12月が走っています。そして、あちこちでクリスマス会が行われていますね。子どもたちの笑顔が見られる一時です。大人が手作りした素朴な時間。大人も楽しい。一緒に楽しんでくれる大人がそばにいることが大事だな~と感じます。
ヤンさん手遊び メリークリスマス
前に立つヤンさんは、色んなツリーが出来上がる様子をとても楽しんでいました(笑)
1.かもときつねとからす『語りの森昔話集4/おもちホイコラショ』語りの森
楽しく語れた。長い時間テキストと付き合った。毎月新しいおはなしをしていたので、今回のように2カ月くらいかける方がよいなと思った。時間をかけると違ってくる(語りの変化・成長)と感じられた。このおはなしは、「あるとき」で始まる。また、前の自分は、小がもが食べられることに抵抗があり、どんな風に語ればいいかと思っていた。(迷いがあるうちは語らない方がよいことも聞いていた)ある時、絵本作家・手島圭三郎さんの思いを知った。それは自然の法則を伝えること。生き死にを伝えること。このことをきっかけに、おはなしに対しての引っ掛かりが取れ、大事な話と思うようになった。語りについては、出てくる擬態語をついつい強調したくなるので、すっといきたいと思っていたが、村上さんの語り(下記に記載)を聞いて、分かった気がした。
ヤンさん
このはなしのテーマは、弱肉強食・無駄にはしない。自然の中で生きる生き物から人間は学んで生きている。その自然の法則が昔話に残っている。昔話の中のテーマを大きく3つに分けると…1人間の生き方 2自然とはどんなものか 3自然の中での人間の生き方 (小澤さん談)こちらは2番、かちかち山は3番。擬態語について、関西人は擬態語が好き。音のおもしろさを子供は喜ぶ。語りでは自然に入っていたと思う。言い直しについて、とっさに出てしまった違う言葉がストーリーに差し支えない言葉なら、言い直さずに語る。気にせず先に進む。リズムが変わることになるので、後が崩れる心配はある。本番のつもりで、言い直さないで語る練習もすると良い。言い直したり、つまったりすると、聞き手と距離ができてしまう。丸暗記ではなく、語りを自分のものにする。
2.こびとのおくりもの 『語りの森昔話集1/おんちょろちょろ』語りの森
娘が3年生の時におはなし会で聞いてきて、「げっつようび、かっようび~♪」と歌っていたので、いつか語りたいと思っていた。練習時間がもう少し必要だった、自信の無さが語りに出た。娘の宿題の音読の内容が…「私が座右の銘にしたい言葉は『日々の積み重ねが自信をつくる』だ。…私がこの言葉を選んだのは、自分の自信の無さをどうにかしたいからだ」というもので、聞いた時切実に受け取った。語りの途中、歌っているうちにちょっと自信が無くなってきた。
ヤンさん
言い直しがあったが、言い直さなくてOK。このはなしは、歌で進む話。『こぶとりじいさん』も歌だが、歌が上手いか下手かになっている。こびとのおくりものは、明るく、歌って楽しむ話になっている。竹原威滋先生は『こびとのおくりもの』の研究していた。(グリム童話と近代メルヘン 三弥井書店 『第四章・グリム童話と民間伝承の東西交流』)語りは楽しかった、大人は一緒に歌わないからね(笑)、子どもは一緒に歌ってくれる。
3.ちょっとでかけるよ『語りの森HP』語りの森
聞き手を巻き込む語りをすることを考えに考え、大変だった。繰り返す言葉のちょっとずつ変化するニュアンス、テンポの良さは、練習で身に着くものではないので、村上さんの録音、紙芝居(偶然出会ったツボがとことこ)、役者の演技、最終的に落語を、聞いたり、見たりして、自分に取り込む努力をして、もうわからん出たとこ勝負のものだと思った。そして、力を抜くことに努力して、最初ツボを手に入れるまでに一笑いしてもらったら、なんとかいくと思い切った。おはなしとしては、取り過ぎている人から貧しい人へ、富の分配をするツボの正しい行為がテンポよく描かれていて、深いテーマをおもしろく聞けると思った。第三世界の人たちに対して、自分も旦那さん側であることを気づかされるはなしだと思った。
