月別アーカイブ: 2020年12月

12月度 中級クラス❄

今月も様々なジャンルのおはなしで、感動あり、笑いあり、歌あり、方言あり・・・楽しい勉強会になりました。では、報告です。

♬手遊び メリークリスマス🎄♬

(語り)

①マローンおばさん 『マローンおばさん』/こぐま社

エリナー・ファージョンの詩で、図書館でのクリスマスおはなし会に語られるそうです。雪が深く降り積もった冬のある日、一人貧しく暮らしているマローンおばさんの家に月曜から順にスズメ、ネコ、母子キツネ、ロバ、クマがやってきます。マローンおばさんは食べ物を分けてやり、「あんたの居場所くらい ここには あるよ。」と言うのです。土曜におばさんが起きてこなくなり、日曜に動物たちがおばさんを天国に連れていくのです。最後は聖ペテロ様に「あなたの居場所が ここにはありますよ、マローンおばさん」と言われます。

天国の景色を見てマローンおばさんが言った「ここは わたしの来るところじゃないよ」という言葉はイメージより、聞き手に考えさせる場面ですので、語り方に気を付けましょう、とのアドバイスでした。

詩の語りを聞いたのは初めてでしたが、最後は(大げさではなく)涙が込み上げてくるような気持ちになる心温まる語りでした。子ども達ならどんな風に感じるのかと気になります。

②ヘレーおじさん 『語りの森昔話集3』/語りの森

ブータンの昔話です。わらしべ長者の逆バージョン、高価なものを順に低いものと交換していく内容です。最後はおんどりと歌を交換し、ブータンでは、だれが見てもばかげた取り引きをする人を、「ヘレーじいさんのようだ」ということです。この手のおちを理解できるのは、中学年以上になります。笑い話ですので、子ども達の前で語ってしか、本当の間は取れませんが、経験からここで笑いがあるかと想像しながら語られました。

繰り返しの品物を交換する場面、「おまえさん、その〇〇と△△を取りかえないか」の前は少し間をとり、考えているように語るといいそうです。

③お月お星 『日本の昔話2』/福音館書店

実子とまま子の話の場合、「ホレばあさん」や「ネコの家に行った女の子」のように良い子と悪い子であることが多いですが、このおはなしは二人とも良い子であるところが気に入ったそうです。なお、まま子に関しては、ヤンさんがブログ(昔話の解釈ー白雪姫)で解説してくれていますので、ぜひ参照ください。そうです!私もまま母になることがしばしばです(苦笑)→https://blog.katarinomori13.com/2020/11/11/%e6%98%94%e8%a9%b1%e3%81%ae%e8%a7%a3%e9%87%88%e3%83%bc%e7%99%bd%e9%9b%aa%e5%a7%ab%ef%bc%93%f0%9f%91%b8%f0%9f%91%b8%f0%9f%91%b8/

最後は母親が謝罪し、目も見えるようになり、家族みんなでハッピーエンドのおはなしです。三人息子がいる私は、どうしても女の子が主人公より男の子のおはなしを選んでしまうのですが、双子の女の子のいるYさんは母の愛が感じられる素敵な語りでした。

④ソーディサルレイタス 『英語と日本語で語る フランと浩子の昔話1』/一声社

子どもに語られたのを聞いて、自分も覚えたくなったそうです。子どもとリズムを作っていくおはなしです。♪ソーディ ソディ ソーディサルレイタス♪と一緒に口ずさみたくなりますね。低学年のおはなしですので、ふくらし粉の説明ができるようにしておきましょう。

⑤びんぼう神と福の神 『子どもに聞かせる日本の民話』/実業之日本社

先月に入会してくれたHさんの初めての発表でした。山形弁の方言が残ったままのテキストですが、方言を大切にしたいと手を入れずに語られました。東北で語りを聞いた経験もあるそうで、違和感なく語られ、大いに笑いがおこりました。

☆ふくろからふたり出てこい 『ロシアの民話集(下)』/岩波書店(ヤンさん)

