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おはなし入門講座⭐発表会🌟

今週火曜日、今年度のおはなし入門講座の発表会がありました。
3回にわたり、≪おはなしとは何か≫から、≪選びかた≫、≪覚えかた≫とつぎつぎと新しい知識を詰め込み、発表会の日に向けてテキストを詰め込んでこられたことと思います。
毎年みなさんそうなんですが、とても緊張して臨まれます。
それはそうですよね。
真剣におはなしと向き合ってこられたからこその緊張だと思います。
どうぞリラックス、リラックス~~(*^_^*)

今年の受講生のかたは7人ですが、人の世はいつもままならないものです。
当日間近に都合がつかなくなったかたが2人おられまして、発表は5人のかたでした。
今年初めての試み、語る順番はその日に抽選で決まりました!

1番くじ 「三枚のお札」『語りの森昔話集1ねむりねっこ』語りの森
2番くじ 「死人の手」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森
3番くじ 「ねずみのすもう」『おはなしのろうそく9』東京子ども図書館
4番くじ 「こびとのおくりもの」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森
5番くじ 「まほうの鏡」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森

いろんな話がそろいましたね。
どの話もそれぞれおはなしの世界があり、どれも違うのですが、緊張と戦いながら一生懸命に語る姿はみなさん同じです。
熱心な気持ちと、おはなしに対する新鮮でまじめな気持ち、聞いていていろいろなことを感じました。
そして、聞いているわたしは、毎年みなさんからエネルギーをいただいていると思います。

時間に余裕があったので、その場にいた者が急に語ったおはなし
「おはなしかめさん」『朝鮮の民話』偕成社 (ジミー)
「屋根がチーズでできた家」『子どもに語る北欧の民話』こぐま社 (ジェニィ)
「スヌークスさん一家」『おはなしのろうそく2』東京子ども図書館 (ヤン)
ジミーは、練習の機会を与えてもらってラッキーでした。

おはなしの時間が終わって、発表会の感想を5人のかたに言ってもらったんですが、みなさんたいへん客観的に自分の語りを分析されていて驚きました。
家で練習していたときと、実際に発表会で語ったときの違いを述べ、これからどうしようという展望を述べ、とても勉強になったとおっしゃいまして、初めてでなんでそこまで到達するのかと驚きました。
頼もしいというか、なんというか、「1話でそこまで考えるんですか!?」
自分の駆け出しのころのことを思うと、ただ遠くを見つめるしかありませんでした(笑)
さっそく初級クラスの入会を決めてくださったかたが2名おられました。
まだ考え中のかたも、それぞれの思いや時間の都合もあると思いますが、出来たらこれからも一緒に勉強していきたいと願っております。
講師のヤンさん、受講生のみなさん、見学に来てくださった熱心な語り手のみなさん、本当にお疲れさまでした。
今年も入門講座は、とっても充実していました(^o^)/

11月度 初級クラス

先週火曜にありました、初級クラスの報告です。いつもすぐに7話のエントリーが埋まってしまうのですが、今回は珍しく少なかったので、ジミーさんも語ってくださいました!

(手遊び)

弁慶が五条の大橋渡るとき うんとこどっこいしょ うんとこどっこいしょ うんとこどっこいしょと 言て渡る♬

学校のおはなし会は子ども達とも顔なじみになっているのでいいのですが、図書館のおはなし会で初めて会う子どもがいる場合は、手遊びをして触れ合ってからのほうが語りやすいと感じます。

(語り)

①妖精の丘が燃えている   『子どもに語るアイルランドの昔話』/こぐま社

このおはなしを選んだ理由は、アイルランドに旅行をした友達から写真を見せてもらったからだそうです。アイルランドはイギリスの左側にある島ですね、北海道ぐらいの大きさですが、日本人にはあまり馴染みがありませんよね。でも、写真を見てイメージができたのか、情景が見えた素敵な語りでした。

また、このおはなしは死んだおっかさんの知恵もかりて、妖精たちを追い出すことに成功します。いくつになってもお母さんの有難みを感じることがあり、このおはなしに決めたそうです。

最後の段落に「こんなおそろしい目にあってから、ブラスケットのおかみさんは、昼であろうと、夜であるうと、・・・」とあるのですが、ブラスケットという言葉が抜けてしまいました。しかし、最初に1度できてきただけであり、子ども達も何のこと?と疑問に思われても困るので、省いていいそうです。

