日別アーカイブ: 2020年11月12日

11月初級講座報告

窓を開けています。みなさん距離を取って座っています。心も体も冷えていきます…。人肌恋しいこの頃ですね!今日も元気に始まりました♪

1.この世の光 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森

宮殿の主、幽霊の老人が持っている「文字が縦に書いてある分厚い本」とは何なのか、引っかかっているとのことでした。

ヤンさん…調べたけれども、分からなかった。意味があるから消さなかった。この話は、スペインの話だけれど、地中海の島ごとにある話。地中海はシルクロードの端にある、色んな民族が出入りする中継点。 聖書ではない、聖者伝?!    過去のブログ→聖なる書物 文字が縦に書いてある書物

また、語り手が幽霊の存在をイメージすると、自然と語り方が変わる。どんな幽霊か、自由に考えてイメージすると幽霊の話し言葉が変わり、そのイメージが聞き手に伝わる。そして、ストーリーが止まってしまう説明部分(p169)も、そのイメージが伝わることで(そうなのか~)と聞き手は納得して聞ける、とのことでした。

2.まほうの鏡 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森

最初に覚えた、これからも語りたい好きな話。先月の初級講座の中で、テキストにおける3回の繰り返しについてのヤンさんの解説を聞いた。その時、まほうの鏡でもそれを自然と感じていた事が思い出され、今回選んだそうです。

助詞~に~へ、の使い分けがあると認識しているが、それでも語るときは迷ってしまう。~が~は、の違いも知りたい。

ヤンさん…                                ~に:その場所をピンポイントで示す ~へ:方向性ある、途中で何かがある

共通語で再話をするときには、意識してそうしている。小澤先生からは、大事なことです!と指導を受けた。関西人がしゃべる時には、特に使い分けていないようだとあとで分かったんだけどね。基本、テキストは正確に覚えましょう。

~が:各助詞 ~は:係助詞                        一人の狩人いました。 一人の狩人いました。(他にも誰かいたのか?)  狩人「いったい何をくれるんだい」ときくと、きつね(に関しては)いいました。                                   ※個人的検索 ~が:主語と述語などの文の関係を作る、           ~は:区別・強調の意味をそえる

また、言葉を立てているところが多い。大きな>魚と語っていたが、大事なのはの方。語法の勉強でも出てくるが、「昔話は物理学を無視している」ところからいうと大きさは大事ではない。…魚は、狩人を飲み込んでのどの中にかくすと、深い海の底へ潜っていきました。事柄の大きさをイメージさせる。子供はその手があったか!とびっくりする。

いすの<と語っていたが、大事なのはいすの方。おひめさまの一番近くに隠れた。その手があるか!とまた思う。どの言葉が大事かを考えると良い。

3.しおちゃんとこしょうちゃん 『おはなしのろうそく27』

繰り返し言う、「そう」の言い方が分からないとのことでした。

…二匹は、なにをやるのもいっしょでした。一匹が目をあけると、もう一匹も目をあけました。そう、二匹とも目をあけました。                一匹がお皿のミルクをなめられるようになると、もう一匹もお皿のミルクをなめられるようになりました。そう、二匹ともお皿のミルクをなめました。      一匹が自分のしっぽを追いかけはじめると、もう一匹も自分のしっぽを追いかけはじめました。そう、二匹とも自分のしっぽを追いかけました。

ヤンさん…「一匹が~、もう一匹も~」という説明によって事実を分からせて、「そう、~」は聞き手への確認になる。

繰り返し言う、「ニャー!ニャー!ニャー!」の言い方も。語り手さんの家に、猫が二匹迷い込んできたとのことで、その鳴き方に近付けたそうです。

「ニャー!×3」1回目、鳥に助けを求める。                「ニャー!×3」2回目、飛行機に助けを求める。              「ニャー!×3」お日さまが沈み3回目、夜の風に助けを求める。        ヤンさん…状況が少しずつ違い、猫たちの気持ちも少しずつ違うので、いい方も自然と変わる。その情景をイメージすると良い。

