月別アーカイブ: 2017年3月

さぁて、3月の初級講座は~?

春うらら♬
ようやく春めいてきましたね。今日、スーパーの地場農産物コーナーで初物の筍が出ているのをみつけました。

さて、3月も初級講座は開講されておりましたよ。楽しみにしてくださっていた方、報告が遅くなって申し訳ありません。

語りは5つ

「鳥のみじさ」『日本の昔話3ももたろう』 福音館書店
「さんびきのこぶた」『イギリスとアイルランドの昔話』 福音館書店
「ネコの家に行った女の子」『子どもに語るイタリアの昔話』こぐま社
「ひとり、ふたり、さんにんのこども」『おはなしのろうそく26』東京子ども図書館
「スヌークスさん一家」『おはなしのろうそく2』東京子ども図書館

語りの間は命です。聴き手は間で色々なことを考え、想像し、語り手とのやりとりを楽しむ。
そうは聞いているけれど、でもだから間ってどうやって空けるの?と最初思っていました。
子どもの前で語ってみて、顔を見て、返ってくる反応を受け止めていたら自然に間ができました。
間は子どもの前で完成するもの。だからここで何秒空けるとか、そこまで完璧に設計図を作らなくてもいいんだと気づきました。
というか、自分で何秒空けると決めて空けた間は、ひとりよがりの間になってしまうのでしょう。
でも、こちらから間をしめしていくおはなしもあるのだそうです。おはなしの力でぐいぐいと聴き手を引っ張っていく、そんな力のあるしっかりとしたおはなし。
たとえばグリム童話の十二人兄弟、三枚の鳥の羽、いばらひめ……いいですねぇ。いつか覚えたいものです。

そういうおはなしも、間が命の笑い話や怖い話も、練習中には早口言葉のように言葉だけアウトプットする練習もしてみてください。
言葉が自分のものになっていると、余裕が生まれ、目の前の聴き手の顔がみられます。
聴き手の顔がみられたら、きっと反応が伝わります。その反応との駆け引きが”間”なんじゃないかな、と思います。
自分の予想もしていなかった場面での子どもたちのハテナ(?)にも驚きの声にも動揺せずに、応えられるのではないでしょうか。
それができるようになるころには魔女見習い卒業なんじゃないか、って思うほど高度なことだと思いますが。
大人の聴き手はお行儀がよいので(笑)子どもたちほど反応をあらわにしませんよね。
でも、自分のためにも、語り手さんのためにも、童心に返って「(でも大男は)渡れませ~ん!」って一緒に言ってみたいと思うもっちなのでした。

語り手は子どもたちのおはなしを聴く耳を育てている反面、実は子どもたちに語り手は育てられているのですよね。

3月のがらがらどん

今日は、まったくあたたかいいいお天気で、昨日までの寒さが嘘のような陽気です。そんな日曜日、今日はがらがらどんの日でした(*^_^*)

①りこうなおきさき 『りこうなおきさき ルーマニアのたのしいお話』岩波書店
②おむすびころころ 『子どもに聞かせる日本の民話』実業之日本社
③岩くだきと堂せおいと知恵もん 『日本の昔話5』福音館書店
④犬と笛 『奈良の民話一』京阪奈情報教育出版
⑤金のがちょう 『語るためのグリム4』小峰書店
⑥世界でいちばんきれいな声 『おはなしのろうそく11』東京子ども図書館
絵本の紹介

③と④は、日常語講座で勉強したおはなし、⑤は中級講座で勉強したおはなしでした。
各講座で勉強して、がらがらどんでも語ってみる。
よ~く分かります。
わたしもそうです。
ちょっぴりおぼえきれてなくても、安心して、気兼ねなく練習できる場があることのありがたさをかみしめたのであります。

絵本の紹介をしてくださるMさん、久々でした\(^o^)/
ありがとうございました。
そして、ケッテンメルヘン大会の話が今日も出ました。
出ました、と思う間もなく、つぎの〇〇大会も、「やろうか?」との声が!
次々飛びだす〇〇大会に驚いたあまり、何の大会か覚えてません(゚Д゚;)
語りのあとの和やか、かつ、真剣な感想をいいあう会です。
どんどん話が進みます。
「ああ、わたしを置いて行かないで~~」
そんな、ジミーでした。

3月の中級講座報告

忙しさにとりまぎれて、報告が遅れてしまいました。
3月の中級講座を報告します。
①語り「がちょうはくちょう」『おはなしのろうそく27』東京子ども図書館
②レポート&語り「金のがちょう」『語るための グリム童話4』ℒ小峰書店
③語り「鬼のくれた岩」再話
④語り「ありとこおろぎ」再話

 

①今日のテキストは語法にそったテキストだったので、話題は語り方についての話が中心になりました。

●テキストはきちんと書かれているので、語りにくい場合は、自分のリズムを検討してはどうかという話をされました。
例)A ○○が言いました。「・・・・・」
B 「・・・・・」と、○○が言いました。
このくらいは、自分の語りやすい方でもいいです。
ただし、このテキストはわかるように書かれているので、会話が誰が言ったか、幼い子どもにも伝わります。

●今日の語りをもっとよく良くするには
・話を面白く聞いてもらう工夫。
・山場を意識する。
・話の山場が決まれば、力を入れる所、軽くするところができてくる。
・この話は三部にきれいにわかれる、中部がポイント。
・異界に入る場面は丁寧に目に見えるように語る。
・ラストに向かっての流れはどのようにとらえるか。