②くもと夢  『語りの森HP』/語りの森

ジェニィが語りました。「夢の蜂」の類話ですが、人の魂が寝ている間に昆虫になって抜け出すのではなく、このおはなしは外(泉水)からくもができてきて、男の鼻のあなに入っていき、宝のありかを教えます。また、最後は宝を均等に分け合い、2人とも幸せになる点が気に入りました。

1年生から6年生がいる場でのおはなし会で語る予定にしているので、難しい言葉は説明する必要があります。

①荒れた長者屋敷あと → 人が住まなくなった、お金持ちの家

②泉水 → 池   ③千両箱 → 小判(お金)のたくさん入った箱

子ども達に辞書に書かれた言葉の意味を言うのではなく、おはなしがイメージできるよう、子どもに分かる言葉で説明することが大切だそうです。

語りの森HPには標準語のテキストが掲載されていますが、『子どもと家庭のための奈良の民話1』にはヤンさんの日常語で書かれています。

③捨て子と鬼  『日本の昔話4」』/福音館書店

内容を理解してもらおうとゆっくり語るのではなく、ストーリーに重きをおいて語ることを意識されたそうです。

ゆっくり丁寧に語れば子ども達に分かってもらえるか?「そうではなく、むしろ間をあけずに語るほうがよい」とヤンさんより。この初級クラスでは何度も指摘されていますが、句読点できると、聞き手は分かりづらいのです。

細かな点では、

(P49)「それみろ。ぐずぐずしているから、鬼がかえってきちまったじゃないか。さあ、はやくこの中にはいれ」といって、三人を押し入れの中にかくしてくれました。すぐに鬼が裏口からはいってきて、鼻をフスフスさせ・・・

押し入れの中にかくしてくれました。の後に間を取り、子ども達にこれからどうなるか?を考えさせる間を取るといいそうです。

同じように、(P50)道ばたにすわってやすんでいるうちに、ついぐうぐうねむりこんでしまいました。の後にも間を取るといいでしょう。

④酋長カイレ  『語りの森昔話集2』/語りの森

中学生の、特に男の子にがよく聞くそうです。語るときに技巧は必要なく、普通に語るだけでストーリーを楽しめるおはなしです。

先月のブログにも書かせてもらいましたが、Uさんは練習しすぎる傾向にあるそうで、今回の練習期間は約2週間、言葉を頭に入れた状態での発表でした。それが理由なのか、句読点で切れてしましました。例えば最初の一文「若い酋長のカイレは、川のほとりの小さな村に、妻とふたりで住んでいました」とありますが、間をあけずに一気に語りましょう。語ってから、少し間をとり、聞き手に状況を飲み込ませるといいそうです。

⑤三枚のお札  『語りの森昔話集2』/語りの森

ジミーさんの日常語の語りでした。小僧さんが鬼ばばに追いかけられながらお寺に帰りつき、和尚さんが言った言葉 「こまったことだ。どこにかくそう。しょうがない、井戸の天井にかくれていろ」をどのように語ればいいか悩まれたそうです。和尚さんは鬼ばばが出ることは分かっていたから、落ち着いて語ればいいのか、それとも和尚さんも小僧さんと同じ気持ちで、急がなければ鬼ばばがやってきてしまう、と焦っているのか?

重要なことは、子ども達は和尚さんではなく、小僧さんになって聞いている、「急がないと鬼ばばにつかまってしまう」という気持ちということです。ですので、ゆったり語ると聞き手は「早くして~」という気持ちになるのでいいのでしょう、とのアドバイスでした。

≪ヤンさんの語り≫ 

ちいちゃいちいちゃい  『イギリスとアイルランドの昔話』/福音館書店

聞き手によって語り方が変わってくるおはなしだと思います。おはなしの内容は知っていますが、最後はどんな風にくるのか?とドキドキしながら聞いていました。分かっているのに、面白くて怖かったです!

この後、ノート式~の「おはなしの覚え方」を勉強しました。詳しくはジミーさんの16日のブログ「入門講座3回目」をご参考ください。(手を抜いてスミマセン・・・(*_*; 苦笑)重要なことは最初のイメージを創るときから、大きな声で読む、覚えるときもしっかり声に出すことです。

以前、ヤンさんがどうしても覚えられないといっている人がおり、どのように覚えているかを聞いたところ、声に出していなかったそうです。

2019年度の勉強会もあと1回です。(1年が早い~!)

