月別アーカイブ: 2019年11月

11月度 初級クラス

先週火曜にありました、初級クラスの報告です。いつもすぐに7話のエントリーが埋まってしまうのですが、今回は珍しく少なかったので、ジミーさんも語ってくださいました!

(手遊び)

弁慶が五条の大橋渡るとき うんとこどっこいしょ うんとこどっこいしょ うんとこどっこいしょと 言て渡る♬

学校のおはなし会は子ども達とも顔なじみになっているのでいいのですが、図書館のおはなし会で初めて会う子どもがいる場合は、手遊びをして触れ合ってからのほうが語りやすいと感じます。

(語り)

①妖精の丘が燃えている   『子どもに語るアイルランドの昔話』/こぐま社

このおはなしを選んだ理由は、アイルランドに旅行をした友達から写真を見せてもらったからだそうです。アイルランドはイギリスの左側にある島ですね、北海道ぐらいの大きさですが、日本人にはあまり馴染みがありませんよね。でも、写真を見てイメージができたのか、情景が見えた素敵な語りでした。

また、このおはなしは死んだおっかさんの知恵もかりて、妖精たちを追い出すことに成功します。いくつになってもお母さんの有難みを感じることがあり、このおはなしに決めたそうです。

最後の段落に「こんなおそろしい目にあってから、ブラスケットのおかみさんは、昼であろうと、夜であるうと、・・・」とあるのですが、ブラスケットという言葉が抜けてしまいました。しかし、最初に1度できてきただけであり、子ども達も何のこと?と疑問に思われても困るので、省いていいそうです。

②くもと夢  『語りの森HP』/語りの森

ジェニィが語りました。「夢の蜂」の類話ですが、人の魂が寝ている間に昆虫になって抜け出すのではなく、このおはなしは外(泉水)からくもができてきて、男の鼻のあなに入っていき、宝のありかを教えます。また、最後は宝を均等に分け合い、2人とも幸せになる点が気に入りました。

1年生から6年生がいる場でのおはなし会で語る予定にしているので、難しい言葉は説明する必要があります。

①荒れた長者屋敷あと → 人が住まなくなった、お金持ちの家

②泉水 → 池   ③千両箱 → 小判(お金)のたくさん入った箱

子ども達に辞書に書かれた言葉の意味を言うのではなく、おはなしがイメージできるよう、子どもに分かる言葉で説明することが大切だそうです。

語りの森HPには標準語のテキストが掲載されていますが、『子どもと家庭のための奈良の民話1』にはヤンさんの日常語で書かれています。

③捨て子と鬼  『日本の昔話4」』/福音館書店

内容を理解してもらおうとゆっくり語るのではなく、ストーリーに重きをおいて語ることを意識されたそうです。

ゆっくり丁寧に語れば子ども達に分かってもらえるか?「そうではなく、むしろ間をあけずに語るほうがよい」とヤンさんより。この初級クラスでは何度も指摘されていますが、句読点できると、聞き手は分かりづらいのです。

細かな点では、

(P49)「それみろ。ぐずぐずしているから、鬼がかえってきちまったじゃないか。さあ、はやくこの中にはいれ」といって、三人を押し入れの中にかくしてくれました。すぐに鬼が裏口からはいってきて、鼻をフスフスさせ・・・

押し入れの中にかくしてくれました。の後に間を取り、子ども達にこれからどうなるか?を考えさせる間を取るといいそうです。

同じように、(P50)道ばたにすわってやすんでいるうちに、ついぐうぐうねむりこんでしまいました。の後にも間を取るといいでしょう。

④酋長カイレ  『語りの森昔話集2』/語りの森

中学生の、特に男の子にがよく聞くそうです。語るときに技巧は必要なく、普通に語るだけでストーリーを楽しめるおはなしです。

先月のブログにも書かせてもらいましたが、Uさんは練習しすぎる傾向にあるそうで、今回の練習期間は約2週間、言葉を頭に入れた状態での発表でした。それが理由なのか、句読点で切れてしましました。例えば最初の一文「若い酋長のカイレは、川のほとりの小さな村に、妻とふたりで住んでいました」とありますが、間をあけずに一気に語りましょう。語ってから、少し間をとり、聞き手に状況を飲み込ませるといいそうです。

