あったかペーチカ

2月1日(火) 4名参加

「プレッツェモリーナ」語りの森HP
「桃太郎」『子どもに語る日本の昔話3』こぐま社
「ヘンゼルとグレーテル」『語るためのグリム童話』小澤俊夫編訳/小峰書店
「地獄に行った吉兵衛さん」『語りの森昔話集2』

外国のおはなしと日本のおはなしが交互で、長めと短めが交互。
ちょうどいい塩梅の語りの時間となりました。

さて、1月、2月の勉強会はお休みですが、みなさん、課題は進んでいますか?
わたしはリストに載っている本を読んだら、スタンプを押しています。
1冊読んだら、スタンプを1つ押します。
押したスタンプが増えてくるとうれしいものです。
最近はスタンプを押すために読んでいるということも(笑)。
3月の勉強会まであといくつ押せるかしら(いやいや、何冊読むかでしょう)。

語りの後の感想を言い合う中で、初級クラスの課題の話になり、
「実はこれまで、あとがきをきちんと読んだことがなく、最近になって、やっとあとがきを読むようになりました。そのあとがきがおもしろくて、あとがきを読んで、もう一度本文を読むと、またさらに理解が深まったような気がします」
と発言をしたら、ある方が
「あとがきこそ、作者の想いが表れる部分なんですよ」と言われました。
今回の「ああ、なるほど~」はそこでした。

わたしは元旦から『子どもに語る日本の神話』読み始めました。
「なんでこんなに登場人物の名前がややこしいねん」と思いながら、読みました。
「やまたのおろち」など知っている物語はすんなり進みますが、そうでない物語はなかなか進みません。でも、最後に10ページにわたるあとがきを読むと、全てのもやもやが開けたようにクリアになりました。とっつきにくかった日本の神話が好きになりました。

わたしは今まで、おはなしを選ぶとき、おはなしだけを読んで比べていました。あとがきを読んで、作者(再話した人)の想いをくみ取っていれば、また違う選び方もできたのかなと思います。

立春が過ぎて、日差しに春の気配が感じられるようになりましたね。
春はもうすぐ。

次回のあったかペーチカは3月6日(日)10:15~12:15です。

春は名のみの❄

マスクして
あらごめんなさい
人ちがい

暦の上では春なので、気持ちの上では春なので、くるっと散歩してきました。
前から歩いてきたマスクのご婦人にとつぜん声かけられました。
「あら!」
「はい?」
「ごめんなさい。人ちがいやった!」
「ほんまに!」

これだけ人に会うことがないと、知らない人に声かけられるだけで心がホカホカします。
思い切ってどんどん人ちがいコールしようと思った次第(笑)

けどマスクってもう冬の季語じゃないですね。
知らんけど。

もしもコロナがおさまったら、ぜひとも行きたい展覧会リスト!

安野先生のふしぎな学校 2/25~3/27
安野光雅さんの追悼展です。
美術館「えき」KYOTO
詳しくはこちら⇒

結構毛だらけネコ本だらけ 2/17~3/15
ねこに関する本を紹介して、人と猫の関りを考える展覧会です。
国立国会図書館関西館
詳しくはこちら⇒

さがわきっずみゅーじあむ 魔法の美術館Ⅲ ~2/13
人気の体感型アート展です。
佐川美術館
詳しくはこちら⇒

大阪中之島美術館超コレクション展 2/2~3/21
中之島に新しい美術館ができました~
詳しくはこちら⇒

国会図書館と佐川美術館と中之島美術館は、いつか別の機会に語りの森の遠足で行きたいなあと思っています。

恐竜好きの人は、こんな展示室があります。
今すぐ見られます~
おもしろい!
ディノ・ネット デジタル恐竜展示室
こちらから⇒

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きょうのおはなしひろばは、「まめ、まてまて」
幼い子にぴったりのおはなしです。

 

 

 