おはなし入門講座🌼3回目

下の、日常語クラスのブログでも書いてくださっているように、今月はじめにおはなし入門講座の3回目がありました(*^_^*)
遅ればせながらの報告です<(_ _)>

3回目は、「おはなしの覚え方」です。
みなさん、覚えるおはなしを1話選んで持ってくることになっていました。
「でも、まだ覚えてはいけませんよ。覚え方を聞いてからにしてくださいね。」といままで言われていて、前進したいところを押しとどめられていた状態だったのではないでしょうか?(笑)

おはなしを覚えるときは、まず声に出して読んでみます。
家で一人の時でも、小声でコショコショ言うのではなくて、部屋の隅まで聞こえるくらいの声を出してみて、自分の耳にも聞かせることが大切です。
その次は、本を見ないであらすじを書く。
その次は…
というように、ていねいに順を追って覚え方のお勉強をしました。
みなさん、ここは聞き逃すまいと真剣です。
だって、「早く覚えたいんです」という感じなんですよね。
みなさん、すごいです!
いよいよ、覚え方を教えてもらって次回は発表会です。
今頃は、みなさん一生懸命に覚えて、練習されているんでしょうね~
緊張せずに、リラックスして語りができるように祈っています。
初めは誰でも緊張しますから、どうか恐れずに(笑)
発表会が楽しみです!(^^)!

11月の日常語の語り勉強会

かぶちゃんお休みで、ヤンが報告します。

語り
「かもとりごんべえ」『日本の昔話2』小澤俊夫再話/福音館書店
「十二支の由来」『ナーミンのためのならのみんわ50話』村上再話
テキスト
「節分のお客」『語りの森昔話集3しんぺいとうざ』村上再話
「かねふき明神」語りの森HP

みなさん、日常語の語りを始めたころは、ご自分の日常語が分からなくて、四苦八苦されていましたね。
ふだん、どんな言葉で話しているんだろうって、言葉と格闘してはりました。
どうしても書き言葉になってしまうんですね。かといって、全くのおしゃべりのことばで語るのもおかしい。
アイデンティティを探すような部分があって、難しいですよね。
でも、苦労のかいあって、ずいぶん自然な語りを聞かせてもらえるようになりましたよ~
聞いていて、肩の力が抜けて、ほんと、楽しいのです。

お勉強 ノート式「日常語で語る意味」
きょうは、第2回目の入門のかたの参加がありました。
ノート式を読めば分かるようなことなんですが、いっしょに読むと、疑問もわいてくるし、どこが重要かもわかるよね
入門は次回で完結。メンバーが増えるといいな~

じろちゃん、お大事にね~

児童文学を読む会⚔

11月の最初の金曜日は、児童文学を読む会でした。
この『児童文学論』(リリアン・H・スミス 岩波書店)を読む勉強会で今までいろいろなジャンルの児童文学を読み込んできましたが、今回はいよいよ、ついに、待ちに待ったわたしの好きなジャンル、11章歴史小説でした。
わたしは歴史小説好きなので、出番が来たつもりで(笑)、できるだけ本章にある本を読んで当日を迎えました!
ストーリー、ファンタジーの章も、お勉強はためになるし楽しいのですが、落ちこぼれました_| ̄|○
次回までにできるだけたくさんの本を読もうという目標をほぼ達成せずに当日を迎えておりましたが、今回は意欲が違いました(笑)

『児童文学論』の11章の中から、抜粋いたします。
〝歴史小説という場合、作家はまず語るべきストーリーをもっている。そして、歴史という布地に、ストーリーは織物のたて糸のように織りこまれていなければならない。〟
〝想像力と史料と筆力の結合したものが、その作品のできばえである。〟
〝過去の生活を復元し、現在とは違う時代の雰囲気、味わいをとらえていなければならない。〟
〝作者が、ある時代に特有な状況や問題を十分に知りつくして、その時代のなかで自由に行動できるほどそこに没頭し、かれの人物をそうした条件のもとに生まれた時代の子として、同情と理解の目をもって見る時、はじめて第一級の歴史小説がうまれる。〟

全くその通りですね。
ほんとにねえ、ちょんまげゆって、刀を差してたら時代劇だと思ってたら大きな間違いだと、時代劇ファンとしては常々思っておりました。
ちょっと違うと思われるかもしれませんが、今回はわたしの歴史小説愛とともに時代小説愛と時代劇愛も炸裂してるので何卒お許しください<(_ _)>

