親と先生とのあわいで 💭

小学校の図書館司書のかたがね、こういってくださったの。
「ここの子どもたちは、ずっとおはなしを聞いてるから、本が好き。
聞いて育っていない子どもたちとくらべると、想像力が、ぜんぜんちがいますね」
子どもに本を手渡す仕事のかたから言っていただいて、うれしかった。

そうなのです。
子どもがなかなか本好きにならないってことよく聞きます。
それに、絵本は好きでも、物語本にすんなり移行できるとは限らない、という実態もありますよね。
たいていの親や先生は、そこで頭を悩ませるのね。
絵本が好きなのは、もちろんうれしいことです。
でも人生、絵本の時代だけで終わってしまうのは寂しいよね。
じゃあ、挿絵の多い本を次のステップにできるかといえば、必ずしもそうではない。
やっぱりゾロリで終わる子はいっぱいいる。

あのね、「ことばー(音声)ー想像」の訓練をすれば、文字さえ読めるようになったら、「ことばー(文字)-想像」はとっても簡単なの。
ことばからダイレクトに想像する力が、お話を聞くことで育つのね。
それと、物語は面白いって知ることも、本好きに導いてくれる。

幼稚園の園長先生がおっしゃってました。
「お話を聞くって、想像力が育ちますよね。
わたしたちが、なぜお話会に来ていただくかっていえば、そのためなんですよ。
想像力は、他人を思いやる力ですからね。
思いやりの力を育てたいんです」

中学校でのことです。
わたし「ストーリーテリングは耳からの読書ね。耳で聞いて、しっかり想像してくださいね」
生徒たちの目がきらりんと光って、うんとうなずいた。
彼らは、よくわかっている。
だって、三歳からずっとお話を聞いてきてるんだもの。

ときどき、空を見ながら思うのです。
わたしはいま、子どものときからずっと好きだったことをしているだけ。
先生でもない、親でもない、そのあわいで。
人として、たいせつなことかなと思うのです。
地位も名誉もお金も、無縁だけれど。
うん。これって、きっと、いい人生なんだろうな。

3 thoughts on “親と先生とのあわいで 💭

  1. ああ、そっか。
    私たちは語りを通して子どもたちの思いやりの心を育ててるのか。
    思いやりの気持ち、他人の気持ちを想像する力があれば、ひとに嫌な言葉を使ってしまったり、嫌な態度をとってしまう前に気付けますものね。
    『自分がされて嫌なことは他人にもするな』
    私の自戒の言葉です。
    それと、最近仕入れた自戒の言葉。
    『怒っていても扉は静かに閉める』
    イライラしても物に当たらないようにしようと思います。

    あのね、読書苦手だと思っていた子が、最近本を読むようになりました。
    それもゾロリから、挿し絵の少ない児童書をすっ飛ばして、大人の文庫読んでるんだけど……内容は、アニメ映画の原作小説だから取っつきやすいのかもしれない。
    ときどき漢字読めてるのかなと不安に思ったりするけども、見守ってる。次はあれ読みたい。これ読みたいと言ってくれるのが嬉しくてね、「一冊読みきってからや~」って言いながらも、つい財布の紐が弛んでしまいます。図書館の本は学校には持って行けないのだそうです。みんなの本、汚したり無くしたりしたらあかんから、そう言われれば納得。
    一緒に本を選ぶ楽しみ、感想を言い合える楽しさ、ほんまに嬉しい~
    学校の友達とも本の話してるとか、先生に褒められたと得意になって話されると、とても嬉しい。
    相変わらず体育会系やけれども。
    成長やな~~。

    はい、親バカ発言失礼しました~

  2. もっちゃん
    コメントありがと~ございます。
    きっと、親からいやというほど(笑)お話を聞かせられている効果(?)でしょうね。
    きっと、心も育っているよ。

    『自分がされて嫌なことは他人にもするな』
    うん。鉄則やね~
    もうひとつ、『自分はいやでなくても、他の人はいやかもしれない』と想像すること。
    難しいけれど、だいじにしている言葉です。

  3. あ、そうそう、うちの息子も、いきなり文庫本だったよ。
    漢字分かるの?ってきいたら、読めないけど意味は分かるって。
    すごいね、日本語。表意文字!
    だいたい前後の文脈からわかるらしい。
    子どもってすごい可能性持ってるね。かしこい!

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