月別アーカイブ: 2015年9月

9月中級講座

ぽんです。
関東、東北では雨のものすごい被害がでていますが、近畿地方では、やっとお日
様が出てくれましたね。
今日は久しぶりに洗濯物がカラッと乾いてくれました。
さて、今日は中級講座でした。
今日取り上げたお話は、
「みつばちの女王」 『語るためのグリム童話4金のがちょう』 小峰書店
「熊の皮を着た男」 『おはなしのろうそく7』 東京子ども図書館
の二つでした。
前回7月までは一回で三話取り上げていたんですが、なかなかのボリュームで、
時間オーバーになることも多く、
一話、一話をもっと丁寧にやろうといことで、今回より1回で二話に変更になり
ました。
今日はその第一弾。
いやぁ、充実。配られたレポートも充実。お二人とも、ものすごく沢山の文献に
あたられ、その詳しいレポートには脱帽でした。
(次回担当の私にはものすごいプレッシャーですが)
グリムの版違いの比較、他の類話との比較、登場するアイテムや人物の潜在的に
持つ意味、等々、次回担当の私には「どないしよー」って感じでした。
お話をただ覚えるだけではなくて、類話比較や同じお話の再話をいくつも比較検
討することの大事さをひしひしと感じました。
ただ、漫然と「面白いお話やから覚えよう」だけではダメなんですよね。
午後からの補講で、少しずつ再話もやっているんですが、こちらの方も進んだの
はたった数行でも、その中に考えさせられることがいっぱいあって、こ ちらも
充実の内容でした。
今日はいつもに増して、疲れました。
そして、担当して下さったお二人に感謝です。
ありがとうございました。
                           byぽん

夏休み明けの子どもたちと  byヤン

八月の終わりごろ、夏休み明けの子どもたちは精神的に不安定、というようなこ
とが、テレビとか新聞とかで報道されていましたね。
夏休みが明けると、そんな声もぴたっとやみました。なんでかな?
ともあれ、幼稚園や学校が楽しいところであるようにと祈って、お話を届けてい
ます。
今週のおはなし会。
幼稚園 5歳児  20分 2クラス
「ヤギとライオン」 『子どもに聞かせる世界の民話』矢崎源九郎編/実業之日本社
「くらいくらい」 口伝え
小学 1年生 15分 1クラス
「大工と鬼六」 『日本の昔話』小澤俊夫再話/福音館書店  日常語で
「ギーギードア」 『おはなしはたのしい』たなかやすこ
「じいとばあ」 『山城和束の昔話』より村上再話
「ながいはなし」 口伝え
幼稚園 4歳児 20分 2クラス
「ホットケーキ」 『おはなしのろうそく18』東京子ども図書館
「くさかった」 『子どもと家庭のための奈良の民話3』
はい、このとおり。お腹かかえて笑い転げるお話ばかり。
先生「今日は何のお話やった?」
子ども「めちゃおもしろい話」
おもしろかったことしか覚えていないのです。
それでいいのです。
夏休みが終わった。でも、お話はおもしろかった。
1年生の先生が子どもたちに、「みんないっぱい笑ったねえ」とほめていました。
ステキな先生です。
  ヤン

初級の人たち  byヤン

きのうは、うちのサークル(ババ・ヤガーではない)の初級講座でした。
去年の入門講座の受講者を中心に、お話を初めてまだ1年未満の人が多数を占め
ています。
動機も年齢も、住んでいる地域もさまざまです。
みなさん、へえ、こんな話があるのかと、発見しながら、選んで、覚えて、語っ
てみて。
月一回の勉強会ですが、つぎつぎと新しいお話に挑戦しています。
まるで、幼子が、歩けることがうれしくて、一歩一歩足を踏み出しているよう
な、明るさと楽しさに満ちた集まりだなあ、と感じているのは、私だけで しょ
うか(笑)
「こねこのチョコレート」 『おはなしのろうそく20』東京子ども図書館
「貧乏神」 『語りつぎたい日本の昔話』くもん出版
「ぼたもちがえる」 『子どもと家庭のための奈良の民話3』
「ついでにぺろり」 『おはなしのろうそく4』
みなさん個性豊かです。
その個性を大切に大切に育てていきたいと思います。
それを、「変なクセ」として切り捨てたくありません。矯正したくもありません。
自分で気づき苦労して、でも楽しく歩いてほしいなと思います。
とうぜんテクニックはまだ持ち合わせていません。
もちろん、子どもにきかせるためにはテクニックは必要。
でも、誰かのまねであったり借りものであったりするのではなく、じぶんで身に
つけていってほしいと思います。
きのうは、めずらしく時間に余裕があったので、この4話のあと、少し先輩のお
ふたりに語ってもらいました。
講座のお手伝いのかたと見学のかたです。
「みんな、5年たったらこうなるよ〜」って、いちど聞いてもらいたかった。
でもね、ここまで来るには、おふたりとも、そうとうの努力をされているのですよ。
効果があったのかどうか、その日発表した初級の人たち、来月ももう一度同じ話
に挑戦しますって。
時間をかけて少しずつ、それぞれの歩幅で、進んでほしいなあと思います。
来週から、2015年度の入門講座が始まります。
今年も、10人募集に、15人の応募がありました。
図書館にお願いして、日程を増やし、全員のかたを受け入れることにしました。
新しい出会いが楽しみです。
またまた、「え〜っ、覚えるんですかあ〜っ」って言われそうやけど(笑)
  ヤン

