ウーカー のすべての投稿

11月のあったかペーチカ

岩の戸、開け 『語りの森昔話集2』語りの森

こんこんさまにさしあげそうろう 『同名絵本』PHP研究所

若返りの水 『子どもに語る日本の昔話3』こぐま社

蚕のはじめ 語りの森HP

はえの御殿 『語りの森昔話集5』語りの森

がちょう番の娘 『語るためのグリム童話5』小峰書店

九尾のきつね 『語りの森昔話集1』語りの森

かしこいモリー 『おはなしのろうそく1』東京子ども図書館

はんてんをなくしたひょう 『大きいゾウと小さいゾウ』大日本図書

さまざまなジャンルのおはなしが出揃いました。いつも思いますが、こんな癒しの場所があるんですね!物は要らない、想像力だけで楽しい時間です。今回は参加者の方に感想をお願いしましたので、そちらを載せさせてもらいます。

楽しい時間ありがとうございました😊私のかしこいモリーは何年もかけて試行錯誤を繰り返しているうちに、今日語らせてもらったモリーに落ち着いた感じです。二年生が、モリーになって一緒に走って逃げてくれた経験が宝物!このお話は外せませんよ.皆さんも語って下さい😉(Oさん)

私は、今月に小学校で語る予定なので練習させてもらいました(若返りの水)。季節がちょっと・・と言う意見もありましたが、何分、語れるお話が少ないのでこの話になったという事でおさまりました。今日のペーチカは、じ〜んとくる話、笑い転げそうな話と大変楽しかったです。また、宜しくお願いします。(Sさん)

とてもバラエティに富んだお話し会で、どのお話も素敵でした。特に『はえの御殿』はなんとも楽しく、10種ものキャラクターがどんどん出て来てそれぞれの名前が順に繰り出されるのが充分予測できるのに、なんとも面白くドキドキしてしまいました。また、『かしこいモリ-』の袋の中からおかみさんにアピールする歌の歌い方がとてもステキで、思わずその穴から見てみたくなりました。おかみさんが魅かれて中に入りたくなったのは当然ですね。モリ-の作戦大成功!!(Uさん)

「蚕のはじめ」は、ホームページで読んでいい話だなと思っていましたが、語りを聞いてとっても良かったです。語り手さんは、蚕の生態をよくご存知だったそうで、それで説得力が語りに出ていたように思いました。わたしは、話のとおりに蚕が休むんだというのを説明してもらってより一層話が好きになりました。前半は「お月お星」のように母親がひどい仕打ちをしますが、蚕に生まれ変わったあとの話に引き込まれて、養蚕をおしえ人々の役に立つという嬉しい終わり方で、ほんとにいい話です! (Tさん)

ご感想をお寄せ下さったみなさま、ありがとうございました。次回は12月3日㈰です。誰でも参加できます。聞くだけでもOKです。ぜひお越しください~

10月の中級クラス

ヤンさんは目がらんらん、昨夜はほとんど寝ていないとのことでした。「夕方に濃いコーヒーをたっぷり飲んだからだと思う」と…。カフェインの力すごいですね。

ひねくれもののエイトジョン 『おはなしのろうそく33』東京子ども図書館

言うことを聞かないエイトジョンのおかげで、悪いことが起きます。その内容もクレッシェンドしていきます。最後、言うことを聞かなかったエイトジョンは魔法使いに「テーブルの油のしみ」にかえられてしまい、お母さんにごしごし拭き取られてしまいます。「いうことをきかない、ひねくれものの子どもには、いつもこんなことが起こるのだそうです」で、おしまい。語り手さんは、恐い話がテーマの時や、恐い話するよ~と前もって言ってから語るそうです。本能的に怖がりたいというものがあるのはある。それでも、語り手と聞き手の信頼関係ができていることが大事とヤンさんからお話がありました。

おはなしカメさん 『朝鮮の民話』太平出版社

語り手さんご本人の課題としては、聞き手が発した声に対して答えられるようになりたいということで、どうしているか、どうしたらいいかをみなさんで話しました。「うんうん、と目を合わせて頷くだけにしておく(その先を忘れるのがこわいから)」「それなに?と聞かれそうなワードに対しては答えを用意しておいて、答える」ヤンさんが子どもから教えてもらった事は「一言で返して、おはなしに戻る」こと。毎週のおはなし会の常連さんに「それなに?」と聞く子がいて、ある時その返しを長々やっていたら、「もういいからおはなしして」と言われたそうです。そして、おはなしを自分のものにしてしまえば自然と子どもの声に応えられるようになるとのことです。テキストについては、カメの死はさらっと優しく語る。ここで悲しそうな顔をする子がいる、そして、お墓を作ってあげるところでホッとする。そのイメージをする。

