月別アーカイブ: 2024年2月

2月のプライベートレッスン

こんにちは。
ドラマの見過ぎで目が疲れていて涙目なのかと思っていたら鼻もムズムズしていて、どうやら花粉症がやってきたようです。
今年は飛散量が多いそうで恐ろしい(-_-;)
2月のプライベートレッスンの報告です。

1日目
再話
「貧乏神」
原話『新しい日本の語り5藤原ツヂ子の語り』日本民話の会 悠書館
貧乏神の話をずっと追いかけておられる、その新作です。
なんと、藤原ツヂ子さんの音声が残っております!
語りの森HPでもリンクを張っている〝東アジア民話データベース〟で聞くことができます(^O^)
東アジア民話データベース → こちら
トップページ → 日本各地の民話を聞いてみよう → 東京 → 藤原ツヂ子さんの語り
一番最初に「貧乏神」が出ています。
再話するときに音声を聞けるというのはめったにないパターンで貴重ですね。
原話の語り手さんの語られた話を本を編集した民話の会のかたがどういうふうに読む文章に変えられたかが分かりますし、それをもとにこんどは耳で聞いて分かりやすいテキストにするという作業をされたわけです。
語り手であるからできる作業ですし、やらなければならない作業だと思います。
とても勉強になりました。
参加者さんが貧乏神の話を全国から探しておられることも、すでに研究のようになっているんじゃないでしょうか?
原話をたくさん読むことはとても力がつくんですが自分はそれができていなくて、見習わなくてはと思いました。

2日目

テキストを日常語になおす
「舌切りすずめ」『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』村上郁再話 語りの森
小学校の低学年と幼児さんに語るために、助詞をあえて抜かない個所をのこして、日常語のテキストになおしたそうです。
わたしも、幼稚園で日常語で語って「あ! 意味が分からないんだ」と思ったことがありました。
標準語だと分かるんでしょうが、地元でも小さい子は単語が違って分からないことがあるようです。
この「舌切りすずめ」は、すずめの名前が〝たろう〟なんですよ。
いろんな「舌切りすずめ」があって面白いですね。
語り
「マカトのたから貝」『子どもに語るアジアの昔話2』松岡享子訳 こぐま社
これ、わたしなんですが、4年生に語る予定です。
おはなしを始めたころに覚えて3年ほど語り、その後15年くらい語っていませんでした。
話を戻そうとテキストを読んでみたら、そのころは見えなかったものが見えてきたといいますか、手も足も出なかったであろうことができるようになったといいますか、テキストを整理する箇所を見つけましたのでいったん自分でやってみて覚え、ヤンさんにチェックしてもらいました。
その結果、より語りやすく聞きやすいテキストができてうれしいです。
昔話の語法の勉強を続けていてよかったと思う瞬間でした!

3日目

語り
「鉄のハンス」『子どもに語るグリムの昔話5』佐々梨代子・野村泫訳 こぐま社
去年の11月の中級クラスで他のかたがこの話を語られて、その時の講評と今回のプライベートレッスンの勉強で、わたしは語りもしないのにとても「鉄のハンス」を理解したような気になっています(笑)
ああ、語る当てもないのに覚えたい~~
でも、長い話だし、ほかに覚えないといけないのと、戻さないといけない話がある~~(´;ω;`)
みたいな気持ちを感じております。
語り手アルアルですね。
若い時みたいに力技で覚えられない自分の頭が恨めしいです。
語り手のみなさん、若いうちにたくさん覚えておいたほうがいいよ!
最後は愚痴になっちゃってすいません。
とはいえ、継続することが大事だしそれが難しいですよね。
細く長く続けられるように頑張るのがいいんだと思います。
では、また~~(^O^)/

第27回昔話の語法「ろばの子」

東京で大雪が降った翌日、オンラインで昔話の語法勉強会が行われました。
関東方面から参加されたかたに雪の様子をうかがうと、まれにみる大雪だったそうで、停電もして怖かったとおっしゃってました。
大変だったようですが、そんな中でも勉強会に参加してくださってありがとうございました。

