月別アーカイブ: 2017年1月

爆笑雪女 ⛄

そんなつもりはなかったのですよ。
4年生の授業のおはなし会でのことです。

「いばらひめ」で、みなうっとりし
「小石投げの名人タオカム」で、笑ってよろこび
うめにうぐいすで、じゃんけんにとびあがり
最後の〆に「雪女」

日常語で語りました。
ううう、それがあだになった。
雪女が「父親のわきに、ぴたっとっ立った」んですよ。
こわいこわい場面です。
子ども「えっ?腋?」
しかも動作付きで・・・・

音声を右上三行に入れたので、まあ楽しんでください(笑)

そのときの「いばらひめ」「小石投げの名人タオ・カム」も入れてるので探してね。
この日はテーマが「詩」だったので、その音声も入れています。
それから、爆笑ついでに、去年の12月学童保育でやった「おはなしの大好きな王さま」も聞いてみてくださいね。

みなさま、インフルエンザに気をつけましょう!

幼稚園で 🍏

1月の幼稚園のおはなし会は、いつもエキサイティングです。

5歳児
2月の最後のおはなし会に向けて、しあげの準備をします。
2月の「ジャックと豆の木」を聴けるようにと考えて1月の話を決めるのです。
個性的なメンバーがそろっているのですが、やっと一丸となって聞けるようになりました。あとは、長い話についてこられるかどうかです。
それで今年も思い切って、「がちょうはくちょう」を語りました。
やりましたね~
先生も驚くほど集中して聞きました✌

4歳児
はじめての日常語の語りです。
おばあちゃんのふだんの言葉で語るおはなし。
いかに違和感なく聞かせられるかに心をくだきます。
せっかくおはなしっておもしろいって思ってくれるようになったのに、期待を裏切れません。
また、ただの世間話と思ってしまったら、子どもは自分もいろいろ話したがります。
「大工と鬼六」
「むかしな、あるとこにな」ではきょとんとしましたが、すぐにストーリーに入ってきてくれました✌

3歳児
初めてのおはなし会。
先生がたが子どもたちの期待を最大限に引き上げてくださっているからでしょう。
緊張しながら、でも大歓迎してくれました。
目を見開いて、まじろぎもせずって、このことです。
一番小さい存在がいちばん大きなパワーを持っていると、感じる瞬間です。
あるクラスでは、ひとりの子が私の膝に抱えられて聞きました。
みんなの笑顔に、それを受け入れる心が育っているのだと思ってうれしくてたまりませんでした。担任の先生の力量です。
「にんじんとごぼうとだいこん」
わたしは、風のように現れて、風のように去っていきました✌

1月のがらがらどん

今日は、今年初めてのがらがらどんでした。
参加者は9名(^^♪
全員が語りをしました。

短い話13話
ミアッカどん 『イギリスとアイルランドの昔話』石井桃子編訳 福音館書店
アレクサンダとぜんまいねずみ レオ・レオニの同名絵本 好学社
舌切りすずめ 『日本の昔話2』おざわとしお再話 福音館書店
ジャックと豆の木 語りの森HP外国の昔話こちら
うけとれ走れ! 『世界のはじまり』マーグリット・メイヨー再話 岩波書店
ひなどりとネコ 『子どもに聞かせる世界の民話』矢崎源九郎 実業之日本社
鬼とあんころもち 『鬼とあんころもち』小澤昔ばなし研究所
雪女 『日本の昔話5』おざわとしお再話 福音館書店

いちばんめの「短い話13話」というのは、お正月アイテムをだじゃれでつなぐといいますか、1月にふさわしい、おめでたいことばあそびで、全部で2分くらいです。雪やこんこんの手遊びに続いて、季節の風物詩を笑いで詰め込んだ楽しいお話でした。

「舌切りすずめ」「鬼とあんころもち」「雪女」は日常語テキストでした。

今日も、どれも楽しく聞かせていただきましたが、「うけとれ走れ!」が心に残りました(*^_^*)
アメリカ先住民の昔話だそうで、コヨーテ・しまりす・りす・かえるが出てきます。みんなで力を合わせて人間のために火を手に入れる話なんですが、クライマックスは、まるで運動会の最終種目クラス対抗選手リレーのような盛り上がりを見せます! もしかして、リレーという種目はこういう話から発想されたのかも!(ジミー勝手解釈)
もう一度聞きたいな~~
また、いらしてくださいませ、お待ちしております(^O^)/

次回は2月12日です。

孤立するということ

う、シビアな話題、と思ったあなた。
ご期待にお応えしましょう。

集団の中で孤立するというと、ひりひりするような感覚に襲われます。
はみ出しっ子になりたくない、無視されたくないと思うからです。

わたしは子どものころ、ときどき、孤立しました。
いつも、やりたいことへの情熱が強かったので、まわりの空気を読むゆとりがなかったからです。
気がつくとひとりになっていたってことが、ままありました。

