日別アーカイブ: 2015年12月7日

12月更新 天地を結ぶ植物

なぜ12月、師走、年末は気ぜわしいのだろうか……
といいつつ、更新のお知らせです。

といいつつ、その前に。
12月9日に、ババ・ヤガーで、再話比較勉強会「ジャックと豆の木を読む」が
あります。
私たち語り手は、再話されたテキストを覚えるという宿命がありますね。
ちょっとでもいい再話を探しましょう、それにはどうしたらいいのかな、というのがテーマの勉強会です。
その準備のために「ジャックと豆の木」の再話集めをしていたときのことです。
豆のつるを登って天に行くというモティーフの話がいくつもあることに気付きました。
それで、ちょっと寄り道して、このモティーフのある話を集めてみました。
そうしたら、日本にも外国にもありました。
豆のつるだけでなく、植物が天と地を結ぶ話。
たくさんあったんですが、ここでは4話だけ紹介します。

≪日本のおはなし≫

「豆の大木」
新潟の昔話です。
おじいさんとおばあさんが豆を植えるとか食べるとか言ってけんかをするところから話は始まります。
いかにも日本の昔話ですね。このパターンってよくあります。
このサイトでは日本の話として「豆さんころがれ」を紹介ているので、見てください。秋田県に伝わる話です。
天上の世界で出会うのは、雷さま。で、雨を降らせる手伝いをするのです。
話型でいうと、「傘屋の天のぼり」。「鴨とり権兵衛」「源五郎」なんかとおなじ。

「たなばた」
奈良県吉野に伝わる話。
「天人女房」のはなしです。
ここは、豆のつるではなくて、「ユゴの木」を伝って登っていきます。
このユゴって、何の木のことなんでしょう。ご存知のかた教えてください。
植物の名前は、その土地によっていろいろに変化しますね。
木に登って天にいく話は、外国のおはなしで「天まで届いた木」を紹介しています。ドイツの話です。

≪外国のおはなし≫

「豆のつる」
リトアニアの昔話。
こぼれた豆が芽を出して天まで届く。天上の世界にいたのは神さま!笑い話です。
音声は小学3年生。
子どもたちの声、聴いてください〜
「ハッピーエンドと違うやん」っていってるでしょ。
その向こうでおじさんの声が聞こえませんか?これは担任の先生の声。
「世界にはいろんな話があるいうことやなあ」っておっしゃってる(笑)
なぜお父さんが一人になってよかったのか、自論を展開してる子もいましたよ。

「日と月と星」
朝鮮半島に伝わる話。
「天道さん金のくさり」の類話です。
これは、上からカボチャのつるが下りてくるのです。怖い話ですねぇ。
子どもに語るのが、めっちゃ楽しみ〜

最後にジャックと関係ない話。

≪日本のおはなし≫

「くさかった」
全国に分布する笑い話です。おまけのおはなしとして、重宝しています。
音声は4歳児。
「ホットケーキ」のおはなしのあと、もっとしてほしがったのでおまけです。
オチはぜんっぜんわかってませんね(笑)
2年生ではわかりますよ。

ではみなさま。
聞いてください。
語ってください。
そして、ご感想をお願いします。

  ヤン