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5月度 初級クラス

他の方も書かれていますが、10連休は長かったですね~私はご飯を作っては片付けの繰り返しでうんざりでした・・・子ども達も宿題が多めに出ており、3連休ぐらいがちょうどいいとぼやいていました。

さて、長い連休で初級の皆さんは練習する時間があったのでしょう(^^)完成度の高い楽しいおはなしが沢山きけ、今月も楽しい勉強会となりました♪

では、報告です。

①ものをいう卵  『語りの森HP』/村上郁 再話

以前、句読点でとぎれることを指摘され、その点に注意しながら語られました。

おばあさんの家でブランシにお米を渡す場面、

それから、おばあさんは、ブランシにお米をひとつぶわたして、「これをすり鉢に入れてすりこ木でついてごらん」といいました。ブランシがとつぶのお米をすり鉢に入れてすり木でつくと、たちまち、すり鉢はお米でいっぱいになりました。

修飾語がある場合、どの言葉が重要なのかを理解して語らなければいけません。一回目はブランシの目に見えたもの「お米」が大切であり、二回目は「ひとつぶ」がいっぱいになったことが重要ですので、「ひとつぶ」を立てて言う必要がありますね。

また、「やがて」「そして」「それから」など、接続詞は目で見る(読む)ためにあり、語るときは間でかえることができます。ですので、接続詞は強調せず、その後の文を丁寧に語りましょう。

②魚と指輪  『子どもに語るイギリスの昔話』/こぐま社

昨年12月の入門講座に発表されてから、約半年間あたためられ、今回の発表となりました。指輪の言い方が変わるので覚えにくかったそうですが、途切れることもなく、2回目の発表とは思えないほど、素敵な語りでした。

③地主の頭は何斤か  『子どもに語る中国の昔話』/こぐま社

まずはじめに、「斤」が中国の重さの単位であることを説明してくれました。

二人の兄弟がよそより多くお金を払うという大地主の家で働くのですが、1年経つと難題を出され、解けなければお金を払わないと言われます。先に兄が働きにいきますが、問題が解けず、無一文で家に帰らされます。翌年に弟がいき、見事地主をやりこめ、兄の働いた分までもらって帰るという痛快なおはなしです。

ヤンさんから、「このおはなしの姿(『ノート式~』P32参照)は何でしょう?」と質問がありましたが、私達が答えることができず・・・これは社会的地位の低い人が知恵を使って、高い人をまかす「笑い話」です。それを理解して語ると、地主の言い方も変わってくる、とのアドバイスでした。

④米山薬師  『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/語りの森

2回目の発表で、怖く語ることを意識されました。

声を低く、ゆっくり語るほうが恐怖感が出てきます。茶屋のおばあさんの言葉「あんなところへ行くと、帰ってこられなくなるぞ。~」はもう少し怖く語るほうがいいでしょう。逆に次郎が穴の中に葉を入れ、火をつける場面はもう事件が解決した後のことですので、軽く語ればいいそうです。

⑤鳥のみじいさん  『日本の昔話3』/福音館書店

1年生の初めての授業のおはなし会に語ろうと覚えました。「じさ/ばさ」は口になじまないので、「じいさん/ばあさん」に変えました。

「みたこともないきれいな小鳥が、ぷあぷあぷあーと飛んできて、」の文で一番重要な言葉は、小鳥です。を立てて言うように意識しましょう。また、じいさんがあくびをする場面は「ふああ」と言うのではなく、実際にあくびをするといいそうです。

鳥がじいさんの腹の中へ飛びこむ場面、「そのとたん、鳥がぷあぷあぷあーと飛んできて、じいさんの腹の中へとびこんでしまいました」とありますが、口からじいさんの腹の中へと「口から」を付け足すと、小さい子ども達はよりイメージがしやすくなるでしょう。

最後の「それからというもの、じいさんは毎日、へその羽をひっぱっては、町じゅう、うたって歩きました。」とありますが、歌っているのは腹の中の鳥です。この書き方だとじいさんが歌っているようにもとれるので、ヤンさんは「うたって」を省いているそうです。

⑥めしを食わないみいさん  『語りの森昔話集1 おんちょろちょろ』/語りの森

1年生から6年生までの子ども達が入り混じった場で語るそうです。1年生には分かりづらい言葉が出てくるが、その場で上手く説明ができるか心配されていました。

「蛇(じゃ)」→「へび」、「梁」→「天井」と言葉を言い換えて語ればいいそうです。「五升めし」はたくさんということが分かればいいのですが、「炊飯器10個分」と説明すれば、分かるかなと言われていました。本番でも説明するなら、入れながら練習をしたそうがよさそうですね。

