月別アーカイブ: 2016年7月

7月おはなし初級講座

梅雨ですね。
雨ニモマケズ
湿気ニモマケズ
盆地ノムシムシシタ暑サニモマケズ…
おはなし初級講座に行ってまいりました。

今回のおはなしは、
みなごろし、半ごろし」『日本の昔話4』福音館書店
鼻高たいこ」『子どもに語る日本の昔話2』こぐま社
くじら大王子どもと家庭のための奈良の民話 京阪奈情報教育出版社
ホットケーキ」『おはなしのろうそく18』東京子ども図書館
あなのはなし」『おはなしのろうそく4』東京子ども図書館
の5話でした。

まずは手遊び。

子どもと子どもが けんかして  (小指)
薬屋さんが とめたけど     (薬指)
なかなか なかなか とまらない (中指)
ひとたちゃ 笑う        (人差し指)
親たちゃ 怒る         (親指)

小指どうし、薬指どうしの指先をくっつけながら歌います。
お兄さんお姉さんバージョンは、グーからその指だけを立てて、
幼児さん向けバージョンは手を合わせて、「いただきます」状態から指先をトントン。
薬指だけを立てるのって案外難しいのです。

そして、なにやら物騒なタイトルのおはなしから始まりました。
「みなごろし、半ごろし」
これ、おはぎを作るときのもち米の潰し具合を表す方言なのですが、知らずに聴いたらギョッとしますね。

今回の講座では、イントネーションや呼吸法、表情が話題に出ました。

まずは主語を聞き取りやすくするため、助詞「が」のイントネーションを低くするというアドバイス。
イントネーションの癖は無意識にしているので自分ではなかなか気づきにくいのですが、聴き比べてみればなるほどです。

そして呼吸法。
腹式呼吸をしていますか?
最初は意識しないとなかなか腹式呼吸できないのですが、あがっておはなしを忘れそうになっているとき、間を取っているフリをしてお腹で息をしてみましょう。おはなしが戻ってきます。「だって一度は覚えたんだもん」心強いお言葉でした。そして単純な私は納得。信じるものは救われる…はず。

あと表情筋です。
口角を上げて語るのと、口角を下げて語るのでは声の響きが変わります。
笑い話やおふざけ話に口角を下げて語ると可笑しさが伝わらないのではないでしょうか。
反対にシリアスな重い話をニコニコ口角上げて語ると…シリアスさが伝わりませんね。

このアドバイスを聴いて、以前「ちいちゃいちいちゃい」の、ちいちゃいちいちゃいおばあさんがちいちゃいちいちゃい墓場でちいちゃいちいちゃい骨を拾った場面で、ワザとにやりと口角を上げて語ってみたことを思い出しました。
あの時、前列にいた子どもさんの凍り付いた表情が忘れられません。
「しまった! 怖がらせすぎた!」ととっさに感じたのですが、覚えたての見習い魔女のこと。どう怖さを弛めるのか分からず、つい、にっこりと…。その時は怖さを弛めたつもりでいたのですが、今になって思えば不気味さが増しただけだったかも…。
表情も情報のひとつ。場面に合った表情ができるように滑舌の練習とともに表情筋のトレーニングもやってみようと思ったのでした。

8月の初級講座はお休みです。ですから、8月の初級講座レポートもお休みです。(「ホットケーキ」のラスト風に)

7月中級講座報告

お久しぶりです。7月8日に中級講座がありました。
まずは、前回から取り組み始めた『呪的逃走』について話しました。呪的逃走モチーフがたくさん見つかったり、意外に少なかったり、今まで知らなかった話が見つかったりと楽しく報告しあいました。

本日のメイン「三枚のお札」出典『おはなしのろうそく5』東京子ども図書館を語ってもらい、テキストについて検討しました。原話をどのように扱うかや、テキスト比較をしました。再話のテキストがたくさんある中、どのテキストにするかのヒントになりました。5月からの力技のレポートに引き続き、今回も力の入ったレポートでした。       お楽しみのお話二つ「屋根がチーズでできた家」『子どもに語る北欧の昔話』こぐま社「うりこひめとあまんじゃく」『松谷みよ子のむかしむかし1』講談社で楽しく終了しました。次回は9月『野の白鳥』アンデルセン予定です。

