ふたりの兄弟🤴🤴

お彼岸ですね。
手作りおはぎをどうぞ~

きょうはグリム童話を取り上げます。
『昔話の本質と解釈』に、竜退治の話として、なんどもでてくる「ふたりの兄弟」
長いからあんまり読まれることも聞かれることもないと思うんですが、壮大なファンタジーです。とっても面白いし、たいじなモティーフがたくさん出てきます。

きょうのおはなしひろばにUPしたので、聞いてください。
50分かかりますので、覚悟して(笑)
これでも、ページ数にしたら半分に縮小したんですよ~
動物たちの言葉のやり取りなど、笑い話的なところは、涙を呑んでカットしました。ぜひ、元の物を読んでみてくださいね。
でも、大事なモティーフは欠かしていませんよ~o(*°▽°*)o
こちら⇒《おはなしひろば》「ふたりの兄弟」

グリム童話KHM60。「二人兄弟」とも表記されます。
第2版から童話集に入ったそうです。
類話が多く、世界じゅうに古くからあったそうです。伝説や神話にもあります。

発端の、金の鳥の心臓と肝臓を食べると、朝起きたとき、枕の下に金貨があるというモティーフ。好きなんですよ~。じつは朝鬱なので(笑)
これを中心にした、独立した話型にもなっています。
ATU567「魔法の鳥の心臓」。

ストーリーの中心になるのは、竜退治の部分。
ATU300「竜退治」として、たくさんの類話を持つ話型です。
日本でも神話「やまたのおろち」(こちら⇒)や昔話「猿神退治」(「しんぺいとうざ」)があります。

兄弟が分かれ道で木の幹に突き刺しておくナイフ、あのモティーフもおもしろいですね。主人公の安否を知らせるので、「生命の標識」といいます。
生命の標識は、刀だけでなく、鏡や水、木などがあります。古くはエジプトの「二人兄弟」の類話に出てきますよ。紀元前1200年ごろです(★‿★)

それから、「貞節をあらわす抜き身の剣」のモティーフも、古い。
兄が、夜にベッドで、弟のお妃との間に剣を置きますね。あれです。

うさぎが取って来る「命の水」も魅力的ですね。
どんな病気でも傷でもたちどころに治す命の水。
主人公を援助する5匹の動物のうちで、もっとも小さくて弱いうさぎが、決定的な力を持っています。

あれやこれやのモティーフが豊かに組み合わさって、「ふたりの兄弟」は、ATU303「双子または血を分けた兄弟」という話型になっています。

『オットー・ウベローデグリム童話全挿絵集』古今舎刊から、「ふたりの兄弟」の挿絵を貼っておきます。
どの場面か分かりますか~?

 

 

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