よめさんがにぎりめしを頭の口の中へ入れるときの「しっとんしっとん」や、よめさんが鬼になって追いかけてくるときの「ブーンブーン」などの擬態語はイメージをしっかり持ち、聞き手に恐怖感をあたえましょう。

⑦ハープをひくハチとネズミとゴキブリ  『子どもに語るアイルランドの昔話』/こぐま社

若者がおっかさんと二人きりで暮らしていますが、悪天候で食べるものに困り、おっかさんに頼まれて若者が牛を売りにいきます。しかし、市場にいた男とつまらないものと取りかえてしまうという、「ジャックと豆の木」と同じ導入です(若者の名前もジャックです)。しかし、手に入れたハープ、ハチ、ネズミ、ゴキブリの音楽と踊りで、7年間一度も笑ったことのないお姫さまを笑わせ、最後は結婚し、幸せを得ます。

ハチが小さい小さいハープをひき、ネズミとゴキブリが、後ろ足で立って、ハープに合わせて踊る姿、想像するだけで楽しいですね。

若者が牛を売りに行く3回の繰り返し、お姫さまを笑わせる3回の繰り返し、テキストは少しずつ言い方が違っており、覚えにくかったそうです。子ども達にとって3回の繰り返しは分かっていても、予想していたことが当たって楽しいものですが、言葉が出てこない間や言い直しは、おはなしから離れてしまいます。

長いおはなしは構成を十分に理解し、体力も気力も必要です。これは長いおはなしでなければ経験できませんので、無理とは決めつけず、初級の皆さんもどんどんチャレンジしましょう!

☆ヤンさんによる語り  だんごころりん  『語りの森HP』/村上郁 再話

次回初級クラスは6月11日、中央図書館・会議室(集会室前の狭い方のお部屋)です。その前に来週火曜の 語りの森 総会でお会いしましょう。

4月度 初級クラス

今年の桜は遅咲きだったおかげか?!、雨が降っても全ては散っていませんね。桜を見ているだけで癒されます。

さて、4月度の初級クラスは「祇園の夜桜、ぱっと咲いた~♪祇園の夜桜、ちょっと咲いた~♪、祇園の夜桜、ぐっと咲いた~♪」の手遊びで始まりました。

今月の語り

①矢のくさり  『語りの森昔話集1 おんちょろちょろ』/語りの森

語る前に「アメリカインディアンのおはなし」と一言添えるとよいでしょう。皮の服にやまあらしの針で飾ってある靴下、お葬式のときに聞こえてくるたいこや顔を黒くぬった村人達など、インディアンならではの独特の生活が描かれているからです。

おばあさんが口に手を当てると食べ物が出てくる場面を力んで語ってしまいました。この後に重要な援助者からの贈り物が描かれますので、その前はさらっと語りましょう。

②みるなのくら  『日本の昔話1』/福音館書店 

語り方がおはなしにぴったりで、完成度の高い語りでした。一の蔵から十一の蔵まで、子どもならどんな景色を想像するのでしょう。「四の蔵 花見」や「七の蔵 七夕さま」はイメージしやすいでしょうか?!「九の蔵 大嵐」や「十の蔵 刈り入れ」は難しいかなと思ったり・・・ぜひ子どもに語ってくださいね。

③あなのはなし  『おはなしのろうそく2』/東京子ども図書館

間が命のおはなしですね。間の取り方は聞き手の年齢や経験によって違うでしょう。練習しているときは、間はとれません。子ども達の前で語って初めて間ができますので、練習のときには自分で「ここで間をとろう」とは考えず、一気に語りましょう。

緊迫感が始まる後半、オオカミがやってくる場面。動物たちが小屋のどこに隠れるか、そしてオオカミが口をあけてパクリと食べてしまいますが、どんな風に飲む込むのか、しっかりイメージしましょう。すると同じ言い方ではなく、一つ一つ違ったものになるはずですよ。

④かめのピクニック  『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/語りの森

入門講座を終えられ、初めて語られました。「父さんがめと(間)、母さんがめと(間)、息子のかめです。」初めは誰もが経験しがちですが、句読点は読むためのものですので、この1文は間をいれずに一気に語りましょう。

