月別アーカイブ: 2015年5月

新人さん がんばれ!   byヤン

ババ・ヤガーの講座ではないのですが、ヤンの所属しているサークル主催で、お
話の入門講座をしています。
いつも秋にやります。
入門講座のあと、お話の勉強を続けたい人たちが、さらに初級講座で勉強されて
います。
それぞれのペースで、ふたつめ、三つ目のお話に挑戦されています。
いま、そのかたたちが、図書館のおはなし会に、つぎつぎとデビューされています。
「練習の時には絶対間違えたことのない個所で間違えた〜〜」
「言葉忘れた!信じられない〜」
そうなんです、そういうもんです。
おはなしは生き物ですから。
図書館のおはなし会には、年齢も様々、住んでいる地域も様々、もちろん性格も
様々(笑)の子どもたちがやってきます。
おはなしが好きで走ってやってくる常連さん、親に連れられてこわごわのぞきに
来る初めてさん、親につき合ってあげてる赤ちゃん。おはなしの場が好 きで来
られる「昔の子ども」さん。動機もまちまちです。
しかも、その数が20人にもなれば、黙って聞いてくれることじたいが奇跡(笑)
その人たちをストーリーに乗せて運ぶ語り手は、いわば船頭です。
『ガンピーさんのふなあそび』みたいなもんです。
無事に目的地に着くのは、至難の業。
わたしだって、たいていはひっくりかえっています。
だいじょうぶ。
子どもたちは、一生けんめいの大人に、とっても寛容です。
そこから学びましょうよ。
子どもは、毎日毎日、失敗しては立ちあがって成長しています。
よちよち歩きの赤ちゃんの一生けんめいさと明るさ、見習いましょ!
新人さんがんばれのつもりで書き始めたんですけど、なんだか、自分へのエール
になってしまいました〜
  ヤン

今日は年長さん   by ジミー

今年初めての、年長さんのお話会に行ってきました。
ろうそくのうた
おはなし「ついでにぺろり」  おはなしのろうそく
絵本『すてきな三にんぐみ』 トミー=アンゲラー
絵本『ひなたぼっこです』 高畠純
ろうそくのうた
お話会が済んで、年中さん担当のメンバーたちといっしょに、職員室で園長先生
と話をしていたら、
男の子が一人私の横にぴたっと来て、悲しそうな顔(に見えた)で、何か言うか
ら耳を近づけて聞いてみたら、
「おはなししてくれてありがとう」
って、声帯を使わない息だけの声で言ってくれました。
ほかの語り手さんから、こういうことは聞いていたけど私は今日が初めての経
験〜〜。
うれしい〜〜
と、舞い上がりましたが、しばらくして、「はて、何で、あんなにおとなしいと
いうか、悲しそうだったのだろう。
お話会のときは、反応が激しくていっぱい元気にしゃべってたのに?」
はずかしいのか?
しばらく考えたけれど、私にはやっぱり何でか分かりません。
次の瞬間からは、私たちみんなに向かって、普通の声でしゃべりだしたものです
から、ふしぎでした。
でも、男の子がお礼を言ってくれたそのとき、おばちゃんはとっても嬉しかった。
その気持ちを感じられたことは確実。
まるでわが子が小さかったときのようなそんな感覚が、タイムスリップしたみた
いに一瞬だけ現れた瞬間でした。
子どもからは、もらうことばっかりです。