1月のプライベートレッスン

早いもので、今年ももう一か月が過ぎました。
今日から2月です!
通常の勉強会はお休み中ですが、コロナ感染の心配のないオンラインのプライベートレッスンは、1月・2月も行います。
1月のレッスンの内容を報告します(^o^)

1日目
語り「魚がくれた子ども」 語りの森HP外国の昔話 → こちら
さらっと語らないで、しっかり語る箇所の指摘がありました。
それと、感情を示している台詞なのでそのように感情をこめて語ってしまいそうだけれども、この台詞の意味は聞き手が「誤解が解けたんだ!」と分かるところなので、感情を込める台詞ではないという指摘がありました。
教えてもらって、なるほどなと納得しました。
語り「六ぴきのうさぎ」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森
ひとりで続けて2話語られました。
すごい~!
1年生に、「三びきの子ぶた」と組み合わせて語るそうです。

2日目
日常語のテキストに変える
「佐渡の白つばき」『語りの森昔話集5ももたろう』語りの森
この話は「夢のはち」の類話で、「夢のはち」は全国に類話が分布しているそうです。
テキストを日常語に変えるときには、いろんな場面で主語のいらないことが多いです。
〝ふたり〟や〝みんな〟も消せることが多いです。
しかし、だからといってそれらが出てきたら消したらいいのかというとそうではないので、言葉では限定できないそうです。

3日目
語り「首の短い男の話」 語りの森HP日本の昔話 → こちら
アイヌの昔話です。
中学生に語られるそうです。
アイヌの昔話は独特ですし、風習も違いますから聞き手に分かってもらうように語るのは難しいです。
一度中級クラスで発表され、プライベートレッスンで再チャレンジされました。
語る前に、「アイヌの昔話は主人公の一人称ですすめる」と、さらっと言っておいたらいいということでした。
アイヌの昔話は、ちょうど昨日アップされていますのであわせて読んでみてくださいね。 → 「さきぼそがらすの神」
日常語の語り「きつねの茶釜」『日本の昔話2したきりすずめ』福音館書店
おもしろかったです~~
笑い話なのでおもしろくて当たり前なんですが、台詞が身近な普段使っている言葉になるとなんでこんなに面白く感じるんでしょうかね?
でも、語るほうとしては、やっぱり語尾が定まらないという難しさがあったようです。
オンライン日常語の語り入門講座でも同じでしたね。
これは、根気よく何べんも何べんも繰り返して練習し、自分の声を自分の耳で聞いて確かめる。
言いやすい方に流れるのではなく、自分の感性でもって、心地よい着地点を探し当てる。
こうやって言葉を決める・固めるしかないということですね。

コロナのために学校のお話会も中止の所が多いようです。
お話会も勉強会もなしという状況でも、残っているお話会を大事にして、そして勉強の機会をのがさずにプライベートレッスンを受けてくださるかたたちの姿を見せてもらって、元気をいただきました。
ありがとうございました<(_ _)>(^o^)/

追悼

松岡享子さんが旅立たれました。

かつて、おはなしの語り方に苦しんでいたときのことです。
グリム童話「かしこいグレーテル」を、ある先生に講評していただき、その結果、大きな悩みが生まれました。
悩んだ挙句、松岡先生にお手紙を差し上げて教えを乞いました。
すると、「こちらにいらっしゃる機会はありますか?」とのご返事を頂いたのです。
恐る恐る東京子ども図書館の門をたたきました。

松岡先生は、開口一番、「あの話は演じないと面白くないものねえ」とおっしゃったのです。
心のしこりがすうっと消えました。

それから〇十年。
今では、おはなしにはその姿にあった語り方があることを知っています。
そのきっかけが、松岡先生の言葉でした。

おはなしは寝てても語れるほど練習しなさいというのも、松岡先生からいただいた言葉です。
そう、いまみんなに言ってるのは、松岡先生からの受け売りです。
でも、この言葉は真実です。

