日別アーカイブ: 2017年4月9日

語りの森総会レポート♬

もっちです。
4月7日、某所、語りの森総会がありました。
日ごろ講座を受けている語りの森の魔女たちが一堂に会しました。
このブログにもレポートしています初級、中級、再話、日常語の各講座のババたちです。
顔馴染みがいたり、初対面だったり、入門講座の同期だったり。
「今日はおはなし会があるらしい」と聞き及んで来てくださったお客様だったり。
たくさんのお客様とババたちをお迎えして始まりました。
受付でピンク色の紙に印刷されたパンフレットをもらいます。中には今日のおはなし会のプログラムと語りの森のすべてが書かれたリーフレットが挟まれておりました。

そして会場に入ると、4月1日に完成した『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』がお出迎え。
会員の皆様のお支えにより完成したこの再話集には、ホームページでアップされている昔話をさらにブラッシュアップし、また未公開の昔話も加えての30話を所収しています。
(現在、ホームページで公開していた再話テキストは、再話集のテキストと入れ替えのため工事中です。昔話集はHOMEの森の市場からもご購入いただけます)

総会らしく、語りの森の事業報告、会計報告を済ませ、『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』の発刊を記念して祝賀会が行われました。
他の講座の方の語りを聴く機会と交流を図る目的で総会を企画したこと、ご自分で再話した語りを子どもたちに聴いてもらっても紹介する出典本がないこと、子どもたちの手に届く場所に読んでもらえる形の出典本を置いていけないことから再話集を作ろうと思ったことなどを話され、皆さんが胸と目頭を熱くしていたところに忍び寄る黒い影、五つ……ふっふっふ。
ヤンさんが大ファンのさだまさしさんの曲のキーボード生演奏をBGMに、記念品のペーパーウェイトと花束が手渡され、会場から温かい拍手が生まれました。
そして語りの森合唱団が前に登場。キーボードの生演奏でアンパンマンマーチの大合唱。
子ども向けの絵本、アニメと思われがちなアンパンマンですが、その歌詞は本当に奥が深く、胸にじ~んと染みます。
合唱で発声練習を終えるとお待ちかね、語りの森のおはなし会の開催です。各講座からエントリ—を受け付け、厳選なる抽選の結果、選ばれたみなさんによる学習発表会……ならぬ語りの発表会です。

プログラムは……

「まぬけなトッケビ」『おはなしのろうそく30』(東京子ども図書館)

「ねずみのすもう」『おはなしのろうそく18』(東京子ども図書館)

「地獄に行った吉兵衛さん」『語りの森ホームページ≪日本の昔話≫』村上郁再話

「小石投げの名人タオ・カム」『子どもに語るアジアの昔話2』(松岡享子訳・こぐま社)

「くじら大王」『子どもと家庭のための奈良の民話2』(村上郁再話・京阪奈教育情報出版)

「久米の仙人」『今昔物語集』より、グループ再話

「ルンペルシュティルツヒェン」『語るためのグリム童話3』(小澤俊夫監修・小峰書店)

「若がえりの水」『日本の昔話4』(おざわとしお再話・福音館書店)

「岩くだきと堂せおいと知恵もん」『日本の昔話5』(おざわとしお再話・福音館書店)

「洪水」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』(村上郁再話・語りの森)

「だんまりくらべ」『貴志の谷昔話集』よりグループ再話

「大きな玉」『日本の民話11』(ぎょうせい)よりグループ再話

「ばらの花」『世界の民話14』(ぎょうせい)よりグループ再話

「水晶の玉」『語るためのグリム童話7』(小澤俊夫監修・小峰書店)

「九尾のきつね」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』(村上郁再話・語りの森)

「うそつきくらべ」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』(村上郁再話・語りの森)

 

と、盛りだくさんです。これでもエントリーしてもらったみなさんに語ってもらうことができなくて、涙をのんで抽選した結果なんです。
初級講座のみなさんは、初々しくも、やはり入門講座より成長した姿をお見せできた気がいたします。