5月日常語

ぽんです。
また、夜中の投稿となりました。
一昨日の金曜日(5/15)は日常語勉強会でした。
語り・・・なし
テキスト
「あめは毒」
「つぶ婿」
「桃太郎」
「とら猫と和尚さん」
今回テキストで出されたお話の出典は、全て
福音館書店刊「日本の昔話 全五巻」 小澤俊夫/再話です。
さて、今回は語られた方ゼロ、テキストの方4名
ということで、時間的に余裕のある勉強会となりました。
が、、、濃ーーーい内容でした。
何がって?
『和尚さん』か、それとも『和尚さま』か。
「とら猫と和尚さん」でのこと。
このお話、ご存じですか?
主人公はお坊さんとそのペットの猫のとら。
まず、定石通り、地の文で主人公のお坊さんのことが説明されます。
貧乏だとか、なんだとかね、その時の表記は『和尚さん』。
で、ストーリーが動き出します。
この間ずっと『和尚さん』
そして、お話の丁度半分ぐらいのところで、
主人公のお坊さんが飼い猫のとらの夢を見ます。
とらは夢の中で主人公のお坊さんに語りかけます。
『和尚さま、和尚さま。・・・。』  この時の表記は『和尚さま』
とらの台詞が終わると、また、地の文で『和尚さん』
そして、ストーリーは佳境に入ります。
とらの言葉通り、地主の娘が亡くなり、葬式が出されます。
地主ですから、大きいお寺の偉い坊さんが呼んでこられます。
この時の表記『りっぱなお寺のえらい和尚さま』
その後、とらの言葉通りにストーリーが展開していきます
(ああ、これは、出来事により言葉の繰り返しですね。語法どおり!)
で、近所のばあさんの台詞
「もう一人、貧乏寺に和尚さまがおる」 この時『和尚さま』
地の文に戻って『和尚さん』
そして、とらのお陰で奇跡が起こります。(そない、たいそうやないねんけどね)
すると、地主が感謝して言います。『こんなにりっぱな和尚さまを・・・』
そして、地の文『和尚さん』
あれあれあれ、『和尚さん』だったり『和尚さま』だったり・・・。
同じ人物を表すのにね。そして、よその寺の偉い坊さんは『和尚さま』
うーーん。みなさん、どう考えます?
台詞を言ってる人物が、主人公のお坊さんのことを尊敬しているときには『さ
ま』付け。
でも、地の文では、主人公のお坊さんことは『さん』
尊敬してないから? 
主人公のお坊さんとは別の、よその寺の偉いお坊さんのことは『さま』付け。
これは、なぜ?
大きい寺のお坊さんだから、尊敬されてるん?
ん?あれ?
尊敬しているのは、誰?
語り手?それとも、これを再話した再話者? 聞き手? 読者?
ん?
ところが、ところが、この原話となっている「鈴木サツ全昔話集」でサツさんは
全部『おっしょさま』
でも、原話の題では「和尚さん」だし、CDでもナレーターは題名を「和尚さ
ん」と言ってるんだって。
この違いに気が付いて「なんや、しっくりこんなぁ」と言い出したのはヤン先生
でした。
(ものすごい、大阪弁やね)
だってね、地の文であれ台詞であれ、語ってるのは一人なんですよ。
尊敬したり、しなかったりしないでしょ。いつも一定のはずですよね。
だって、サツさんは「おっしょさま」一つなんだから。
では、『さん』だったり『さま』だったりするのは、誰の意図?
その意図は再話の文章の中に表してもいいの?
結論は、、、もちろん、、、でません。
再話者に、質問もできないし・・・。
(質問みたら、という声も聞こえてきますが・・・そんなん聞かれへんやん。)
皆さんはどう考えますか?
ちょっと説明がわかりにくかったかも・・・。
福音館書店出版『日本の昔話4 さるかにかっせん』に入っています。
一度読んで、確認してみて下さい。
そして、皆さんの考えをお待ちしています。
ぽんでした。

高校生と絵本  byヤン






保育を学ぶ高校3年生に、絵本の読み聞かせの講習をしました。
保育実習のための事前学習です。

まずは絵本を「読み聞かせてもらう体験」をしてもらいました。つまり、私が高校生に読み聞かせをした、というわけです。
子どもの頃に読んでもらった経験がない生徒もいますし、よく読んでもらっている子でも忘れているかもしれないので。
10冊読みました。

