「勉強会」カテゴリーアーカイブ

11月の日常語講座

11月になり、朝晩すっかり寒くなりましたね。
11月初日の昨日は、日常語講座でした。

語り
「こぶ取りじい」『日本の昔話3』 福音館書店
「蟻通し明神」『子どもと家庭のための奈良の民話一』奈良の民話を語りつぐ会
「ちょうふく山のやまんば」『日本の昔話3』福音館書店
テキスト
「洪水」『語りの森HP』≪外国の昔話≫  →こちら

今回も、楽しく勉強させていただきました。
日常語で語ると、おはなしが丸くなるというか、かつ、語り手の人柄がにじみでるというか、あるいは、にじむ程度じゃなくて、これでもかというほど感じられる、それがまた聞いていて心地よいというか面白いです。

今回、特に心に残ったのは、中国のおはなし「洪水」でした。
これは中国で語りつがれていたおはなしで、それが収集されてドイツ語に翻訳され、『世界のメルヒェン図書館』編訳者の小澤俊夫先生が日本語にされ、今回この「洪水」をテキストとして取り上げられた方は、広島県出身で関西在住が長い方であるということ。
その方の日常語になったテキスト「洪水」は、中国の話でありながら、まるでノアの箱舟のようでもあり、日常語になっているので日本の話のようでもあり、それが違和感が全くなくてすっと耳に入ってきます。
次回、語りを聞ける日をとても楽しみにしています!(^^)!
ああ、楽しみ~~♪

第4回 昔話の語法勉強会に行ってきました。

2016年10月25日、そぼふる雨の中、昔話の語法勉強会に行ってまいりました。

昔話の語法を勉強するのが初めてという方も多数いらっしゃいました。
毎回ひとつの昔話を題材に、細かくどんな語法が使われているのかな、と確認していきます。

ちなみに事前学習として

『こんにちは、昔話です』(小澤俊夫著 小澤昔ばなし研究所刊)
『昔話の語法』(小澤俊夫著 福音館書店刊)

に目を通していきました。

さて、講座のレポートですが。

今回の題材は、

「ちくりんぼう」(『雪の夜に語り継ぐ』笠原政雄 福音館書店)

この昔話は、『日本の昔話5ねずみのもちつき』(小澤俊夫再話 福音館書店)に収録されている「三枚のお札」の原話です。

まずは、「ちくりんぼう」を語ってくださいました。

「語法に気をつけて聴いておいてください」

と言われたのに、本気で楽しんで聴いてしまいました(;´∀`)アハハ

語ってくださったのは、「三枚のお札」を日常語に直したお話です。

そして、段落に分けた原話の「ちくりんぼう」を

「どんな語法が隠れているのかな~♪」とひとつひとつ確認していきます。

そしたらば、出るわ、出るわ。花咲じいの宝のようにざっくざっくと。

発端句から始まり、時代・場所・人物を不特定に語る固定性

「あるお寺の方丈が小僧にね、」と不特定に語っているのに頭に浮かぶのは、ひとつのお寺と、一人の和尚さんと、一人の小僧さんの姿。
背景も、複数いるであろう小僧さんの姿も頭には浮かびません。(昔話の孤立性

冬木を取りに行ってこいと、三枚のお札を渡され、一人で山にいく小僧さん。(三という数字=固定性、一人で出かける=孤立性
まさに外的刺激を受けて一人で旅に出るのです。

お札から出るのは針の山(昔話は硬いものを好む)、火の山(昔話は原色を好む。火=赤)

一度に会話しているのは方丈さんと小僧さんだけ。(昔話の場面は一対一で構成される

ほんの数行の間にこれでもかと出てきます。そのたびに他の昔話でも具体的な例を挙げていただき、「ふむふむ、なるほど」と理解は深まります。
確かに「かしこいモリー」も幸せ(結婚)と引き換えに王様に取引を持ち掛けられて一人で旅に出ます。指輪や剣など硬いものを取ってきますね。
姉妹も三人だし、王様の息子も三人だわ。|д゚)

