月別アーカイブ: 2019年12月

研究クラス🎄

今年度2回目の研究クラスの報告です(^^♪
研究クラスは年間で3回あり、当番にあたっている人があらかじめ1話決めて、その話についてレポートを仕上げます。
当日は、その話をみんなの前で語り、レポートの説明をしてみんなで語りやその話についての考察をします。
その後は、呪的逃走譚の読みあいをして、呪的逃走モチーフの中味、身代わりを置くのか、変身するのか、何かを投げるのかなどを突き止めていきます。

今回のレポートは「旅人馬」でした。
語りをするためのテキストは語りの森ホームページの中の日本の昔話の中にある「旅人馬」を覚えられました。
そしてレポートが、なんと、研究クラスはじまって以来ではないでしょうか!?
類話30話を表にまとめてくださったのですが、A4用紙を貼り合わせてどでかいサイズで作成してくださいました!
旅行に行くときの折り畳み地図みたいにしてくださっています。
え? 折り畳み地図が分からないとか?
Gマップしか知らないとか言わないでくださいよΣ(・□・;)
昔はスマホもカーナビもありませんでした。
(しばし時間トリップしてしまう中高年のワタクシ…)
とにかく、見やすい表を作成してくださいまして、ありがたかったです。

そして、その後は呪的逃走譚の読み合わせをしました。
今回は、ロシアの昔話で「魔法のルバシカ」を2話よみました。
同じタイトルですが、内容が違うのでございます。
読みあわせた結果、この2話は呪的逃走ではないということになりましたが、おはなしが面白くて、読んでいる最中にも突っ込みが入りまくりでした(笑)
おばちゃんたちが、国語の授業みたいに一人が読んであとの人が聞いているんですが、笑ったり、「えーっ!」と言ったり、突っ込みを入れたり、ワーワーいいながら進んでいきます。
勉強なんですけど、おはなしの楽しさがあふれかえっていて、研究クラスは緊張と緩和のアップダウンが一番きついかもしれません(笑)
次回もまた楽しみです!(^^)!

12月度 初級クラス

今月は入門講座を終わられた方も見学に来てくれた中での初級クラスでした。

まずは、手遊び「メリークリスマス」をヤンさんが教えてくれたのですが、上手くできない大人続出・・・親指を上にあげて、人差し指あげてを左右で繰り返す単純なことなのに、途中で「あれれ・・・?!」子どものほうができるかもしれませんね(笑)

さて、今月もバラエティ豊かな発表でした。

(語り)

①がまんの石と刀  『子どもに語るトルコの昔話』/こぐま社

初めて20分超えのおはなしにチャレンジされました。気になる言葉もあり、練習しているうちに納得のいかない言葉は自分で変えられたそうです。また、語るときに問題のない接続語も省かれました。どこまで手を入れていいのか不安だったそうですが、ヤンさんがチェックしてくれ、ほぼ問題ありませんでした。

長いおはなしは子どもの集中力が続かないので、ストーリーが理解できるなら、無駄な言葉は省いて、ストレートな文にしたほうがいいそうです。

このおはなしは、子どものいない夫婦のもとに、神の使いである老人が現れ、子どもが欲しいという願いをかなえてくれます。しかし、せっかく授かった娘は7年の間、眠っている若者の見張り番をしなければならない、と言われます。7年が過ぎ、若者は目を覚ましますが、このおはなしはそれだけでは終わりません。

後半になって、深い悩み事を打ち明けるたびに膨れ上がり、しまいに粉々に砕けてしまう「がまんの石」ができています。娘がお風呂に入っている間に旅芸人の娘が衣装をうばい、娘になりすますのです。若者に娘は「がまんの石と刀」を買ってきてほしいと依頼します。そして、今までの出来事を「がまんの石」に打ち明け、刀でつきさして死んでしまうところを若者が助けます。その瞬間、魔法がとけ、若者は王子にもどり、結婚するという幸せな結末で終わります。魔法にかけられて眠り続ける王子を待つおはなしで「いばら姫」を思い起こさせますね。

②馬方やまんば  『日本の昔話5』/福音館書店

タイトルを言った時点で「馬方」の説明をしましょう。馬方にとって馬が生活の一部であり、いかに大切であるかを理解させると、最後の「だいじな馬まで食われたかたきうちだ」の意味を深く理解できます。

前半の馬の足をぶったぎり、やまんばから逃げる場面は低学年の子どもでも楽しめますが、後半の火の神さんやかたきうちは高学年にしか理解できないそうです。

語り方のアドバイスとして、やまんばの繰り返しのセリフ「おかざあ、おまえをとってくうぞ」の「おかざあ」が分かりにくいと指摘を受けました。「うまかたやまんば」(おざわとしを再話/福音館書店)の絵本では、「おかなきゃ」と書き換えており、語るときに変えてもいいそうです。

