こんにちは、ジミーです。
今週の火曜日に中級クラスの勉強会があり、はじめて参加させてもらいました。
急におじゃま虫(見学)させていただきましたが、ありがとうございました。
では、報告させていただきます(*^-^*)
「ねこ先生ととらのおでし」 『白いりゅう黒いりゅう』岩波書店
「黄金の鳥」 『語るためのグリム童話3』小峰書店
「三人兄弟」 『グリムのむかしばなしⅡ』のら書店
「三枚のお札」 『語りの森昔話集2ねむりねっこ』語りの森
ヤンさんの語り
「はんてんをなくしたヒョウ」 『大きいゾウと小さいゾウ』大日本図書
どのおはなしもそれぞれ楽しく聞かせていただき、見学者の気楽さで申し訳ない気持ちですがほんとによい時間を過ごさせていただきました。
今回の勉強会では、ヤンさんが「三人兄弟」のテキスト比較をしてくださり、それがいい勉強になりました。
「三人兄弟」はグリム童話です。
グリム童話は、1版から7版まで版がありますが、「三人兄弟」は1版から入っています。
(途中から入っている話もあります。)
版が進むにつれて、グリムさんが手を加えている話がありますので、読み比べてみる場合は1版・2版・7版を比較します。
「三人兄弟」は、2版と7版で変化はほぼないということがこの日の説明で分かりました。
ところで、中級クラスで語られた「三人兄弟」は、グリム童話を〝ワンダ・ガアグ編/絵 松岡享子/訳〟で出版された本をテキストにされました。
ヤンさんは資料として『語るためのグリム童話』(小峰書店)のテキストを用意されました。
みんなで、ふたつの「三人兄弟」のテキストを読み比べるという作業をしました。
それによって、面白いことが分かりました。
ワンダ・ガアグさんのテキストは、亡くなった父親から受け継ぐ家に対する愛着の描写が多く、いかに三人兄弟が家を大切に思っているかがテーマで、グリムさんのほうは家ではなくて兄弟愛をテーマにしている、と同じ話なのにテーマが違うように読めるのです。
わざわざ、ふたつを並べてみて初めて分かるのって、驚きでした。
でも、テーマって大事だと思うんです。
脈々と語り継がれてきた昔話のテーマが、同じ話なのによく読むと違うというのは、「…………、、、ええ!!」っていう気持ちでした。
再話を勉強中なのですが、再話では昔話に対して伝承された形に最高の敬意をはらいながら文章を整えていきます。
だから、今回の比較はほんとに驚きました。
おはなしを覚えるときに、複数のテキストを比べてみるといろいろ違うかもしれませんね。
それと類話も比較できたら「なお、よし!」です。
「三人兄弟」はATU654ですから、この番号と同じ話を見つけて読むこともいい比較になるし、おはなし選びのいい方法ですね。
類話の中に、思わぬ掘り出し物があることも( ´艸`)
どんな話に出会えるかと考えると楽しいのですが、なかなか時間がないのが悩みです。
なお、グリムさん・ガアグさん、と書きましたが、このおふたりに呼び捨てはどうかと思ったからで、別に知り合いではありません。(分かってる!)
ヤンさんは、知ってます。(もういい!!)
ジミーさん、報告をありがとうございます。
中級のみなさま、お暑い中お疲れさまでした。
語りかただけではなくて、テキストの勉強も少しできましたね~
「三人兄弟」のガアグの再話は、ガアグのいいたいことが前面に出ていました。分かりやすいといえばわかりやすい。
ただ、この話で伝えたいことが、ガアグ説に限定されてしまいますね。
三人の神業、めっちゃ詳しく述べられていて、ガアグさん、楽しんで書かはったんやなあと感じました。ただ、聞き手としては、この場面、百万遍言葉を費やされるよりも、最小限の言葉から想像するほうがおもしろいのではないやろか、と思ってしまいました。
つまるところ、グリム童話と銘打っているけれど、ガアグの創作要素が強い。ディズニーほどひどくはないけどね。
ガアグファンならこのテキストを選ぶかもしれない。でも、グリムさんそのままでもいいんじゃない?