9月更新  byヤン

ホームを更新しました。
読んでくださいね〜
≪日本のおはなし≫
「くじら石とはさみ石」
JR関西線の月ヶ瀬口で降りて山に向かうと梅林があります。
関西ではちょっと名の知れた梅林で、梅の季節にはたくさんの人が見物にやって
来ます。
ふだんは静かな村です。
この月ヶ瀬村に残っている伝説を紹介しました。
山間の谷川ならどこにでも見られる大きな石を、天狗が作ったと空想し、いかに
もそれらしく語り伝えています。
人間味あふれるユーモアが、好きです。
『子どもと家庭のための奈良の民話』のために再話したのですが、書籍では私の
日常語、ホ−ムページでは共通語で載せています。
共通語のままでもいいですし、ご自分の日常語に直してもいいですし、語ってみ
てくださいね。
「さかべっとうの浄土」
さかべっとうとは、白い蝶ともカゲロウともトビゲラとも言われている、羽のあ
る昆虫。
命の短いはかない羽虫で、それが群れをなして川をさかのぼるそうです。
昔話では、龍宮城とか山の中とかの異界に出かけて行って、三日たって帰ってき
たと思ったら、三十年、三百年たっていた、という話はよくあります ね。
その逆のバージョンです。
中国唐の時代の故事に「邯鄲(かんたん)の夢」というのがあります。立身出世
したいと、故郷を離れた若者が、仙人から望みのかなう枕をもらう。
その枕で寝るとたちまち出世して、結婚して、それからは落ちぶれたり救われた
りしながら紆余曲折の人生をへて、最後は幸せな余生を送り、天寿を全 うする。
と思いきや、ふと目を覚ますと、今までのことはみんな夢だった。人生とはそん
なもの、諸行無常、という話です。
この中国の故事と同じテーマです。
はかない羽虫の浄土に行くというイメージにひかれ、語ってみたいと思いました。
「地獄に行った吉兵衛さん」
地獄に行って、エンマさんを手玉に取って帰ってくる話。
昔話として、各地に様々な類話があります。
落語で有名なのは「地獄八景亡者の戯れ」。落語をもとに書かれた絵本『じごく
のそうべえ』も人気がありますね。
吉兵衛さんの気楽な生き方、うらやましいです(笑)
鬼たちも、あんまり恐くないし。
閻魔さんが鬼と引きつれて獄を回るところなんか、まるでお医者さまの回診!
ファンタジーの面目躍如といったところです。
≪外国のおはなし≫
「みじめおばさん」
『グリム兄弟の知らなかったおはなし』が原話です。
弘法伝説のように、聖者が旅人として訪れる話は、ヨーロッパにもあります。グ
リム童話の「貧乏人と金持ち」もそうですね。
「みじめおばさん」もそのひとつです。
死神が木にくっついて離れなくなるモティーフも、ヨーロッパではよく出てきます。
わたし「それから、世の中はどうなったと思いますか?」
子ども「わからない」
子ども「老人が増える」
音声は、図書館でのおはなし会のようすを録音したものです。
「老人が増える」……いまどきですねえ(笑)
少し前は、子どもたち、「死ななくなる」といいましたね。
ライブ録音です。
ずうっとしゃべり続けている2歳さんの声、聞こえますか?(笑)
それでも、ほかの子たちの集中は途切れていないでしょう。
かつての囲炉裏端での語りのひと時も、こんな感じだったのかなあと思います。
「九尾のきつね」
怖い話です。
朝鮮半島の古い資料集から再話しました。
しっぽが九つあるきつねは、もともと中国の神話に登場するそうです。
日本では、歌舞伎の玉藻の前が九尾のきつねですね。絶世の美女に化けて出てき
ます。
しっぽが九つなくても、きつねは化けます。そして、人を化かします。
『子どもと家庭の奈良の民話2』には、きつねが化かす話をいくつか入れています。
そういえば、いぜん、夫と笠置温泉に行ったとき、帰り道で狐に化かされて、ど
んどん山の中に入っていったことがあります。
「ババ・ヤガー」
はい、私たちのサークル名です(笑)
≪ババ・ヤガーって?≫を見てください〜
ババ・ヤガーはふしぎな魔力を持っていて、その力で人を助けることもあるし、
人を害することもあります。二面性を持っています。日本のやまんばも 同じで
すね。
この話では、ひたすら恐ろしい魔女です。
小屋の中で機織りをしていますね。糸紡ぎをしていることもあります。機織りも
糸紡ぎも、本来女神の仕事です。
こういうところに、キリスト教以前の神のなごりが見えるのかなあと思ったりし
ます。
それから、日本のやまんばは、追いかけるのが好き。
「三枚のお札」も「馬方やまんば」も、めちゃ走りますね。
ここのババ・ヤガーも走ります。
私は、自分の中に、魔女的なものを感じることがあります。
いえ、魔女というようなハイカラなものでなくて、やまんば。鬼婆。
限界状況に近い場面で、根っこのように足が地面についているような落ち着きと
いうか、自信というか、世界と一体になった感じを持つことがありま す。
で、やまんばってこんなふうに生きてるのかなあと思うことがあります。
え? ただの開き直りやって?
≪語るために≫
「語りに向くテキスト」について書きました。
どんな話でも語りかた次第でテキストになります。でも、そういってしまえば身
もふたもない(笑)
テキストがうまく選べなくて、挫折することはままあります。とくに初めて間の
ない人は。
具体的な表現のひとつひとつをこのコーナーに書くわけにはいかないので、原則
だけ書きました。
聞いてわかりやすいかどうか、ひとりでは判断しきれないことがあると思います
ので、語り仲間たちと聞きあって学び合いたいものです。
このコーナーで取り上げたらいいと思われる課題、ぜひお知らせください。
お待ちしています。
  ヤン