練習しているときに、同じところでばかり間違えるので、今日の発表のときもその箇所にくると力んでしまい、必要のない間をとってしまったとの反省でした。

「そうそう」と思い切りうなづいてしまいました。間違えたらいけないと思うと、余計に力が入ってしまいますよね。どうすればいいか?「その部分だけを繰り返し練習するのみ」とのことでした。

⑤三匹のこぶた  『イギリスとアイルランドの昔話』/福音館書店

3番目の子ぶたは「おおかみをうまくだましてやったぞ!」という気持ちを持って語るとよいでしょう。でもわざとらしくはならないように。

⑥手なし娘  『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/語りの森

はじめに衝撃的な導入が書かれています。新しい母親が娘を憎み、父親に山で殺してくるように頼みます。しかし、父親は殺すことができず、両手を切って、そのまま山にのこして家に帰ってしまいます。手を切られたところでは、聞き手が「はっ」と思うように、短いですが丁寧に語ることが大切です。

⑦田の久  『子どもに語る日本の昔話1』/こぐま社

旅役者の意味を理解できない場合があるので、「旅回りで芝居をして稼いでおった」と言い換えるといいでしょう、とのアドバイスでした。

「うわばみ」の説明、Kさんはタイトルを言う前に説明したのですが、最初ではなく、おはなしの中で出てきたときに「へび」と一言添えるだけでいいそうです。

こぐま社の特徴、会話文と字の文に方言と共通語が混ざって書かれており、覚えにくかったそうです。私も福音館書店の日本の昔話が覚えやすく、語りやすいです。

☆ヤンさんによる語り  六匹のうさぎ  『語りの森昔話集1』/語りの森

語りの後、ノート式から「おはなしの選び方」の勉強をしました。やはり一番大切なことは、「自分が好きなこと」。読んでみて「こんなおはなしがあるよ」と思わず他の人に言いたくなるようなおはなしを選びましょう。本にも書かれていますが、対象年齢の書かれたテキスト本や先輩から勧められたおはなしは、あくまで目安にしましょう。

私は息子が3人いますので、どうしても女の子のおはなしより、男の子の成長物語が好きな傾向にあります。同じようなおはなしばかりに偏ってしまうのでは?と思いますが、それでいいそうです。おはなし会は一人ではなく、複数でしますので、それでプログラムを考えればいいそうです。

5月度のクラスでは続きの「2、聞き手の視点からの選び方のポイント」を勉強しますので、読んできてくださいね。

さて、ついに「語りの総会」の抽選が終わりましたね。私は一昨年に語ったので、関係ないとたかをくくっていたのですが・・・見事に当たってしましました。あ~緊張しますね。どんな素敵なおはなしが聞けるか、そして昔話集3にはどんなおはなしが集録されているのか、今から待ち遠しいです!

3月度 初級クラス

暖かくなってきたと思ったら・・・マスクが手放せない花粉症の季節ですね。今年はいつもより飛散量が多いのでしょうか?!薬を飲んでもくしゃみに目のかゆみがひどいです(><)花粉症でない人が羨ましい限りです。

さて、今月の初級クラスの報告です。今回3名の方が入門講座で発表されたおはなしを語ってくれました~!

①おんちょろちょろあなのぞき  『語りの森昔話集1 おんちょろちょろ』/村上郁 再話

接続詞をテキスト通りに語れなかったり、主語を飛ばしてしまった、との反省でした。     けれど、入門講座から2回目の発表とは思えないほど、間違えた雰囲気を出さずに語られていました。本番では間違えてしまっても、言い直すことはせず、しれっとして語りすすめましょう。ただし、タイトルにもある通り「ねずみはちょろっと顔を出し」が正しく「ちょっと顔を出し」ではありません。大切な言葉ですので、間違えずに語りたいですね。

②おおかみと七ひきの子やぎ  『おはなしのろうそく18』/東京子ども図書館

Sさんも入門講座からの発表でした。語るときの目線をどこにもっていけばいいか?と質問がありました。全員が答えたのですが、ほとんどの方が聞き手と目を合わさない(合わせれない)とのことでした。聞き手が子どもの場合は、反応が気になりますし、問題なく顔を見れますが、大人ばかりの勉強会ではなかなか難しいものです。