今回とりあげていただいたのは「ろばの子」(『語るためのグリム童話7』小澤俊夫/監訳 小峰書店)です。
この話は、わたしがとても好きな話なんです。
取り上げてもらってうれしかったです。
いつものように、話の最初から順を追って語法を説明してもらうんですが、愛着があって、語っていて、子どもたちの反応も経験している話なので、講義内容がよくわかるというか「なんて楽しいんだ~!」と思いながらヤンさんの話を聞いていました。

その中で、ろばの子が王女と結婚することの大事さ・意味を説明してもらったんですが、これがわたしには新しい発見でした。
いや、よく考えると前にも聞いていたかもしれないけれども、今回2時間以上かけて「ろばの子」を勉強してやっとわたしが頭に入ったというべきでしょうか(笑)
ろばの子の本当の姿を認めてくれた(=たちまち王子を好きになる。一生この人を夫にすると王さまにいう。)その人と結婚するということは、昔話の幸せな結末の結婚の中でも、特に強い意味を持つ〝幸せな結婚〟であるということ。
このことは気づいていませんでした。
今までは、王さまがろばの子のありのままの姿を認めてくれたことには重きを置いて語っていました。
そこに、王女様もろばの子の本当の姿を愛してくれて結婚するという幸せがプラスされて、もう~幸せのてんこ盛りというか、幸せまみれでこんないいことはないという結末が、ほんとにうれしいです。
それと、「ろばの子」は、主人公をいろんなパターンの人物に設定できると思います。
わたしが練習の時や語るときにイメージする主人公は、学校や親に反抗している不良少年とか、過干渉に嫌気がさしている子とか、勉強勉強で抑圧されている子とか、友だちの中で自分を主張できなくて悩んでいる子とか、いろんなパターンを想像します
どんな子どもにも当てはめられるというところが、昔話の含世界性なのかとおもいますが、あってるのかどうかわかりません。
でも、どんな聞き手にも当てはまるというのは素晴らしいと思いますし、それは昔話の持つ力なんだろうと思います。
好きな話なんで、力んで書いてしまいましたが、みなさんは「ろばの子」をどう感じられたんでしょうか?
他の受講生のかたのご感想も、あとでヤンさんがあげてくださると思いますので、楽しみにしています~~(^O^)/

2月のあったかペーチカ

しおちゃんとこしょうちゃん 『おはなしのろうそく27』東京子ども図書館

豆まきの由来 『子どもと家庭のための奈良の民話一』村上郁再話/京阪奈情報教育出版

長い春のために 【語りの森HP】

三本の金髪を持った悪魔 『語るためのグリム童話2』小峰書店

雪女 『日本の昔話5』おざわとしお再話/福音館書店

まめ まてまて  【語りの森HP】

大工と鬼六 『日本の昔話2』おざわとしお再話/福音館書店

立春を迎え、厳しい寒さの中にも春の気配を感じられるようになる頃、花の香りがただよってくることを楽しみにしたいです。プログラムは、この時期に語られるおはなし、今後も語っていく好きなおはなし、まだ本番を迎えていないおはなしなど、語り手の思いも受け取りました。おはなし談議では、おはなし一つ一つにおいて、語り手の思うところに焦点を当てて意見が交わされました。「私はこんなイメージをした」それが、聞き手によって違ったのでその違いを楽しく思いました。そして、それを受けて語り手さんはきちんと自分のイメージが届けられるような語り方をしてみます、と言われていました。他の話題でも、あーだこーだみなさんで言い合いながら「クラスの勉強会の前だし、今言ったことは忘れてください!」なんてことにもなりました(笑)

Kさんから感想を頂きました。

久しぶりのおはなしの時間、心が喜び、からだに沁みました。おはなしには大きなパワーがあるんだなとあらためて感じました。信頼関係がある方が語るのを聞くと、さらにその力が大きくなるんだなあと思いました。1年ぶりのペーチカは変わらぬ温かい場所でした。実はちょっとドキドキ緊張していました。でも、皆さんが温かく迎えてくださって、安心して、おはなしを楽しめました。ありがとうございました。

