月別アーカイブ: 2015年1月

更新しました。語ってくださいね〜    byヤン

日記はランダムですが、ホームはだいたい1か月ごとに更新しようと思っていま
す。で、1月の更新。
≪語るために≫
段落分けまでして待ってくれていた人(っていないか―笑)、おまたせしました〜
おはなしはイメージが命ですよ〜ってことで、覚え方と語りかたを書きました。
お話を語ったことのないかた、だまされたと思ってやってみてくださ い。はま
る人ははまります。
≪日本のおはなし≫
まずは、寒さを吹っ飛ばすお笑い3話をお届けします。
「三人のどろぼう」
とんでもないファンタジーですね。初めて読んだときはひっくり返って笑いまし
た。これって語りで聞いたら面白いやろうなと再話しましたが、語るの はけっ
こう難しいです。まだ子どもには語っていないけれど、対象年齢はどのくらいで
しょうね。ぜひ語ってくださって、感想をお寄せくださいね。原 話は新潟の昔
話です。
「ぶいが谷のお酒」
いわゆる猿地蔵の話。日本全国に類話があるようです。「お香の袋」「お香の匂
い」ってみやびですね。極端にきたないものと極端に美しいもの。 昔話の語法
を思い出してくださいよ〜。 でも、子どもたち、お香ってわかるかなあ。原話
は島根県の昔話です。
「広岡の腰痛地蔵」
私はこのかわいいおばあさんが大好きです。
『子どもと家庭のための奈良の民話』は再話者の日常語で書いていますが、この
サイトでは共通語で書いていま す。、だから、関西弁わかんないってかたはこ
の共通語で語ってくだされば嬉しいです。また、この共通語をご自分の日常語に
直して語ってくだされば なお嬉しいです。もちろん、本の通りに語ってくだ
さっても嬉しいです。ちなみに、音声♪は、ほぼ本の通りです。
つぎは、ふうんと考えもんのお話をどうぞ。
「一休さんのきつね話」
虎の威を借る狐の故事を、一休さんが檀家の人に話しているという趣向です。こ
の故事 を高学年の子どもたちに知ってもらいたいと思って再話しました。
原話の出典『一休諸国物語』は、『一休噺』『一休関東噺』とともに、江戸時代
初期寛文年刊に刊行された噺本で、明治まで読み継がれた大ベストセ ラー。一
休さ んのエピ ソード満載の三部作です。
「くもと夢」
「夢の蜂」という話型の昔話かなと思うのですが、「宝化け物」かもしれないと
も思っています。ご存知の方は教えてください。「夢の蜂」では、人の 魂 が寝
ている間に昆虫になって体から抜け出し、宝を見つけてもどってくるのですが、
この「くもと夢」は、蜘蛛が人の体に入って宝のありかを教えます ね。「ふた
りの男ー昆虫―夢―宝」という点で「夢の蜂」と同じ、ストーリーもそっくり。で
も、テーマは違うような気がします。
今年は戦争が終わって70年。
「戦火の弘法大師」
現代の民話と言っていいのでしょうか。弘法伝説のひとつということですが、原
話の語り手の思いが切実です。語り伝えたいと思います。
来月の節分のためのお話をご紹介。
「豆まきの由来」
このストーリー、初めは猿婿か蛇婿みたいでしょ。とちゅうで鬼の子小綱になっ
て、そのあと難題婿みたいになって、……最後は氏神さんやったってオ チ。短い
話なのにモティーフがいくつも組み合わさっていて、おもしろいですね。
≪外国のおはなし≫
前回はヨーロッパの昔話ばかりだったので、今回はアジアの昔話をご紹介します。
「とらの恩返し」
韓国のお話です。この話は1923年に現在の全州市で語られています。原話の
出典の『朝鮮民潭集』は朝鮮半島が南北に分かれる前に編纂されていま す。そ
れで、テキストには「朝鮮半島」の話としました。
動物の恩返しの話は、日本にもたくさんありますね。鶴の恩返しとか、きつねの
恩返しとか、 変わったところではナマズの恩返しとか。「とらの恩返し」はい
かにもとららしい威勢のいい恩返しの仕方で、ユーモラスでさえあります。子ど
もたちはと らに親しみを感じて笑いながら聞いてくれます。それだけに、さい
ごの場面は胸を打ちます。
「りこうな魔法の鳥」
モンゴルのお話。話の中に話が3つも入っていて複雑です。語るのはちょっと難
しいと思いますが、ぜひ紹介したいと思って再話しました。とても不思 議な雰
囲気のお話です。大人向けのおはなし会なら語れるかな。
「洪水」
中国のお話です。船を作って動物たちを救ってやるのは、まるでノアの方舟です
ね。後半はこの動物たちが主人公の少年に恩返しをします。そう、これ も動物
の恩返しの話です。
「黒い髪の人間は助けてはいけない」というタブーを犯して、少年はろうやにぶ
ち込まれてしまいます。動物たちと対照的な人間の不誠実。考えさせら れますね。
「うそつきくらべ」
タイのおはなし。美しいおひめさまをめぐって、若者と大臣たちが争います。謎
解きに引き込まれているうちに、お、かしこいなあ!もちろんハッピー エン
ド、若者の勝ち。結婚式で、めでたし、め でたし。なんと知恵のある若者なん
でしょう!
4年生以上で語ろうかなあと再話しました。聞きなれた子どもたちなら3年生く
らいでも楽しめるかもしれません。
ということで、また来月。      ヤン