ヤンさんからのアドバイスは語るときの姿勢について。足を床にしっかりつけましょう、その方が落ち着き、声もお腹から出せますよ。

③福田屋のプリン  『10分で読める名作二年生』/学研

入門講座からの3人目の発表です。約15分の創作で会話文が多いのですが、間もうまくとられ、福田屋のプリンが食べたくなりました!このおはなしは初級クラス用おはなしリストにはありませんので、次回はぜひリストから語ってくださいね。

④がちょうはくちょう  『おはなしのろうそく27』/東京子ども図書館

ヤンさんは語られる前に「がちょうはくちょう」と「ババヤガー」の説明をされているそうです。「がちょうはくちょうは、悪いいたずらをしたり、子どもをさらっていったりするといわれていました」とマーシャがイヴァーヌシカを追いかけていく前に書かれていますが、最初に説明しているので、この文は省くそうです。                                   細かな点では、パン焼きかまどのペーチカが立っていました、とありますが、ペーチカがありました、と変えるといいそうです。ペーチカを知らない子どもが聞くと、ペーチカが人の名前と勘違いするからです。また、金のまりとありますが、まりを知らない子どもがいるので、ボール言い換えているそうです。

「にわとりの一本足の上に立った小屋がひとつ見えました~」のババヤガーの小屋の説明、糸紡ぎをしているババヤガー、この場面は、丁寧に聞き手がイメージをしっかりできるように語りましょう。また、後半のがちょうはくちょうから逃げる場面は「ミルクの川、ありがとう」までが一つのまとまりになりますので、ここで間をとりましょう。同じように「リンゴの木、ありがとう」の後で間をとるとよいとのアドバイスでした。

⑤小さな赤いセーター  『おはなしのろうそく8』/東京子ども図書館

数少ない、幼稚園児にも語れる小さい子ども向けのおはなしですね。創作ですので、一語一句変えずにきっちりと覚えましょう。「セーターは屋根をこえ、かきねをこえ、野原をこえ、とんでいきました」なのですが、野原草原と思い違いをして語られました。草原ではもっと広いイメージになりますので、気をつけましょう。

⑥米山薬師  『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/村上郁 再話

今まで前半に力が入りすぎ、後半が練習不足の反省を生かし、今回は前半はあらすじを頭に入れ、まず後半から覚えられたそうです。盛り上がる後半を自信をもって語られていました。

怖いおはなしですので、語る前に笑顔で「今日はこわーいはなしをするよ」とアナウンスし、聞き手に心の準備をしてもらうといいでしょう。

☆ヤンさんによる語り   世界でいちばんきれいな声(三歳バージョン)  『おはなしのろうそく11』/東京子ども図書館

「〇〇と言えるでしょうか?」の問いかけに、「言えませーん」と言わずにはいられない、間の取り方、とても勉強になります。

次回初級クラスでは、「ノート式」の『おはなしの選び方』(P18~P23)を勉強しますので、各自読んできてください。                                        おはなし選び・・・私は覚えるより難しいです。ヤンさんはよく「定番のおはなしは何ですか?」と聞かれ、「定番はありません」と答えるそうです。今までこんなおはなしを聞いてきた子どもなら、この時期に、このおはなしなら聞けるだろうと考えておはなしを選ばれているからです。どんなおはなしも定番になりえる、聞き手を見て、自分なりの定番を見つけることが大切です。

なお、日本の五大昔話(桃太郎、かちかち山、さるかに合戦、舌切り雀、花咲爺)は室町末期から江戸初期にかけて成立した代表的な昔話ですが、決して定番のおはなしではありませんよ。

2月度 初級クラス❆

インフルエンザの大流行も少し落ち着いてきたでしょうか。我が家も2年連続で次男と三男がかかりました(><)でも、初級クラスのある、この日から登校可能日で無事参加できました!

今月も7話のエントリーがありましたよ。さてさて、おはなしは・・・

①「ロバの耳をした王子さま」   『語りの森HP』/村上郁 再話

以前から語りたいと思っていたおはなしがHPに掲載されたので、小学1年生の朝学習用に覚えました。                                                注意すべき点は・・・                                           ①葦の草が生えてきました→本来は「葦が生えてきました」になりますが、聞き手がと間違えないよう、ヤンさんはわざと草を付け足しているそうです。アクセントに注意して語りましょう。                                                 ②「王子さまの耳はロバの耳」→床屋が穴に向かって、笛が鳴るときでは重みが違います。穴に向かっては、今までずっと我慢していてやっと言えたのですから、その点をしっかりイメージして語りましょう。

