9月の語りクラス

残暑が厳しいですが、お店には秋の食材が並び始めましたね!今年は秋刀魚が安くて美味しい☺食欲の秋になりそうです。
さて、2か月ぶりの語りクラスがありました。

事前にプライベートレッスンを受け、テキストに手を入れたおはなしを発表してくれた人が多かったです。
出典もほぼかぶることなく、日本、外国、アイヌ、日常語とバラエティに富んでいました。全体で約1時間半の語りですが、楽しいおはなしに耳を傾けていました。
では、報告です。

👐手遊び『たまごをポン♪』👐
たまごをポン!とわりまして そのままたべたら なまたまご~♪
たまごをポン!もひとつポン!とわりまして じゅうじゅうやいたら めだまやき~♪
たまごをポン!もひとつポン!もひとつポン!とわりまして ぐるぐるまいたら たまごやき~♪
たまごを・・・もひとつ・・・もひとつ・・・もひとつ・・・とわらないで おなべでコトコト ゆでたまご~♪
たまごをポン!もひとつポン!もひとつポン!もひとつポン!もひとつポン!とわりまして ふんわりおおきな ホットケーキ♪

語り
 ➀「美しいおとめ」 『おはなしのろうそく28』/東京子ども図書館
 ➁「おおかみときつね」 『語るためのグリム童話4』/小峰書店
 ➂「地主のはなよめ」 『太陽の東月の西』/岩波少年文庫
 ➃「三枚のお札」 『おはなしのろうそく5』/東京子ども図書館
 ➄「ひとつぶのサッチポロ」 『アイヌの昔話/萱野茂』
 ⑥「つるの恩返し」 『語りの森昔話集3』/語りの森

ヤンさんの語り
「雨の日も晴れの日も泣く」『稲田コレクション』
稲田浩二氏が1967年から1978年に日本各地29都府県で現地録音取材した日本昔資料からです。

同じ場面は同じ言葉で繰り返される。
昔話の語法であり、この点が創作とは違うのです。創作では少しずつ言い方を変えていることが多く、語り手は覚えにくいですね。

「おおかみときつね」の中で、
おおかみは自分のことを「わしは」と言っていますが、一番最後だけ「おれは」になっています。
また、同じように「赤ぎつねよ、わしに何か食い物を持ってこい。さもなければ、おまえを食っちまうぞ」も
1回目と2回目は「さもなければ」ですが、3回目のみ「さもないと」になっています。
聞き手は気になりませんが、語り手が覚えるとき気になるようであれば、「わしは」と「さもないと」に統一して問題ないそうです。

今日、1年生の朝学習おはなし会で「三匹のくま」を語ってきました。
3回の繰り返しオンパレードですが、子どもたちは「またか~」と言いながら、喜んで聞いていました☺

次回は11月11日(ポッキーの日 笑)です。

最後に案内です。
➀新しい仲間が増えました🙌地域のサークルに所属されており、今回は見学でしたが、次回早速発表してくれます!
➁11月30日に「語りの森総会」と題して、「貧乏神」大会が開かれます。発表者全員が国内外の「貧乏神」を語ります。飛び入り参加もOK、午前は発表、午後からは交流会です。どなたでも参加できますので、気軽にお越しくださいませ~♪

昔あった時間

 新学期になりました。忙しい秋の季節の始まりです……。あっついけど。
この2~3日の雨で少しは涼しくなるんでしょうか? 
 さて、9月最初の土曜日の図書館おはなし会は、ウーカーさんと、おらふが担当しました。

子ども8人 おとな8人

手あそび 虫かご
おはなし 「風の神と子ども」『おはなしのろうそく9』東京子ども図書館
おはなし 「くさった風」『日本の昔話3』おざわとしお/福音館書店
絵本 『きみ、だあれ?』そく・ちょるうぉん 絵/聞かせや。けいたろう/KADOKAWA
絵本 『せかいいちれいぎただしいかいじゅうボンバルボン』キューライス/小学館
絵本 『こねこをひろったけどそだててみたら…』新井洋行/BL出版
絵本 『なんのサンドイッチ?』たなかひかる/大和書房
手あそび さよならあんころもち

 先日、三世代で来てくれた親子さんのお話をしましたが、またみんなで来てくれました! この日じゅうたんコーナーに集まってくれたのは、みんな女の子。くりくりのお目めぱっちりで聞いてくれました😊 
 幼児さんの時から本が大好きな女の子が、一年生になってまた来てくれるようになったり、子どもの成長のスピードを見て、感心するばかり。
 なんですが、指と指をくっつけて、小指から指同士をパチパチさせていく、この日の手遊びが、小指と中指をくっつけたりして「はじめて」感が満載なんです。
そして最後に親指をくるくる回すのですが、ぎこぎこしちゃって回らないんです。
そういえば、ぞうきんを絞れない、水道の蛇口を回せない子どもが多くなっているとか……。
 こういう動きって、手先の不器用さにもつながっていくだろうし、脳の発達にも影響するんじゃないか、なんてハラハラどきどきしてしまいます。
 簡単なものなので、5歳児さんなら初めてでも2~3回やるとできますが、手指あそびって、一人遊びとか、暇なときにでてくる仕草みたいなものでもあるから、良くも悪くもそういう時間がないのしょうか。子どもにとって「退屈な時間」はいろんなアイディアを生み出して自分主体で遊べる最高の時間😊 退屈を楽しめたらいいですね!
 ま、そんなこんなで、おはなしも絵本も楽しんでくれました💓よかったです😊

こんな本📖

 