この場合の旅とは旅行ではなくて、主人公の内面、精神的な成長を促す試練への旅路であり、主人公の意思は関係なく行かされてしまうところが、この先のストーリーを期待してワクワクと期待感を煽られてしまうんですよね。

ストーリーは主人公の幸せな結末に向かって一直線に進みます。幸せになるとわかっているから安心して聴き手も一緒に主人公になりきって冒険できる安心感。
耳で聴いて理解しやすい一対一の場面。
日の暮れた山で途方にくれても灯りや小屋は見つかる安心感。
「鬼ばばが出るぞ」と言われたら本当に出てくる満足感。
異界の生き物とも会話が成り立つ楽しさと分かりやすさ。
楽しい三度の繰り返し。
面白くてわかりやすい極端な表現。
ピンチの時にはすぐに出てきてくれる火の山、針の山のお助けアイテム。
ギリギリのところでタイミングよく危険を回避しながら進むスピード感のあるストーリー展開。
間抜けな鬼ばばは最後には必ず退治される満足感。

あれ? 昔話の語法って聴き手が昔話に期待するところそのものじゃない?

それもそのはず、語り手の聴き手への深い愛情が、聴き手の求めるものに応えるように語られてきたことで、この形式、つまり語法が出来上がったのですよ!
その愛情は世界共通なんですよ!
これこそリューティさん曰くの「昔話の形式意志」!(だと思う)

それでですね、『昔話の語法』(小澤俊夫著 福音館書店)の冒頭に戻るわけですよ。引用しますとね、

「昔話はどこにありますか」

この言葉の意味に気付いたときにぞわっと鳥肌が立ちました。(;゚Д゚)
この言葉を語法のテキストの最初にもってきた小澤先生さすがだなぁ。深いなぁ。

伝承の語り手ではない私たちは、研究者さんたちが掘り出してきてくれた昔話資料を訳者や再話者を通したテキストから語るしかないのですが、実際聴き手の前で語るのは私たちですからね。
その場、『昔話』を一時共有する目の前にいる人たちのために愛情をこめて語りたいですよね。
というわけで、より理解を深めるためにこれからも精進しましょう!

次回の第5回昔話の語法勉強会は2017年2月17日だそうです。

最後に今回の講座で紹介された本です。
『こんにちは、昔話です』小澤俊夫著 小澤昔ばなし研究所
『昔話とは何か 改訂』小澤俊夫著 小澤昔ばなし研究所
『昔話の語法』小澤俊夫著 福音館書店刊
『ヨーロッパの昔話 その形式と本質』マックス・リューティ著 小澤俊夫訳 岩崎美術社
『昔話 その美学と人間像』マックス・リューティ著 小澤俊夫訳 岩波書店
『昔話の本質 むかしむかしのあるところに』マックス・リューティ著 野沢 泫訳 福音館書店 絶版 1985
『昔話の解釈 今でもやっぱり生きている』マックス・リューティ著 野沢 泫訳 福音館書店 絶版 1982
『昔話の本質と解釈』マックス・リューティ著 野沢 泫訳 福音館書店 1996

再話勉強会のご報告です(^^♪

10月14日(金)、再話勉強会が行われました。
前回7月に再話した話の語りと、今回あらたに再話してきたテキストの検討です。
今回も、各人・各グループ渾身の作が並びました。

語り
「ねずみのよめいり」 『日本の昔話13紀伊半島の昔話』日本放送出版協会
「いり豆こわい」 『新装日本の民話7近畿』ぎょうせい
「久米の仙人」 『新日本古典文学大系35今昔物語集三』岩波書店

