これまでの『日常語での語り講座』が今回から
『日常語による語りクラス』に名称変更致しました。
2018年、一つ目の勉強会が1月9日にありましたので報告致します。
<テキスト>
「さるの顔はなぜ赤い」 語りの森ホームページ 日本の昔話より 村上郁/再話
→https://katarinomori13.com/jfolktales.html
「ふるやのもり」の類話ですね。
共通語のテキストでは、「しっぽがぷつんと切れてしまいました。」のように擬態語と動詞がくっついていることが多いですが、
関西弁の日常語テキストを作る際は、思い切って「ぷつ~んて、しっぽが切れてしもてんて。」のように前に擬態語を持ってきても、いいかもしれません。大阪弁は擬態語・擬声語がとても多いそうです。それらを楽しく誇張するような話し方が自然なこともあります。
「『笑』という字」 『ナーミンのためのテキスト』
奈良の民話を集めたものからの出典ですが、ヤンさんによると、このようなおはなしは日本中にたくさん残っているそうです。
それを聞いた受講者のお一人が「そうか!なるほど!今年買った切手の絵がね、犬が竹をかぶっているんですよ。どうしてかなぁ、と不思議だったんですよね!このおはなしからですね!」と言いました。
切手の画像を調べてみると確かに52円切手は犬張子(いぬはりこ)が竹の笊(ざる)をかぶっています。かわいい~。
犬張子について少し調べてみました。犬張子は郷土玩具として江戸時代に発達し、後期には今の丸みを帯びた立ち姿になったといわれています。犬は安産・多産なことから「安産祈願」「成長祈願」の縁起物とされていたそうです。笊(ざる)をかぶった「笊かぶり犬」は、犬に竹をかぶせると「笑う」という字に似るので、笑門来福 よく笑う家庭になる、という江戸の粋な洒落っけから作られたそうです。(本当の「笑」の字源はくさかんむりに手をあげて舞う巫女の形から「しなをつくる」→「口がしなをつくる」→「笑う」だったそうです。)
子どもの成長を祈ったり、笑って過ごしたいという江戸の人たちの想いが、おはなしとして全国あちこちに残っていたということですね。
短いおはなしですが、江戸時代からずっとつながった人の想いを感じられ、幸せな気持ちになっちゃいました~
<語り>
「金剛山のとら」 語りの森ホームページ 外国の昔話より 村上郁/再話
→https://katarinomori13.com/wfolktales.html
次回もう一度語りにチャレンジして下さるそうです。完成を楽しみに待っております。
「聞き耳」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』 村上郁/再話 語りの森
元のテキストは「ネリヤ」のままで共通語で再話されています。これを今回は「竜宮」に変えて関西弁の日常語にされます。「ネリヤ」のような、その土地や地方の独特な言葉や名称を変えることで雰囲気が変わってしまい、全体的なおはなしのイメージもくずれてしまうことがあります。ひとつ変えることで、他も変えなければならないこともあります。よく注意しなければなりません。
<お楽しみ・ヤンさんの語り>
日常語での語り「貧乏神」 日本の昔話5 福音館書店
共通語での語り「アナンシと五」 世界の民話 実業之日本社
今日も一話一話じっくり丁寧に取り上げて頂き、たいへん勉強になりました。
ヤンさんのおまけの語りも二つも聞けてなんてラッキー♪ しかも日常語と共通語!
しかも「アナンシと五」は元の原話資料には入っている「その次は?」という台詞まで教えて頂き、これが子どもとの掛け合いで成り立つおはなしである、というものすごい真実に、さらに語り方まで教えて頂き、なんともスーパースペシャル贅沢な新年一つ目の勉強会でありました。
みなさま、今年もよろしくお願いいたします。
子どもたちにすてきなおはなしを届けられるようにがんばりましょう~(*^_^*)