ジミーさんに紹介していただいて読んでみた。
『ひどい民話を語る会』
京極夏彦・多田克己・村上健司・黒史郎
角川書店 2022年

妖怪好きの上記の四人がひどい民話について語ってる対談(?)です。

ヤンは、日本昔話集成や日本昔話通観を毎日読んでいる身としては、知っている話がバンバン出て来ておもしろかったです。

「ひどい」民話といっているのは、いわゆる話型を持った昔話とはズレた話で、昔話が、きちんとした構造を持っているのに対して、ゆる~い、ある意味不完全な構造の話(これを民話と、この本では呼んでいます)。そのなかでも、下ネタの話が次々出て来ます。

ここで紹介されている話は、ヤンはほぼ再話に使っていませんね(笑)
「くさかった」くらいかな?
わざわざ次に伝えたいと思わなかったので。

京極夏彦さんは、「おわりに」で、これらのひどい民話は、ただのウケ狙いで、いろり端の一夜限りのその場しのぎの、アドリブだらけの、口がすべっちゃっただけの、適当な与太話だったのかもしれないといいます。
そして、そんなどうでもいいものが後世に伝えられるなんて素晴らしいと。

ヤンは、それらを再話はしていないけれど、資料として読むことで、かつてのいろり端の濃厚な空気を感じることができて楽しいと思っています。
おはなしってそうやよな~って思うのです。

昔話資料を読まなくても、この本を読めば、どんな「ひどい民話」があるか分かりますので、ぜひ読んでみてください。そして、興味があれば、1冊でも2冊でも原資料を手に取ってみてください。
語りの現場の臨場感に浸ることができます。

ヤンは、そんな語りの場をゆる~く追求したいなと思っています。

ツクツクホーシの声が、涙が出るほどうれしい今日この頃。
早く秋になれ~~~~

 

 

8月最後の図書館お話会

今日からもう9月!
今年があと4か月で終わると思うと、寒い年越しの時期がこの暑さでは全く想像できません。
まだまだ暑さの盛りの中、8月最後の週のお話会の報告をします。
来てくれたのは、子ども12人、大人9人。

手遊び くーるぽん
おはなし 「アリョーヌシカとイワーヌシカ」『まほうの馬』A.トルストイ他/文 E ラチョフ/絵 高杉一郎他/訳 岩波書店
絵本  『ひこうきにのろう』バイロン バートン/作 なかがわちひろ/訳 好学社
 〃  『これはのうじょう』ジョン クラッセン/作・絵 なかがわちひろ/訳 徳間書店
 〃  『これはのみのぴこ』谷川俊太郎/作 和田誠/絵 サンリード
手遊び さよならあんころもち

「アリョーヌシカとイワーヌシカ」は大好きなおはなしなんですよ。
この日は、ほとんどが初めての子どもたちだったと思いますが、分からない言葉は「〇〇ってなに?」ってすぐに聞いてくれたから、やり取り上手なヤンさんは短く説明を入れながら語ってくれました。
だから、内容のある話だけれどもみんなちゃんとついてきてたし、その真剣な姿を見ているわたしも幸せでした。
『ひこうきにのろう』は、飛行機の内部が詳しく説明されていて、「燃料って、翼に入ってるの?」とびっくりしました。
大人なら、これは知ってて当たり前ですか?
わたしは知りませんでした。
あとの二冊は、タイトル『これは…』でつないでますね。
お見事でございます。
暑さを忘れた、楽しい時間でした(*^_^*)

8月 プライベートレッスン

夏休みがとっくに終わって、8月は今日で最後。
学校が始まっても、まだまだ暑さは続く今日この頃です。
8月のプライベートレッスンは、3話でした。

1話目
「貧乏神の土産」
テキストを日常語に変えて、語りもされました。
残念ながら、参加できなかったので報告できません。
Mさん、よければ、出典やレッスンのようすをコメントでお知らせくださいね。
よろしくお願いしますm(__)m

2話目 語り
「おばあちゃんの話」『赤頭巾ちゃんは森を抜けて』兼岡糸子他/訳 阿吽社
フランスの古くから伝わる「赤ずきん」のおはなしで、一般に知られている赤ずきんの話とはだいぶ違います。
「くらいくらい」とか「ちいちゃいちいちゃい」のおはなしのように、怖がることを楽しむために、聞き手のようすを見ながら、語り手と聞き手が相互に交流するエンタメ的な話でとても面白かったです。
ペローの赤ずきんのように、男はおおかみだから気を付けるんですよ、みたいな感じがないんです。
7月のあったかペーチカの時にしてもらった、赤ずきんミニ講座に詳しく報告してくれていますので、どうぞそちらもご覧ください。 → こちら

3話目 テキストの整理
「鉄のストーブ」『語るためのグリム童話6』小澤俊夫/監訳 小峰書店
受講者さんは、同じ物が違った表現になっているところの言葉をそろえたり、必要ないと思う文を取るという作業をされていて、それでよいのかどうかを見てほしいということでした。
最初から順を追って見て行き、説明してもらいながらテキストを整理できて、悩みが無くなってから覚えるというのが、理想だということが改めて分かります。
これで心置きなく覚えられますよね。
この話は長い話なので、初めにヤンさんが整理の目的を聞かれたときに、短くするつもりかどうか聞かれました。
受講者さんはそれは考えておられなかったようですが、もしそれもしようと思ったらもっと考えることが多くなって、とてもプライベートレッスン一回では終わらなかっただろうなとあとで思いました。
テキストは多くの場合、整理や手直しが必要なように思います。
しかしそれはとても難しいことで大変だと、まだまだ至らなさを感じた次第です。
でも、何回も機会を増やすことが道を進むことなので、カメの歩みでも少しずつ歩んでいきたいなあと思いました。
何事も、やり続けないとですね(^^)/