました。また、勉強好きの私は、せっせと色んなクラスに入って学ぶ機会を増やしました。聞いても聞いても、本当の意味でわかっていない事は、何度もしくじりました。自分に欠けている物は自分では気づけないので、子どもたちが教えてくれました!ほんとかしこい、するどい最高の先生です。感覚で話したり、判断しがちな私は、勉強して理論を入れないと偏ります。忘れっぽいこともあるので、勉強し続けなくてはいけないようです。ひよっこの努力なので、まだまだ大したことではないでしょう。おはなしが好き、そこはみなさん一緒ですね。ババ・ヤガーでの学びは、お一人お一人、対し方や受け取るものはさまざまかと思いますが、しっかり傾聴してみてください。言葉以上の事も聴き取れると思います。(してる方がほとんどですよね、念のため)ヤンさんから語り手さんへの声掛けの仕方は、本人から引っ張り出すような言葉掛けです。育む人だ~と何度も感動してます。私はお腹がすくと聴けなくなりがちですが、学びの喜びのために(それが自然と子どもたちのために)大事な時間を感謝して過ごします!ヤンさん、時間をかけて何度も教えてくれてありがとうございます(^^)/

次回は6/2㈰10:00過ぎからです。

お願いだから、テキストを大切に💦

おはなしに対するときは、「自分」を無しにしないといけないのです。
とくに、子どもに語り始めたら。
自分で楽しんでいるだけなら、好きにやってたらいいんですけどね。

選ぶ基準は、自分ではなくて「子ども」
選んでしまったら、自分は「テキスト」の主人になってはいけない。
謙虚に、謙虚に、テキストに対していくのです。
もし、テキストの中で自分に分からないことや矛盾を感じることやらが出てきても、それは、自分が未熟だからだと考えるのです。
そして、勉強する。
それでもなおかつ解決しないときは、先達に教えを乞う。

私自身は、テキストに手を入れます。
「子ども」のために手を入れる。
ただ、どう手を入れるかについては、これまでの語りの経験(同じ話を数えきれない回数語る経験)と、学んできた語法と再話の知識を総動員して手を入れます。

ババヤガーで学んでいるみなさま、どうか、気軽にテキストに手を入れないでください。
そのまえに、もっともっと勉強して、子どもに語る経験を積んでください。
経験というのは、言い換えると、失敗してくださいということです。
テキストに忠実に覚えて、自分にできる精いっぱいのやり方で語って、それなのに失敗する。何度やっても失敗する。その経験をたくさん積み重ねてください。
そこではじめて、テキストの不備が見えてくるのです。
そうしたら、手を入れてもいい。
その手を入れるときに昔話の語法と再話の知識を使うのです。(ババヤガーで語法と再話の勉強もしてるでしょ)
ただし、あまりにも手を入れる箇所が多い場合は、そのテキストは捨てる!

あああ。責任感じて、もう勉強会を本気でやめたくなってるヤンより

 

 

はじまりのひとしずく

 5月4日土曜日の図書館おはなし会の報告です。連休ど真ん中の超晴天ということで、図書館に入ったとたん、「しーん」。あぁやっぱり……。でも長いお休みの時は、意外なことが起きたりします。子どもの時に「おはなしの部屋」に通ってくれていた子がお母さんになって、自分の子どもと来てくれたり!ということもありました。子どもさんには新しいカードを作り、お母さんには子ども時代の時のカードに(ちゃんととってあるんです)シールを張ってもらって……。これって、すごいことですよね!カードを探しなら感動していました。
 今日はおはなし会目指して集まってくれた3家庭7人ではじまりました~

子ども 3人 おとな4人

手あそび ちいちゃんぱあちゃん
おはなし 「カメの笛」『ブラジルのむかしばなし』カメの笛の会 編/東京子ども図書館
絵本 『びくびくビリー』アンソニー・ブラウン/灰島かり 訳/評論社
絵本 『しんかんせんでゴー』視覚デザイン研究所 作/くにすえ たくし 絵/視覚デザイン研究所
絵本 『ぼんやりしてたら』五味太郎/ポプラ社
絵本 『おやさいめしあがれ』視覚デザイン研究所 編/高原美和 絵/視覚デザイン研究所
絵本 『いいないいな』かたやまけん/福音館書店
手あそび さよならあんころもち

 子どもさん3人は年中、年長くらいの幼児と、3年生くらいの女の子。おはなし会が進むにつれて、絵本の前にがぶりつきの幼児と顔色を変えない3年生の反応の差が、見ていてほほえましい😊
 実は来てくれた子どもさんの一人はヤンさんのお孫さん。子どもさん一家が帰省中におはなし会に来てくれました。おはなしはきっとヤンさんの人生そのものと言ってもいいと思うのですが、そのおはなしに費やした時間、経験、知識、感動の源がここにあるんだと思うともうしみじみとしてしまって😢カメの歌がまたいい声で心にしみました😊
 自分のもとに生まれてきてくれた子どものために、自分が何かできることはないかと思い続けていた子育て期に出会ったおはなしの世界。ヤンさんがいてくれたことに深く感謝。静寂の中時間が止まったような30分のおはなし会でした。でも、帰る時には図書館にもう人がいっぱいで、たぶんほんとに時間が止まっていたんだと思います。