日別アーカイブ: 2017年6月30日

成長する鉄のハンス 🌲

グリム童話の「鉄のハンス」は、息子が11歳のときに覚えました。
男の子が母親の枕の下から檻のカギを盗ってくる、そこから男の子の成長ストーリーが始まる。
鉄のハンスの父性に支えられながら、自分の力で成長を遂げ、幸せをつかむ。

息子のために覚えたので、プライベートにしか語っていませんでした。
あ、いちどだけ、サークルの勉強会に出したかな?
そのときはこぐま社の『子どもに語るグリムの昔話』で覚えたので、語るのに45分かかりました。

昨年、6年生に語ろうと、古ダンスの奥から引っ張り出してきました。
テキストは変えました。
小峰書店の『語るためのグリム童話』にさらに手を入れ、25分で語れるようにしました。

昨日と一昨日、6年生に合計4回、語りました。

たまたま、今反抗期だよ~!と、顔で宣言している男の子が何人かいました。
わたし(心の中で・・・やった~!)

「おまえはもうお父さんやお母さんには会えない」
「おまえはもうここにいることはできない。世の中へ出ていけ。だが、わたしはおまえが好きだ」
「困ったことがあれば・・・私がおまえを助けてやろう。わたしの力は大きいぞ。おまえが考えているよりずっと大きいのだ」
「おまえの願いは何だ」
鉄のハンスの言葉を、私の声で、その子たちに伝えました。
反抗心はどこへやら、子どもの心奥深くにある思いが、表情に現れていました。

結婚式で、みんなが幸せになったとき、ひとりの子が、「あれ? 鉄のハンスは?」とつぶやきました。
すごいね、まだ話は終わっていないって、ちゃんとわかったんやね。
そこへ、堂々とした王さまが大勢のお供を従えて入ってきたのです。
急に音楽がやんで、とびらというとびらが開くんですよ。すっごい演出! グリムさんに拍手👏
子ども「ハンスとちゃうやん・・・」
わたし「わたしは鉄のハンスだ。おまえが私を救ってくれたのだ」
子どもたち「ハンスや」「ハンスやった」

圧倒的な力で、少年を守ってくれたハンス。
そのハンスに、「おまえが私を救ってくれたのだ」といってもらえたときの、少年の自尊心の高まり。
こうして少年は真の成長を遂げるのです。
おとなは、親は、先生は、鉄のハンスのやり方で、子どもを育てるべきなのだと、深く感じました。

25分、子どもたちはしんと聴きました。
わたし「長かったねえ。みんなすごいねえ。とちゅうコマーシャルもなしでよく聴けたねえ」
子ども「(笑)25分やでぇ」

終わって片付けているとき、ずっとみんなから離れて座っていた反抗期男子が、いすをくるくる回しながらひとこと。
「鉄のハンス!」
わたし「おもしろかった?」
反抗期男子「うん!」

よかった、よかった。

何が正義なのか、何が愛なのか。
昔話を語るたび、子どもから教わります。
わたしのなかの「鉄のハンス」も成長します。