以下具体的な指摘があり、参加者はテキストにしっかり書き込みしました。

 

②この話は前回の語法の講座にもあった、「愚か者が成功する話」でした。

小澤氏がよく言われたのは
「昔話は親切が大事、親切にしたものは報われる」
「昔話の中でも特に大事な価値観」
ということでした。

レポートがまた、力作!何ページにもわたるレポートでした(脱帽)
話題なったのは
・何年生に語るのか
・他のテキストとの比較   等々

 

③ヤンさんの語り、この時期になると思いだします。

④ヤンさんの語り「ケッテンメルヘン」もお読みください。

 

今回も楽しい、美味しい中級講座でした♪

ケッテンメルヘン

昨年末、昔ばなし大学のヤンが所属している再話研究会でのこと。
あ、再話研究会ってね、いくつかのグループがあって各グループで再話してきて小澤先生に見ていただくっていう勉強会なの。
で、あるグループがインドネシアのむかしばなし「ありとこおろぎ」を再話してきてて、めっちゃうれしかった。
好きなんです、この話。

語りの森でも《外国の昔話》→こちらにヤンが再話して入れてますよね。ちっちをぽちっとすると、コメントが読めるでしょ。で、「類話はたくさんある」って書いたんだけど、これは学術的に知っていたんではなくって、資料をいっぱい読んでて気がついた、いわば感覚的に知っていただけなんですね。

小澤先生「これは、ケッテンメルヘンって言ってね」
わたし「ケ?」
小澤先生「ケッテン」
わたし「(しつこく)ケッテンメルヘン?」
小澤先生「(しんぼう強く)そう、ケッテンメルヘン。ケッテンは「鎖」。だから鎖話っていうのかなあ、次々鎖のようにつながっていく」

やった~
手がかりはつかんだ。
ところが帰ってから、辞典でもネットでも「ケッテンメルヘン」が見つからない。
うんうんうなって、はっと気がついた。
『国際昔話話型カタログ』ATUだ!
索引を引いた。「鎖」の項に「連鎖説話2000~2100」とあった。
同書p.950「累積譚2000-2100」。
これだこれだ!
つまりATU2000からATU2100の話型群が、ケッテンメルヘン。日本語では累積譚。

キーワードは「累積譚」
調べてごらん、みつかるから。

語りの森《昔話の雑学》のページ→こちらに、みつけたケッテンメルヘン52話をリストにして載せました。親切やね~

でね、再話するときの一番大事なことは、「語りたいな」とか「ほらこんな面白い話、聞いてよ」とか、っていう気持ち。
でもそれだけじゃだめで、なんでかっていうと、よく似た話(類話)が世界じゅうにいっぱいあるでしょ。だからひょっとしたらそれよりもっと素敵なバージョンの話があるかもしれないでしょ。
あとでそれを見つけたら、ああ、こっちのほうが好きって思うかもしれない。
再話作業ってエネルギーいるからね。いまさら別の類話でやり直す気にならない(ヤンはね。あかんたれやし)。

だから、いいたいことわかりますよね、すぐにその話に飛びつかないで類話を読もうってことなんです。
結果その話になっても、背後の世界が広がる。イメージがふくらんで、語るときの世界が豊かになるのですよ。

さて、「ありとこおろぎ」
52話のなかでもやっぱりいちばん好きだった。
ぶたもここやしもからすも・・・みんなとっても正直というか子どもらしいでしょ。
で、こおろぎは「川に落っこちたありを助けるんだ」って走りつづける。ながいながいながいことかかって。
聞いてる子どもたちは、もうありは死んじゃってるって思うんだけど、ちゃんと助かる。
最後の言葉がいかしてる。
「友達はお互いに助け合わなくっちゃね」って、笑っていうのよ。
友だちのために、わたし、ここまでできるかな?
子どもたち、ここまでできるかな?

昔話は未来への希望。

現実の世界は、大人が作っていて、決して子どものお手本になるようなものではない。
でも、こうありたいという思いは、大人も失ってはいけないと思う。
理想主義かもしれないけれど、こんな時代だからこそ、理想がほしい。
こうありたい心が語られている話を、再話し、語りたいと思うのです。

ま~いにち♫ ま~い・・・😷

きのうは6年生の授業のおはなし会。
なかには3歳からずっと聞いてきた子どもたちがいる。

「いばらひめ」 『語るためのグリム童話』小峰書店
「小石投げの名人タオ・カム」 『子どもに語るアジアの昔話2』こぐま社
「九尾のきつね」 語りの森HP
おまけ「かめの遠足」 村上再話

もう卒業前で、校内を写真を撮って回ったりの時期で、落ち着かないので、かる~いプログラム。
じょうずに乗ってくれた。
いい〆ができた。

わたし「長いおつき合いやったね。ずうっときいてくれてありがとう」
子ども「ありがとうございましたあ。たのしかった!」

これで、今年度の授業のおはなし会はおしまい。
3学期、ドタキャンせずにがんばった。
ようがんばった。
えらい!

夜、合唱の練習にでかける。
あ、声が出ない。
😷!!?

まだ幼稚園と、朝学習のおはなし会が残ってるのに・・・