日常語講座のみなさんは、本当に自然な日常語で「語り手さんそれぞれの味」が楽しめるおはなしになっていたように思いました。石川県や広島県の方言がベースになっていてもそれはその人の味。とても聴いていて楽しいリズムとなって届きました。

中級講座の方の語りは、しっかり基礎を築き、昔話の語法を理解し類話比較をされたうえでこれを語っているという揺らぎのないものを感じました。「ルンペルシュティルツヒェン」を語られた方にもっちは尊敬の念を抱きました。「大工と鬼六」と同じく名前を当てるお話なのですが、ドイツの名前って馴染みがないですからね。でも、ハインツはすっと耳に届きましたよ。なんでかな~。(スーパーマーケットの調味料コーナーを思い出してください)

「水晶の玉」は、最初に別のおはなしの類話を集めていて、結果「水晶の玉」を選ばれたそうです。状況の一致がパシパシッと決まって気持ちがいいくらいです。

再話勉強会のみなさんは出典にあげました原話からグループで再話されています。
「久米の仙人」はうっかり俗なことを考えたせいで神通力を失くしてしまいますが、世のため人のためと神通力を再び得る仙人の男の話です。どう転んでも前を向いて歩く仙人は昔話の主人公らしく、再び神通力を得るまでの場面に人智を超えたエネルギーを感じてとても迫力がありました。

「だんまりくらべ」の原話をもっちは読んではいないのですが、すっきり無駄のない素直なお話になっていて、ストーリーがよく分かりました。声を出したおばあさんのおかげで泥棒を追い払えたのに、勝ちは勝ちとおもちを食べてしまう滑稽さが楽しいおはなしです。

「大きな玉」は、大きな玉が転がってきて動物たちが次々と中に入ってしまいます。玉はどこまで転がるのか、入ってしまって出られなくなった動物たちはどうなってしまうのか、ドキドキしながらも動物たちがあげる鳴き声がどんどん繋がってきてとても愉快です。これも累積譚になるのかしら……?

「ばらの花」はどこか美女と野獣に似たお話です。でも野獣ではなく醜いカエル。でもカエルはとても紳士で娘に優しく、でも情熱的に求婚します。とてもロマンティックな雰囲気が伝わってきました。
いつか再話勉強会の再話をまとめた再話集が出るのでしょうか~。

そしてトリはヤンさん。『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』から二話語ってくださいました。

「九尾のきつね」は何度聴いてもぞっくりします。骨にしょんべんなどひっかけるものではありません。
「うそつきくらべ」はね、最初、王様にもうちょっとマシな条件でお姫さまのお婿さん探ししてあげてよと内心突っ込んでおりましたが、なるほどな結果です。とっても面白いので、総会でお聴きになれなかった方は、ぜひ『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』読んでみてくださいね。

そして語りの森おはなし会が終わると昼食交流会です。
差し入れに頂いたお菓子とお茶でまったり雑談していたところに、いきなり振られた自己紹介!!
そういえば他講座や語りのボランティアさん方の交流も目的の総会でしたね、っと詰まりかけたおにぎりをお茶で流し込みました。
語りが流暢なあの方も、この方も自己紹介は苦手だと仰っておられ、もっちは仲間を見つけて嬉しかったりもしましたが、それで自分のスピーチ下手がうまくなるわけではないのです。(^_^;)

楽しかった、また講座全体のおはなし会をひらいて欲しいなどなどありがたいお声をたくさん頂戴いたしました。
事務局スタッフとして、疲れも吹っ飛ぶありがたいお言葉です。みなさまの笑顔と温かいお言葉が原動力になることでしょう。

どうぞ、一言でも感想とご要望をコメントにお寄せください。

あ、総会でうっかりもっちの顔バレしましたが、事実はそっと胸の奥にしまっていただいて、コメントを送る際にはどなたさまもニックネームでの呼び掛けでよろしくお願いいたします。
でも。『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』通販の申し込みフォームは暗号化されてますので、実名でお願いいたします。
でないと、

おんちょろちょろあなのぞき
お届けできずに戻られそうろう

になっちゃいますよ~。