大人になるにつれ、情熱はますます強くなりましたが、類は友を呼ぶ。いっしょにやると面白いという仲間ができました。
それに、表面上うまく付き合うすべも知りました。

いまは、やりたいことをやって孤立するのと、自分をごまかしてうまく人とつき合うのと、どっちを取るってきかれたら、迷わず孤立ですね~

いまHPで、「昔話の語法」で孤立性について書いています。読んでくださってますか? (→こちら)
昔話の主人公は孤立的存在である。だから何とでも結びつくことができる。
とっても逆説的な考え方だけど、わたしにはよくわかるのです。孤立した経験が多いので。
わたしはひとりの人間として自立しているって常に自覚していて、大事なことに直面すると、ぎゅっと凝縮されたように心が孤立するのです。
そんなときは、たとえば相手がどんな人であれ、自分と同じ平面上に立っていて、一対一で向き合うことができるのです。

孤立するのはつらいです。
でも本質的なものを手に入れるためには、ひとりにならなくっちゃ。

2016年度 日常語による語りの入門講座 第1回

 窓ガラスから射し込む陽射しは暖かいのに、外に出ると寒いですね。
 えいやと外に出てみれば、尾の長い、スズメより大きくて、鳩より小さい野鳥に出会いました。
 その鳥が、すごい速さで歩いて逃げるのですが、追いかけただけ逃げるんです。距離は一定に保たれているんです。
 なんだか楽しくてしばらく追いかけて遊んでしまいました。最後は「なんやこの人間」と言ったのか、ききみみずきんがないのでわかりませんが、飛んで行ってしまいました。

 さて、語りを勉強していて、「テキストに手を入れたい!」と思ったことはありませんか?
 共通語で書かれているテキストはともかく、どこかの方言っぽい言葉で書かれている日本の昔話などは、言い回しが舌に乗らなくて、覚えづらくて苦労した覚えがあります。
 そんなとき、自分が普段話している言葉に直せたらいいのになぁと思ったことがあります。でもその方言っぽい部分をどう直していいのか、そもそも語り手初心者にそんなことしていいのか悩みますよね。

 今回は、日常語による語りの入門講座に行ってきました。三回連続講座です。

 まずは「日常語」ってなんやねんというところから説明して頂きましたが、とどのつまり前述した「普段使ってる言葉」のことでした。
 ただこれは、一人ずつ違うもので、その人の歴史そのものでもあります。
 自分一人だけの歴史ではなく、父母、祖父母、曽祖父母、おじおば、いとこ、先生、ともだち、仕事で一緒だった人、出会った人たちの人生の歴史、主にことばが混ざりに混ざって自分の日常語ができているんだなと思うと宇宙を感じませんか?
 普段何気なくしゃべっているけれど、自分の日常語ってさてどんななんだろうと考えつつ、次は口承文芸の研究をされている先生が学生さんと集めたという伝承の語り手さんが昔話を語っている音声を聴かせていただきました。
 語りの素晴らしさは横に置いておいて、やはり耳慣れない土地言葉、つまり方言で語られている昔話はやっぱり聞き取りにくく感じました。
 とすれば、本来の自分のものではない土地言葉をそれっぽくテキスト通りに語ったところで、聴き手の子どもたちには届かないだろうし、イントネーションもおかしなものになる。やっぱり普段子どもたちと会話しているような普段の言葉で語れたらいいなぁという思いを強くしました。
 ただ、「外国のおはなしは共通語のテキストのままでやります。自分のなかのヨーロッパのイメージを壊したくないから」とおっしゃったヤン講師の言葉は耳と心に染み入りました。

 

私も関西弁のグリム童話はいやや~(´;ω;`)

 

 とくにお姫様や王子様の出てくる物語は私もコテコテ関西弁のイメージはないです、ハイ。

 つまり、ケースバイケース。語り手がそのおはなしをどう語りたいか、どんなおはなし会にしたいか、ということなんでしょうね。

 さてその後、実践的に共通語のテキストを日常語に直していくハウツーの伝授がありました。
 やっぱりそこは土地言葉のテキストからいきなり日常語に直すより、共通語からの方が分かりやすいです。
 ただ、日常語は本当にその人だけのものなので、ここを変えたら日常語のテキストらしくなるよ~というアドバイスとともに、ヤン講師が共通語のテキストにどう手を入れたかを確認していきました。もう高校か中学の現国の授業みたいです。
 接続詞やら目的語やら副詞やら、そんな単語が飛び出します。
 そして実際語って頂いたのですが、当たり前ですが日常語に直したテキスト通りに語られました。

 そう、日常語に直すというのは好き勝手に語るということではありません。

日常語に直した自分だけのテキストを作り、それを覚えて語るのです

 

 え~、やっぱり覚えるんや~~!
 と思われる方もいらっしゃると思いますが、テキストを直していく段階で何回も何回も口に出して読みますし、自分の言葉になっているので比較的覚えやすいと思います。覚えにくいのは自分の言葉になっていないからかもしれません。知らんけど。←ここが関西特有の言い回し
 レッツ トライ!

 悩んだら自分のいつもの言葉を見つめなおすこと、それから『昔話の語法』(小澤俊夫著 福音館書店発行)の第六章の二、再話昔話の言葉を参考になさってくださいね~。
 語りの森HPの『日常語で語ろう』ページにも具体例とヒントが丁寧に掲載されています。

http://katarinomori13.com/nitijyo.html#tekisuto ←ここにリンク置いておきますね(^▽^)/