「手なし娘」 講習会のこと、蛇足  byヤン

4月の講習会のこと、ちょっとだけ補足説明しますね。
ババ・ヤガーでは、お話歴5年以上の人のための勉強会をしています。中級講
座って呼んでいます。
隔月でやっていますが、年に1回ほど基本講義をします。いつもはメンバーだけ
でやるのですが、今回は、興味をお持ちのかたに広くお声をかけていま す。
というのは、ヤンが講義の準備をしていて、めちゃおもしろいことを発見したの
です〜!
えっとね、お話は選びが8割って、いうでしょ。それで、「お話の選び方」を、
具体例を挙げて講義しようと思ったの。
具体例には「手なし娘」を選んで、資料を探しはじめたんです。
みなさんよくご存じなのは、日本の「手なし娘」とグリム童話の「手なし娘」。
さて、あなたはどちらを選びますかってことなんですが。
両者はあらすじはほとんど同じです。でも、なぜ手を失ったか、どうやって手が
戻ってきたか、が、まったく違うんですね。
日本の「手なし娘」では、子どもが水に落ちそうになって思わず手を伸ばそうと
したら、バンって手が生えますよね。感動的なシーンです。
なのに、どうしてグリム童話にはそのモティーフがないのだろう。これは日本独
特の発想なのかしら。
これはテーマと深くかかわる大事なところです。
それで、調べ始めたら、ヨーロッパのあちこちに「手なし娘」が伝わっていまし
た。それらを集めて読んでみたら、なんと!なんと!
あとは聞いてのお楽しみ〜
インドにも「手なし娘」がありましたよ。
類話の探し方やどんな昔話資料があるかということなどを、みなさんにお話しよ
うと思います。自分でも調べられるようにね。
類話を集めて読み比べると、同じ話型でも民族によってテーマやストーリーに違
いがあるのが分かります。その話がどういう話かということが立体的に 見えて
くる。
そうやって、その話の世界をふくらませたうえでテキストを選ぶと、語りが変
わってくると思います。
興味をお持ちのかた、どうぞいらしてくださいね〜
ヤン

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