日別アーカイブ: 2017年5月11日

5月 おはなし初級講座

もっちです。ゴールデンウイークはいかがお過ごしでしたか?
さて、ゴールデンウイークが明けて早速、初級講座がありました。

語りは
「おいしいおかゆ」『愛蔵版おはなしのろうそく1』(東京子ども図書館)
「六ぴきのうさぎ」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』(語りの森)
「なぞ問答」『日本の昔話1はなさかじい』(小澤俊夫再話、福音館書店)
「旅人馬」『子どもに語る日本の昔話2』(こぐま社)
「三枚のお札」『おはなしのろうそく5』(東京子ども図書館)

の5話でした。

「おいしいおかゆ」
グリムの昔話です。短いながらもしっかりとしたおはなしで、語られているのをよく聞きますし、大概の語り手さんはレパートリーとして持っているのではないでしょうか。

とうとうおかゆのながれこんでいない家は 町であと一軒、ということになったとき、女の子が帰ってきました。
そして、たった一言、

の後に子どもたちが一緒に「ちいさなおなべや やめとくれ」と言ってくれるのを期待する語り手さんも多いかなと思います。なにを隠そうもっちも期待してました。いままで連戦連敗ですけれども。
それよりも、どうやら今ドキの幼稚園児さんたちは「おかゆ」を知らない子もいるらしいという情報が出てきて、騒然となってしまいました。
もしかしたら「おかいさん」で通じるかも?なんて内心思っていました。(関西の一部で使われる方言です)
ポイントは緩急をつけて聴き手がイメージをする言葉は大事に伝える。
「ちいさなおなべや 煮ておくれ~」は呪文を唱えるように語る、でした。

「六ぴきのうさぎ」
語りの森昔話集1おんちょろちょろからの出典です。
湖のそばに住む六ぴきのうさぎがボトンという音を聴いて逃げ、森で会った動物たちに「どうしてそんなに慌てふためいて逃げているんだ?」と聞かれて、「ボトンって声がしたんだ」と答え、森じゅうの動物が逃げだす話です。
同じ言葉が続き、不確かな情報に踊らされる様が滑稽な面白いお話。累積譚のひとつです。
ラスト、ライオンに「誰から聞いたんだ?」と聞かれ、動物たちが口々に答える場面は、ちがう動物が答えているのを意識して語りましょうということでした。

「なぞ問答」
この話型はあちこちにあるそうです。『子どもと家庭のための奈良の民話1』に載っている「おふじ井戸」も同じ話型です。
しかしこちらは衝撃のラスト!
ハッピーエンドではない終わり方で、ちょっと子どもには語れなさそうという意見多数。
しかしこういう謎かけものは一緒になって考えてしまうので楽しいですね。

「旅人馬」
前月語られた「旅人馬」とは出典が違います。モチーフも違っていて、別のお話のようです。
もうひとつ、語りの森HPの≪日本の昔話≫にも「旅人馬」がアップされています。
ぜひ解説も一緒に読み比べしてみてくださいね。
この話の中では、囲炉裏の灰にもみがらを蒔いて、一晩で芽が出て、稲穂が実って、石臼で粉に挽いてだんごにする場面や、援助者と碁を打つ場面が出てきます。今の子どもたちには稲、臼、碁が分かるかな~?という意見も出ました。
案外、昔の暮らしのことは意識して学習されられているように思いますが、もし子どもたちの表情に「?」が浮かんでいたら、一言で説明できるように用意をしておいたほうがいいかもしれませんね。

「三枚のおふだ」

これは小僧さんと鬼ばばの追いかけっこを楽しむおはなし。

雨だれ、会話、逃走、どの場面も楽しく、語り手も聞き手も気持ちが乗ってしまいます。が、叫ぶ場面は声が大きくならないように自分を抑えて語りたいですね。

と、勉強会の中で飛び出した話題を紹介したわけですが、語るシチュエーション、語る相手、語り手によって変化してしまうものですよね。誰かの語りが素晴らしく面白いからといって、同じようには語れません。だから、勉強会中に出たアドバイスが誰にでも通用するかというとそうは言えないのです。でもついメモしてしまうのですが(*´艸`*)

主役は聞き手の子どもたち。おはなしの中の登場人物の気持ちをイメージして受け止めるのもまた聞き手なのだと、そういう語りができるよう成長していきたいですね。

 

5月 日常語での語り勉強会

たいへん遅くなりました<(_ _)>

連休の谷間、5月2日に「日常語で語るための勉強会」がありましたのでご報告します。

 

語り

浦島太郎」『日本の昔話1』

 

だんだん飲み」『日本の昔話5』

 

夢の蜂」『日本の昔話1』

 

やまなしとり」『日本・中国・韓国の昔話集2』

日中韓子ども童話交流事業実行委員会企画

 

庄やん」『ナーミンのためのならのみんわ』

 

 

テキスト

かにかに、こそこそ」『日本の昔話2』

 

どろぼうがみたら、かえるになれ」『日本の昔話1』 村上郁 再話

 

とっつく、とっつく」『日本の昔話1』

 

十五夜の月」『子どもと家庭のための奈良の民話3』

 

※『日本の昔話1~5』は 福音館書店 小澤俊夫再話 です。

 

 
「浦島太郎」の亀、皆さんはどんな大きさだと思いますか?
浜で子どもたちにいじめられていた時のサイズは?

浦島太郎を乗せていく時は?

実は、実際の海亀の生態として、浜に海亀が近づくのは、

浜辺で卵からかえって、月の光がキラキラ反射する海を目がけて必死に這っていく時 → 約5センチ

約30年後、雌が浜辺に産卵に来る → 種類にもよりますが約140センチ   の2回のみ。

中くらいのサイズの時には浜に寄り付きません。

ですから、いじめられていた時は子亀(5センチ)で、

しばらくたったある日(数日後)に大きな亀が「助けてもらった亀です」ってきたら、

事実と違ってしまいます。

「大きな亀」になるためには30年の月日が必要です。数日間では無理なんですね。

子どもにウソを語りたくない・・・どうするか・・・?

「大きな」を取っちゃいましょう!!

ーーー波のあいだから、亀が顔をだして「あなたに助けられた亀です」ーーー

子どもが頭の中で、想像の世界で、海亀を浦島太郎が乗れるサイズに変化させるのは自由です!

ウソを語らなくても済みます!!う~ん、解決!!

それにしても絵本の中には、中くらいの亀がいじめられている絵の描かれた、

間違った絵本がけっこうあります。

かぶは常々もやもやしていたので、今日、言えてスッキリしました(^.^)

 

●演劇風、楽器を用いて、などなど・・・世界中に語りのスタイルはいろいろあります。

ヤン総監督が、どんな語りも否定せず尊重し、

「おもしろい、楽しい、と思えるよう、自分の引き出しを増やしましょう」

と言われていたのが印象に残りました。

聞き上手のほめ上手!!生徒はぐんぐん育ちます(*^O^*)笑

 

●日常語にする時には、助詞を抜くことを意識してみると、普段の自分のしゃべりに近づくのがよく分かります。

普段、人に話している時、助詞ってほとんど入っていませんよね?

あ、でも抜いちゃあいけない助詞もありますね。

 

今回もいろんなおはなしが聞けて、ヤン総監督からいろんなアドバイスを受けて…

 

あ!! 今回は

「煮る」のか「炊く」のか、

「茹でる」のか「湯がく」のかというお料理バトルもありましたね~!!笑

 

楽しい、実のある勉強会でした~(^_-)!