かきねの戸 『語り森昔話集1』語りの森

前もって「かきねの戸」の説明をする。かきねの戸のイメージをしっかりさせておく。そして、かきねの戸を外して森へでかけるところで、「え~そんなことするの」という反応があるとよい。木の上の二人が静かにしているその下で、どろぼうがいる緊張した場面、兄が「おしっこがしたい」という。この緊張の緩和で、笑いが起きる(桂枝雀の「緊張の緩和」論)。身をひそめるような語り方をすると、緊張が大きくなるので、さらに笑いの解放感も大きくなる。間の使い方も大事で、間を置くことで「次は何を言うかな?」と考えさせる。おしっこ<うんこ<戸 期待も大きくなる。自分と聞き手の関係でどんな風に語ったら楽しむかなと考えるとよい。

とびこみの語り

かにかにこそこそ 『日本の昔話2』福音館書店

はえの御殿 『語りの森昔話集5』語りの森

ブレーメンの音楽隊 『語りの森昔話集4』語りの森

ヤンさん

美しいワシリーサとババヤガー 『おはなしのろうそく4』東京子ども図書館

今回もたくさんのおはなしを聞かせてもらいました。この学びと実践と反省の継続は、語り手それぞれをゆっくり着実に育てていってくれると漠然と感じました。みなさんすごいなぁ、おはなしと向き合う在り方が誠実です。やる度にこれでいいのかな?と心配したり、新たな課題が生まれたり、うまく着地しなかったのはなんでだろう?と考えたりします。そして、また次に向けて練習して準備して語ります。それで、子どもが教えてくれたり、力が抜けたときにふと気が付くことがあったりする。自分で体感して分かるしかないので、講評を共有させてもらって、自分の語りに活かしつつ、勉強会で言っていたのはこういう事か!と納得したいです。さまざまな昔ばなしがいっぱいありますが、自分が語らない話は仲間が語ってくれるので、安心というか、嬉しいというか、そうやって語り手皆さんで(世界中のね)語りをしてるんだなと改めて思いました。

次回は11月21日㈫です。

10月のあったかペーチカ

ついでにペロリ 『おはなしのろうそく6』東京子ども図書館

旅人馬    語りの森HP

クモとゆめ  『子どもと家庭のための奈良の民話一』京阪奈情報教育出版

元気な仕立て屋 『イギリスとアイルランドの昔話』福音館書店

ジャックと豆の木 『語りの森昔話集1』語りの森

かしこいモリー 『おはなしのろうそく1』東京子ども図書館

ねこのなまえ 出典不明 参考:『かたれやまんば 第2集』藤田浩子の語りを聞く会

語りという勉強・場所を通して人間力のようなものを少しずつ育ててもらっているんだな~と最近すごく感じます。準備をする、環境に合わせる、自分の癖を発見して手放す努力をする、時を待つ、勇気を出す、できそうなことに挑戦する、しくじって大事なことに気づく…などなど。おはなしが好きだから続いている。みなさんの新しい挑戦、「やってみます!(モリー)」に元気をもらいました。中学生の息子と重なるところがあって、行事の取り組みや部活動がそれにあたるでしょうか。なんでもわくわくと頑張る方がいいですね。今回も多岐にわたる楽しいおはなし会でした。

次回は11月5日㈰です。

大人のためのおはなし会

記念すべき第一回、おはなしサークルがらがらどん主催の「大人のためのおはなし会」が開かれました。図書館にチラシを掲示、土曜日の子どものおはなし会でチラシを配布という告知でしたが、4名が来てくれました。

テーマ:  実りの秋

絵本   『秋  あき』 作・絵  五味太郎/絵本館

おはなし 「なら梨取り」『日本の昔話4』 福音館書店

絵本   『鹿よ おれの兄弟よ』 神沢利子   作/G・D・パヴリーシン  絵/福音館書店

手遊び    どんぐりころちゃん

おはなし 「みじめおばさん」 語りの森HP⇒こちら

絵本   『パンプキン』  写真&文  ケン・ロビンズ/訳  千葉茂樹/BL出版

大人のための集いの場、選ばれたおはなしと絵本、そして手遊びも。参加者みなさんがそれぞれ深いものを受け取られたのではないでしょうか。言葉と絵による癒しの時であり、みなさんと一緒に聞いていますが、私のための語りと絵本!と思えるような充足感がありました。テーマで組まれたしっかりした内容であり、かつ大人に向けてのプログラムですので、今の自分(季節感や実体験による大人の感覚)と会の空間が身近なものになり、より充実して喜びも増幅するんでしょうかね。参加者の方のお顔を見ても、手ごたえのあるものだったのではと感じます。そして、小学校など子どもに向けたおはなし会に大人が参加するのとは全く違いました。ということは、子どもたちのおはなし会プログラム決めはここに感覚を合わせることが本当に大事ですね。今回はお手伝いでしたので、リラックスの中で心に栄養をもらい、実りの秋に感謝の気持ちがわきました。

