日別アーカイブ: 2015年5月17日

5月日常語

ぽんです。
また、夜中の投稿となりました。
一昨日の金曜日(5/15)は日常語勉強会でした。
語り・・・なし
テキスト
「あめは毒」
「つぶ婿」
「桃太郎」
「とら猫と和尚さん」
今回テキストで出されたお話の出典は、全て
福音館書店刊「日本の昔話 全五巻」 小澤俊夫/再話です。
さて、今回は語られた方ゼロ、テキストの方4名
ということで、時間的に余裕のある勉強会となりました。
が、、、濃ーーーい内容でした。
何がって?
『和尚さん』か、それとも『和尚さま』か。
「とら猫と和尚さん」でのこと。
このお話、ご存じですか?
主人公はお坊さんとそのペットの猫のとら。
まず、定石通り、地の文で主人公のお坊さんのことが説明されます。
貧乏だとか、なんだとかね、その時の表記は『和尚さん』。
で、ストーリーが動き出します。
この間ずっと『和尚さん』
そして、お話の丁度半分ぐらいのところで、
主人公のお坊さんが飼い猫のとらの夢を見ます。
とらは夢の中で主人公のお坊さんに語りかけます。
『和尚さま、和尚さま。・・・。』  この時の表記は『和尚さま』
とらの台詞が終わると、また、地の文で『和尚さん』
そして、ストーリーは佳境に入ります。
とらの言葉通り、地主の娘が亡くなり、葬式が出されます。
地主ですから、大きいお寺の偉い坊さんが呼んでこられます。
この時の表記『りっぱなお寺のえらい和尚さま』
その後、とらの言葉通りにストーリーが展開していきます
(ああ、これは、出来事により言葉の繰り返しですね。語法どおり!)
で、近所のばあさんの台詞
「もう一人、貧乏寺に和尚さまがおる」 この時『和尚さま』
地の文に戻って『和尚さん』
そして、とらのお陰で奇跡が起こります。(そない、たいそうやないねんけどね)
すると、地主が感謝して言います。『こんなにりっぱな和尚さまを・・・』
そして、地の文『和尚さん』
あれあれあれ、『和尚さん』だったり『和尚さま』だったり・・・。
同じ人物を表すのにね。そして、よその寺の偉い坊さんは『和尚さま』
うーーん。みなさん、どう考えます?
台詞を言ってる人物が、主人公のお坊さんのことを尊敬しているときには『さ
ま』付け。
でも、地の文では、主人公のお坊さんことは『さん』
尊敬してないから? 
主人公のお坊さんとは別の、よその寺の偉いお坊さんのことは『さま』付け。
これは、なぜ?
大きい寺のお坊さんだから、尊敬されてるん?
ん?あれ?
尊敬しているのは、誰?
語り手?それとも、これを再話した再話者? 聞き手? 読者?
ん?
ところが、ところが、この原話となっている「鈴木サツ全昔話集」でサツさんは
全部『おっしょさま』
でも、原話の題では「和尚さん」だし、CDでもナレーターは題名を「和尚さ
ん」と言ってるんだって。
この違いに気が付いて「なんや、しっくりこんなぁ」と言い出したのはヤン先生
でした。
(ものすごい、大阪弁やね)
だってね、地の文であれ台詞であれ、語ってるのは一人なんですよ。
尊敬したり、しなかったりしないでしょ。いつも一定のはずですよね。
だって、サツさんは「おっしょさま」一つなんだから。
では、『さん』だったり『さま』だったりするのは、誰の意図?
その意図は再話の文章の中に表してもいいの?
結論は、、、もちろん、、、でません。
再話者に、質問もできないし・・・。
(質問みたら、という声も聞こえてきますが・・・そんなん聞かれへんやん。)
皆さんはどう考えますか?
ちょっと説明がわかりにくかったかも・・・。
福音館書店出版『日本の昔話4 さるかにかっせん』に入っています。
一度読んで、確認してみて下さい。
そして、皆さんの考えをお待ちしています。
ぽんでした。