『さらわれたディヴィド』(ロバート・ルイス・スティーヴンソン)にしても、『銀のうでのオットー』(ハワード・パイル)にしても、主人公の少年は平穏に暮らしていた生活が一変して苦難の道に変わってしまいます。
変りかたが、なるほど、この時代はそうだったのねというのがよくわかるんです。
前者は騙されて船に乗せられ奴隷として売られる運命、後者は預けられていた僧院から急に盗賊まがいの実父のところに引き戻されて敵がたにさらわれます。
いまならば、警察が逆探知したり、道路を封鎖したりしてくれて一大捜査網を敷いてくれますが、この時代はとにかく運と自力です。
福祉制度も今と全然違いますから、親がいなくなった時は遠く離れた知らない親せきを手紙ひとつを頼りに探し当てなければなりません。
物語の時代背景が、その時代を知らなくてもよくわかる文章、そして、主人公の心細さ不安、勇気の入り混じった感情のうずを同時に感じることのできる素晴らしくワクワクする本でございます。
とにかく、主人公はとんでもなく困難な命にかかわる状況から脱出しないといけませんね。
生きるためになんとか進まないといけないんです。
さあ、どうやって、どんなふうに知恵と体力を使ってサバイバルするんでしょうか!
どんな人が、主人公を助けてくれるのかも大きな問題です。
ただ、いい人、優しい人とかではなくて、助けてくれる人にもその時代ならと納得するような理由や役割を担っていたりします。
歴史の授業では全く分からない、外国の昔の人たちの生活がありありと見えるように読み進めるごとに入ってまいります。

そして、歴史小説の中では騎士がたくさん主人公になってます。
わたしは、騎士についての知識はありませんでしたが、数冊読んだだけで、もうとってもわかった気になっております(笑)
『ナイジェル卿』(コナン・ドイル)、『アイヴァンホー』(サー・ウォルター・スコット)は、主人公が騎士です。
普段の服装、戦うときの鎧はどんな装束かからはじまり、知らないことばかりでしたが、手を抜かずに書いてくれていることで全く知らない騎士というものが鮮明にイメージできました。
本の内容は長くなるので書けませんが、ストーリーとはまた別にわたしが惹かれるのは、騎士のいる時代は馬が大変重要です。
昔話の馬方は、もちろん馬を大事にしましたが、騎士にとっても馬はどれだけ強い馬を手に入れられるかが重要でした。
馬がつかれてきたから休憩させなければならないとか、たいへん急いで目的地に行かなければならないときは馬が走れなくなるまで乗りつぶして、また新しい馬を調達して目的地まで急いで行くとか、倒した相手の馬をもらって帰って行くとか、そういう場面がしょっちゅう出てきます。
また、僧侶と騎士の違いってなに?と思うほど、聖職者が=軍人なんですよね。
あるいは、聖職者が高位の政治家で、なおかつ軍隊を持っているとか、もう、戦うお坊さんがたくさん出てきます。
だから、キリスト教がこの時代の人たちのひとつの宗派ではなくて、政治的な意味があり、人びとを支配していたのだという様子が感じ取れました。。
昔話の中にも、神さまが出て来る話がたくさんありますし、そちらではおもに信仰というものを感じ取れると思います。
歴史小説とはそのへんが、違うように思いまして、それぞれに面白いなあと思いました。
かつてはるか昔の歴史の時間に自分はなにを聞いていたのかと思わないでもないですが、歴史小説を読みながらこんなにおもしろかったんだと改めて思いました。

残念なのは、11章に出てくる本のなかで、日本語訳が手に入らないものが何冊もあることです。
でも、検索しているうちにわかったのですが、A・デュマの『三銃士』ですが、これは三部作で『三銃士』のあとに二部ありますが、三部の全訳が復刊ドットコムで出ております!!
わたしは今、第二部の途中を読んでおりますが、まあなんとデュマという人は話を作るのがうまいこと!
二時間ドラマと大河ドラマのいいとこだけを取ったような面白さとスピード感!
家事をしないでずっと読んでいたいくらいです。

長くなってすいません<(_ _)>
今回は、P343の終わりまで進み、次回は歴史小説の残りとまだ読んでいない章をします。
宿題は今まで同様、本章に出て来る歴史小説を読んでくることと、出来たらそれに派生する歴史小説も読んできましょう、です。
児童文学を読む勉強会も次回で最後です。
みなさん、次回も頑張りましょう(^o^)/