次回は…11月17日㈮ 10:30~11:10 テーマ:静かな夜に

9月の中級クラス

虫の声は聞こえてくるのに、蒸し暑い日々ですね。もう少しで秋めいてくるはず!さて、今回はzoomでの勉強会でした。

忠実なヨハネス 『語るためのグリム童話1』小峰書店

練習で語りを録音して聞き、自分の癖に気が付いた。それが出ないように意識してスーッと語られたとの事。また、ストーリーについて疑問があったのだけど、事前にヤンさんから頂いた資料(『昔話の深層』河合隼雄 著 P151 ~)を読むことで納得して語ることができたそうです。30分ほどのはなしですが、私もあっという間に感じるくらい入り込ませてもらいました。

ヤンさん…世界に入り込んでいるからこそ、聞き手が集中してくる場面がある。ヨハネスが死刑台に上がって、声を出すところ。裁判官や大衆の前で、ヨハネスは王様に向かって話す。「死ななければならないものは、最後にひとことしゃべらせてもらえるものです。王様…」→呼びかけの 王様 を入れる。言ったら石になるのに、言うぞ!と聞き手は集中する。トリックスターの働きをしてきたヨハネス、命がなくなると分かっていて言う、ヨハネスしか知らない話。ヨハネスの行いは、王様がしてきた行いより大きい。ヨハネスを主人公として語ると、聞き手の子どもたちはヨハネスになれる。王様の悲しみもこめて語り、より感動をともなう場面になる。

最後にヤンさんが興味深いことを言われました。年とった王様も金の王女を手に入れたかったが、それを息子に託した。ヨハネスの力によって、冒頭の欠如は最後に充足した。深い!『昔話の深層』に金の王女についての事も載っているそうです。

白い石のカヌー 『おはなしのろうそく33』東京子ども図書館

情景描写が多かったのですが、そのまま覚えようと努力されたとのこと。こちらのテキストは、『アメリカのむかし話』渡辺茂男 編訳/偕成社から。それでも、途中で、『子どもに贈る昔ばなし12 石のカヌー』小澤昔ばなし研究所 のテキストに変えようかとも思われたとのこと。そちらは『世界の民話12アメリカ大陸Ⅱ』より再話コースの方によるグループ再話。

ヤンさんからもう一つの資料を頂いていたのですが、それは小澤俊夫さん解説による「石のカヌー」の文法でした(季刊『子どもと昔話』49号2011年秋号)。解説を読みつつ、二つのテキストを比べると違いがはっきりわかります。昔話の語法の力による違いです。後者は昔話の語法を活かした再話です。耳から聞いてイメージする像、聞き手の中で起こる感情、これらは表現された言葉によって、かなり変わってくると気づきました。テキスト選びや、再話について、大きな課題として心に響きました。

ジャックと豆の木 『語りの森昔話集1』語りの森

再開された小学校のおはなし会に向けて練習で語られました。語りを初めて聞く子も含まれる3年生なので、学年を下げた形でプログラムを組んでいるとのこと。

ヤンさん…3年生なら、繰り返しの2回目と3回目は、アイテムの言葉だけを立てて、テンポアップして語る。 私が気になっていた所、豆の数え方で…「両手にふたつずつと口に一つ」と、ジャックはすぐに答えました。ここは子どもはどんな反応をするのかな?と思っていたんです。ヤンさんは手を使って「両手にふたつずつ(両手に豆をふたつずつ持つ)と口にひとつ(指一本を口に)」とする。子どもにかしこい~と思わせて、子どもとのやり取りができるし、ストーリーに戻れると。なるほど~!低学年の純粋さを忘れてました!数字って抽象的ですもんね。

語り手の方から、ヤンさんから受けとるものがたくさんありました。ババ・ヤガーの勉強会の今後の話もあり、感謝の気持ちとともに、ここから自分は何ができるか。何がしたいか。どうなりたいか。自分の内側を刺激されました。

【中級クラス変更点】

〇エントリーは1ヵ月前のクラスでする。出典も言う。

〇日常語のエントリーも中級でする。

〇毎週月曜に更新する秘密基地で連絡事項をチェックする、次月エントリー者のテキストを参加者各自がコピーして持参する。

次回は10月17日火曜日です。