4.天福 地福『おはなしのろうそく14』

正直な爺さんとごうたれ爺さんの、シンプルな話で気に入った。家での練習は合間になってしまっていたので、いざ人前になると難しかったとのことでした。

ごうたれ爺さは「…」と、ききました。 「…」と、正直な爺さがいいました。「…」といって、ごうたれ爺さは~しました。

などの使い分け区別がつかないままで、自分に入りきらなかった。また、練習が進むうちに、2文字の言葉(くわ、いし、へび、いえ、など)のアクセントが普段の自分のアクセントと変わってきてしまって、自分の中で昔話口調が出来上がってきた。普段と違うアクセントでも良いのでしょうか。

ヤンさん…テキストが共通語でなく、土地言葉のようなものが混ざっているから、語り手の中で迷いが起きる。自分なりのアクセントを作っていって良い、聞いていて自然だったので良いと思う。みなさんそう、家でも大きな声を出して覚えましょう。テキストの問題は、また追々変えていけるようになるから大丈夫、とのことでした。

天福地福の意味が分からないかもしれないので、子供に語るときは少し大きな子に語るのがよいかもしれない。天福地福の説明はしないで済むなら、そうしたいね~

5.かしこいモリー『おはなしのろうそく1』

こちら私です。小学校の朝学習で語る予定。机を下げて前に集まる従来の形とは違い、子供たちがそのまま着席した状態で、開放的な空間で語るので、難しさを感じている。練習の仕方に工夫がいる。今まで以上の練習、人前でする練習などが必要と感じている。

ヤンさん…席が離れていて、子供たち同士の関係が取りにくいから、おもしろさ、理解が伝染しにくくなって、語り手の力がおよびにくい。かしこいモリー、お話自体に力があるから、子供の心を掴む、そのことにすがり付いて語る。それだけでやっても、半分の子供には伝わる、心に残る。自分が楽しんだら、子供たちも楽しむので、楽しんだら良い。語り手と集団、その子ら同士の関係性の大切さがあることを、この度思い知らされているね~。

また、テキスト:刀を手もとまでひきよせたとき、カチャッ(間)と~ ここの間を入れる。繰り返しにおける1回目の大事なシーンを子供たちに見せることは大事、とのことでした。

ヤンさん 手遊びとおはなし                        し~の~だ~のもりの~きつねがコンチキチン、コンコンチキチンコンチキチン (信太のきつね)                             さるかに合戦 (日常語)『語りの森昔話集4・おもちホイコラショ』語りの森

 

ノート式おはなし講座p31 おはなしの語りかた (抜粋と聞き書き)

そのお話を選んだときの思いや、覚えるために時間を費やして努力したことに自信をもって語る。語る時にいちばん大切なのは、聞き手と語り手が共にそのお話を楽しむことです。聞き手が、語り手の言葉を受け止めるというのは、言葉からイメージを作り出す、言葉から見える、瞬時に想像することです。聞き手が明確にイメージしてこそ、お話の面白さが伝わるのです。おはなしを語るというのは、聞き手にストーリーを手渡すことです。ストーリーを膨らませるのは聞き手です。たとえば、大げさにオオカミらしく語ったりすると、聞き手はむしろ現実に引き戻されて、ストーリーから離れてしまいます。(おばちゃんの面白さに気がいく!)語り手は媒体。子供たちは受け止めて感じたものを、瞬時に返してきます。それを語り手はまた瞬時に受け止めて、次の言葉を発するようにしましょう。子供たちの目が分かっていない~ということを発していたら、説明を入れます。短い説明を前もって準備しておき、語りの途中で挟む練習、その後、語りにすぐ戻る練習をしておきます。 語り手が笑うと子供も喜ぶ。物語を通じた心のキャッチボール、これが語りの良さです。

間違えないように語るということを突き抜けて、余裕を持って楽しむ。孤独な練習の日々、おはなし5分、10分のために語り手はどれだけの時間を費やし、努力している事でしょう!でも、その先には子供たちの笑顔と素敵な未来がありますもんね。俄然やる気が出ます。甘いお菓子を休憩に挟み、練習を重ねます。語り手が笑うと子供も喜ぶ、その言葉が心に響きました。おはなし会は心地よい時間ですね。しみじみ。それと同時に、当たり前な事を自分に問い直す時間、何が大切かを考え、捉え直す時間を与えられたのだと深く思い、感じます。逆境を成長に☆ありがとうございました。

次回は12月8日(火)です。 1月・2月はお休みです。