⑤三枚のお札  『語りの森昔話集2』/語りの森

ジミーさんの日常語の語りでした。小僧さんが鬼ばばに追いかけられながらお寺に帰りつき、和尚さんが言った言葉 「こまったことだ。どこにかくそう。しょうがない、井戸の天井にかくれていろ」をどのように語ればいいか悩まれたそうです。和尚さんは鬼ばばが出ることは分かっていたから、落ち着いて語ればいいのか、それとも和尚さんも小僧さんと同じ気持ちで、急がなければ鬼ばばがやってきてしまう、と焦っているのか?

重要なことは、子ども達は和尚さんではなく、小僧さんになって聞いている、「急がないと鬼ばばにつかまってしまう」という気持ちということです。ですので、ゆったり語ると聞き手は「早くして~」という気持ちになるのでいいのでしょう、とのアドバイスでした。

≪ヤンさんの語り≫ 

ちいちゃいちいちゃい  『イギリスとアイルランドの昔話』/福音館書店

聞き手によって語り方が変わってくるおはなしだと思います。おはなしの内容は知っていますが、最後はどんな風にくるのか?とドキドキしながら聞いていました。分かっているのに、面白くて怖かったです!

この後、ノート式~の「おはなしの覚え方」を勉強しました。詳しくはジミーさんの16日のブログ「入門講座3回目」をご参考ください。(手を抜いてスミマセン・・・(*_*; 苦笑)重要なことは最初のイメージを創るときから、大きな声で読む、覚えるときもしっかり声に出すことです。

以前、ヤンさんがどうしても覚えられないといっている人がおり、どのように覚えているかを聞いたところ、声に出していなかったそうです。

2019年度の勉強会もあと1回です。(1年が早い~!)

ミニ遠足だ~い🎨

急にプランができあがり、短期間で募集をしたので、恨まれたかも。
ごめんね~
今年は遠足、できないかなと思ってたんだけど、たまたまヤンの予定が空いてたので、今日、行ってきました。
大人8名、子ども3名。暇な人もおってくれてよかったあ。

目的地は大丸ミュージアムでの「かこさとしの世界展」。

良いお天気で、洗濯もちゃんと干してから、ゆったり10:40地下鉄四条改札に集合。
一路、京都大丸へ。

だるまちゃんがお出迎え。

かこさとしの原画の良さは、今年福井県越前市を訪れたときに実感してたんだけど、みなさん、どうでした?
色もタッチも、やさしさにあふれてるでしょ~

ヤンの収穫は、ロシアの昔話「てぶくろ」の紙芝居を見たこと。
ラチョフとは、もちろん発想が全然違うんだけど、ほんと、楽しくて、しかも昔話の語法に則っていて。
終盤、動物たちが手袋から放射線状に逃げていく場面は、感激しましたね。
もうひとつ、『かわ』『地球』の原画がたくさん並べてあったこと。かこさんの科学絵本はすばらしい。
今回新たに知った絵本『出発しんこう里山トロッコ列車』『こどもの行事自然と生活』『サン・サン・サンタひみつきち』『遊びの大惑星 ももくりチョコレートの遊び』
じっくり読むのが楽しみ~

お昼ご飯は、なつかしのデパートの食堂。
そう、和洋中なんでもありのレストランね。
なんと、11人全員、それぞれ違うものを注文した(笑)

食後は、若手をほったらかして、おばさん連5人は、錦市場をぶらつきました。
ところが、昔の京都の台所のムードはどこへやら。
観光客に波にのまれて、ひたすら前へ。
やっと着いた錦天満宮も、なんだか派手になっていました。

新京極を南へ下り、ジミーさんがちっちゃいころから好きだったロンドン焼をおみやげに。
さらに下って四条通りに出て、林万昌堂の甘栗をおみやげに。
さすが、おばさん、そろそろ座りたくなって、四条通りを一路東に向かい、不二家をめざして歩きました。
ああ、口もお腹も不二家になっていたのに、不二家がない!ドラッグストアに様変わりしてる!
月日はめぐる。
けど、60年も70年も前からあった店がなくなるなんて、京都とは思えない!!!