おはなしひろばにupしてくれていますので、聞いてみてください。→https://katarinomori.xsrv.jp/oh/2020/12/18/%e3%81%b5%e3%81%8f%e3%82%8d%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%b5%e3%81%9f%e3%82%8a%e5%87%ba%e3%81%a6%e3%81%93%e3%81%84/

今回はテキストに手を入れることが少なく、個人的な感想が多い報告ですみません・・・中級クラスは初級クラスのテキスト縛りがないため、一気におはなしの世界が広がった気分です。中級クラスもやる気十分、次回3月16日にお会いしましょう。来年はどんなおはなしに出会えるか、楽しみです(^^♪

西の空をごらん🌟

お日さまがしずむころ、ちょうどいま、南西の空、低いところを見てごらん。
ぱっと見には一つ、きらきら光ってる星があるでしょ。
あれ、実は、よ~く見ると、ふたつの星がめちゃ接近しているのよ。
木星と土星。
左の大きいのが木星で、右上の小さいのが土星。

木星と土星がこんなに近づくのは20年に一度なんだって。
今夜はお月さまもきれいだし、素敵な天体ショーが見られた。
あしたも木星と土星の超大接近がみられるよ~

くわしくは、大阪市立科学館のHP「星空の連帯」のページをご覧ください(こちら⇒)。
下のイラストもそこからいただきました。かわいいでしょ^0^

画像

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もうちょっとでホームページの更新忘れるところでした~
《外国の昔話》
おはなしひろばにUPした「金のとさかのおんどりとひき臼」。語りたい人は、どうぞ~

 

 

第12回語法勉強会「まほうの鏡」🐟🐦🦊

12月18日の金曜日、語法勉強会がありました。
人数制限をしましたので、いつもより人数は少ないです。
久しぶりにお会いした方々と、お互い話したいことは山ほどある中、会場の設営とともに机といすを消毒し、ひたすら準備を手伝ってくださったみなさんにまず感謝です<(_ _)>

今回の話はギリシャの「まほうの鏡」(『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』)です。
主人公は狩人です。ある時狩人は海辺で魚を助けます。魚はお礼にうろこを一枚くれて、助けが必要になったらうろこを燃やせと言います。次に狩人はわしのひな鳥を助けます。親鳥がお礼にしっぽの羽を一枚くれました。さらに、きつねを助けます。きつねは背中の毛を一本くれました。
狩人は、ある国につきました。その国のお姫さまは、なんでも見えるまほうの鏡を持っていました。お姫さまは、かくれんぼをして三日たってもみつからなかった人と結婚する、みつかった人は打ち首にする、というおふれを出していました。狩人は挑戦しました。
まず、魚を呼んで口の中に隠してもらいました。もうちょっとのところで見つかってしまいました。でも惜しかったのでお姫さまは許してくれました。また狩人は挑戦し、わしを呼んで背中に乗せてもらい天の果てまで行きました。が、また見つかってしまいました。狩人はもう一度挑戦します。きつねを呼んで、お姫さまのいすの下まで穴を掘ってもらい、みごとにかくれおおせ、お姫さまと結婚しました。

まず最初に、語法とは何かですが、昔話の語法とは、昔話が持つ独特の言葉の選び方やつながり方のことです。
国語の時間に勉強した文法のように、昔話にも耳で聞いて分かりやすように言葉の選び方やつながりに法則があります。
昔話の語法を学ぶことで、語りがより聞き手にわかりやすいものとなるために、がんばって勉強しましょう(^_^)