予約のいらない、ふらっといって語れる、聞くだけもでOK、あったかペーチカ語りの場です。みなさま、ぜひどうぞ~

今後の予定:3/5㈫、4/7㈰

こういうはなし、はじめて♪

 今日は立春、まだまだ寒いけど穏やかな日でよかったよかった😊
そして2月3日、昨日は節分。豆まき、いわしに恵方巻、一大イベント化してますねぇ。スーパーに寄ったらものすごい人人人!宮城県産の生イワシを買って焼いて食べました。おいしかった~
 というわけで、イベントの日は図書館の来館者もそこそこみたいですが、嬉しいことに「いつもの子」のお顔がありました😄
子ども8人 おとな7人

手あそび なかなかほい
おはなし 「だめといわれてひっこむな」アルフ・プロイセン 作 瀬田貞二 訳『おはなしのろうそく9』東京子ども図書館
絵本 『ゆきのひ』エズラ=ジャック=キーツ/きじま はじめ 訳/偕成社
絵本 『ねずみのおいしゃさま』なかがわまさふみ作/やまわき ゆりこ絵/福音館書店
絵本 『おおぐいタローいっちょくせん』マスダ カルシ/白泉社
手あそび さよならあんころもち

 こんな楽しい「だめといわれてひっこむな」いいなぁ~うらやましいなぁ。創作のおはなしは「世界でいちばんきれいな声」のように慣れているものはそんなに感じませんが、頭の中に絵を描いてもらうのが難しいのかな、と思うことがあって……。
「新しいセーター」から「着てたセーター」へ、「乳しぼりのほころびた服」「犬の古い敷物」と、どんどん絵が浮かんででくるし、次第に古くてボロいものになっていくのに対して、ねずみの期待感はどんどん増していく。たんびたんびにねずみがチュー、チューいうのもかわいい~
 そして極めつけ、ねずみがこおどりして歌う、うた! がいいんです。思わず脱力してにこにこっとなっちゃいます。
 歌い終わっておはなしが終わったら、女の子が「ありがとうございました!こういうはなし、初めてだよ。おもしろかった~」というから、周りのお母さん方がみんな、またほっこり笑顔。キーツの『ゆきのひ』も良かったですね!かきあつめた雪を「山みたい」とか、ゴマのように小さい人影を「あ、だれかいる」と発見したり、子どもは詩人ですね😊
 

2月 大人のためのおはなし会

寒い日になりました。今回で4回目となったおはなし会、テーマは雪でした。常連さんや新規の方など、9名が参加してくれました。

写真絵本「きらきら」 谷川俊太郎作/吉田六郎写真/アリス館

絵本「ゆき!ゆき!ゆき!」 オリヴィエ・ダンレイ作/たなかまな訳/評論社

おはなし「ホレばあさん」 『語るためのグリム童話集2 灰かぶり』小澤昔話研究所再話/小峰書店

おはなし「雪女」『日本の昔話5』 おざわとしお再話/福音館書店

絵本 「ゆうかんなアイリーン」 ウィリアム・スタイグ作/おがわえつこ訳/らんか社

絵本 「チャーリー、おじいちゃんにあう」 エイミー・ヘスト文/ヘレン・オクセンバリー絵/さくまゆみこ訳/岩崎書店

おはなし 「こおった声」 『日本の昔話5』おざわとしお再話/福音館書店

ぜーんぶ雪景色でした!「きらきら」では、子どもの頃、服についた雪をじっと見つめて、その美しさにとっても感動した時の事を思い出しました。「雪女」では、緊張と恐怖で、皆さんとともに部屋の隅々まで凍り付きました。雪の物語を通して感じられるさまざまな温かさや、自然の厳しさがあります。そして、最後のおはなしでふふっと笑いがこぼれました。子どもの時は、雪が降るとなんだか嬉しくうきうきしましたね。スキー旅行なんかでは本格的な雪遊びも。皆さんそれぞれの中にある体験や景色を、雪で一つに繋ぐような時間になったかな~と思います。おはなしの世界に入って、頭のてっぺんから足のつま先まで体が喜びました。現実世界と非現実世界を行ったり来たりすることで、自分の心のバランスを自分で取る。このことは、一人一人の中で今とても大事ですね。ヤンさんの冒頭のあいさつからも、そのことを深く実感することになりました。とにもかくにも…おはなしは楽しい!

次回:3月8日㈮「雛の月」