「いやぁー、食べられてしもた~」by地蔵

お地蔵さん:あかん、あかん
鬼:そうかぁ、おれだけみせてもらえへんのかぁ

昨日で、1学期のおはなし会が終了しました。
メンバーの語り手さんが、1年生と2年生に、日常語にテキストを直した「しょうとんどの鬼退治」を語られたときの様子をお知らせします。
5月の勉強会ですでに語りを聞いていたのですが、実際に子どもの反応はというと、はじめワクワクドキドキ、後半は楽しいで、大変盛り上がり、はじめから終わりまで常に聞き手を休ませることなくハイテンションをキープしました。
1年生も楽しんで聞いてくれてましたが、2年生の方が不思議なほどのってきました。
1クラス目では、このクラスだけかなと思ってたんですが、3クラス全部が同じように大受けでした!(^^)!
たまたま、担当小学校の2年生が、こういう話が好きだったんでしょうかね?
よくわかりません。
前半、ひなが1匹ずつ食べられるところは、日常語による柔らかくもテンポ良い語りで怖さはなく子どもたちは「あか~ん!たべられるー」、「ああ、たべられたー」(ちくしょう、みたいな感じ)
後半は、「桃太郎や」「さるかにかっせんや」でわいわい、牛のうんこが出てきたらゲラゲラ、つられて次の石臼でもゲラゲラ。
また牛のうんこで最大の笑いの山場~!
みていて、(こんなに気持ちよく受けるんやな~)と思いました。
いっぽう、語り手さんの方は、さあ~と、語っていかれるので、それがまたテンポの良さを生み出して先へ先へとつながります。
(いつまでもゲラゲラわろてたらおいていくでー、みたいに私には見えるんですよ。それが私は超好きなんですけどね。)
この楽しい雰囲気が尾をひいていて、次に「3びきのくま」をしたんですが、「この話、2年生でこんなに受けるのか?」っていうくらい笑ってました。

担当小学校は、昨年度の3学期のおはなし会がなかったので、1年生の2学期から半年たって見た2年生は、まったく印象が違っていました。
1年生ではまだまだ幼稚園ぽかったのが、今ではれっきとした小学生で、もう一番下の学年ではない自信みたいなものでしょうか?
楽しかったおはなし会と2年生の様変わりの大きさに驚いたことを、1学期のおはなし会を終えてしみじみ~とかみしめています。

7月 日常語の語り勉強会

猛暑の中、『日常語の語り勉強会』がありました。

暑さは暑し、暑すぎて何人かはちょっぴり溶けていたような・・・いやいや、そんなことはないか・・・

帰りに車に乗ろうとすると、車内はまるでサウナかと思うほどの灼熱地獄でした。

梅雨はもう明けたんでした?いきなり夏になっちゃって、体と頭がついていきません。

前置きが長くなってしまいました。暑さのせいです・・・

報告にまいります。

 

語り

おばすて山」  「語りの森」≪日本の昔話≫
リンクこちら→http://katarinomori13.com/jfolktales.html

花さかじい」『日本の昔話1』

かっこうとほととぎす」『日本の昔話2』

 

テキスト

なら梨取り」『日本の昔話4』

にぎりめしころころ」『日本の昔話4』

へっぴり嫁ご」『日本の昔話4』

やまんばの錦」『日本の昔話4』

海のはて」『日本の昔話4』

※『日本の昔話1〜5』は福音館書店の 小澤俊夫/再話 です。

 

今日も個性豊かなおはなしたちでした。(*^_^*)

 

テキストを日常語にする時に、どこまで変えて、どこまで残すのかという問題がでてきます。

とくに悩むのは、せりふ、唱え言葉、まじない言葉、古い言い回しや、その土地独特の表現、後世に伝えたい(残したい)言葉、、、などなどです。

ニュアンスや意味を間違ってしまわないように、迷ったり、困ったりした時には、

<原話(元になっているおはなし)にあたる(読んでみる)>といいんですね~

そうすることで、本来の、語られていたときの、意味や、役割、ニュアンスをつかむことができる。

原話を読むと新しい発見があったり、あいまいだったところがはっきりしたりして、すごくおもしろいです!