テキストに沿って、冒頭部分から順に文法指摘をしてもらいました。
とても全部は書けないので、昔話の抽象性についてまとめてみます。

昔話は、物事や登場人物の気持ちを詳しく説明したり描写したりしません。
抽象的に語ります
どういうところが抽象的なのかというと、名指すだけというのがあります。
たとえば「森」と語る場合、針葉樹林なのか広葉樹林なのか、大きいのか小さいのか、するどい山かなだらかなのか、連なっているのかとか、小説のように森自体の描写はしません。そうすると、聞き手には、聞き手のイメージする山が即座に出て来ます。描写があればそこに注意が行ってしまいますし、聞き手のイメージと違えば修正しなくてはなりません。そんなことは話を先に進めるための妨げになります。
ストーリーを速いテンポで進めるというのもあります。
狩人は、獲物が取れずにひと晩森の中で寝ますが、ただ「森の中でねました」とあるだけです。木の下で寝たのか、木の上に登ったのか、ご飯は持ってたのか、全く説明せず、次の行では、「朝になって、海辺までやって来ると、…」ねたらすぐ朝です。もう、話が進んでいます。余分な文章が全くありません。ぜんぶそぎ落とされています。
昔話の場面は1対1で構成される
これも、小説と大いに違うところですね。耳で聞いて分からないといけませんから、登場人物が多いと分かりにくいし、覚えてられません。語るときも、登場人物が3人以上いるととっても語りにくいですよね。
三・七・九・十二・丸い数を好む
これは、「三びきの○○」「三枚のお札」「三つのねがい」など、タイトルにすでに出ているものも多いですね。話の中にも、特に3は、しょっちゅう出て来ます。3人兄弟・姉妹とか、「まほうの鏡」のように3日以内に見つけなければいけないとか。こういう数字が出てきたらいかにも昔話らしいです。また出て来た!と思うと、かえって安心するように思います。
正確さ
この話でいうと、きつねが正確にお姫さまのいすの真下に穴を掘ったことです。ピンポイントです。少しもずれていません。ずれていたら話が成立しないやんか、というまさにその通りなんです。「ヘンゼルとグレーテル」で、森で迷った二人がたった一軒の小さなお菓子の家にちゃんとたどり着くとか、「白雪姫」が、いばらを踏んで目暗めっぽうに森を走っていたら、小人の家についたとか。よく考えると、確率的には非常に小さくて、昔話の主人公たちはほぼ遭難で終わってしまいそうです。でもちゃんとつくんですね。不思議ではなくて、抽象性の表れなんです。
物理学を無視している
これは、狩人が魚ののどの中に隠してもらうところです。どんだけ大きな魚なんだよ、クジラ級?と思って語る必要はありません。最初に魚が出て来た時のイメージは、そんなに大きな魚ではないと思います。仲買人が競り落とす巨大マグロとかではなくて、スーパーに並ぶくらいの魚をイメージしてるんではないでしょうか? そのイメージでいいんです。その小さい普通の魚が狩人を飲みこんで隠すのです。物理学を無視して。ここで、大きさの整合性を追求する必要は話の筋からいうとありません。はあ、なんとうまく処理されていることでしょうか。
属性にぴったりの隠し方をする
これは、魚は狩人を飲みこんで深い海の底へもぐります。わしは背中に乗せて天の果てへ飛んでいきます。きつねは穴を掘ります。無理なこと、むちゃなことをしていませんね。聞いていて、まったく違和感ありません。「なんで○○が✖✖なんてするの?!」と聞き手が思う暇があってはいけません。その「なんで?!」は、話の筋には全く関係ないので、邪魔なだけです。話をスムーズに進めないといけないんですからね。
そういうわけで、昔話の語法というのは聞き手にわかりやすいために成立しているので、抽象性についての説明も、どれをとっても耳で聞いて分かりやすいためなんだと改めてお勉強できました。

語りの森HPの昔話の語法のところでは、検索機能がついています。そこで、抽象性とか気になるフレーズを入れるとさっと該当箇所が出て来ますので、気になったその都度に調べてみるのがいいかと思います。
語法は確かに難しいです。
あるいは私が覚えられないだけですけど、何度もこの勉強会で違う話を解説してもらうと、薄紙を一枚ずつ重ねるようにではありますが、少しずつ分かってきた…、ように…、ちょっとは思います(笑)
同じ内容を1月19日にオンラインでやってくださいます。
こちらは人数制限ありませんので、お問合せのところで詳細をご覧いただき、お申し込みください。