それでもコーヒー店で疲れを取って、予定の2時間近くオーバーして帰りました。
だれや、シュークリームもお土産に買った人は?

11月のおはなし会2🎪🎪

今週は、連日のおはなし会です。

11月11日(月)
幼稚園5歳児 一クラスずつ2回
ろうそくぱっ
おはなし「三枚のお札」『日本昔話百選』三省堂 日常語で
ろうそくぱっ
子どもたち、「こわい~」っていいながら、かがやく眼で笑っていました。
で、「おしまい」っていったら、「ぜんぜんこわくなかった~」だって。
子どもたちのあれは、なんなんでしょうね~
30年前とちっとも変わらない子どもの生態です(笑)

11月13日(水)
小学2年生 授業 一クラスずつ3回
おはなし「かしこいモリー」『おはなしのろうそく1』東京子ども図書館
おはなし「ちょうふくやまのやまんば」『日本の昔話』福音館書店(おらふさん)
おはなし「かきねの戸」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』村上再話(おらふさん)
ずいぶんじょうずにおはなしを聞くようになりました!
「かしこいモリー」はたいてい1年生の3学期にするんだけど、なぜかこの子たちにはやっていなかったことが判明。
脇役に同情する年ごろになるとやれないから、急ぎ、プログラムに入れました。
この話はテッパンですね~
「ちょうふくやまのやまんば」は、ちょっと難しいかなと思ったんだけど、ぜんぜん軽~く聞いていました。
「かきねの戸」の戸を外すというシチュエーションが分からない子どもがいて、ちょっとショックだった。で、二クラス目の時は、おらふさんが意識的に慎重に語ったら、うん、わかってくれて、よかったよかった。

学童保育
おはなし「ねこのしっぽ」ポルトガルの昔話/村上再話(仲間)
おはなし「かしこいモリー」『おはなしのろうそく1』
絵本『みかんです』川端誠

ほんとはね、「ミアッカどん」をするつもりだったの。そしたら、5年生が、「三回も聞いたあ」って文句言うのよ。
仲間の「ねこのしっぽ」が初公開だから、まあわたしは御添え物でいいかって思ってたのに。甘かった・・・
わたし「う~ん。そしたら、さるかにがっせん!」
こども「え~~~~~~っ」
わたし「(心の中で)まだしたことないのに」
それで、「かしこいモリー」。これは何度聞いてもおもしろいからね。
けど、朝から3回、夕方1回、モリ―ばっかり。疲れはてました(笑)

じつは今ちょっと、語りモードから外れててね・・・
心の中で、語りたくないい~ってふとんかぶって寝ていたい時期なのです。
みなさんはそんなときってありません?
といいつつ、おはなし会は続く・・・

11月14日(木)
幼稚園4歳児 一クラスずつ二回
ろうそくぱ
おはなし「おはなしかめさん」『朝鮮の昔話』
絵本『わんわんにゃーにゃー』長新太作/和田誠しあげ
ろうそくぱっ
「おはなしかめさん」を語りはじめた20年余り前は、4歳さんでどかんどかんと笑いが起きた。
ところが、今は、一生懸命かみくだいて語っても、難しそうな顔をしている子が半数要る。
下ネタでは笑うんだけどね。ストーリーを楽しんでいる子は半数しかいない(涙)
たぶん今年もそうだろうと思って、お口直しの絵本を持って行きました~
和田誠さん、亡くならはりましたね・・・

