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第13回昔話の語法オンライン勉強会

1月19日に行われました「昔話の語法オンライン勉強会」の報告をさせていただきます。
これは12月に図書館で行われた「第13回昔話の語法勉強会」と同じものです。
12月に、都合で行けなかった、遠方で来れない、家を空けられない、復習のため、などなど諸事情もろもろのご要望にお応えする形で、同じ講座をオンラインで、行って下さいました。(ですので、先日のジミーさんのレポートと被りまくりですが、ご容赦いただけますようお願い申し上げます)

ヤンさん、今回も楽しい講座をありがとうございます!

まず、予習としてHPの語りを聞いておく。
あらかじめ頂いていたテキストを印刷し、
そこそこのトップスに着替え、
まあまあの背景を探し、
パソコンの前に座り、時間になったら講座が始ます。
(なんだかとっても余裕な感じです)

 

今回はまほうの鏡で語法の勉強をします。
(出典『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』)

まず、昔話の「語法」とは何か?なぜ、「語法」を勉強するのか?
昔話には、耳で聞いて分かりやすい、言葉の並びや使い方があります。
この、言葉の法則や文法が「昔話の語法」です。
読む物語(本)では、遡ってみることができます。
でも昔話は音楽と同じでどんどん流れて行ってしまいます。
耳で聞いてすぐにイメージできなければ、あっという間におはなしに置いて行かれてしまいます。
そうならないように、
子どもや孫や愛する人におはなしがちゃんと伝わるように、
工夫されて、そぎ落とされ、整っていったものが「語法」です。
そう、「語法」は「」なんだ~!
(以前にこの言葉をヤンさんから聞いた時、感動しました!)
そしてこの「語法」は、世界中の昔話に見つけることができます。
(そう、世界は愛で溢れています!昔話を語ろう!)

「語法」をちゃんと勉強して、子どもたちに伝えたい!と思い、
私は毎回、意欲満々でヤンさんの「語法の講座」を受講しております。

そして、語法を勉強し、理論的に分かっていれば、テキストに手を入れられます。
どうして聞き手の子どもたちに伝わらないのか、どこが分かりにくいのか、がピンとくるようになってきます。
たいへん面白いです!

本題の「まほうの鏡」にいくまでにずいぶん長くなってしまいました。申し訳ありません。
早速参りましょう。

テキストの中にある、たくさんの語法指摘・解説を、全部は無理なので抜粋してレポートします。

おはなしの冒頭
「昔むかし、あるところに、ひとりの狩人がいました。」
昔話では冒頭で、時・場所・人物を不特定に語る
➡これはウソ話だよ、ファンタジーだよ、と宣言して始める。

毎日森へ狩りに」
「えものはいっぴきもとれませんでした」
なんでも見えるまほうの鏡」
みな失敗して」
世界じゅうさがしましたが」
完全性
➡曖昧さは無い。ハッキリしている。ゆえに聞き手がイメージしやすい。

「ある日のこと」
昔話では事件が起こる時には「時」を特定する
(「ある日のこと」と言うと聞き手の子ども達はフッと集中する。そのように語りましょう)

「森」「海辺」「野原」「お城」
➡どんな森か?どんな木が生えている?広さは?どんな生き物がいる?など詳しく描写しない。名指すだけ。聞き手は自分の知っている「森」を想像できるので、だれもがみな自分なりのおはなしの世界を楽しむことができる。
抽象性

「ひとりの狩人」
「大きな魚がいっぴき」
孤立性

「すなはまに大きな魚がいっぴき、うちあげられてもがいていました。狩人は、魚を海の中に投げもどしてやりました。」
内面描写をしない
➡狩人が何を思ったか?どう感じたか?を言わない。人物の行動で表す。
(人物の感情や性格、考え・人柄などは聞き手が感じることである。物語は聞き手の中にある~)

「魚が、『お礼に、何をさしあげたらいいでしょう』といいました。」
➡魚がしゃべるが、驚かない。彼岸(魚)と此岸(狩人)の断絶がない。
一次元性

「そのうろこを燃やせば、すぐにあなたのもとにかけつけますから」
彼岸者との約束(贈り物)

昔話では三回の繰り返しが多い(好まれる) この時、同じ場面は同じ言葉で語られる
➡耳で聞いて流れていくので、ページを戻ることはできない。聞いたらすぐイメージできるように、同じ言葉で。

魚(うろこ)→わし(羽)→きつね(毛)
昔話は、出てきた通りにできごとがおこる。芸術的(文学的)節約

魚→深い海のそこへもぐっていく
わし→天のはてまでとんでいく
きつね→あなをほる
それぞれの属性にぴったりの行動(助け方)をする

昔話は主人公の幸せ(結婚・身の安全・富の獲得)に向かって一直線に進んでいく
そのための言葉の使い方・筋立てが語法である。
ほら!昔話は『』ですね~!!