いよいよ年の瀬も迫ってきましたね。みなさん、お体に気を付けられて、どうぞよいお年をお迎えくださいませ(^o^)/

昔話の解釈ー金の毛が三本ある悪魔7👿

マックス・リュティ『昔話の解釈』を読む

第3章「金の毛が三本ある悪魔」

ここで、リュティさんは、昔話の芸術性について論じます。
昔話には、文学的な節約があるというのです。

それって、なに??

よい類話では、悪魔の三本の金髪を抜くことと、質問を出すことが、巧みに結び合わされている。つまり、三つの質問が三本の毛を抜く理由づけになっています。
両者が無関係に並んでいるのではないということです。
グリムでは、悪魔のおばあさんが、金の毛を抜いて、「夢を見たんだよ」と理由を言いますね。その夢の内容が、若者の課題の内容そのものになっているということです。
ね、無駄がないでしょ。節約です。

さらに。眠りのモティーフについてです。

前半では、若者がぐっすり寝ています。
後半では、悪魔が寝ていて、若者は目を覚まして耳をすましています。
対をなしていますね。
前半は若者が疲れて寝るし、後半は悪魔が疲れて寝ます。

前半は、若者が眠っているあいだに強盗の親切を受けます。
後半は、悪魔は、たたき起こされて、金髪まで抜き取られます。
これも対になっていますね。

おばあさん(女性の援助者)は、立て続けに3回夢を見ます。
夢の内容は、若者が旅の途中(現実)で出会った依頼の内容の正確な繰り返しです。
これも夢のモティーフの変形です。

無駄がありません。節約です。

前半で、若者は3度救われますね。川から、強盗の手から、王さまの手から。
後半では、3度助けをもたらします。
前半では、若者は3度おびやかされ、後半では3度救い主になるのです。

ね、きれいでしょ。
もちろん、実際の口伝えのすべてがこんなふうではないけれど、よい語り手の良いテキストは、こんな美しさがある。
この美しさは、小説のもつ(求める)美しさではなくで、昔話の美しさなんですね。
よい類話は、芸術性が高い、ということです。
その意味で、グリム童話は芸術性が高いなあと愚考します。
だから、世界じゅうで読まれ、受け入れられているんでしょうね。

はい、おしまい。

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きのうは、おはなしひろば更新しましたよ。
ロシアの笑い話「ふくろからふたり出てこい」
おじいさんは、おばあさんを愛してるんですね。
おばあさんも、やっぱりおじいさんを愛しているんです。

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きのうは、昔話の語法勉強会でした。
蜜を避けて感染防止対策をしての勉強会。
ご参加くださったみなさま、おつかれさまでした。
今年度は、さらにオンラインでもやりますね。
《お問合せ・リンク集》からどうぞ(❁´◡`❁)

 

クリスマスマーケット🎄🌟

ドイツのクリスマスマーケットって、とってもきれいなんだって。
写真とかで見るだけだけど、ゆめのような街の風景ですね~
でも、ドイツもロックダウンで、今年はクリスマスマーケットも自粛が多いそうです。

ドイツ観光の、こんなサイトを見つけました。
これは、日本向けの、ドイツのクリスマスマーケットに行きたいけど行けない人のための日本向けのWEBサイトです。

こちら⇒ABOUT US ドイツクリスマスマーケット

明日から開催なんだけど、お買い物とかのページはもう開いていて、見ているだけで楽しい。
あんなろうそくが欲しいなあ
あんなリースが欲しいなあって、思うだけで楽しい。

で、思わず買ってしまった~
食い気が勝った(笑)
シュトレンとクッキー

明日からは、ドイツ文化の紹介動画が配信されます。(1月3日まで)
無料動画もあるから、めっちゃ楽しみ~

でも、いつか本当に行けたらいいな(❁´◡`❁)