王子さまが帽子を脱いだときの子ども達の反応が楽しみです!しっかり練習して、本番に備えたいです。

なお、このおはなしは 『子ども 世界の民話(下)』/実業之日本社 にも掲載されていますが、この本は 『子どもに聞かせる世界の民話』/矢崎源九郎 をさらに子ども達が読めるように手を加えられており、語りには向かないそうです。

②「だんだんの飲み」   『日本の昔話5』/福音館書店

亭主がお腹の痛みをとめるために、かえる→蛇→きじ→狩人→鬼をつぎつぎに飲み込む累積譚です。和尚さんが「それでは、〇〇をのめ」と言いますが、〇〇を言う前には子ども達に考える間をとりましょう。小さなものから大きなものにクレッシェンドしていますが、子ども達の驚きもどんどん大きくなります。

かかさ、ととさの夫婦のかけ合いは重要ではありませんので、スピードにのせて語りましょう。

③「だんまりくらべ」   『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/村上郁 再話

間が命の笑い話ですので、句読点でとまらないよう、意識して語られました。おもちが一つずつ減り、最後の一つをおじいさんとおばあさんのどちらが食べるかをめぐって、だんまりを競争する楽しいおはなしです。五個から減っていくだけですので、幼稚園児でも楽しんで聞けますね。

④「へこきじい」   『日本の昔話1』/福音館書店

最初のじいさんと欲ばりじいさんの言葉が全て違い、覚えにくかったそうです。5年目に突入のYさん、少しずつテキストに手を入れる練習をしてもいいのでは、とのアドバイスでした。

⑤「アナンシと五」   『子どもに聞かせる世界の民話』/実業之日本社

タイトルの「五」を言うときに、手の5本指で五と説明しておくといいそうです。

子どもははとの奥さんの気持ちになって聞くと思うので、アナンシが怖すぎないように語りましょう。また、聞き手が雑念を考えてしまわないよう、もう少し句読点で止まらずに語るといいですね。

このおはなしを語られている方も多いかと思うのですが、                     みなさんは、はとの奥さんは「五」という言葉を知らなかったと思いますか?それとも、知っていたけれど、わざと知らないふりをしたのでしょうか?                     ヤンさんが語られたとき、はとの奥さんは空を飛んで、あひるやうさぎが食べられたのを見ていたから、わざと知らないふりをしたと言った子どもがいたそうです。子どもの想像力は無限ですね。

⑥「ハヴローシェチカ」   『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/村上郁 再話

Nさんの久々の語りでしたが、もう一度聞きたいとコメントした人がいたほど、おはなしにあった心地よい語りでした。

☆ヤンさんによる語り   「ホレばあさん」   『語るためのグリム童話2』/小峰書店

2年生に「雪」がテーマで「つるの恩返し」と一緒に語られるそうです。             おはなし会のプログラム、ブログで報告してくれていますが、とても参考になります。

語りと講評が終わってから、「ノート式おはなし講座 語りこの愉しき瞬間」の第1章、「語りの場」の導入部分に書かれている『日本昔話通観』(都道府県ごとに昔話が総覧できるようになっている)の説明をしてくれ、原話を読みました。そこには〈伝承〉5歳頃、夕食後寝るまでの間、火鉢にあたりながら母(坂田むめ)から聞く と具体的に書かれており、興味深かったです。自分の生まれ育った土地の資料を読んでみましょう。

初級クラスの皆さん、来月よりみなさんの語りが終わってから、今回のような勉強タイムをとることになりました。「ノート式~」の中から興味のある章段を考えてきてください。皆さんが知りたいこと、分からないことを勉強します。1月度の「世界でいちばんやかましい音」や今回の「ハヴローチェシカ」に歌が出てきたので、ステップアップ 四 の「おはなしの中の歌」はどうでしょうか?皆さんからの要望、お待ちしています。

1月度 初級クラス

報告が遅くなりましたが、先週火曜に2019年一回目の初級クラスがありました。入門講座を修了され、初級クラスに入会された方や見学の方なども来られ、約20名と大人数での勉強会になりました。お部屋もいつもの会議室ではなく、集会室になり、語り手さんはいつもとは違った雰囲気で緊張しながら語りました。

では、今月の語りです。

①「世界でいちばんやかましい音」   『おはなしのろうそく10』/東京子ども図書館

10分以上のおはなしを覚えたのは初めてだったそうです。好きなおはなしで覚えやすかったが、長いので最後まで集中して練習するのが難しかったそうです。             「これからどうなるか」と後半が盛り上がりますので、毎回全部を通してではなく、後半部分だけの練習をするといいとアドバイスがありました。