屋根裏の寄り合い 9月  byヤン

きのうは久々の寄り合い。
屋根裏は上からの照り返しがきついので、8月はお休みしました。
お集まりくださった方々、ありがとうございました。
地道な努力は実るということ、同じ話を繰り返して語ると自分のものになるとい
うこと。当たり前のことが実感できたおはなし会になりました。
プログラム
てあそび 「おさらにおはしに」
「ヤギとライオン」 『子どもにきかせる世界の民話』矢崎源九郎編/実業之日本社
「ついでにぺろり」 『おはなしのろうそく4』東京子ども図書館
「風の神と子ども」 『おはなしのろうそく9』東京子ども図書館
「トウモロコシどろぼう」 『子どもにきかせる世界の民話』
「上緒の主と金の石」 『宇治拾遺物語』
「おばけとモモちゃん」 『ちいさいモモちゃん』松谷みよ子/講談社
「ものしり博士」 『グリム童話集』金田鬼一訳/岩波書店
「九尾のきつね」 ババ・ヤガー語りの森
それから、新刊絵本の紹介も、いつものごとく充実していましたよ〜
夏の疲れを癒してくれて、心があったかくなるお話ばかりです。
『あっ・ほっ』 五味太郎/絵本館
『きをつけて1〜3』 五味太郎/童心社
『だれかさん』 内田林太郎・今森光彦/福音館書店……切り絵絵本です。
『どこにいるか わかるかな?』 ブリッタ=テッケントラップ・木坂涼訳/ポ
プラ社……こんなプリント生地の服が欲しい〜って思ってしまった。
『はいくないきもの』 谷川俊太郎文・皆川明絵/クレヨンハウス……黙読すると
なんじゃいな?読んでもらうと最高!
などなど、いっぱい読んでもらいました。
しあわせ。
次回は11月。
え?10月はって?
へへへ、屋根裏を出て遠足で〜す。
  ヤン