寒いのに、ありがとう。    byヤン

いま、朝のおはなし会から帰ってきました。
小学校の支援学級。始業までの15分間の読み聞かせです。4月から毎月一回、
ひとりで行っています。
子どもたちは3人ですが、それぞれに興味が異なっているので、読んでいても楽
しいです。でも、それだけに選書には工夫が要ります。
市の図書館から団体貸出で10冊借りてきて、「どれ読む〜?」とききながら、
終了時間まで読み、残りの本は置いて帰ります。担任の先生が貸出期限 日まで
に図書館に返してくださいます。
早めに教室にいったら、子どもたちが「先生が来ない」「ねえ見てきて」「イン
フルエンザと違うかな」と、訴えてきました。
「まだ始まってないやん、じきに来はるわ」と言いながら、職員室へ探しに行っ
てみると、先生はお休み。入れ替わりに教頭先生が教室にいらっしゃい ました。
いつものごとく、わいわいいいながら、『おまえうまそうだな』宮西達也作をは
じめ3冊読んでチャイム。残りはあとで先生といっしょに読みあうこと になっ
ています。
「これで終わりま〜す」
「ありがとうございました〜」
「またくるね〜」
と、いつものあいさつをして教室を出ようとすると、ひとりの子が
「寒いのに、ありがとう」
いつものおはなし会のあいさつでもない、先生に促されたのでもない、自然に出
てきた優しい言葉。
昨日コメントで、お話は子どもが教えてくれると書きましたが、子どもは人の生
き方についても教えてくれます。
この道をまっすぐ行こうと思いました。
たとえロマンチストと言われようともね。                 
     ヤン

がらがらどんのつぶやいた屋根裏の寄り合い    byヤン

きょうは屋根裏の寄り合いの日でした。
がらがらどん、ペットのくせに油断もスキもありません。
でも、まあ、後ろ暗いことをしているわけではなく、ただお話を語っているだけ
だからいいけれど、ちょっと秘密めいたほうが楽しいではありません か。
今日皆さんが持ち寄ってくださったおはなし
「頭の大きな男の話」 『日本の昔話4』小澤俊夫再話福音館書店刊
「かちかちやま」 同上
「かきねの戸」 ババ・ヤガー語りの森≪外国のおはなし≫ 
「みいさん」 『子どもと家庭のための奈良の民話2』
「なぞなぞの好きな王さまとノミ」 『世界のむかし話4・スペイン』学校図書刊
「三枚の鳥の羽」 『語るためのグリム童話集4』小峰書店刊
「かきねの戸」 ババ・ヤガー語りの森≪外国のおはなし≫ 
「三枚のお札」日常語で 『日本の昔話3』福音館書店刊
「蛇の湯治」日常語で 『日本の昔話5』福音館書店刊
きょうはいつもより少なめの人数ですが、いつもと同じく完成度の高いおはなし
会になりました。えっ、自画自賛?そんなことないですよ〜。いっぺん 聞きに
来てくださったら分かりますよ〜
語りの会の後の茶話会も、入門まもない人から、もう何十年も語っているベテラ
ンまで、みな横並びで自分の考えを率直に話してくださるのも魅力で す。
この寄合の後は、いつもキラッと光る宝石を持って帰れるなあと、主催者はよろ
こんでいるのです。
そしてそして、ありがたいのは、新刊絵本の紹介があること。
古典の良さは十分承知。でも新しいのも読みたい。膨大な数の新刊本からよいも
のを見つけるのは至難の業。
Mさん、毎月毎月探すのが大変だと思います。ほんとうに、ありがとうございます。
屋根裏から降りてくると、ひそかに春の匂いがしていました。      ヤン

せかいのひとびと   byヤン

まっくらな部屋で目を覚ましたら5時32分。いつもの時間。
さて、きょうは何をするんだったかなと、ふとんの中でぼうっと考えていて、気
がついた。
1月17日。
20年前のきょうこの時刻。
朝のコーヒーを入れて、とりあえずの平穏に感謝して、また、思った。
いまわたしにできる精一杯のことをしよう。
新聞、祈りの一面をめくると、宗教戦争の記事。神にささげるいのち。爆発させ
られる少女。
それでも、また、思った。
いまわたしにできる精一杯のことをしよう。
けれどもわたしになにができるのだろう。
読み聞かせには向かないけれど、大好きな絵本があります。
『せかいのひとびと』ピーター・スピア作・評論社刊
地球上の人々がどんなに違っているか、興味と好奇心に駆られて細かく詳しく楽
しく見てしまいます。
みんな同じだったらどんなにつまらないか。うしろから2番目の見開きページ
に、灰色の町が描かれます。
さいごのページをめくると、この町のなんと雑多で美しいことでしょう。
この美しさをなぜ認め合えないのか。地球の片隅の初老の主婦にはまったく理解
できません。
30年以上前に出版された本です。わが子と読み続けてきました。
やはり、いまわたしにできる精一杯のことをしよう。           ヤン

1月 日常語勉強会 byぽん

ぽんです。
昨日は1月の日常語勉強会でした。
勉強会で取り上げたお話
語り   「三枚のお札」
テキスト 「わらしべ長者」
テキスト 「猿かに合戦」
テキスト 「ちょうふく山のやまんば」
すべて、『日本の昔話 全5巻』 小澤俊夫/再話 福音館書店に
載っているお話を、日常語にしています。
この勉強会では、この『日本の昔話 全5巻』からお話を選んで、
それを日常語に変えて語る、ということをやっています。
“テキスト”というのは、日常語に書き換えてみんなの前で聞いて貰うこと、
“語り”というのは、その“テキスト”の行程を経て、覚えてみんなの前で語ること
です。
この二つの行程を経て、1話完成としています。
もちろん、講師のヤン先生に丁寧に指導してもらい、
また、みんなで検討もします。
“日常語で語る”ことについては、
いずれ、当ホームページの「語るために」の中で、
詳しい説明がUpされると思うので、お楽しみに (^_^)v
また、寒いです。
今日は暖かいお鍋にしよう〜っと。