松岡先生の語りを聞く貴重な機会は2回ありました。
そのなかでも、「美しいおとめ」「なまくらトック」「三匹のくま」は忘れられません。
物語の情景とともに、物語への愛情が豊かに伝わってきました。
先生の功績は数限りなく挙げることができますが、わたしの中では、最高の語り手として、生き生きと生きておられます。

上の子が2歳のときに、子育ての何かの雑誌で、ストーリーテリングというものの存在を知りました。
感銘を受けて、図書館のかたに入門講座を開いていただけないかとお願いして、翌年に実現しました。
のちに、その文章を書かれたのが松岡先生だったとわかりました。

私にとって、おはなしの先生といえるのは、松岡享子さんただひとりです。
深く感謝します。

 

 

 

 

日常語の語り入門講座

オンラインで開催された2021年度の日常語の語り入門講座の最終回の報告をします!(^^)!
最終回は、いよいよみなさんが覚えた話を発表する日です。
時間の関係で2回に分けて行われました。
今年度の受講者さんは5人。
お一人お一人が違った言葉を持っておられるわけですから、それぞれ味のある日常語の語りが5話できました。

「だんだん飲み」『日本の昔話5ねずみのもちつき』福音館書店
「千人力」 語りの森HP日本の昔話 → こちら
「ねずみのすもう」『日本の昔話5ねずみのもちつき』福音館書店
「しんぺいとうざ」『語りの森昔話集3しんぺいとうざ』語りの森
「仙人のおしえ」『日本の昔話5ネズミのもちつき』福音館書店

みなさん、しっかり覚えておられ、聞いているわたしとしてはとっても楽しかったし面白かったです。
しかしながら、語った側のみなさんにとってはいろいろ苦労があったようです。
日常語にしたテキストを覚える段階で「やはりこっちじゃないかな」と思って修正し、その修正がしっくりこずにまた修正する。
修正に修正を繰り返していくと、いったいどれが自分の言葉なのか分からなくなります。
そして、ひとつの言葉を言うときに、自分は複数の言い方をする。
両方使うときにどっちにするの?問題が浮上してきます。
練習しながら、覚えながら、これらの疑問が同時に頭を駆け巡り、いろいろ苦しまれたようです。
ヤンさんのアドヴァイスは、大事なのは自分の耳で聞くこと。
この場合は、録音して聞くのではなくて、語っている自分の言葉を耳で聞いて確かめる。
助詞をどうするか迷っているときには、耳で確認していたら分かる。
あとは、これは日常語による語りに限らないけれども、聞き手からどんな反応が返って来てもぶれないように、すぐ元に戻れるように寝ていても語れるようにひたすら練習すること。
子どもの反応があれば、その間に合わせること。
これは、その場にならないと分からないことなので、そのためにもしっかり覚えてどんな風にも(早いとか遅いとか、間の取り方の長短とか)語れるようにしておく必要がある。
それと、日常語のテキストを作るときに再話力も必要になってきますので、そのためには昔話の語法の勉強が重要だということです。
語法の勉強は、おはなしを語るときにはすべてにおいて関係してくると思いますが、日常語の語りを勉強するときにはぴったりとくっついてくる感じですね。

みなさんの感想を聞いて、わたしも同じだったので、戸惑いや迷いが分かります。
とにかくテキストが定まらない。
どこに定めたらいいのか分からない。
わたしは、だいたい定着点を決めるのに、語ってから2~3年かかったかなあと思います。
だからね、みなさん大丈夫!
語っていくうちに何回か蛇行していきながらも、「この辺かなぁ~」というところが見つかります。
マイルールや、あきらめも加わって、「ここでいい!」というところが見つかると思います。
だから、記念すべき第1話を大事にしながらも話数を増やして行って、語ってみて子どもたちの反応を見て修正するを繰り返し、これからも日常語の語りを続けていってほしいと思います(^o^)