 

そして、語法ではありませんが、、、
このおはなしを再話されたヤンさんからこぼれ話、、、
子どもの成長を物語っているおはなしはたくさんあるが、ぜひこれを子どもに語りたいと思った理由。
主人公が最後にきつねに
「お姫様の座る椅子の下まで穴を掘ってくれないか」と頼むシーン
他力本願だった主人公が最後は自分で考えて行動して(頼んで)いる!
成長している!
ものすごく分かりやすく表現されている!!
実際に子どもに語ったら、やっぱりみんなここの部分で
うれしそ~~ぅ(^^)な顔をしたそうです。
私も語りた~い!!!(^^)!

 

語法の勉強会ですが、ヤンさんは超ベテランの語り手でもいらっしゃるので、
ちょいちょい、折々に、語る時の注意点や、子どもたちの様子を教えて下さいます。
自分一人で本を読んでいては分からない秘蔵エピソードが満載です!
今回も、おもしろかった~~!

 

久しぶりのレポート、どんどん長くなっていく・・・
「時間の一致」とか「昔話は硬くて鋭いものが好き」とか「主人公が前に進むためには外的刺激が必要」とか「物語は速いテンポで進む」とか「完全の中の不完全」とか「昔話は物理学を無視する」とかまだまだまだまだ書ききれないのですが、この辺りでおしまいにしたいと思います。

 

語りの森HPの昔話の語法のページに、検索機能がついています。
そこに、気になる言葉や分からない言葉を入れるとすぐに調べることができます。
どうぞご活用ください~!

 

語法の勉強は楽し~い!
ヤンさん、ありがとうございました!

 

かぶ

 

まほうの鏡のかくれんぼ

コロナ禍の中、きのうは、オンラインによる昔話の語法の勉強会を開きました。
詳しい報告は、かぶちゃんが、あらためてやってくれます。
お楽しみに~

きょうは、昨日言い忘れたことを、ここで書いておこうと思います。
12月にリアル会場でやったときは説明したんだけどね、昨日、いい忘れたこと。

「まほうの鏡」の後半、主人公の狩人が、魚と鷲と狐に手伝ってもらってお姫さまから隠れるところ。

前半で命を助けた魚、鷲、狐に隠してもらうんだけど、助けた順に助けてもらう。順番が入れ違っていない。抽象的です。
それから、魚は狩人をのどの中に隠しますね。どんだけ大きな魚やねん!
鷲は、狩人を背中に乗せて飛び立ちますね。どんだけ大きな鷲やねん!
これらは、物理学を無視している。
どちらも典型的な昔話の語り口です。
ここまでは言いました。

昨日、極端性についてお話しできていなかったんです。

魚は、魚の属性にぴったりの隠し方をするんだけど、深い海の底まで行きます。極端に深いのです。
鷲も、鷲の特性にぴったりの隠し方をする。空高く舞い上がり、天の果てまで飛んでいきます。極端に高いです。
これで、この物語の世界が、極端に広がりますね。ファンタジーとして面白いところです。

では、狐は?
狐は穴を掘ります。お城のお姫さまの椅子の下まで掘ります。
狩人は、お姫さまが鏡を見ながらすわっている椅子の下にかくれるのです。
極端に近いです。
極端に近かったために、お姫さまは狩人を見つけることができなかった。
意味深いと思いませんか?

この場面は、昔話の極端性という性質が、ファンタジーの世界を成り立たせていて、人生の深い意味を教えているということが読み取れます。

あらあ、大事な事なのに、いい忘れちゃったよ~
いま、読んでおいてね。

でね、そういうことを知って語るのと、知らずに語るのとでは、語りかたが違ってくると思うのです。
だから、語法の勉強は大事o(* ̄▽ ̄*)ブ

ところで。
きのうは、無料版のズームでやったんだけどね、ほら、途中で、「あと10分です」とか出てくると、集中できなくて困った。2回休憩を入れたんだけど、その出入りがまた神経を使ってねえ。一人対多人数で講義するには無料版は無理ですね。
もし次回もやることになったら、ケチらないで有料版で、余裕でやりたいと思っています。
みなさん、参加してくださいね~