③桃太郎  『子どもに語る日本の昔話3』/こぐま社

このおはなしを知らない子どもはいないのではないでしょうか。しかし、桃太郎には松居直さん(福音館書店)の絵本に代表されるような優等生バージョンと、このおはなしのように、毎日ごろごろして寝ているばかりの劣等生があります。子どもたちは優等生バージョンを知っていることが多いと思いますので、違いを楽しめる小学3、4年までのおまけとして語れるそうです。

細かな点としては、となりにいる若い男が桃太郎を山に誘う場面「今日は、山へいきましょうやあ」では「今日は」を立てて語るようにしましょう。

④だんごころころ  『語りの森昔話集1』/語りの森

句読点で切れないことを意識されて語られました。

お地蔵さまとおじいさんのやりとりは、誰が言っている言葉なのかをしっかりイメージして、助詞「が」と「は」も間違えないよう確実に覚えましょう。

⑤お経を忘れた和尚さん  『語りの森HP』語りの森

和尚さんと小僧さんの笑い話です。お葬式に行く途中、和尚さんはかえるを踏んづけたと思いました。後ろを歩いている小僧さんはかえるではなく、なすびだったことに気づきます。お経を読むときになって、和尚さんは忘れてしまったので、かわりに「かえるを踏んだら、キュウと鳴いた」、小僧さんはそれに続けて「よく見ればなすだった」と読み上げます。

短い笑い話は難しいですが、Nさんは上手に語られ、爆笑した人が数名いました。ぜひ、子どもに語って下さいね!なお、このおはなしは「語りの森昔話集4」に掲載予定だそうです。

⑥いうことをきかないうなぎ  『おはなしのろうそく7』/東京子ども図書館

イタリアの昔話ですが、チョギアという町は実際に存在するそうです。ベニスが水の町であることや運河、ゴンドラなどの言葉も理解する必要があり、高学年のおまけのおはなしです。

⑦ミアッカどん  『イギリスとアイルランドの昔話』/福音館書店

他人に助けられたのではなく、自分で自分の危機を乗り越えたトミー。すでに小学1年生に語られたそうですが、終わってから「トミーは賢いな~」と言った子がいたそうです。

≪ヤンさんの語り≫

こびとのおくりもの  『語りの森昔話集1』/語りの森

次回の初級クラスは2月4日(通常の第2ではなく、第1火曜)になります。1月はありませんので、間違えないようお気をつけください。

クリスマスまであと1週間、早くクリスマスプレゼントの準備をしなければと焦っているジェニィでした。では、少し早しですが、皆様よいお年を!

12月のおはなし会1🎄

12月3日(火)
中学2年 朝20分
おはなし「まほうつかいの弟子」『語りの森昔話集3しんぺいとうざ』村上再話
ブックトーク『クラバート』プロイスラー作

12月5日(木)
幼稚園5歳さん 一クラスずつ2回
ろうそくぱっ
おはなし「三匹の子ブタ」『イギリスとアイルランドの昔話』石井桃子編訳
ろうそくぱっ

わたし「きょうのおはなしは、さんびきの」
こども「こぶた!」
わたし「そ、こぶた」
こども「やったー!」
でもね、オリジナルを知っている子は少数。
だから、ふっと吹いてぷっと吹いてのところは、楽しく余裕で聴いてたんだけど、こぶたが食べられると、「え?」ってびっくり。「いいカブのできる畑知ってるぞ」のところからはぐっと集中しました。「あれ、ちがうぞ?」って、手に汗握る感じね。

12月6日(金)
小学1年生 朝学習
おはなし「三匹の子ブタ」『イギリスとアイルランドの昔話』石井桃子編訳

幼稚園4歳児
ろうそくぱっ
おはなし「おおかみと七匹の子やぎ」『語るためのグリム童話』小峰書店
ろうそくぱっ

おおかみが死んで、ほんとにほんとに喜んでくれました!
「七匹の子やぎ」の見本みたいな聞きかたでした(笑)

学童保育1年生
おはなし「あなのはなし」『おはなしのろうそく』
おはなし「スヌークスさん一家」『おはなしのろうそく』
おはなし「おはなしかめさん」『朝鮮の民話』偕成社(ジミーさん)
絵本『みにくいシュレック』ウィリアム・スタイグ/セーラー出版(ジミーさん)

ふうう、今日は三連ちゃん~~~

だれの時間でしょう❓

入門講座が終わりました。
ご家族やご自身の事情がゆるさず、最後まで行き着けなかったかたが、今年もいらっしゃった。
やってみようという意志はあっても、できないことって、あるよね。