17、8の若者が、どんな眼をして絵本を読んでもらうのか、知りたくありません?
ほんとうに、もう、幼児と同じ眼なんです。
それはもう、感動的なほど、同じです。

幼い子のように歓声を上げたりはしませんが、要所要所で、笑ったり、次の展開を予想しあったり。
一冊ごとに私が少し解説するのですが、(そんなんいらんからはよ次読んで)という無言の圧力を感じたりもしました(笑)
トリの『とらっく とらっく とらっく』では、白バイに追いかけられるあたりからぐっと集中が高まり、夜になって山道をくねりながら登る場面は
しーんとして、みんなのがんばれの声が聞こえてきそうなほどでした。

よい絵本は、人生を語っているんですね。
そして、若者は、真実を求めているんだと思います。

毎年この時期にある高校生とのひと時。
絵本の力と、若者のまっすぐな感受性に、いつも喝采を送りたくなります。

え?
どんな本を読んだかって?
こんな本ですよ。

『ぐりとぐら』 なかがわえりこ・おおむらゆりこ 福音館書店
『はらぺこあおむし』 エリック・カール 偕成社

『へんてこ へんてこ』 長新太 佼成出版社

『もこ もこもこ』 谷川俊太郎・元永定正 文研出版

『いない いない ばあ』 松谷みよ子 童心社

『ばいばい』 まついのりこ 偕成社

『おにぎり』 平山栄三 福音館書店

『どうぶつのおかあさん』 薮内正幸 福音館書店
『てぶくろ』 エウゲーニー・M・ラチョフ 福音館書店
『とらっく とらっく とらっく』 渡辺茂男・山本忠敬 福音館書店


  ヤン













5月中級講座 byぽん

ぽんです。
5月になりました。
えっ、もう、8日やで、何ぼけてんねんって?
いろいろあった4月を何とか乗り切り、
今、私の気分としては「あぁ、やっと念願の5月」そんな感じです。
さて、今日は中級講座でした。
ご出席下さった皆さん、ありがとうございました。
今日は三人語りました。
三者三様。まさにこの言葉がピッタリな勉強会でした。
①「貧乏神」
出典『雪の夜ばなしー福島の民話』 遠藤登志子・著 ふるさと企画
②「カオ兄弟の物語」
出典『子どもに語るアジアの昔話』 こぐま社
③「「悪魔とその弟子」
出典『吸血鬼の花嫁 ブルガリアの昔話』 福音館書店
ねえ、濃いでしょう?よりにもよってこの三話。
①出典が福島弁。(会津弁かな?) 関西アクセントでない方が語られたので、
100パーセント関西アクセントの私には、福島の言葉みたいに聞こえました。
出典の文章の印象が、遠藤登志子さんの話術に寄ってる所もあるように思えました。
語るのは、大人の前で・・・?。
②ベトナムのお話。
ベトナムでは有名な悲恋物語だそうです。
本文中に台詞はたった一つ 「おねえさん」。
ベトナムの結婚式での風習はこの種のお話から来ているとか。
松岡恭子さんがこのおはなしについて、巻末の『お話について』の中で
「まっすぐにピンとはりつめた空気が流れています
〜(中略)〜
慎みや自制心、思いやりや自己犠牲〜(中略)〜合理的でないと思われる徳を
扱っていますが、
その中から生じるある種の美しさ〜(略)」
と書いておられます。
これも、大人の前で・・・?それともティーンエイジャーに?
③ご存じ「クラバート伝説」と同じ話型のお話。
この出典も昔話集であって、語りの為に書かれたものではありません。
さあ、どうする?
このお話の原話にもどって再話しなおすのか?この出典で無理矢理語るのか?
そして、もっと根本的問題として、「クラバート伝説」を語るのか、それとも同
じ話型のおはなしを語るのか?
皆さん、まさに三者三様。
3名それぞれが、自分の問題として、今後どう取り組むのかが問われたように思
います。
次は7月・・・。
熱いやろなあ・・・あっちゃう。暑いやろなあ。
ぽん