あ、それから、昨日のは録画があるので、みたい人は、連絡ください~

 

 

おはなし入門講座 🔷発表会🔷

22日火曜日は入門講座の発表会でした。今年はソーシャルディスタンスを確保して受講生6名とヤンさん、ジミーさん、ききみみずきんのメンバーのみで行いました。
受講生の方々は「おはなしとは何か」「選びかた」「覚え方」を経ていよいよ発表会の日を迎えられました。全員子育て世代で練習時間を確保するのも工夫されただろうと思います。緊張感漂う中〝語る〟ことに一生懸命向き合っておられる姿が新鮮で色々感じるものがありました。

①まほうの鏡
語りの森昔話集1 おんちょろちょろ 語りの森
②ついでにペロリ
おはなしのろうそく6 東京こども図書館
③ロバの耳をした王子さま
語りの森昔話集4 おもちホイコラショ 語りの森
④暗〜い、暗〜い
語りの森昔話集4 おもちホイコラショ 語りの森
⑤りこうなまほうの鳥
語りの森昔話集1 おんちょろちょろ 語りの森
⑥おならじいさん
語りの森昔話集4 おもちホイコラショ 語りの森

同席していたききみみずきんから一話。
⑦お経を忘れた和尚さん(プッテ)
語りの森昔話集4 おもちホイコラショ 語りの森

ヤンさんは手遊び[どんぐりころちゃん]のあと一話語ってくださいました。
⑧ぼくにげちゃうよ(ヤン)
マーガレットWエインフェス ぽるぷ出版(絵本より)

発表のあと感想を言う時間を設けました。子供の好きなおはなしを覚えた方も多く、一緒に練習すると子供が先に覚えてしまい厳しくダメ出しされるという微笑ましいエピソードも聞かれました。あるあるですねー!
もっと練習したかった、もっと語りたいなどの感想がいくつも聞かれたほか、それぞれのテキストの構成についてや、一字一句変えないとはどういうことかなどそのまま語法の勉強会につながりそうな意見や質問が聞かれました。(当時覚えるだけだった私は何とボンヤリしてたのでしょう>_<)
コロナに影響されることなく全員発表会に参加していただけて本当によかったです。
そしてこれからも語りたいというお声が聞けてうれしい限りです。
初級講座もききみみずきんもぜひぜひお待ちしています(^.^)

お疲れさまでした。

12月度 中級クラス❄

今月も様々なジャンルのおはなしで、感動あり、笑いあり、歌あり、方言あり・・・楽しい勉強会になりました。では、報告です。

♬手遊び メリークリスマス🎄♬

(語り)

①マローンおばさん 『マローンおばさん』/こぐま社

エリナー・ファージョンの詩で、図書館でのクリスマスおはなし会に語られるそうです。雪が深く降り積もった冬のある日、一人貧しく暮らしているマローンおばさんの家に月曜から順にスズメ、ネコ、母子キツネ、ロバ、クマがやってきます。マローンおばさんは食べ物を分けてやり、「あんたの居場所くらい ここには あるよ。」と言うのです。土曜におばさんが起きてこなくなり、日曜に動物たちがおばさんを天国に連れていくのです。最後は聖ペテロ様に「あなたの居場所が ここにはありますよ、マローンおばさん」と言われます。

天国の景色を見てマローンおばさんが言った「ここは わたしの来るところじゃないよ」という言葉はイメージより、聞き手に考えさせる場面ですので、語り方に気を付けましょう、とのアドバイスでした。

詩の語りを聞いたのは初めてでしたが、最後は(大げさではなく)涙が込み上げてくるような気持ちになる心温まる語りでした。子ども達ならどんな風に感じるのかと気になります。

②ヘレーおじさん 『語りの森昔話集3』/語りの森

ブータンの昔話です。わらしべ長者の逆バージョン、高価なものを順に低いものと交換していく内容です。最後はおんどりと歌を交換し、ブータンでは、だれが見てもばかげた取り引きをする人を、「ヘレーじいさんのようだ」ということです。この手のおちを理解できるのは、中学年以上になります。笑い話ですので、子ども達の前で語ってしか、本当の間は取れませんが、経験からここで笑いがあるかと想像しながら語られました。