自分のことを思いかえしたとき、乳幼児をふたりかかえて無事入門最終回まで参加できたのは、奇跡かも知れない。

そのあと、30年以上もやめずに来られたのも奇跡に近いかも知れない。
いや、あながち、奇跡とは言い切れないかも知れない。
どっちやねん(笑)

というのはね、家族のことや仕事のことや健康のこと、いろんなしがらみの中でのわたしの人生でしょ。
おはなしを止めるという選択肢はあった。というか、そういう危機は何度もあった。
やめなかったのは、わたし自身のためにやっていたから。
たとえば、家族も仕事も健康もすべてゼロになった自分がいたとして、その自分が本当にやりたいたった一つのことはなんだろうって、考えたのね。
そのことのために、一日のわたしの時間を少しでも使いたかった。
で、それが、おはなしを語ることやったの。
わたしのためのわたしだけの時間。

おはなしなんて、たいしたことではないけどね。
でも、自分のすることの価値を決めるのは、自分やからね。
ほんで、自分の人生は自分のものやからね。

あと何年元気で生きられるか分からないけど、人生の終わりに、うん、ちゃんとやりたいことをやったよ、楽しかったよって言えたら幸せやな。

ババ・ヤガーの仲間たち、講座に来てくださる人たち、長い人生の道の、ほんの少しの間だけどいっしょに歩けるのは、嬉しいな。よろしくね。

来年度からは、入門講座の主催はがらがらどんからききみみずきんに移ります。
ほんとはね、入門は今年で閉じようと思ってたのよ。寄る年波でね~
ききみみのみなさま、引き取ってくださってありがと~。
ききみみのおかげで、来年もまた新しい出会いを期待できます💖

おはなし入門講座⭐発表会🌟

今週火曜日、今年度のおはなし入門講座の発表会がありました。
3回にわたり、≪おはなしとは何か≫から、≪選びかた≫、≪覚えかた≫とつぎつぎと新しい知識を詰め込み、発表会の日に向けてテキストを詰め込んでこられたことと思います。
毎年みなさんそうなんですが、とても緊張して臨まれます。
それはそうですよね。
真剣におはなしと向き合ってこられたからこその緊張だと思います。
どうぞリラックス、リラックス~~(*^_^*)

今年の受講生のかたは7人ですが、人の世はいつもままならないものです。
当日間近に都合がつかなくなったかたが2人おられまして、発表は5人のかたでした。
今年初めての試み、語る順番はその日に抽選で決まりました!

1番くじ 「三枚のお札」『語りの森昔話集1ねむりねっこ』語りの森
2番くじ 「死人の手」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森
3番くじ 「ねずみのすもう」『おはなしのろうそく9』東京子ども図書館
4番くじ 「こびとのおくりもの」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森
5番くじ 「まほうの鏡」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森

いろんな話がそろいましたね。
どの話もそれぞれおはなしの世界があり、どれも違うのですが、緊張と戦いながら一生懸命に語る姿はみなさん同じです。
熱心な気持ちと、おはなしに対する新鮮でまじめな気持ち、聞いていていろいろなことを感じました。
そして、聞いているわたしは、毎年みなさんからエネルギーをいただいていると思います。

時間に余裕があったので、その場にいた者が急に語ったおはなし
「おはなしかめさん」『朝鮮の民話』偕成社 (ジミー)
「屋根がチーズでできた家」『子どもに語る北欧の民話』こぐま社 (ジェニィ)
「スヌークスさん一家」『おはなしのろうそく2』東京子ども図書館 (ヤン)
ジミーは、練習の機会を与えてもらってラッキーでした。

おはなしの時間が終わって、発表会の感想を5人のかたに言ってもらったんですが、みなさんたいへん客観的に自分の語りを分析されていて驚きました。
家で練習していたときと、実際に発表会で語ったときの違いを述べ、これからどうしようという展望を述べ、とても勉強になったとおっしゃいまして、初めてでなんでそこまで到達するのかと驚きました。
頼もしいというか、なんというか、「1話でそこまで考えるんですか!?」
自分の駆け出しのころのことを思うと、ただ遠くを見つめるしかありませんでした(笑)
さっそく初級クラスの入会を決めてくださったかたが2名おられました。
まだ考え中のかたも、それぞれの思いや時間の都合もあると思いますが、出来たらこれからも一緒に勉強していきたいと願っております。
講師のヤンさん、受講生のみなさん、見学に来てくださった熱心な語り手のみなさん、本当にお疲れさまでした。
今年も入門講座は、とっても充実していました(^o^)/