月別アーカイブ: 2015年4月

ご参加ありがとうございました。 byぽん

ぽんです。
本日はストーリーテリング基本講義「おはなしをえらぶー「手なし娘」をめぐっ
てー」に
お越しくださりありがとうございました。
欠席の方もほんの数名で、ほぼ満席で講義を開催することができました。
本当にありがとうございました。
講義では、今私たちが語っている昔話は「再話されたもの」であること
また、外国の昔話では再話された後、さらに「翻訳」という行程を経ていること
を確認した上で
沢山の類話の中からどの再話を選ぶのか、という問題を考える手立てを教えて頂
きました。
「手なし娘」、本当に沢山の類話がありましたね。
びっくり。
しかも、ヤン先生がそれを全部読んだ上で、
今回語られた2つを選ばれたこと、
また、その過程で分かったことを、類話比較出来る表にされていたこと、
本当に、びっくり、の連続でした。
ここで告白しますが、
今日のヤン先生の二つの語り、どちらも初出しだったんですよ。
気づかれた方いらっしゃいました?
初出しで、あの語り。
本当にすばらしいですよね。
やはりあれだけの類話を読まれ、調べられたからこその、語り。
ただ、覚えて語ったのではない、厚みを感じられましたよね。
私たちは(いや、私だけかな)ついつい、《ろうそく》とか《こぐま社》とか
ごく限られた出典の中からだけで、安易にお話を選んでしまってますよね。
しかも、場合によってはその2シリーズの中での比較もしない。
「私のグループではみなさんこの出典から語ってはるから・・・」
なんて理由で安易に選んでしまっています。
でも、それでは薄っぺらな語りになってしまう。
私たちの置かれている立場、
口承という流れの中にいる、と考えると、そんな態度で良いわけはないんです。
そんな気持ちで、子ども達(聞き手)の前に立っていいのか、ということですよね。
今、自戒を持ってこれを書いています。
努力しましょう。
小澤先生のお言葉にあるように
「私たちは伝承の途中にいる」
のですから。
この言葉を忘れないでいましょう。
ヤンさんの10分の1でもいい、100分の1でもいい。
昨日よりもさらに今日、今日よりもさらに明日、
努力しつづけて、子どもの前に立ちましょう。
そう誓いながら、京田辺から電車に乗って帰ったぽんでした。
改めて・・・
ご参加くださったみなさま、ありがとうごさいました。
次回の講座のご案内、近々アップ予定です。
また、よろしく。

4月更新  byヤン

ホーム、更新しました。
まずは、イラストを見てください。
ほら、ほら、ほら、ババ・ヤガーの家の扉がつううっと開いて、何やらおいでお
いでをしている……
イラスト作成のTちゃん、ありがとうね〜
彼女、パソコンでイラスト描くのは、このホームページが初めてなんだけど、ご
存知でしたか?
みなさん、プロが描いていると思っていませんでしたか?
しかも、今回は動画を作ってくれました。びっくりしました!
もうひとつ、ある場所に動画があるんだけど、どこでしょう〜?
見つけた人に座布団一枚!
≪日本のおはなし≫
「鬼のひとり娘」
みなさん、あまり聞いたことのないお話ですか?
狂言好きの方には、「首ひき」と同じストーリーだと気づかれたと思います。
原話の語り手は大阪の坂田静子さん。明治生まれのかたで、子どもの頃、芝居好
きのお父さまから聞かれたと、出典本の注に書かれてあります。
この話、大好きで、あちこちで語っています。音声♪は小学3年生に語ってるラ
イブです。
「死人の手」
恐い話ですが、笑いや悲しみの要素も併せ持っています。
この原話を見つけたとき、またひとつ宝石を見つけたと思いました。
ぜひ語ってくださいね。
原話は國學院大學説話研究会編『奈良県吉野郡昔話集』に入っています。
≪外国のおはなし≫
「ありとこおろぎ」
これはインドネシアのお話。
類話は世界じゅうにあります。
次々にものを頼みに行くだけの話なんだけれど、その動機は話によっていろいろ
です。
例えばイギリスのジェイコブズの「おばあさんと豚」と比べてみてください。
「ありとこおろぎ」では、友だちを助けるためです。しかもハッピーエンド。
原話を読んだとき、思わず笑みがこぼれました。こんな話が語りたかったんだっ
て思いました。
でも語ってみると大変でした。
早口ことばの練習みたいなもんでした。
音声♪は5年生のライブですが、とちゅうから、一区切りずつに「ん」「ん」
「ん」ってかけ声が入っているの、聞こえますか?(笑)
2年生では、こおろぎが雌牛に「……川に落っこちたありを助けるんだ!」と言い
切ったとき、拍手が起きましたよ(笑) 本当はこちらの音声を聞い ていただき
たかったのですが、残念ながらICレコーダーのスイッチを入れ忘れていました。
聞き手といっしょに楽しむおはなしだと思います。
≪語るために≫
やっと日常語について書きました。
文章でどう説明したら、分かっていただけるだろうかとずいぶん悩みました。
拙文ゆえ、誤解が生じているかもしれませんし、また、私自身の知識不足もある
のではないかと恐れています。
みなさま、ぜひとも、ご批判や疑問をくださいませ。よろしくお願いします。
ブログでの議論が花盛りになることも楽しみにしています。
次回は、共通語のテキストをどうやって日常語に直していくのかを具体的に書き
たいと思っています。
  ヤン

花がひらく  byヤン

早朝の台所。
昨夕切ってきたしろばなたんぽぽが、きゅっと口をつぼめています。
ああ、やはり、野におけ……
わるいことをした。
償いにもならないけれど、小窓を開けました。
曇天からうす明かりが差しこみました。
すると
目のまえで
花びらが開きはじめました。
ゆっくりと
時間をかけて
倍ほどの大きさになって。
ありがとう。
晴れたらいっぱいに咲いてくれるのだろうか。
  ヤン