繰り返しの品物を交換する場面、「おまえさん、その〇〇と△△を取りかえないか」の前は少し間をとり、考えているように語るといいそうです。

③お月お星 『日本の昔話2』/福音館書店

実子とまま子の話の場合、「ホレばあさん」や「ネコの家に行った女の子」のように良い子と悪い子であることが多いですが、このおはなしは二人とも良い子であるところが気に入ったそうです。なお、まま子に関しては、ヤンさんがブログ(昔話の解釈ー白雪姫)で解説してくれていますので、ぜひ参照ください。そうです!私もまま母になることがしばしばです(苦笑)→https://blog.katarinomori13.com/2020/11/11/%e6%98%94%e8%a9%b1%e3%81%ae%e8%a7%a3%e9%87%88%e3%83%bc%e7%99%bd%e9%9b%aa%e5%a7%ab%ef%bc%93%f0%9f%91%b8%f0%9f%91%b8%f0%9f%91%b8/

最後は母親が謝罪し、目も見えるようになり、家族みんなでハッピーエンドのおはなしです。三人息子がいる私は、どうしても女の子が主人公より男の子のおはなしを選んでしまうのですが、双子の女の子のいるYさんは母の愛が感じられる素敵な語りでした。

④ソーディサルレイタス 『英語と日本語で語る フランと浩子の昔話1』/一声社

子どもに語られたのを聞いて、自分も覚えたくなったそうです。子どもとリズムを作っていくおはなしです。♪ソーディ ソディ ソーディサルレイタス♪と一緒に口ずさみたくなりますね。低学年のおはなしですので、ふくらし粉の説明ができるようにしておきましょう。

⑤びんぼう神と福の神 『子どもに聞かせる日本の民話』/実業之日本社

先月に入会してくれたHさんの初めての発表でした。山形弁の方言が残ったままのテキストですが、方言を大切にしたいと手を入れずに語られました。東北で語りを聞いた経験もあるそうで、違和感なく語られ、大いに笑いがおこりました。

☆ふくろからふたり出てこい 『ロシアの民話集(下)』/岩波書店(ヤンさん)

おはなしひろばにupしてくれていますので、聞いてみてください。→https://katarinomori.xsrv.jp/oh/2020/12/18/%e3%81%b5%e3%81%8f%e3%82%8d%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%b5%e3%81%9f%e3%82%8a%e5%87%ba%e3%81%a6%e3%81%93%e3%81%84/

今回はテキストに手を入れることが少なく、個人的な感想が多い報告ですみません・・・中級クラスは初級クラスのテキスト縛りがないため、一気におはなしの世界が広がった気分です。中級クラスもやる気十分、次回3月16日にお会いしましょう。来年はどんなおはなしに出会えるか、楽しみです(^^♪

第12回語法勉強会「まほうの鏡」🐟🐦🦊

12月18日の金曜日、語法勉強会がありました。
人数制限をしましたので、いつもより人数は少ないです。
久しぶりにお会いした方々と、お互い話したいことは山ほどある中、会場の設営とともに机といすを消毒し、ひたすら準備を手伝ってくださったみなさんにまず感謝です<(_ _)>

今回の話はギリシャの「まほうの鏡」(『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』)です。
主人公は狩人です。ある時狩人は海辺で魚を助けます。魚はお礼にうろこを一枚くれて、助けが必要になったらうろこを燃やせと言います。次に狩人はわしのひな鳥を助けます。親鳥がお礼にしっぽの羽を一枚くれました。さらに、きつねを助けます。きつねは背中の毛を一本くれました。
狩人は、ある国につきました。その国のお姫さまは、なんでも見えるまほうの鏡を持っていました。お姫さまは、かくれんぼをして三日たってもみつからなかった人と結婚する、みつかった人は打ち首にする、というおふれを出していました。狩人は挑戦しました。
まず、魚を呼んで口の中に隠してもらいました。もうちょっとのところで見つかってしまいました。でも惜しかったのでお姫さまは許してくれました。また狩人は挑戦し、わしを呼んで背中に乗せてもらい天の果てまで行きました。が、また見つかってしまいました。狩人はもう一度挑戦します。きつねを呼んで、お姫さまのいすの下まで穴を掘ってもらい、みごとにかくれおおせ、お姫さまと結婚しました。

まず最初に、語法とは何かですが、昔話の語法とは、昔話が持つ独特の言葉の選び方やつながり方のことです。
国語の時間に勉強した文法のように、昔話にも耳で聞いて分かりやすように言葉の選び方やつながりに法則があります。
昔話の語法を学ぶことで、語りがより聞き手にわかりやすいものとなるために、がんばって勉強しましょう(^_^)