テキスト
「信濃の国の聖の事」 『新編日本古典文学全集50』小学館
「熊おやじと狐」 『世界の民話37シベリア東部』ぎょうせい
「きつねとたぬきの化かしっこ」新装日本の民話6東北・北陸』ぎょうせい
「いり豆こわい」 『新装日本の民話7近畿』ぎょうせい
「お月さんとお日さんとかみなりさん」 『丹後の民話第一集』峰山孔版社
「水晶の山」 『アファナーシェフ ロシア民話集』(上) 岩波書店

「いり豆こわい」が語りとテキストの両方にあるのは、グループが違うからです。
同じ原話をふたつのグループがそれぞれ再話した場合、お話の筋は同じでもテキストは全く同じではない、というのをこの話で実際目の当たりにし、勉強になりました。
それに、筋は同じでも再話者が違うと微妙に違う言い回しといいますか、点と丸のまえの文の少しの違いで、再話している人たちの雰囲気が出るんだなと、再話の面白さを感じました。
同時に、再話の怖さでもありますね。
変えるつもりはなくても、おはなしの持つメッセージとか文章の意味を知らないうちに変えてしまう未熟さを自分に感じるからです。
let’s 精進!

私は、「水晶の山」を出しました。
ヤンさんに、補う言葉を指摘していただき、すっきりわかるテキストになりました。
すこし、補う…。
このすこしが、家で再話しているときに全く出てこない。
これも、let’s 精進!

それにしましても、みなさんステキなグループ名を考えてきておられて、テキストに記入しておられます。
え! いつのまに、そういうことになったの?
そのうえ、どれも「かわいい」「すてき」「みやび~」と思ういいのばかり。
大変出遅れた感じの私は、みんなのステキさに対抗するために(対抗する必要はないのだけれど)、次回からジュリエットとかエカテリーナとかにしようかな!(^^)!
(それは、芸名だよ…)
let’s 精進!

10月 日常語の語り勉強会

暑かったり、寒かったり、運動会だったり、台風だったり、何だか落ち着かない今日この頃。

皆さま、いかがお過ごしですか?

10月4日に行われた 日常語の語り勉強会 の報告をさせて頂きます。

 

<語り>

つる女房」 『日本の昔話4』

海のはて」 『日本の昔話4』

 

<テキスト>

こぶ取りじいさん」 『日本の昔話3』

ちょうふく山のやまんば」 『日本の昔話3』

化けものをひと口」 『日本の昔話1』

どっこいしょ」 『日本の昔話5』

※『日本の昔話1~5』は 福音館書店/小澤俊夫再話 です。

 

今回も一つひとつじっくり時間をかけて取り上げて頂きました。

特に「擬態語」「オノマトペ」の扱いについて、ヤンさんよりいろいろとおはなしがあり、みんなで考えました。

①もともとその土地で使われていたであろうものは、それを大切に残す。

その場所・地方での独特の言い回しやリズム・音のおもしろさがあるから、長い間語り継がれてきたと思われるので、尊重し後世に伝えたい。

語感は人それぞれ違っていてとても個人的なものなので、勝手に変えてしまうことで、語られていた当時のおはなしの雰囲気、様子やニュアンスをガラリと変えてしまうおそれがある。(私たちは、文字になった時のテキストでしか分からないから)

③そういった言葉言い回しをそのまま使うことにより、自分のものにできたなら、自分の語彙を増やすことにもなる。

これらのことから、擬態語・オノマトペはできるだけ、そのまま使った方が、無難ではないか。

しかしながら、熟練の語り手が上手に変えて語り、それがおはなしにピタリとはまった場合、とても面白い!!ということもある……

私たちの勉強会ではこのテーマについて、これからもみんなで考え、勉強していきたいと思います。

 

出席された皆さま、フォローをお願い致します~(+_+;)

ヤンさん、こんな感じでいいでしょうか~?……

 

いつものように長文になるかと思いきや、意外と短くて不安になっている かぶ

ワークショップ「おはなし会のプログラム」

7月と9月の2回セットで行われたワークショップ「おはなし会のプログラム」の報告です(^^♪

㋈23日(金)が第2回目で、参加した7グループが考えたプログラムについて、実際にいいところ、悪いところを見ていただきました。
各グループのプログラム概要は以下の通りです。

