日別アーカイブ: 2020年6月30日

『昔話の本質 むかしむかしあるところに』📗

わたしたち、語りの森では昔話の語法について学んでいますね。
小澤俊夫先生のご本と、昔話大学での学びをもとに復習発展させてるんだけど、そのもとの理論は、スイスの口承文芸学者マックス・リュティ氏の説でしたね。
で、リュティ氏の著書の中に、『昔話の本質-むかしむかしあるところに』『昔話の考察-今でもやっぱり生きている』というのがあって、これは、理論だけではなく、個々の昔話を取り上げて、具体的に、昔話とは何かということが書かれているφ(* ̄0 ̄)

ステイホームしながら、この2冊を読み返したの。
いいことが書いてあるのよO(∩_∩)O
で、みなさんに報告したくなった(笑)
井戸端会議でぼちぼちまとめていきますね。

*************

【まえがき】

スイスのラジオ公共放送で、リュティ氏の昔話についての連続放送があった。それを元に、本にしてある。だから、専門書じゃなくて、一般向け。
お、わたしたちにぴったりね(*^▽^*)

引用
昔話は独特な世界文学です。
多くの昔話が世界の大半をめぐり、移り変わる時代を通り抜けてきています。
そういう話は何度となく異なった環境に適応して外形を変えてはいますが、構造、様式、モチーフなど、主要な点では元のままです。
この驚くべき不変性は、昔話が時を越え所を越えて人間の心に合致していることを示しています。

わたしたち、よく似た話が世界中にあるって、知ってますよね。それって、昔話は「人の心に合致している」から、なんだっていうこと。

昔話に出てくる人物には、人間は自分自身と外界に対してどんな態度をとることができるか、という重大な人間の可能性が反映しているといいます。

べたにいえば、生きる知恵を示してくれるってことね。

そして、昔話は、今では口から口へと伝えられることはないけれども、人気は衰えない。子どもにとっては心の糧だし、大人にとっては文学の原型だって書いてあります。

ところで。
「かしこい百姓娘」の類話に、こんな謎があるんだって。
「世界じゅうで一番速いものは何か」
答え、わかります?
この写真の後に載せとくね。

答え(^∀^●)
「考え。私たちはここにいても考えはアメリカに着いているから」
昔話には、思考と空想の自由がある。
なおかつ、一定の規則に従っている。
規則をはっきり理解することによって、単純ではあるが奥深い昔話の本質に迫る。
これが、この本の目指すところだそうです。
ふふふ。《昔話の語法》のページを、いちから読みたくなるね~

私の持っているのは、野村泫訳/福音館書店の2冊本。
いまは、『昔話の本質と解釈』として、一冊になっています。やはり野村泫訳/福音館書店。
読んで見てくださいね~(。・∀・)ノ゙