「ある日のことでした」の前ではしっかり間をとり、違うことが起こるんだ、と子ども達に印象づけることが大切です。

「だれもかれもが、仕事はほかのひとにまかせて~」は説教っぽくならないよう、さらっと語ることが大切です。

②「心臓がからだの中にない巨人」   『おはなしのろうそく22』/東京子ども図書館

一番ダメだと言われている末っ子が、彼岸の存在に助けられながら成長するおはなしです。このテーマを十分に理解する必要があります。みんなから馬鹿にされいている末っ子エスペン、力が強いだけで頭の弱い巨人、しっかり者のお姫さま、イメージをしっかり持てば、演じようとせずとも、素直に語れば子ども達には通じるそうです。

これは私が語ったのですが、この点を理解せずに言葉だけを覚えてしまいました。そのため、HPにアップされているヤンさんの音声を聞いてみると、特にエスペンの語り方に違和感を感じました。理由が分からなかったのですが、エスペンの人間性の違いであることをヤンさんから指摘されました。

HP『昔話の語法』に「劣っている子がやがて逆転して力を出していくという力学をもっており、これは昔話の根本的なもの」と書かれています。にもかかわらず、私が語るエスペンはしっかり者で旅に出る前に成長していました・・・これでは、聴いている子ども達は主人公のエスペンと同化することはできませんね。

20分を超える本格的昔話を初めて覚えたのですが、テーマの読み込み、語法が大切であるかを痛感させられました。

細かなアドバイスとしては

(1)オオカミがエスペンを背中に乗せて、巨人の屋敷へ向かう場面。「こんなに軽く、こんなに速く走ったことは初めてでした。たちまち、巨人の屋敷に着きました。」を間髪入れずに語ることで、オオカミがとても速く走っているイメージができる。

(2)子ども達がもっとも集中して聴く、巨人が心臓のありかを言うときは、子ども達がしっかりイメージできるように、でもゆっくり過ぎてはいけない。

(3)島に着いてから、大ガラスやサケを呼ぶ前の場面。「どうすればいいでしょう?」の後に子ども達の反応を見ながら、一瞬だけ間をとるとよい。ただし、子ども達が口々に「〇〇」と言っていても、長くは間をとらず、次を語るとよい。

③「もちは金仏さま」   『日本の昔話1』/福音館書店

和尚さんと小僧さんの知恵比べが楽しいおはなしです。                     まきで金仏さまをたたいた音「くわーん、くわーん」は、テキストには2回しか書かれていませんが、子どもが「食った」と分かるまで、繰り返していいそうです。

④「ファン・タン西天へいく」   『子どもに語る中国の昔話』/こぐま社

ファン・タンは、米八合分しかないという自分の運に納得できず、仏さまに確かめにいきます。途中でファン・タンに質問を託す三人と出会います。仏さまが答えてくれるのは三つだけ、頼まれたことを優先し、自分のことをあきらめたファン・タン。けれでも他の人を救うことによって、自分の運命を乗り越え、最後は幸せになります。

「約束は約束だ、やぶるわけにはいかない。自分のことはあきらめよう」とありますが、教訓くさくならないよう、さらっと語りましょう。

「三つのねがい」/子どもに語る 日本の昔話3(こぐま社)、「仙人のおしえ」/日本の昔話5(福音館書店)の類話です。ただし、このおはなしは、「仏さまから3つの答えをもらうと、帰りの道をいそぎました」としか書かれていません。語法の観点から言えば、仏さまが具体的に言葉で答えをファン・タンに伝え、三人にも同じ言葉で繰り返す必要があります。          読み比べ、良いテキストを選ぶのも勉強ですね。(分かっているのですが、これが難しい・・・語法の勉強会に参加して学びましょう!)

☆ヤンさんによる語り   「酋長カイレ」   『語りの森昔話集2 ねむりねっこ』/村上 郁再話

次回、2月12日(火)はいつもと違い、中央公民館になります。もし、公民館までの交通手段のないかたはご連絡ください。また、『ノート式おはなし講座 語り この愉しき瞬間」を忘れず持参ください。休まれる場合は、『おたすけメールフォーム』を利用して、連絡しましょう。

このころには、インフルエンザの流行も治まっていますように~!