最近、なんでこんなにすぐ充電せんならんねやろ、とは思っていた。
ある朝、ふと見ると、ケータイが笑っておる。
ぱたんと閉じずに、ちょっとだけ開いているのだ。
あわててぱたんと閉じたが、即、ちょっと開く。
ちょうつがいがダメになったか?
とりあえず輪ゴムで留めた。
数日様子を見たがよくならない。
あたりまえだ。
風邪をひいたのではないのだ。
ケータイを輪ゴムでとめると不便だ。
電話がかかるたびに必死で抜く。
電話が終われば、ころころにもつれた輪ゴムをほどいて留めなおす。
しまいに輪ゴムが切れる。
考えた。
髪留めのゴムを使おう。
あかん、するりと抜ける。
リボンで結んだ。
もっとあかん。抜ける。
ええい、ショップに持っていこう!
おにいさん「間に何か入っていますね」
わたし「とっていただけますか?」
おにいさん「修理に出すと、1万円かかります」
わたし「買い換えたらいくらになりますか?」
おにいさん「うちにはスマホしか置いていません」
わたし「わたし、どうしたら、いいんでしょう?」
おにいさん「輪ゴムで留めるしかないですねえ」
おばあさんやったら、輪ゴムケータイでもええってか〜?
ケータイをにぎりしめてショップを出た。
あ、輪ゴムを失くしている。
ショップに戻って探したが、ない。
しかたがない、百円ショップでひと箱買った。
こんなようけ輪ゴムどないすんねん。
歩きながら後悔した。
カラーの輪ゴムにしたらよかった。
家に帰って、夫が、「間に入っているなにか」を取ってくれようとした。
夫は優しい。
が、つまようじは太過ぎる。
針も太過ぎる。
アルミホイルは、すき間に入った!
ふたりで、あっちとこっちでアルミホイルをひっぱりっこした。
確かにゴミはとれた。
が、ケータイはまだ笑っておる。
夫「掃除機ですうしかないなあ」
掃除機で吸った。
が、とれない。
夫「あとは、自転車の空気入れで吹くしかないなあ」
発想はいいと思う。
あとでひそかにやってみよう。
輪ゴムケータイは不便だ。
ヤン