11月15日(金)
学童保育1年生
おはなし「ものをいうたまご」語りの森HP村上再話
おはなし「風の神と子ども」『日本の昔話』小澤俊夫再話/福音館書店刊 (ジミーさん・日常語)
おはなし「ちいちゃいちいちゃい」『イギリスとアイルランドの昔話』石井桃子編訳/福音館書店刊
絵本『みかんです』川端誠作
絵本『とぶ』和田誠作
絵本『わんわんにゃーにゃー』長新太作/和田誠しあげ
先生が、回を追うごとによく聞けるようになってきましたね^と、おっしゃっていました。
そうなんです、どの話も食いつきのよいこと!
「ものをいうたまご」は、「え~っ」の連続。
そこまでびっくりしてくれなくてもいいのに(笑)
「ちいちゃいちいちゃい」は、声をそろえて「おれのほねをかえしてくれ~~~~」
楽しかったね~
前回まで後ろで本を見ていた彼が、今日は最前列のまんなかで、チャチャを入れながら楽しんで聞いていました。うん、進歩。

というわけで、一週間が終わってみると、子どもたちのおかげで心が引き上げられて、また語ることに意欲がわいてきました。
あの子たちの聞いたことのないふしぎなおもしろい話を仕入れようと思っています。

おはなし入門講座🌼3回目

下の、日常語クラスのブログでも書いてくださっているように、今月はじめにおはなし入門講座の3回目がありました(*^_^*)
遅ればせながらの報告です<(_ _)>

3回目は、「おはなしの覚え方」です。
みなさん、覚えるおはなしを1話選んで持ってくることになっていました。
「でも、まだ覚えてはいけませんよ。覚え方を聞いてからにしてくださいね。」といままで言われていて、前進したいところを押しとどめられていた状態だったのではないでしょうか?(笑)

おはなしを覚えるときは、まず声に出して読んでみます。
家で一人の時でも、小声でコショコショ言うのではなくて、部屋の隅まで聞こえるくらいの声を出してみて、自分の耳にも聞かせることが大切です。
その次は、本を見ないであらすじを書く。
その次は…
というように、ていねいに順を追って覚え方のお勉強をしました。
みなさん、ここは聞き逃すまいと真剣です。
だって、「早く覚えたいんです」という感じなんですよね。
みなさん、すごいです!
いよいよ、覚え方を教えてもらって次回は発表会です。
今頃は、みなさん一生懸命に覚えて、練習されているんでしょうね~
緊張せずに、リラックスして語りができるように祈っています。
初めは誰でも緊張しますから、どうか恐れずに(笑)
発表会が楽しみです!(^^)!

11月の日常語の語り勉強会

かぶちゃんお休みで、ヤンが報告します。

語り
「かもとりごんべえ」『日本の昔話2』小澤俊夫再話/福音館書店
「十二支の由来」『ナーミンのためのならのみんわ50話』村上再話
テキスト
「節分のお客」『語りの森昔話集3しんぺいとうざ』村上再話
「かねふき明神」語りの森HP

みなさん、日常語の語りを始めたころは、ご自分の日常語が分からなくて、四苦八苦されていましたね。
ふだん、どんな言葉で話しているんだろうって、言葉と格闘してはりました。
どうしても書き言葉になってしまうんですね。かといって、全くのおしゃべりのことばで語るのもおかしい。
アイデンティティを探すような部分があって、難しいですよね。
でも、苦労のかいあって、ずいぶん自然な語りを聞かせてもらえるようになりましたよ~
聞いていて、肩の力が抜けて、ほんと、楽しいのです。

お勉強 ノート式「日常語で語る意味」
きょうは、第2回目の入門のかたの参加がありました。
ノート式を読めば分かるようなことなんですが、いっしょに読むと、疑問もわいてくるし、どこが重要かもわかるよね
入門は次回で完結。メンバーが増えるといいな~

じろちゃん、お大事にね~