そして、再話して下さった方のすごさと、語って伝えて下さった方の素敵さをひしひしと感じることができます。

 

あまりの暑さにぼーっとしてきました。ここらでお開きにさせて頂きます。

皆さま、今日もありがとうございました。

7月でこの暑さ。次回の8月はいったいどんな暑さになるのでしょう・・・

では、また。

いちごくつ

息子の応援で体育館へ行った時、女の子がヒマそうにうろうろしていました。

年長さんで、Aちゃんという名前だそうです。しばらくおしゃべりしたり、お絵描きしたり、一緒に遊んでいるうちに仲良しになりました。私の横に座ってぴったりとくっついて、もたれかかっています。
おえかきも飽きてきたので「Aちゃん、おはなししよっか?」と言ったら「うん、いいよ〜」というので、
が「昔むかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました」と始めると
Aちゃん「知ってんで〜」
「あら、知ってる〜?」
Aちゃん「おじいちゃんは山に行って、おばあちゃんは川に行ってん」
「そうか〜。よく知ってるな〜!
ほんなら川上の方から
どんぶらこっこ〜すっこっこ〜
どんぶらこっこ〜すっこっこ〜って…」
Aちゃん「知ってる!知ってる!ももが流れてきてんで。
ほんでな、ももたろうが出て来てな、
ほんでな、犬とか きてな、鬼 たいじすんねん。
ほんでな、宝ものもらうねん〜ほんでな、帰ってくんねん。ほんでな、おじいさんとな、おばあさんとな、たからものな、渡すねん」
「へぇ〜!Aちゃん、よ〜知ってんな〜!
幼稚園で絵本読んでもらったん?」
Aちゃん「ちがう〜!」
「じゃあ、おはなししてもらったん?」
Aちゃん「ちがう〜!Aちゃんはな、保育園やねん」
「???あ、そうか〜!
じゃあ、今度はおばちゃんがおはなししてもいい?」
Aちゃん「いいよ〜」
「川上からな、どんぶらこっこすっこっこ〜
どんぶらこっこ〜すっこっこ〜」
Aちゃん「どんぶらこっこ〜すっこっこ〜!」
「何が流れてきたと思う?」
Aちゃん「もも!」
「ちゃうねん〜」
Aちゃん「え?じゃあ、いちご?」
「ちゃうねん〜」
Aちゃん「じゃあ〜、ぶどう?」
「あはは、ちゃうねん〜」
Aちゃん「じゃあ、…」(…10こ位言うてもらって遊びました)
「じゃあ、聞いてみる?」
Aちゃん「うん!」
「おじいさんとおばあさんがいました。
(中略)どんぶらこっこ〜すっこっこ〜ってな、
おいもが流れてきてん」
Aちゃん「え〜〜!おいも?」
「うん。おいもやねん。ほんでな、(中略)
おばあさん、おっきいおならが
ぶ〜〜!ってでてん。
おじいさん、山で芝を刈らずに
草刈った、くさかった〜」
Aちゃん「ぎゃははは〜おなら〜!」
しばらく2人で笑ってから
「もいっこ、おはなししていい?」
Aちゃん「いいよ〜(^o^)」
「あんな、あるとこにな、川が流れててん。その川にな…」
Aちゃん「わかった!
ももがどんぶらこっこ〜すっこっこ〜」
「どんぶらこっこ〜すっこっこ〜って…
今度は、もも とちゃうねん。
くつ が流れてきてん」
Aちゃん「くつ!?」
「うん。ほんでな、そのくつ の中にな、
きゅうりが入ってな、
きゅう くつ、きゅうくつ、きゅうくつ
言うてんて。おしまい」
Aちゃん「きゃはは〜」
「もいっこあんねん。(中略)
たい くつ、たいくつ、たいくつ 言うてんて。
おしまい」
Aちゃん「きゃははー!」大爆笑してました。
するとAちゃんが突然
「 あんな、川があってな、
くつ があってな、
いちご が入ってな、
いちご くついちごくつ って言うてん。
きゃははー」

 

いちごくつ

かわいすぎです。

 

すみません。おはなし会でもなんでもない、おしゃべりですが、またまた、子どもにおはなししてもらって幸せな気持ちになったのでした。
一つ目のおはなしは前にヤンさんから聞いて、とっても面白かったので、とっさに話してしまいました。
語りの森 HP『日本の昔話』に載ってます「くさかった」こちら→です。
途中でAちゃんが「ももたろう」を話してくれました。
Aちゃんに類話との楽しみ方も教えてもらいました。

「きゅうくつ」「たいくつ」は必ず3つ目を子どもたちが自分なりに考えて、語り始めてくれます。
しかもみんな「たいくつ」が終わってひとしきり笑ったらすぐ間髪入れずに、です。
(5回やって5回ともでした!)
●前にお伝えしました「クサいおれのくつ
●「カンが入って、カンくつ!あれ?カンくつって言葉なかったっけ?」
●「ワニが入って、ワニくつ」(ちょうどワニの絵を描いていたのです)
●「○○(自分の名前)が入って、○○くつ!」
●そして今回の「いちごくつ!」

子どもとのおしゃべり、楽しくって仕方がありません。