い組
聞きなれた4年生(25人)に、授業時間(ゆとりの時間)45分間、教室で。目的:しっかりお話に耳をかたむけてもらいたい。テーマ:秋
ろ組
おなじみの6年生(25人)に、授業時間45分間、図書室で。目的:物語を楽しむ。テーマ:なし
は組
小学校高学年(1クラス35人前後)に、授業の1時間。目的:「命のつながり」を感じとって欲しい。テーマ:命
に組
6年生(40人位)に、各教室で。目的:成長をメインにして、大自然と生き物の美しさを伝える。テーマ:成長、自然、動物
ほ組
毎月行っている小学校の1年生(20数名)の春に、授業時間に教室で。目的:はじめて聞くおはなし会。うれしく、楽しいものに。テーマ:自然の声に耳をかたむける。
へ組
1年に1度、冬に行く小学校の1年生(30人位)に、授業時間に視聴覚室や和室で。目的:物語を楽しむ、本とつなぐ。テーマ:なし
と組
1学期と2学期に1度ずつ行く小学校1年生(30~35人)に、授業時間に会議室で。目的:いろいろなおはなしを聞いて楽しんでもらう。本に興味を持つようにつなげていきたい。テーマ:なし

い~は組の3グループが、提出したプログラムの通りにみんなの前で実演し、その後プログラム資料を見ながら批評・検討、に~と組は実演無しの批評・検討をし、時間いっぱい真剣にみんなで勉強しました。

今回は、プログラムの組みかたの勉強でしたから、おはなしの語り方についての内容は除外なんですが、い組は組の4人のお姉さまの語りに大変感銘を受けましたので、感激のあまり書かせていただきます。
声の大きさ、滑舌、よどみなさ、間の取りかた、何をとっても聞きやすい抜群の安定感! 4人のお姉さま方が、今までどんなに努力されてきて、言葉の一つ一つを大事に丁寧にして語られているかを感じながら聞かせていただきました。言葉で人に伝えるということは、熱意だけでも技術だけでもうまくいかないんだなと改めて感じるとともに、両方が備わってうまくいく語りを目の当たりにし、私は幸福にお尻が浮きそうでした。勉強会なのに、こんなに幸せに聞いていていいのか!という位の幸福感を感じつつ、同時に、(ああ、自分がお姉さまの年齢になったとしても、絶対こんな語りはできない。長く語ればよくなるというものではないのだ)ということを思い知ってショック!
現に、4人のお姉さまのうちのお一人は、私と語り手キャリアがほぼ同じなのを私は知っております( ;∀;) さあ、どうする私!(そして、「どうする~」のエコーが延々と続く…)

そうです、プログラムです。
私は最後のと組でした。メンバーは3人で、持ち話の中から一生懸命考えました。提出した時点で、自信は全くありませんでした。「これでよろしいか? さあ、みなさま、ヤンさん、どうかどこからでも突っ込んでください、そして正解を教えてください<m(__)m>」状態で臨みました。結果は…
①芯になるおはなしがない。
②(1年生の場合)テーマはなくてもいいけれども、なんでも放り込むおもちゃ箱になっているのがダメ。
なるほど、よくわかりました。そのうえ、どんな話を芯に持ってきたらいいのかもたくさん教えていただき、芯が決まれば2番目の話、絵本やおまけの話も組み合わせ、改造レベルアッププログラムを教えてもらいました。こんなうれしいことはありません!
ありがとう、ヤンさん!
ありがとう、ご意見下さったみなさん!
と組はこれからも頑張ります!!\(^o^)/

そして、と組以外の組のみなさん、聴講されたみなさんも、よかったらコメントをお願いします。各組それぞれにいい内容の検討があったんですが、かなり長くなりましたので、これ以上はもう書けません。
よろしく(バタリ)