ヤンさん
「値打の無いものと交換していく」話が冒頭に入っている。しあわせハンス、ヘレーじいさん、パティルの水牛、とりかえっこ(ロシアの民話下)、父さんのすることはいつもよし(アンデルセン)。類話によってオチが違う。→こちら(しあわせハンス) →こちら(類話)雇い主が利益の多くを独占している、聖職者でさえも。そして、自分も。語り手が気付くと聞き手に伝わる、深いところで気付く(後でも)。答えを早く教えなくていい、手渡しておいて、自分の中で育てていって分かる時が来る。普段も気付いて、そうやって自然に理解していく。テレビなどでは、搾取する人物像が映像で描かれ、それを受け身で見るので「私は違うわ」と思ってしまう。
4.仙人の教え 『日本の昔話5/ねずみのもちつき』福音館書店
プライベートレッスンを受けていて、力み過ぎなのが課題だった。人格の中にあるものが、人物の会話文に現れるように語ろうと思った。息子が母親の目を治してもらおうと、苦労して仙人世界へ向かう、その途中で三つの頼まれ事を引き受ける。仙人には三つまでと言われ、息子は困ってしまう。母親の目のことを一番にきいてほしい自分(語り手)がいたが、他の3人の切実な願いを受け止めて練習した。4年生に語る予定。
ヤンさん
今回が2回目の本番だったので、そうやってこなれていく。その間に自分の中での学びがあり、回数を重ねることで語りが変わる。違う子どもに何回も語ると良い。内面の成長段階では、5年生がぴったりの話。「頼まれたことを先に聞いて帰ろう」という事が納得できる精神年齢に合わせる。頼まれたことを先に聞いて帰ることが大事、だけど、そう覚悟していく本人は欠如している、困っている葛藤は聞き手の中にある。「あんたやったらどうする?」と問いかけるように語る。欠如が充足しないと終われない。それが最後に大きな喜びに繋がる。『母親は、「どれ、どれ」といって、手さぐりで石の玉をさわりました。』この、描写の無いところが難しい、大事なところ。そして、目が見えるようになる。『みるまに天から黒雲がおりてきて、大蛇は火の玉となって天にのぼっていきました。』ここは、ダイナミックに、黒雲と赤い火の玉が見えるように、ゆっくり語る。可能なら4年・5年・6年と語る。どの学年に合うか、吸い込まれるように聞くかを探ると良い。
ヤンさん語り ヘンゼルとグレーテル 『語るためのグリム童話1』小峰書店
三枚のお札 (日常語) 『日本昔話百選』三省堂
魔女と鬼婆がとってもよく似ていました!そして、「こっちへおいで~」と誘われて美味しいものを食べさせてもらい、寝させてもらう、小僧さんとヘンゼルとグレーテルも。三枚のお札になるまでに、日本にやってくるまでに、何がどうなったのでしょう~?!後ろの呪的逃走は、どこの国でくっついたんでしょう~?各国のおはなしを読んで知っていくうちに真相に迫っていけるかもしれませんね。今回も楽しいおはなし勉強会でした。初級クラスは、しばらくお休みですが、その間はあったかペーチカへあったまりに行きたいです。そして、その長い冬休み期間中に読んでおきましょうと、おはなしの本リストを頂きました。読んだらチェックの欄もあります!語りたいおはなし探し。前に読んだ時はそうでもなかったのに、語りたいと思うおはなしに再び出会えるかもしれませんね。そういう事って、あると思うんですが、その時とは違う自分になっているってことですもんね。自分が変わったことをおはなしが教えてくれるんですね!リストはおはなし入門クラスの時に頂いたものと同じだそうですが、たくさんありますよ~読み進めるのが楽しみです♪
次回は3月1日(火)です。