テキストに沿って、冒頭部分から順に文法指摘をしてもらいました。
とても全部は書けないので、昔話の抽象性についてまとめてみます。

昔話は、物事や登場人物の気持ちを詳しく説明したり描写したりしません。
抽象的に語ります
どういうところが抽象的なのかというと、名指すだけというのがあります。
たとえば「森」と語る場合、針葉樹林なのか広葉樹林なのか、大きいのか小さいのか、するどい山かなだらかなのか、連なっているのかとか、小説のように森自体の描写はしません。そうすると、聞き手には、聞き手のイメージする山が即座に出て来ます。描写があればそこに注意が行ってしまいますし、聞き手のイメージと違えば修正しなくてはなりません。そんなことは話を先に進めるための妨げになります。
ストーリーを速いテンポで進めるというのもあります。
狩人は、獲物が取れずにひと晩森の中で寝ますが、ただ「森の中でねました」とあるだけです。木の下で寝たのか、木の上に登ったのか、ご飯は持ってたのか、全く説明せず、次の行では、「朝になって、海辺までやって来ると、…」ねたらすぐ朝です。もう、話が進んでいます。余分な文章が全くありません。ぜんぶそぎ落とされています。
昔話の場面は1対1で構成される
これも、小説と大いに違うところですね。耳で聞いて分からないといけませんから、登場人物が多いと分かりにくいし、覚えてられません。語るときも、登場人物が3人以上いるととっても語りにくいですよね。
三・七・九・十二・丸い数を好む
これは、「三びきの○○」「三枚のお札」「三つのねがい」など、タイトルにすでに出ているものも多いですね。話の中にも、特に3は、しょっちゅう出て来ます。3人兄弟・姉妹とか、「まほうの鏡」のように3日以内に見つけなければいけないとか。こういう数字が出てきたらいかにも昔話らしいです。また出て来た!と思うと、かえって安心するように思います。
正確さ
この話でいうと、きつねが正確にお姫さまのいすの真下に穴を掘ったことです。ピンポイントです。少しもずれていません。ずれていたら話が成立しないやんか、というまさにその通りなんです。「ヘンゼルとグレーテル」で、森で迷った二人がたった一軒の小さなお菓子の家にちゃんとたどり着くとか、「白雪姫」が、いばらを踏んで目暗めっぽうに森を走っていたら、小人の家についたとか。よく考えると、確率的には非常に小さくて、昔話の主人公たちはほぼ遭難で終わってしまいそうです。でもちゃんとつくんですね。不思議ではなくて、抽象性の表れなんです。
物理学を無視している
これは、狩人が魚ののどの中に隠してもらうところです。どんだけ大きな魚なんだよ、クジラ級?と思って語る必要はありません。最初に魚が出て来た時のイメージは、そんなに大きな魚ではないと思います。仲買人が競り落とす巨大マグロとかではなくて、スーパーに並ぶくらいの魚をイメージしてるんではないでしょうか? そのイメージでいいんです。その小さい普通の魚が狩人を飲みこんで隠すのです。物理学を無視して。ここで、大きさの整合性を追求する必要は話の筋からいうとありません。はあ、なんとうまく処理されていることでしょうか。
属性にぴったりの隠し方をする
これは、魚は狩人を飲みこんで深い海の底へもぐります。わしは背中に乗せて天の果てへ飛んでいきます。きつねは穴を掘ります。無理なこと、むちゃなことをしていませんね。聞いていて、まったく違和感ありません。「なんで○○が✖✖なんてするの?!」と聞き手が思う暇があってはいけません。その「なんで?!」は、話の筋には全く関係ないので、邪魔なだけです。話をスムーズに進めないといけないんですからね。
そういうわけで、昔話の語法というのは聞き手にわかりやすいために成立しているので、抽象性についての説明も、どれをとっても耳で聞いて分かりやすいためなんだと改めてお勉強できました。

語りの森HPの昔話の語法のところでは、検索機能がついています。そこで、抽象性とか気になるフレーズを入れるとさっと該当箇所が出て来ますので、気になったその都度に調べてみるのがいいかと思います。
語法は確かに難しいです。
あるいは私が覚えられないだけですけど、何度もこの勉強会で違う話を解説してもらうと、薄紙を一枚ずつ重ねるようにではありますが、少しずつ分かってきた…、ように…、ちょっとは思います(笑)
同じ内容を1月19日にオンラインでやってくださいます。
こちらは人数制限ありませんので、お問合せのところで詳細をご覧いただき、お申し込みください。

いよいよ年の瀬も迫ってきましたね。みなさん、お体に気を付けられて、どうぞよいお年をお迎えくださいませ(^o^)/